フラウ・ファウスト(漫画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『フラウ・ファウスト』とは、ヤマザキコレにより2015年から『ITANコミックス』にて連載されたファンタジー漫画。物語の舞台は、18~19世紀頃のドイツをモデルとした世界。契約していた悪魔から不老不死の呪いを受けたファウストが、悪魔メフィストフェレスと再会するまでの100年の物語である。ファウストがメフィストフェレスを捜す理由とは何なのか、人や悪魔たちの複雑な心情が絡み合う様が魅力的な作品だ。

ヨハンナ(手前)亡き後、孤独を思い知るメフィストフェレス(奥)

ヨハンナの言っていた「100年の孤独の道」を、彼女を失ってから理解するメフィストフェレス。

ヨハンナがメフィストフェレスに怒っていたのは、100年という年月を独りで歩かされたからであった。
殺されて不老不死の呪いをかけられたことでもなく、勝手にゲームを開始されたことでもない、ただ独りで生き歩まされたことを怒っていたのだ。
メフィストフェレスのおかげで探求を続けられたから、その礼として魂をあげようと殺されたというのに、待っていたのは孤独な100年という歩みであった。
ヨハンナが最期に告げた「今度はお前の番だ」という言葉の通りに、メフィストフェレスはヨハンナを失って初めて彼女の言う「100年の孤独な道」を理解した。
そしてもうその孤独が癒えないことも理解し、「悪魔よりも悪魔のような人間だな」と独白するのだった。

『フラウ・ファウスト』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

特装版特典はファン必見の内容

『フラウ・ファウスト』は、3巻以降は特装版として特典の小説や絵本が同封されている。
仲間たちが語る、ヨハンナと悪魔・メフィストフェレスの姿を綴ったスぺシャル小説や、「ファウスト博士とメフィストフェレスの伝説」をモチーフとしたオールカラー16ページの絵本など、ファン必見の特典ばかりである。
美しい世界観をより楽しむための要素が盛りだくさんの為、見て知って損はない内容になっている。

担当編集者により明かされる誕生秘話

www.crank-in.net

総合エンタメニュースサイトである『クランクイン』に、『ITAN』編集部石井裕紀子氏が語る『フラウ・ファウスト』の誕生秘話が掲載されている。
記事では、少女の姿をしたファウストという全く新たなファウスト像を描く大胆なストーリー構想の始まりや、メフィストフェレスのデザインが決まるまでの逸話などが語られた。
『フラウ・ファウスト』誕生の裏側を知ることができる、ファン必見の内容である。

読んで損はないあとがき

『フラウ・ファウスト』の巻末には、作者によるあとがき漫画が掲載されている。
物語の裏話や雑談が語られるこのあとがきだが、中世の生活や悪魔についての知識など、知っているとさらに物語を楽しめる内容だ。
『フラウ・ファウスト』の「フラウ」とは英語で言うところの「ミセス」であり、実は作品名が主人公の性別ネタバレになっていたりという、裏話を楽しむこともできるのだ。
他にも作品の世界観を支える悪魔などについての知識も語られており、登場人物たちの名前の由来やモチーフなども明かされている。
ファンタジー好きには特に必見なあとがきである。

husakubu
husakubu
@husakubu

Related Articles関連記事

魔法使いの嫁(まほよめ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

魔法使いの嫁(まほよめ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『魔法使いの嫁』とは、ヤマザキコレによるマンガ作品。2014年1月号から9月号まで「月刊コミックブレイド」で連載された後に「月刊コミックガーデン」へと移った。この物語は、夜の愛し仔(スレイ・ベガ)である「チセ」が異形の魔法使い「エリアス」に買われるところから始まる。人ではない者が見えることにより、たくさん傷ついてきたチセは、その能力により様々な出会いを繰り返し自分と向き合っていくのであった。

Read Article

【2015年度版】絶対読むべき!書店員が選ぶオススメ漫画TOP15【ハズレなし】

【2015年度版】絶対読むべき!書店員が選ぶオススメ漫画TOP15【ハズレなし】

大量の漫画が世の中に溢れている現代、「全国書店員が選んだおすすめコミック」というランキングが毎年発表されています。時代を超えて愛されている漫画から日々登場する新しい漫画まで、常に一番近くで目にし続けている書店員だからこそ知っている良さがありますよね。この記事では、そんな全国の書店員が選んだ2015年度のオススメ漫画TOP15について紹介しています。

Read Article

目次 - Contents