アナグルモール(漫画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『アナグルモール』とは『週刊少年サンデー』にて連載された、福地翼によるバトル漫画作品。間人と呼ばれる特殊能力を持った地底人同士が派手なアクションを繰り広げるファンタジー作品となっている。コメディ要素も多く、ギャグとバトルのバランスが良い人気の少年漫画である。地底人である間人の少年・ルチルは、地上を征服する為、地上人のふりをして弱点を探るスパイであった。日本に住む草薙家にホームステイすることになったルチルは、そこで家族の愛情や地上人の強さを知り、やがて地上人と共闘する道を選んでいく。

ルイード「子供(ガキ)のおもりはこれで最後だぜ…」

一緒に旅をしてきた千羽を京介達に託す時のルイードのセリフ。
千羽に介抱されたことで恩を感じていたルイードは、「地上へ行きたい」という千羽に同行して旅をすることになる。旅の途中で千羽が間人ではないことに薄々勘付いていたルイードは、ルチル達が千羽を助ける為に地底世界に来たことを知り、千羽が地上人であることを確信する。ずっと千羽に騙されていたルイードだが、苦楽を共にしたことで千羽に情が移り、ゴルドフを裏切るのだった。
千羽の近くにいた間人を全て排除すると、ルイードは「子供(ガキ)のおもりはこれで最後だぜ…」と言って千羽を京介達の下へ放り投げて介抱の恩返しをした。

ストーカーがサイコドールと和解するシーン

体が大きく怪物のような見た目から、化け物扱いされ迫害を受けてきたサイコドールは、自分以外の間人は全て敵だと認識していた。しかし、サイコドールのそんな過去や事情を知らないストーカーは、急に襲ってきたサイコドールに文句を言う。
何を言っても聞く耳を持たず暴れ回るサイコドールにストーカーは業を煮やして、イラストで自分は敵ではないと伝える。ストーカーの描いたイラストを見たサイコドールは、ストーカーが敵ではないことを理解し、攻撃を止めて和解した。その後はストーカーを仲間と認識して、無意味に暴れることなくなるのだった。

ストーカー「さっさと行きたまえ。ボクは忙しいんだよ」

千羽が地上世界へ帰る為の道を用意したストーカーが、千羽とすれ違う時に投げかけたセリフ。
ストーカーにとって、千羽は天使であり、なにがあっても守らなくてならない大切な人である。しかし、千羽にとっては偶然似顔絵を依頼しただけの絵描きであり1度しか会っていない為、記憶に残っているかすら怪しかった。ストーカーは自分が千羽に認識されていなくても、千羽が幸せになる為の踏み台になれるならそれで満足だった。
千羽がストーカーの横を通り過ぎようとした時、無言で千羽を見送ろうとするが、千羽はストーカーの姿を見て以前であった絵描きであることを思い出して声をかける。1回きりしか会っていないにもかかわらず、千羽が自分のことを覚えてくれていたことにストーカーは感動してしまう。しかし、千羽の前でかっこつけたいストーカーは、「さっさと行きたまえ。ボクは忙しいんだよ」とわざととぼけたふりをして見送るのだった。

アルル「明るい!すずしい!青い!高い!白い!モコモコ!えーと!えーと!」

アルルが千羽と京介と共に地上世界へやってきた時に空を見上げて発したセリフ。
生まれてからずっと天井に覆われた薄暗い世界で生きてきた間人のアルルにとって、地上世界にある空の青さや太陽の光は全て新鮮に見えた。
普段はクールで不愛想な態度のアルルだが、この時ばかりは興奮が隠し切れない様子で「明るい!すずしい!青い!高い!白い!モコモコ!えーと!えーと!」と、目を輝かせて驚いていた。

『アナグルモール』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

誠が着ている熟語入りTシャツは十羽子のハンドメイド

京介(右)は自分のお気に入りの熟語を十羽子(左)に刺繍してもらっていた

草薙家の三男・誠は、作中で熟語入りのTシャツを着用している。実はこのTシャツは、母親である十羽子が刺繍で文字を入れたハンドメイド作品である。その多くは京介が小学生だった頃に作ったもので、誠が着ているTシャツはほとんどが京介のお下がりである。
このことは単行本3巻のカバー裏で明かされている。

『タッコク!!!』の主要キャラクター・丸の内ガクと堂島ヒカリがゲスト出演

『タッコク!!!』に登場する堂島ヒカリ(左)と丸の内ガク(右)

ストーカーの説明痔に堂島ヒカリが本作に登場する

回想シーンでストーカーが飾っていた似顔絵の中に丸の内ガクがある

本作の1巻に、原作者である福地翼が以前連載していた『タッコク!!!』という卓球ラブコメ漫画に登場する丸の内ガク(まるのうち がく)と堂島ヒカリ(どうじま ひかり)が、ゲスト出演しているシーンがある。
草薙家で千羽がストーカーに被害に遭っているという話が出た時、ストーカーを知らないルチルに誠十郎が説明するシーンで堂島ヒカリが登場している。また、ストーカーの回想シーンでは、飾っていた似顔絵の1つに丸の内ガクが描かれている。

ノエルの目的や正体は謎のまま

最終話で、ノエルが蘇生させられている様子が描かれているが、その詳細は一切不明のままである

地底世界のキングであるノエルだが、他人の体を着ぐるみのように脱ぎ着できたり他人のマジナグラムを自在に操ったりと、最も謎が多いキャラクターとして描かれている。
物語の冒頭では、地上世界を征服することを目的にルチルやクワトロールを地上世界に派遣して情報を集めようとしていた。その後も部下をわざと死亡させて生き返らせる実験を行ったり、地底世界を裏切って逃げようとするルチルを阻止しようとするなど謎の行動が多い。
物語の終盤でルチルによって瓦礫を落とされ生き埋めにされるが、最終話では140の肉片になりながらも侍女達によって体を蘇生されている。ノエルは蘇生する機械の中にいる間、「ルチルは特別な存在」「こんな所で終わってもらっちゃ困る」と口にしており、ルチルとは特別な関係であることを示唆するセリフも発している。しかし、本作が打ち切りという形で最終話を迎えてしまったこともあり、それ以上のことは明らかにされておらず、ノエルの目的や正体は謎のまま物語が完結する。

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