うえきの法則(漫画・アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『週刊少年サンデー』(小学館)に、2001年34号から2004年46号まで連載された。単行本は小学館:少年サンデーコミックスより全16巻。
正義感の強い中学生・植木耕助が異能力を駆使して悪と戦う姿を描いたバトル漫画。
連載終了後には2005年4月4日から2006年3月27日までテレビ東京系でアニメ化され、大好評に終わった。

『うえきの法則』の概要

天界において、誰が次期の『神』に就任するかを決めるため、100人の天界人次期神候補がそれぞれ才能を見込んだ地上の中学生達を選び、能力を与えて代理戦争させるという能力者バトル漫画である。

『週刊少年サンデー』(小学館)に、2001年34号から2004年46号まで連載された。
単行本は小学館:少年サンデーコミックスより全16巻、累計発行部数は350万部。作者は福地翼氏。
また、これに伴い、続編にあたるスピンオフの『うえきの法則+』が同誌に、2005年19号より2007年29号まで長期の休載期間をはさみながら連載された。

連載終了後、2005年4月4日から2006年3月27日までテレビ東京系でアニメ化された。
全51話、アニメではわたなべひろし氏が監督を務めた。

『うえきの法則』のあらすじ・ストーリー

神の座を巡り、天界に住まう人々、天界人の中でも特別な「神候補」が自分の選んだ人間の中学生に固有の特殊能力を与え、他の神候補の選んだ中学生と戦わせる。
最後に勝ち残った中学生の担当神候補は神に、中学生は「自分の好きな才能を何でも手に入れられる『空白の才』(くうはくのざい)」を手に入れることが出来る。

そんなバトルが開催された中、神候補の一人・小林先生は人間界に正義がないことに絶望していた。
そんなある時、主人公「植木耕助」の行動に正義を垣間見て、その正義が本物かどうか確かめる為、植木にバトルの詳しい情報を一切与えぬまま「ゴミ」を「木」に変える能力を与える。
結果、植木の正義を認めたコバセンは植木にバトルに参加することを勧め、植木は半ば強引にバトルに参加することになる。

当初は戦いに消極的であった植木だが、世界の「秩序」を消滅させ、新しい世界を作る事を目論む「ロベルト」との戦いで自分を助けて地獄に落ちた小林の遺志を継ぐ為、また大勢の悪人が「空白の才」を狙っていることを知り、それを阻止する為に戦いに身を投じる。
まずはロベルトの手下である「ロベルト十団」に勝つ為の術を探していた植木は、天界獣(天界に住む生物)のテンコと出会う。
テンコは天界人と人間を鼻で嗅ぎ分けることができ、植木が人間ではなく、天界人であるという。
最初は信じなかった植木だが、天界人であれば「神器(天界人の扱う武器)」の力が扱えるという言葉を聞き、強くなる為、テンコに神器の扱い方を教わることになる。
そして「覚醒臓器(天界人の強さを高める力)」で神器を習得した植木は、仲間たちと共にロベルト十団を壊滅に追い込む。
そして、彼らの本拠地であるドグラマンションに乗り込み、ロベルトと戦う。
数々の戦いを経て強くなった植木ですら、互角の強さを見せるロベルト。
しかし、戦いの最中、自身の攻撃で崩れた建物の瓦礫で、ロベルトは危機に晒されるが、植木がこれを庇い、重傷を負う。
なぜ助けたと問うロベルトに、植木は助けたかったから助けた、と回答。
ロベルトも地上に捨てられた天界人であり、地上で迫害を受けた過去を持っていた。ロベルトは植木が今まで地上であった人間とは違うことを理解し、戦意を喪失、その場を立ち去っていく。
世界の秩序を滅ぼす、という自分の行動に疑問を持ち始めるロベルト。
そこで父であるマーガレットに疑問を打ち明ける。しかし目の前にいる父親だと思っていた人物は13年以上前からマーガレットの体を乗っ取った別人で、ロベルトを人間界に堕とした張本人だという衝撃の事実を告げられる。
そしてロベルトの父になりすましていた人物は地獄人(地獄界の住人)で自分の息子である「アノン」にロベルトと戦うように言い、ロベルトはアノンに敗北する。他者の姿形、能力を奪う事が出来る「守人」の力を持つアノンにより、取り込まれてしまう。

それだけに留まらず、アノンはその力によって、このバトルのルールを作った現職の神様すら取り込み、バトルのルールを変えてしまう。
そのルールは「自分を倒せなければ世界を滅ぼす」というものだった。
しかし、神を取り込むことも含めて、それはアノンの父の「神の座を奪い、天界を支配する」という計画とは大きく違っていた。
アノンは父親の言うことに従っているように見せて、実は「神の座を奪う」という守人一族代々の使命を果たす気など毛頭無く、自分自身の夢を叶えるために、ロベルトや神を取り込む機会を待っていたのだ。
「使命などに縛られること無く、自分の人生を自分で切り開き、自分の幸せを得るため。」周りの障害、つまり全ての人間、天界人、地獄人を滅ぼすこと、それがアノンの目的だった。
もはや種族など関係なく、全ての人々がアノンを倒す為に動き出した。
しかしロベルトを、神をも取り込んだアノンの力に、植木を含めて誰一人歯が立たない。
そんな絶望的な状況に現れたのは、アノンの父だった。
彼は世界が滅ぼされては神の座も何もない、守人の目的も果たされない、とアノンの討伐を植木に頼む。
その協力により、植木は天界人でもっとも強いランクを表す「十ツ星」になり、アノンと対決。
植木の十ツ星神器「魔王」によって敗れ去る。
神を解放した後、アノンは地獄界へと強制送還された。

そして、当初の目的であった「空白の才」を手に入れた植木は「再会の才」と記し、普通の日常に戻った後、かつての恩師との「再会」を果たすのであった。

『うえきの法則』の用語

能力者

神候補に「能力(ちから)」を与えられた中学生。
この能力と、人が元々持っている才能「才(ざい)」を駆使して戦う者を、作中では能力者と呼んだ。
能力者は非能力者を能力で傷つけると「才」を1つ失い、持っている才が0になると存在が消滅する(このペナルティは「戦いに参加していない者を巻き込まないためのルール」らしい)。

また、バトルのルールで他の能力者に気絶させられると能力者でなくなり、勝った方は「才」が1つ増える。

AをBに変える能力

神候補が中学生に与えた能力。
AをBに変える、の通りに、「ゴミ」を「木」に、「ビーズ」を「爆弾」に、など、そのパターンは様々だが、総じて変化するモノに共通する点は必要なく、条件さえ満たせば人間さえ操れる。

能力発動に関しては「限定条件」と呼ばれる発動条件が設定されており、あまりに強力すぎる能力は限定条件を満たすのが難しくなっている。
一番発動条件の厳しい能力が、相手の精神や思考に直接作用して変えてしまう「洗脳系」の能力。
ヒロインである「森あい」は後々、この最強に類する能力を、一番くだらない形で手に入れてしまい、色々と悶絶することになる。

レベル2

能力がレベルアップすることで、さらに特殊な超能力が付与された状態、またはその超能力のこと。
能力をレベル2にするには「レベル1の天界力を完全に使いこなす」その上で「強くなりたいと心の底から願う」という条件を満たす必要がある。

神候補がこのことを能力者に教えるのは禁止されているのもあって、ロベルトのような天才を除き、通常の方法でレベル2になるのは非常に難しいとされている。

才(ざい)

人が持つ才能のようなもの。単位は「○件」か「○個」で表記される。"才"を持っているとその分野のことが得意になる。逆に持っている"才"を失うとその反動でその分野のことが極端に苦手になる。
例えば「走りの才」を持っていると速く走ることができ、それを失うと一気に足が遅くなる。
しかし"才"はあくまで才能でしかない為、"才"が無くても努力次第である程度はどうにかなるらしい。

能力者の平均的な持ち才の数は、約160件。
バトルでは能力者を倒すことで"才"が1つ手に入り、能力者以外を能力を使って傷つけるたびに"才"を人数、または回数分失う。持っている"才"が全て無くなった人物は消滅してしまう。

バトルの鍵となっているため、この「才」のルールに限り、神様でさえも改変することが出来ない。物語の展開上、作品の中盤以降はこの設定に関する描写はほとんど無くなったが、バトルの最後の最後で重要な役割を果たすことになる。

神器

神器(じんぎ)とは、天界人の持つ武器。
天界人の強さのレベルである"星"を上げることによって使うことが出来るようになり、全部で10種類ある。"星"を上げるには最低5年の修行が必要。
普通の天界人は同時に複数の神器を出すことは出来ない(七ツ星神器除く)。それぞれの神器には、修得するための"鍵"が存在する。

一ツ星神器 鉄(くろがね)

巨大な弾丸を発射する大砲の神器。
普通は、大砲を腕に直接装備して放つ。
植木の場合、木を媒介にしているので木の弾丸を撃つ。
防御用を除けば最弱の神器であるが、その利便性からかストーリー終盤でも頻繁に使用された。

修得の鍵は「自覚」だが、作中では形式的に「自分は天界人だ」と発言するだけで修得できたため、本来の意味での自覚とはやや異なる。
自分が天界人だという自覚があれば良いため、天界人なら誰でも使えるらしい。

二ツ星神器 威風堂堂(フード)

地面から出た巨大な腕が防御する盾の神器。
植木の場合、腕の部分が木でできている。
神器はぶつかり合うと高いレベルの側が勝るため、「鉄」以外の神器で攻撃されると壊れてしまう。
修得の鍵は忍耐。

三ツ星神器 快刀乱麻(ランマ)

Hideki6
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