まつりスペシャル（漫画）とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

コスプレでプロレスをする「ジョンソンズ」に所属の現役女子高生レスラー。本名は前野美々だが、美々丸（みみまる）がリング名である。スタイルが良く、美々丸のコスプレ姿でのプロレスは客から評判が良い。
性格は男にも負けない強気な女の子。弱い男には興味がない。自分がプロレスラーであることを誇りに思っているので、プロ意識もある。
まつりとは中学時代に柔道大会で対戦している。その時、美々が得意としていた技をまつりはいとも簡単によけ、優勝し美々は負けた。この敗北をきっかけに美々はまつりを永遠のライバルだと思っている。まつりに勝つためだけに必死に特訓し、プロレスラーになった。
千葉の興行で美々丸は念願だったまつりとリングで闘うことになった。美々丸はまつりを挑発するが、まつりは諸角が観戦に来ていることに戸惑い、美々丸の挑発を無視する。怒った美々丸は得意の「サソリ固め」をしかける。この試合は、負けた方が覆面をはぎとられるというルールだったので、まつりは美々丸に本気を出して倒す。結果、美々丸は負けてしまった。だが、そこで出会った重松に美々丸は一目惚れする。その勢いで、まつりたちの学園に転入してきた。
まつりが必死に「ハニープリンセス」であることを隠していることを理解している重松は、美々に「頼むから羽生の正体を明かさないでくれ」と頼む。美々は重松のことが好きなので、「付き合ってくれたたら羽生のことを秘密にしてあげる」と条件を出す。重松はまつりをかばい、美々と付き合うことになった。
美々はまつりにちゃんとプロ意識を持ち、本気で闘ってほしいと願っている。だから、まつりがまごころプロレス再建のために美々と練習することも快く引き受けた。だが、まつりの闘う相手がヤクザであると知ったときは本気で止めた。それでもプロ意識を持ったまつりが闘うことをやめなかったので、美々は何も言わずまつりを送り出す。
重松がまつりに告白し、美々に「付き合うふりをやめたい」と言った時も、美々は笑顔で受け入れた。でも本当は重松のことが大好きだったので、去り際に涙をこぼすが重松には見せなかった。
重松が北海道へ転校したあとも美々は学園に残り、学園生活を送っている。

その他の登場人物

ヤクザの親分

まごころプロレスに借金を取り立てにくるヤクザの親分。まさおが、ハニープリンセスが脱退したことによる穴を埋めようと思案し漫才を客の前で披露したところ、ブーイングの嵐でまごころプロレスはリングもろとも破壊されてしまった。そんな最悪の状況のなか、親分はヤクザの子分を引き連れ、まごころプロレスに借金の取り立てにやってきた。親分は、まつりの父がかつて覆面レスラー「ハニーギャング」として活躍していたことを知ってはいるものの、もうハニーギャングの時代は終わったと思っている。まつりがぐちゃぐちゃになった事務所を掃除していると、子分たちが勝手にリングにあがり、唾を吐く。その態度に怒ったまつりは、子分たちを投げ飛ばす。大の男たちをプロレス技でねじ伏せたまつりを見て、親分はまつりの身体能力の高さに感心する。そして、「まごころプロレスより規模が大きい会場でプロレスをしないか」とまつりを誘う。それは、「集英会（しゅうえいかい）」というヤクザ主催の試合だが、一晩の試合で30万のお金が手に入るというものだった。
まつりはまごころプロレスを再建するために、その試合に参加。しかし、まつりがわざと負けてヤクザ側に儲けが入るいわゆる八百長試合だった。ノールールのなんでもありの試合で、まつりは対戦試合のカズン・みちるにパイプ椅子で殴られる。そんなまつりを見て親分は「まったくあんな三流の所属団体のレスラーなんてこのくらいしか使いようがねえな」と手のひらを返した。だが、まつりはまごころスピリッツを思い出し、親分に逆らいカズン・みちるに勝つ。親分は話が違うと文句を言うが、会場に来たまつりの父に「よくもうちの娘に金ちらつかせてくれたな。借金はそのうち耳を揃えて返してやる」と言われ、投げ飛ばされた。

カズン・みちる

まつりがヤクザ主催の試合で対戦した相手。元アイドルのプロレスラーである。カズン・みちるが闘う試合はいつも八百長試合ばかりで、正当な試合をしたことがない。「プロレスなんてただのショーに過ぎない」とプロレスを馬鹿にしている。
まつりとの試合では、ゴングが鳴った瞬間に会場にあったパイプ椅子でまつりの頭を殴る。まつりは頭を強打し、その場に倒れこむ。カズン・みちるは容赦なくもう一発パイプ椅子で殴る。もうまつりは立ち上がることができないと思ったカズン・みちるは、ずるずるとまつりを引っ張り試合終了のカウントをするように言う。だが、まつりが父の言葉を思い出し立ち上がった。まつりに両手封じで投げ飛ばされた後、とどめのブレーンバスターを仕掛けられ、カズン・みちるは敗北した。

『まつりスペシャル』の用語

まごころプロレス

まつりの父親が経営するプロレス事務所。経営難で、やられっぷりに人気があるハニープリンセスが唯一の稼ぎ頭となっている。館内にはリングがあり、まごころプロレスの頭文字をとり「MGP」のロゴがリング中央に印字されている。一階は試合や練習用のプロレス事務所だが、二階はまつりの実家である。まつり、父、そしてまごころプロレスの居候たちが暮らしている。

ブレーンバスター

プロレスの定番技。「ブレーンバスター」という名の通りに相手の脳天を破壊する技である。日本では「垂直落下式」と呼ばれる。相手の履いているタイツを掴んで一気に持ち上げる。そして、相手が垂直に制止するのを待つ。持ち上げた側は垂直になった相手の胸にあてがり、倒れこむ。いかに相手を垂直に持ち上げるかが、この技の鍵である。原作では、ハニープリンセスはジャンプ丸田からこの技をくらっている。

ニールキック

プロレス技のひとつ。「後ろ回し蹴り」とも言われ、空手やテコンドー、キックボクシングでも用いられる技。ニールキックをする側は、まず回転しながら体を相手に浴びせるようにする。そして足の背側を回転しながら叩きつける。ストーリーのなかでは、「ハニープリンセス」であることが重松にバレそうになったまつりが、学校の屋上から逃げようとする。だがまつりは重松に腕を捕まれたのでニールキックをした。

サソリ固め

美々丸の必殺技。実際のプロレスでも取り入れられている。仰向けの相手の両足を取り、真ん中から相手の胴体をまたぐように、仕掛け側の足を入れる。仰向けになっている相手の体をひっくり返す。そして、相手の体に乗りかかるようにして負荷をかける。絵のように、美々丸に技をかけられたまつりの腰にはダメージがかかる。

ジャイアントスイング

まつりが、試合を観に来ている諸角に顔を見られないようにと仕掛けた技。仰向けになった相手の両ひざを自分の脇の下に挟み、持ち上げる。それから抱え上げて回転する。回された方は平衡感覚を失う。美々丸は三半規管が弱いので、この技で一気にやられた。