鬼灯の冷徹(鬼徹)のネタバレ解説まとめ

『鬼灯の冷徹』とは、江口夏実による漫画作品。2014年にアニメ化し、2017年冬に分割2クール編成で第二期が放送。日本の地獄を舞台に、日本神話・御伽噺・妖怪などを元にしたキャラクターが多数登場する。主人公「鬼灯」は、地獄の王「閻魔大王」の第一補佐官を務める鬼神である。カリスマ性を持った秀才であるがドSな性格の鬼灯を中心に、地獄での日常を描く。

『鬼灯の冷徹』の概要

「鬼灯の冷徹」とは、江口夏実による漫画作品。
短編漫画『非日常的な何気ない話』で第57回ちばてつや賞一般部門佳作受賞。
この作品を元にした作品『地獄の沙汰とあれやこれ』が漫画雑誌『モーニング』で読みきり掲載。
さらに改題し、本作『鬼灯の冷徹』となり、2011年から連載開始。
2012年に「全国書店員が選んだおすすめコミック2012」で1位を受賞。
2014年に「WIT STUDIO」製作でアニメ化。
2015年に同スタッフ作成のODAが原作コミックに同封。
2016年に同社刊の『なかよし』で、獄卒のシロの『鬼灯の冷徹 シロの足跡』(作画:柴もなか)が連載。
2017年に同スタッフで分割2クール編成で第二期が放送され、後半は2018年に放送。

作者「江口夏実」は、少女漫画やバトル漫画を苦手とした親の影響で妖怪漫画を読むことが多く、本作は「ゲゲゲの鬼太郎」などの有名妖怪作品に強く影響を受けている。
また母親が古典教師であったことから、古事記などの神話や民話を読む機会が多く、ゲーム『大神』などでも古事記に触れる。
日本の伝統美術にも興味を持ち、美大に入学して日本画を専攻したため、本作のカラーリングやモチーフなどは日本画からの影響が強い。

本作は日本の地獄を舞台にした日常ギャグ作品である。
主人公「鬼灯」は、地獄の王である閻魔大王の第一補佐官をしている、優秀でドSな鬼神。
鬼灯は地獄の業務を滞りなく行い、トラブルに対応し、あちらこちらを視察し、部下との交流も深め、頼りない閻魔大王の尻を叩く。
見ているだけで日本神話や童話などの知識も自然と身についてしまう広大な情報量の作品。
アニメ・漫画・映画・テレビ番組などのパロディネタ、あるあるネタ、時事ネタやブラックジョークが満載。

『鬼灯の冷徹』のあらすじ・ストーリー

あの世には天国と地獄の二つがある。
地獄は灼熱の「八大地獄」と、極寒の「八寒地獄」の二種類があり、さらにそこから細かく分かれ全部で272の地獄がある。
死者は十王と呼ばれる裁判官達から裁判を受け、天国・地獄のどちら行きか、地獄ならば何地獄に落とされるか吟味される。
戦後の爆発的な人口増加に比例して死者の数も増え、地獄は混乱していた。
主人公「鬼灯」は、地獄で起こる数々のトラブルを解決し、地獄を統括する影のカリスマであった。
鬼灯は地獄の王「閻魔大王」の第一補佐官で、地獄全体を把握し知恵を貸す、地獄のナンバー2である。

ある日、地獄に童話で有名な「桃太郎」と、そのお付きの動物で犬の「シロ」、猿の「柿助」、雉の「ルリオ」が現れる。
桃太郎は既に死者であり、天国の住人であった。
しかし過去の栄光が忘れられずに落ちぶれ、再び鬼退治をして名を馳せようと地獄にやってきたのである。
正直なところお付の三匹は暴走する桃太郎に嫌々付いてきていた。
桃太郎は鬼灯に勝負しろと申し込むが、鬼灯は鬼ヶ島の鬼と違って地獄の鬼は悪いことをせず真面目に働いているのだから退治される筋合いはないと言う。
そのまま鬼灯は桃太郎に定職にも付かずフラフラしてと説教をはじめ、逆上した桃太郎はタイマンで倒すと言い出す。
しかし明らかに強そうな鬼灯の佇まいに弱腰になり、お付の動物に先に戦うように言う。
三匹は嫌々であるが桃太郎に従い、鬼灯の前に一匹ずつ出て行く。
まずシロが「亀みたいなツリ目!」と鬼灯に悪口を仕掛けるが、鬼灯に「ソフトバ●ク」の一言で心が折れた。
シロは名前通り白い犬で、ソフトバ●クのCMに出てくるお父さんそっくりであった。
柿助は蟹から訴えられている案件を鬼灯に指摘され、トラウマを思い出してしまう。
柿助は桃太郎のお付きになる前は、猿蟹合戦の猿であった。
雉のルリオに至っては、鬼灯から特に印象が無いと言われて精神ダメージを負った。
次々と仲間がやられてしまった桃太郎は、物理的に攻撃しようと剣を構える。
すると鬼灯は棍棒を構え、易々と桃太郎の剣をへし折ってしまった。
鬼灯が何故こんな戦力で鬼ヶ島の鬼に勝てたのかと聞くと、鬼がお酒でベロベロに酔っ払っていたためのビギナーズラックだったのだという。
シロたちは諦めの悪い桃太郎に、桃太郎の事が好きだから一緒に来たが、これ以上過去の栄光や鬼に執着しないでくれと諭す。
鬼灯の提案で、シロと柿助とルリオは地獄にある「等活地獄」の「不喜処」で働く事になった。
不喜処は動物を苛めたものが落ちる地獄で、動物によって骨まで食べられる刑を受ける場所である。
不喜処は丁度従業員不足で困っていたところで、鬼灯の機転によってこの問題が解決された。
さらに桃太郎は桃源郷にある仙桃(中国神話に登場する不老不死になる桃)農園で働く事になった。
こちらも従業員不足で人材貸し出しの要請が来ていた所であった。
鬼灯はトラブルと各所からの要請を同時に解決したのであった。

桃源郷へ行った桃太郎はすっかり毒気が抜け常識人になり、仙桃農家をしながら桃源郷にある漢方店「うさぎ漢方 極楽満月」で、漢方の勉強を兼ねて働くことになった。
漢方店の店主「白澤」は、中国で非常に有名な大妖怪で、鬼灯とは犬猿の仲であった。
白澤は人型の女性全てを愛していると自分で言う程女癖が悪く、お店のお金を女の子に使い込んでしまう困ったさんである。
白澤と鬼灯は偶然に顔が似ており、2人は何かと比べる対象に上げられる。
女好きである白澤は、気に入った女の子から連続で鬼灯の方が好みだという理由で振られてしまい、鬼灯に対して嫌がらせをする。
その事が引き金となり、2人は険悪なムードとなる。
その後、中国と日本の間で行われた「和漢親善競技大会」で2人が賭け事をし、明確な決着が付かなかったことでさらに不仲は悪化した。
以降2人は顔を合わすと喧嘩するようになった。

新人獄卒の「茄子」「唐瓜」は鬼灯から指導を受け、長所を伸ばされつつ成長して行く。
アイドルの「ピーチ・マキ」は、地獄育ちでありながら地獄の仕組みを知らず鬼灯の事を知らなかったが、偶然鬼灯と出会い地獄の事を学ぶ。
その後、アニメの舞台で出会った「ミキ」とユニット「まきみき」を結成し、人気アイドルとなった。
他にも鬼灯とは幼馴染の獄卒の「お香」、かちかち山の兎である「芥子」、現世から地獄に移って来た座敷童子の「一子」「二子」など、多数の個性的なキャラクター達と共に地獄の日常が描かれていく。

『鬼灯の冷徹』の世界観

地獄とは

本作は「日本の地獄」と呼ばれる地獄が舞台。
地獄とは、仏教における地獄や、古事記や日本書紀などに出てくる黄泉の国の事であり、死んだ人間が行くとされている所謂「あの世」である。
生前悪いことをした人が刑を受けるのが地獄、悪いことをしなかった人が行くのが天国となる。
海外では培ってきた宗教や神話が違うため、地域で地獄の在り方も異なり、ヨーロッパのEU地獄やエジプト地獄などもある。
始めはただの黄泉の国であったが、閻魔大王によって現在の地獄の基盤が作られた。
地獄で働く鬼を「獄卒(ごくそつ)」と言い、本作では鬼だけではなく動物の獄卒も登場する。

亡者は生前の行いを裁判し、天国へ行くか地獄へ行くか決める事になる。
地獄行きの場合は、何の罪で何地獄に落とされるかを裁判される。
裁判は十王と呼ばれる裁判官に尋問されて行われ、最大三回忌(死亡後二年目)まで行う。
亡者は魂だけの存在なため、どんなに酷い目に遭っても死ぬ事はなく、定められた期間ひたすら刑を受ける事になる。
しかし逆に言えば刑を受ける期間が何千年又はそれ以上であっても、それが終わればちゃんと転生できる。
エジプト地獄では地獄に落ちると転生されることなく消滅するため、日本の地獄はまだ優しい方。

地獄には、灼熱の「八大地獄」と、極寒の「八寒地獄」に大きく分けられる。
本作の主な舞台は八大地獄の方となるが、八寒地獄も閻魔大王の統括下にある。
八大地獄には等活・黒縄・衆合・叫喚・大叫喚・焦熱・大焦熱・阿鼻の八つの地獄があり、それぞれにさらに細かく刑場が分かれ、全部で272ある。
例えば、等活地獄は殺生に関する地獄で生き物を殺した人間が行く地獄である。
動物を殺したり苛めたりした場合は、等活地獄内にある「不喜処」へ行き、動物の獄卒たちに骨の髄まで喰われるという罰を受ける。
本作のレギュラーキャラである桃太郎のお付の三匹(シロ・柿助・ルリオ)はここで働いている。
複数の罪を犯した場合は、獄卒にあちこち連れ回されて刑を受ける事になる。

等活地獄(とうかつじごく)

暴力や殺生をした者が落ちる地獄。
作中最も出番が多い地獄。
「不喜処」にはシロたち動物が獄卒として働いている。
仕事内容は亡者を襲い食べ、亡者が復活したらまた襲って食べるというもの。

屎泥処(しでいしょ)

鳥や鹿を殺した物が落ちる地獄。屎とは大便の事。
亡者は煮えたぎる糞尿の中に突っ込まれ責苦を受ける。
この地獄は亡者も嫌がるが、獄卒もかなり嫌がる地獄であり、「相当やらかした」人でないと左遷されないと言う。

黒縄地獄(こくじょうじごく)

窃盗と殺生をした者が落ちる地獄。
獄卒の茄子が黒縄地獄で取った岩を絵の具にして絵を書いたところ、動き出す呪いの絵になった。
殆ど不明。

衆合地獄(しゅうごうじごく)

邪淫をした者が落ちる地獄。
主に性犯罪者がここへ来る。
獄卒の七割が女性で、現代の価値観だとただのプレイになってしまっているという声も上がっている。
男性獄卒も恋の病に掛かってしまうものも多く、相当硬派か相当軟派でないと獄卒でもやっていけない地獄。
入り口には衆合花街という殆どボッタクリの歓楽街があり、絶世の美女「妲己」やその部下の野干(狐)、他にも狸などが商売をしている。
衆合地獄の主任は「地獄太夫」で、主任補佐が「お香」。
地獄太夫は室町時代の遊女で、生前は一休禅師の弟子だった人物。
お香はレギュラーキャラの一人で、鬼灯とは幼馴染。

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