ボールルームへようこそ（漫画・アニメ）とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

雫のセリフ。
天平杯で優勝したものの「ボールルームクイーン賞」を逃し、悔しくて涙を流した雫だが、再戦を多々良に希望する。
しかし多々良が同じステージまで上がってくるまで待ってあげるのは一年以内だと言う。
気が強く踊りのレベルも高い雫は、兵藤がなぜ多々良に視線を向けるのかと考えていたが、天平杯で多々良の踊りには何かがあると気づき、このセリフを発する。
多々良は雫が自分を評価しもう一度戦いたいと言ってくれたことを嬉しく思い、何とかその期待に応えようと思う。
しかし大会に出るにはパートナーが必要になり、雫に応えるためには一年以内にパートナーを見つけ大会に出なければならないのであった。

「今まで僕がやってきたことは なんだったんだ…!?」

千夏と多々良がペアで練習するシーンにて、リードとフォローを入れ替え、千夏がリードを、多々良がフォローをするというチャレンジをする。
千夏は昔リーダーをしていた事があり、フォローよりもリードの方が得意だった。
「この“支配されてる”みたいな感覚が『リード』なのなら だったら今まで僕がやってきたことは なんだったんだ…!?」と、多々良は驚愕する。
真子と一体となって踊り、それなりに自信もついた多々良であったが、いきなりその自信を喪失してしまう。
自分は真子に対して支配するようなダンスはしていなかったが、一般的に社交ダンスとはリーダーがパートナーを操り、リーダーの実力が採点基準となるのであった。
多々良はこれまで自分がしていた自分を消しパートナーを生かすダンスを考え直さなければならず、1から社交ダンスを習うため、小笠原ダンススタジオからマリサのスタジオへ移動するきっかけとなった。

「騙されたと思ってついて来て」

千夏と正式にペアを組むことになった多々良の、決意表明のシーン。
公式戦からしばらく離れていた千夏をパートナーに引っ張り出すということを自覚して、千夏の負担を軽くしようというまっすぐなセリフ。
じゃじゃ馬と評される千夏であるが、多々良の意思であれば何処へでも付いて行く決心をした。
これまで相手の気持ちを伺っていた多々良であったが、少しずつリーダーとして千夏を引っ張りはじめる。

「私にとってあなたは謎」

雫のセリフ。
マリサの所有する別荘にて、兵藤・雫ペア、多々良・千夏ペア、賀寿・真子ペア、釘宮・井戸川ペアが合同合宿をすることになる。
そこで多々良は千夏と喧嘩してしまう。
多々良を心配し、雫は自分がもう一度戦いたいと言ったのが重荷になっているのかと聞く。
多々良は本当は雫と兵藤と戦いたいわけではなく、二人の事が好きだから同じステージに立って、二人の印象に残りたいのだと吐露した。
「誰かの印象に残るダンスがしたい」という多々良に対して、雫は「野心的だ」と笑う。
そして天平杯の多々良と真子のダンスを思い出しながら、人の心に何かを刻む表現者がいるなんて衝撃だと言い、雫は多々良を「謎」と評価する。
謎ということは解き明かしたいという意味でもあり、これは雫が多々良に興味を持っているという意味である。
千夏と上手く行かず迷走していた多々良にとって、多々良がダンスを始めたきっかけの一人でもある雫からのこの言葉は救いとなった。

兵藤のシャドー練のシーン

一人でやる「シャドー練（シャドー練習）」だが、兵藤のシャドー練にはパートナーが見えるという表現をしたシーン。
兵藤の練習にはパートナーである雫が想定されており、一人で踊っていても一人ではないのであった。
兵藤のリーダーとしての才能を表している。

多々良のシャドー練のシーン

多々良は兵藤のシャドー練を受けて毎日練習に励む。
兵藤の動きをコピーし、無意識的に同じく雫を想定して踊っている多々良の動きの中に、仙石は雫の幻覚を見る。
兵藤は天才かもしれないが、多々良もスタートは遅いものの努力型の天才だということを表しているシーン。

替え玉出場のシーン

スタンダードだけ替え玉をすることになってしまった多々良が、目で盗んだ兵藤・雫の専用の振り付け（バリエーション）を会場で披露し、関係者の度肝を抜くシーン。
即興のペアであるにも関わらず、目で盗んだだけの技術をその場で合わせられる多々良の才能に仙石たちは驚愕した。
しかし素人も同然の多々良は他のバリエーションを知らず、知ってる技や見た事ある技を繋いでその場を凌ごうとする。
雫はデタラメな多々良のダンスに驚くが、何故かそんな多々良に踊らされている自分にもっと驚いた。
多々良と雫はまともに踊った事は無いが、シャドー練で雫を想定して踊っており、だからこそ合わせられたようである。
だからって即興であわせるなんてそんな事は普通出来ないと、仙石は思う。
そして替え玉という状況下であるにも関わらず、多々良は楽しそうに笑顔で踊っているのであった。

ボールルームクイーン賞授与シーン

天平杯で、ペアとしての成績は7位と最下位だったものの、一番美しく踊っていた女性に贈られる「ボールルームクイーン賞」を多々良・真子組がかっさらうシーン。
「美しく女性を踊らせる」という勝負において、女性に与えられる「フロアの女性ではあなたが一番だった」というこの賞はとてつもない意味を持ち、賀寿・雫ペアを解散させることができた。
雫にとっては悔しい結果となり、一人トイレで泣くのであった。

四本足の眩暈