ブラックナイトパレード(中村光)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ブラックナイトパレード』とは中村光による漫画作品である。2016年から2019年まで『週刊ヤングジャンプ』にて連載していたが、2019年から『ウルトラジャンプ』にて移籍して連載している。大学受験に失敗し、就職活動も上手くいかず、3年間コンビニのアルバイトをして生活をしている主人公の日野三春が奇妙なサンタの会社に就職することなり悪い子のために黒いサンタとして働き始める。個性豊かな同僚たちと会社の謎に迫っていくクリスマスファンタジーコメディである。

DONDER(ドンダー)

人を動かすことができる能力を持つ。ただしドンダー本人の味方にのみ効果が出る。能力の効果が出る時間は最長10秒間である。
体中に高圧の電気が流れている状態で、能力を使うと静電気で体が光って見える。同じくトナカイのブリッツェンも体に電気が流れているため、能力発動中に近づくと放電し危険である。

BLITZEN(ブリッツェン)

手のひらから電撃を放つことができる能力を持つ。「ドンダー」とは対のような存在で相性が良い。ドンダーの命令が効きやすく、どれだけ距離が離れていても命令の行動をとってしまう。命令により強力な力を発揮することもできる。

RUDOLPH(ルドルフ)

9人のトナカイのリーダー。巨大な縫い針とリッパーを持っている。縫い針は人や物、人同士を縫い付けることができ、痛みはない。リッパーは武器として使用する。
縫い針は赤いサンタクロースが使用していた道具である。

クリスマスホリデー

サンタクロースだけが入ることができ、1年後の12月25日がループする世界。24時間経つと元の世界へ戻ることができる。この世界を利用して「悪い子」を集め黒いサンタクロースにする。

静かなる夜(サイレント・ナイト)

現実世界の裏側にあり、その年の12月24日をループする世界。この世界を利用してプレゼントを配っている。

ポーソン練間北口店

三春とカイザーが働いていたコンビニ。実はサンタクロースハウスが経営している店舗であり、サンタクロースを育成するための機関であった。三春とカイザーが働いていた深夜勤務はありえない量の客が押し寄せていた。

『ブラックナイトパレード』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

日野三春「でもぼくもうクリスマスいらないんだ!」

三春が4歳の頃、クリスマスを家族で過ごせない三春のことを可哀想に思ったおばあちゃんが、「ケーキもあるしなんでも好きなものを買ってあげる」と声をかける。すると三春は笑顔で「でもぼくもうクリスマスいらないんだ!」と返した。
三春が4歳の年のクリスマスは、母親がストレス性の病気で入院していたためおばあちゃんと2人だけだった。その夜に三春は赤いサンタと黒いサンタに出会う。「なんでも君が1番願うものを」と2人のサンタはプレゼントの代わりにブラックカードを渡した。幼い三春は母親が入院から帰ってくるまでの10ヶ月間でそのカードで大量のおもちゃを購入する。帰ってきた母親は衝撃を受けた。家の口座やおばあちゃんの貯金にも変化はないので一体どうやってここまでおもちゃが買えるのかと悩んでいるうちにまたストレスで倒れてしまい、入院することになってしまう。
2度目の入院で母親の死を意識した三春は怖くなり、「困ったら電話して」とサンタに言われたお客様センターに電話をする。電話に出たサンタに「おもちゃがあるとお母さんが困るから」とおもちゃを返すと言うが、カードで購入したのはネットの通販であるため返品はできないと言われてしまう。それならと、サンタは三春がサンタになって良い子にプレゼントを分けてあげることを提案した。三春は「ぼくがサンタクロースになる」と言い、子どもたちの手紙を見ながら自分1人でプレゼントの準備を開始する。
もらった時に嬉しいようにとラッピングもちゃんと考えて、ご飯も食べずに作業を続けた。「自分はもう一生分のクリスマスをしたからぼくのクリスマスはみんなにあげる」という思いだった。自分も同じような子どもであるにもかかわらず、他人のことを思い行動する。三春の根底にある優しさを非常によく表したセリフである。

日野三春「全部無くしちゃおう こんなの君が背負うべきものなんかじゃないから」

三春が高校生の時コンビニでバイトしていたカイザーに言ったセリフ。
バイトの同僚が勝手に5000個の苺大福を入荷したことで、カイザーが罪を着せられ絶望していた。そのコンビニにを偶然受験を当日に控えた三春が利用する。異常な様子の店内に驚き事情を聞くが、その時は試験時間が迫っていたためコンビニを後にする。
試験会場で苺大福を発注した本人だと思われる女性と遭遇し、実は有名人だったその女性のSNSを利用してカイザーが働くコンビニの苺大福を受験合格祈願として販促する。するとコンビニに大量の客が苺大福を求めて殺到した。
1人でレジをするカイザーを助けるため三春もレジに入る。状況が飲み込めないカイザーに三春は後で説明するとして、「とりあえず全部無くしちゃおう こんなの君が背負うものなんかじゃないから」と声をかけたのだった。親のせいで借金を肩代わりし、苦労していたカイザーにとっては救われた言葉だった。そしてカイザーが恩返しとして三春を守る存在として活躍するきっかけとなったセリフでもある。

帽子さん「今度は…お前のおかげでみんなが助かる番だ」

1年後のクリスマスの世界で帽子さんが三春に放ったセリフ。1年後のクリスマスにはドロッセルマイヤーという男のことを信じて行動した三春のせいで「サンタクロースハウス」は壊滅し、たくさんの人間が殺されてしまっていた。
過去のクリスマスからやってきた三春は帽子さんに事情を聞くが、ドロッセルマイヤーはそんな人じゃないと言う。そんな三春に帽子さんが「お前があの男を信じたせいで 大勢が死んだんだ!」と叫ぶ。そして最悪の未来を変えるため「今度は…お前のおかげでみんなが助かる番だ」と優しく諭すのだった。
普段からは考えられないような大人な姿を見せた帽子さんのセリフで、三春がみんなを助けるため戦う決心をつけたセリフである。

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