サムライチャンプルー(アニメ・漫画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『サムライチャンプルー』とはマングローブが原作・制作を行い、渡辺信一郎が監督を務め2004年5月から9月にかけて放送された異色の侍アニメ、及びアニメを原作とした漫画作品である。天涯孤独の少女フウがひまわりの匂いのする侍を探して、ムゲン・ジンの三人で旅を続ける物語である。日本の古き良き和のテイストと現代のヒップホップがミックスされた独特な世界観と、登場する侍たちの痺れるようなアクションシーンがこの作品の大きな魅力である。

物語の終盤を締めくくるこの三話は特に『サムライチャンプルー』の中でも、作画や音楽、演出方法などが特に秀逸である。ジンと刈屋の二人の戦闘シーンは、これまでの冒険締めくくるのに相応しい緊張感と迫力満載のシーンに満ちている。文字通りの鍔迫り合いを繰り広げ、手に汗握る攻防が続く。ジンの捨て身の攻撃で、見事刈屋を倒すのだが、このギリギリの戦いも見ものだ。
その裏で戦うムゲンも、これまでにないほど追い詰められていた。ムゲンに恨みを持つという馬之助とその兄弟を倒すが、やはりギリギリの戦いだった。

互いの宿敵を倒し、満身創痍となったムゲンとジン。二人はいよいよ最後の決着をつけるために対峙する。フウはその様子を黙って見守るしかなかった。だが長い間の戦いで交わった互いの刃は折れてしまい、結局決着がつくことはなかった。
三人の旅は終わり、別れの瞬間が訪れる。フウは二人にまだ言ってない事があると言い、ある秘密を明かす。それは最初にフウが寛永通宝を投げて裏が出たら旅に付き合ってもらうこと、そして表が出たら二人の好きにすればいいと言った時のことである。結果は裏だったはずだが、本当は表が出ていたことをフウは秘密にしていたのだった。呆れるムゲンとジンだったが、二人はフウの嘘を責めることはなかった。
激しいバトルシーンから一転、このほのぼのとしたラストも、いかにも『サムライチャンプルー』らしいコメディと人情に溢れている。

『サムライチャンプルー』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

『サムライチャンプルー』の意味とは

チャンプルーには、沖縄の言葉で「まぜる」という意味がある。『サムライチャンプルー』という作品は江戸時代を舞台としているが、現代文化も随所に散りばめられていてまさに江戸と現在がチャンプルーされているのだ。また登場人物たちがカタカナ言葉を使うなど、時代考証を無視したその作風も『サムライチャンプルー』の大きな魅力であり、『サムライチャンプルー』というタイトルに相応しい内容となっている。

中澤一登が手がけた圧巻のバトルシーンの数々

多くのアニメ作品でアニメーター・イラストレーター・キャラクターデザイナーとして活躍する中澤は、この作品の独特な世界観を作り上げる上で、必要なスタッフといえるだろう。また彼は、映画『キル・ビル』のアニメパートの監督も務めている。中でも中澤一登が得意とするバトルシーンでの作画は、その圧倒的な表現力に思わず目を奪われてしまうことだろう。『サムライチャンプルー』のアクションシーンはアニメ史に残る名場面も多く、スピーディーで迫力満載のシーンが随所に見られる。

ジンの声優・佐藤銀平は俳優の佐藤B作の息子

ジンの声優を務める佐藤銀平は、俳優の佐藤B作の息子である。声優や俳優、舞台俳優などを務め、ドラマ『相棒』にも犯人役として登場している。またアニメ声優としても活動しており、アニメ『アカギ〜闇に降り立った天才〜』では、偽アカギを演じその独特な声と演技が人気を呼んでいる。

『サムライチャンプルー』の主題歌・挿入歌

OP(オープニング):Nujabes feat.Shing02『battlecry』

作詞:Shing02 作曲:Nujabes 歌:Nujabes feat.Shing02

このOPの作曲を務めたNujabesは、コムデギャルソンなどのパリでのファッションショーでの音楽プロデューサーを務めるなど、日本を代表するDJであり、ヒップホップのトラックメイカーだ。『サムライチャンプルー』の監督を務める渡辺信一郎たっての希望により、この作品のOPならびに劇中歌を担当する事になった。同アニメは海外ファンにも人気が高く、その理由の一つとして、Nujabesの音楽がアニメの世界観とマッチしていることも挙げられる。なおこのOPアニメーションは、『サマーウォーズ』や『竜とそばかすの姫』で監督を務めた、細田守が監督を務めている。

ED(エンディング):MINMI『四季ノ唄』

作詞・作曲・歌: MINMI

EDを担当するMINMIはシンガーソングライターとして、湘南乃風などにも楽曲提供を行うなど精力的な活動を行っている。この「四季ノ唄」はNujabesとMINMIがコラボし、アニメの雰囲気を踏襲した和テイストとヒップホップが組み合わさり、作り上げられた曲である。その特徴的な歌詞も世界観とマッチしている。歌詞には言葉遊び的な要素が隠されていて、MINMIの囁くような柔らかい歌声に、早口で打ち出されるリリックが耳に心地よい。

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