鬼灯の冷徹(鬼徹)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『鬼灯の冷徹』とは、江口夏実による漫画作品。2014年にアニメ化し、2017年冬に分割2クール編成で第二期が放送。日本の地獄を舞台に、日本神話・御伽噺・妖怪などを元にしたキャラクターが多数登場する。主人公「鬼灯」は、地獄の王「閻魔大王」の第一補佐官を務める鬼神である。カリスマ性を持った秀才であるがドSな性格の鬼灯を中心に、地獄での日常を描く。

『鬼灯の冷徹』の用語

亡者

現世で何らかの理由で死んでしまった者。死者。
あの世では魂だけの存在なため、煮ようが焼かれようが食べられようが何度も再生する。
そのため地獄で罰として何度も殺され再生するという罰を受ける。
本作では、大抵の亡者が反省していない。

獄卒

獄卒とは、地獄で死者を責める鬼のこと。
本作では地獄の社員のようなもので、鬼だけではなく動物や妖怪なども地獄で働いている。
働く時間は決められており、食堂や寮などがある。
休みもキチンとあり、給料もそこそこ良いらしく、地獄は割とホワイト会社な模様。

地獄で「獄卒」として勤務する鬼たちは、地上で悪事を働く「鬼」とは異なった種族である。
人間のようにコミュニティーを築いて生活している。
鬼灯のように位や力に秀でているものは鬼神と賞される。
唐瓜などの見た目が子供のような「小鬼」という種類もいる。

浄玻璃鏡(じょうはりのかがみ)

閻魔庁に置かれている、亡者の生前を映す鏡。
閻魔大王が裁判する際に使用し、亡者の犯した罪の様子が映し出される。
亡者が嘘をついていないかを検証する決定的な証拠になる。
リモコン操作で撒き戻したり早送りしたり出来るらしい。

人頭杖(にんとうじょう)

閻魔大王の持つ善幸・悪行を判別する杖。翁と女性の頭がついている。
悪行には翁が反応し口から炎を出し、善行には女性が反応し口から花を出す。
この杖を亡者の頭に付け、質問をし、嘘の答えを言うと翁の炎で焼かれる。
鬼灯曰く、嘘発見器。

『鬼灯の冷徹』の名シーン・名場面・見所

鬼灯の過去

鬼灯は元々は神代(歴史が始まる前、神話で伝えられている時代)に生きていた人間で、孤児だったが故に生贄に捧げられて死亡した。
鬼灯の体に鬼火が複数入って鬼となり、木霊の案内で黄泉へ来た。
この頃鬼灯は「丁」と名乗っていたが、閻魔大王にそれは召使を表す言葉で名前では無いと言われ、鬼火と丁で「鬼灯」はどうかと提案される。
丁はこの名前を気に入り「鬼灯」となった。
閻魔から黄泉の仕組みを変える改革をしようとしている話を聞き、鬼灯は亡者をいくつかの地域に分けて住まわすという提案をした。
この提案が現在の地獄の基盤となっており、現在の地獄を作る事に鬼灯も一役買った。
鬼灯は閻魔の作る地獄で働くために中国で裁判制度を学び、獄卒となった。
この時鬼灯に裁判制度を教えたのは白澤であり、2人はまだこの頃はお互いに良く知らない相手であったため、特に仲は悪くはなかった。
しかし鬼灯が白澤から色々有意義な知識を聞き出すために酒を飲ませすぎたのが原因で、白澤は現世で黄帝に捕まる事になった。
獄卒となった鬼灯は始めは補佐官ではなく普通の獄卒で、この頃の第一補佐官は黄泉の女王イザナミであった。
だがイザナミは無駄な地獄を増やしすぎてしまい、鬼灯に引導を渡されて補佐官を辞め、鬼灯が二代目の補佐官となった。
その後は変わることなく、現在までずっと鬼灯が閻魔の補佐官をしている。

鬼灯と白澤の確執

鬼灯と白澤の不仲には理由がある。
2人が初めで出会ったのは鬼灯がまだ子供の頃で、白亜紀から生きている白澤は現在と同じ姿のままであった。
この頃は子供と大人という関係だったためか、特に喧嘩になることもなかった。
しかし、鬼灯が大人になると白澤と近い顔つきになり、顔の似た2人は何かと比べる対象にされるようになる。
比べられて困ったのは白澤の方で、浮気性な白澤と真面目な鬼灯、顔が同じなら鬼灯の方が良いという理由で連続で振られてしまったのである。
白澤はこれを深く根に持ち、鬼灯の授賞式がある地獄の式典で、鬼門から現れて不吉とされる黒猫のぬいぐるみや鼻緒の切れた草履を撒き散らした。
この話を聞いた白澤の友人の麒麟と鳳凰は、慌てて白澤の仕出かした失礼な行動をフォローし、その場は何となく収まった。
しかし、鬼灯は何故こんな嫌がらせをしてきたのかは分からないながらも、白澤の事を明確に「敵」と認識した。
その後、中国と日本の「和漢親善競技大会」で2人は審判に選ばれる。
そこで賭け事をしたことでさらに仲は悪化し、現在は白澤の顔を見るだけで鬼灯が殴りかかるような関係になった。
一方的に白澤が悪そうではあるが、白澤は女癖以外の面では基本的に気の良い奴に分類されるキャラクターである。
その女癖の部分で鬼灯に劣等感を煽られ、鬼灯にだけは意地悪なちょっかいを出すようになった。
鬼灯の方も白澤の名前を聞くだけで舌打ちをしたり、何かにつけて白澤をボコボコにしようとする。
2人の喧嘩模様は本作の見所の一つで、女性ファンや作中の女性キャラクターに「鬼灯と白澤、どっち派?」と言われる存在。

本当は怖いカチカチ山

童話は、小さい子供が読みやすいように本来の物語が段々とまろやかな表現に変わっていることがある。
かちかち山もそんな作品の一つで、残酷なシーンがカットされているものもある。
残酷なシーンのカットされたかちかち山の物語は、とあるお爺さんとお婆さんの元に悪さをする狸が現れ、狸はお婆さんを怪我させてしまい、話を聞いた兎は狸と山へ行き、狸の持った薪に火をつけて狸を懲らしめ、狸はお婆さんに謝って改心するという物。
しかし、本来のかちかち山はもっと容赦のない内容となっている。
狸はお婆さんを殺し、お婆さんで婆汁を作ってお婆さんに化ける。
何も知らないお爺さんは婆汁を食べてしまい、狸は「爺が婆汁を食った!」と嘲笑い逃げていく。
この話を聞いた兎は狸と一緒に山へ出かけ、狸の背負っていた薪に火打石で火をつける(この時、石を擦り合わせるカチカチという音が「かちかち山」の名前の由来である)。
狸は背中に大火傷を負い、兎は薬だと嘯いて火傷に辛味噌を塗りたくり、狸は痛みで悶絶する。
その後兎は狸を誘って漁に出かけ、兎は木の船に、狸は泥の船に乗らせる。
当然狸の乗った泥舟は沈んでしまい、兎は助けを求める狸の頭を櫂で押さえつけ、狸を溺死させた。
兎は狸を殺し仇を取った、という結末が本来の物語である。
作中で鬼灯は、物語の残酷な部分を削ってしまうことで悪役となるキャラクターの悪役性が削られてしまい、物語の構造がおかしくなってしまうという。
例えば、桃太郎で鬼が何も悪いことをしていないのに桃太郎に退治されてしまうなどの違和感が起こってしまう。
かちかち山の兎である芥子は、生前にお爺さんとお婆さんにお世話になった兎で、死後桃源郷で修行をした後に狸の悪逆を知って復讐したという時系列になっている。
この過去があるため、芥子は狸という単語を聞いたためで凶暴な性格に豹変してしまう。

ざっくり分かるイザナギとイザナミの話

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