深夜食堂(Midnight Diner: Tokyo Stories)のネタバレ解説まとめ

安倍夜郎の描いた漫画『深夜食堂』を原作とし、2009年の10月期より放送された。好評につき2011年には「深夜食堂2」が、2014年には「深夜食堂3」が放送。2015年1月31日には「映画・深夜食堂」が公開されている人気作。素朴な人柄のマスターが深夜のみ開く食堂に集まってくる個性豊かな面々の、食べ物にまつわるエピソードが心をじんわり温めてくれる。

八千代

りりィが演じる。
熊本から出てきて、ウィークリーマンションに滞在して新宿に出没している。
踊り子のマリリンと仲良くなり、行動をともにする。
が、マリリンが養成所の同期から侮辱された時にその男性を平手打ちし、「ストリッパーのどこがいけないんだ」と激昂する。
八千代自身、伝説のストリッパー「ローズ美智代」だった。
「うちの息子は私の裸で稼いだお金で育ったけど、私はそれを恥ずかしいと思っていない」というセリフにマリリンは感動する。

健太

ゲンちゃんの息子で、中村咲哉が演じる。
義理の父親と母親に連れられてドイツに行くことになっていて、「深夜食堂」に本当の父親を探しにきた。

見どころ

食べ物の「ファンタジー」

この番組には高級料理というものは一切出てこない。
どこの家庭でも食べられる普通の食べ物、もしくはもっと貧乏でも食べられる手軽ななにかがいつもテーマになっている。
人間が食べ物に持っている記憶とはある意味の幻想で、好むものには何かしらの物語が付随してくる。
それは決して語られない小寿々の卵焼きの物語であり、ゲンちゃんの「ラーメンには海苔が乗っていないといけない」という信念であり、「焼きそばには四万十川の青海苔」という親の愛情だったりする。
それらを切ないけれどどこか心温まるエピソードとして展開することにより、より共感を得、視聴者の食べ物のファンタジーまで思いを馳せることとなる。

人間は全員が悪い奴ではない

初めは嫌味に描かれているキャラクターも、決してそれは生来の性格によるものではないということが必ず物語では描かれる。
マリリンに暴言を吐いた若者は素直に店外で反省し、嫌味な評論家はシンプルなバターライスにより郷愁を呼び起こして柔らかい雰囲気になり、喧嘩していたお茶漬けシスターズは友情を復活させる。
人間の「善」の部分を信じている作風だからこそ、全世界で配信されるほど受けているドラマだ。

名言・名セリフ/名シーン・名場面

「心にしまってる大切な思い出って、誰にでもあるもんね。でも、私の卵焼きの思い出、いつか竜ちゃんに聞いてもらいたいな」

1話目「赤いウインナーと卵焼き」では、小寿々が竜ちゃんが刺されて入院しているところへ三段がさねの弁当をマスターに作ってもらい、病院の屋上で食べさせるシーンがある。
そこで「心にしまってる大切な思い出って、誰にでもあるもんね。でも、私の卵焼きの思い出、いつか竜ちゃんに聞いてもらいたいな」ともらす。
第1話でこのセリフを持って来たことにより、これから先の物語が「誰かの食べ物に関する思い出」によるものだということがわかる、重要なセリフである。

「もっと単純でいいんじゃないかな、このお茶漬けみたいに」

3話目「お茶漬け」では、ミキの元カレとカナができてしまい、あわやお茶漬けシスターズ解散の危機になってしまう。
三十路をすぎると素直に謝ることもできない、というミキに、マスターはお茶漬けを出して「もっと単純でいいんじゃないかな、このお茶漬けみたいに」と諭す。
その後ミキは普段食べている梅茶漬けではなく「しゃけ茶漬け」を注文し、その後入店したカナは普段のしゃけ茶漬けではなく「梅茶漬け」を注文し、お互い「悪くないじゃない」と和解する。

「うちののれんくぐるんだったら、肩書きなんて置いてきな」

9話「アジの開き」でのマスターのセリフ。マリリンをストリッパーだと馬鹿にしたマリリンの元同期生を八千代がひっぱたく。マリリンの元同期生は、常連の小道とともに外でタバコを吸いながら自らの行動を反省している。そこにマスターがビールをコップ一杯持って現れ、「うちののれんくぐるんだったら、肩書きなんて置いてきな」という。
これはこのシリーズに共通する考え方であり、のれんをくぐった人間は役職や肩書きをすべて超えて、美味しいものを食べているという一点で連帯感を持つ。

「やっちまったこと、なかったことにはできねぇよ」

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