鉄鍋のジャン！（漫画）とは【ネタバレ解説・考察まとめ】
『鉄鍋のジャン！』とは西条真二原作、おやまけいこ監修の料理漫画で、『週刊少年チャンピオン』にて1995年から2000年まで連載されていた。本作は「料理は勝負」をポリシーに掲げる少年、秋山醤が様々な料理人と対決し、打ち破っていく様子を描いた料理漫画の王道ストーリーを描いている。一方で、主人公が文字通り手段を択ばず勝利を追求するというヒールのようなキャラクターであることや、外連味の強い料理の数々が登場することから、ある種のピカレスクロマン的な雰囲気を持った作品でもある。
黄 蘭青（こう らんせい）
百蘭王の実の孫であり、次期百蘭王として指名されている。
「料理は半歩先」を口癖にしており、対戦相手の料理を瞬時に見抜くことを得意としている。一方で自分は相手が全く予想できないような奇想天外な料理を作る。「半歩先」という言葉には自身の卓越した技量のほかに、味・香り・見た目に続く第4の要素でありほかの料理人の意識が薄い「食感」を活かした料理を作ることで相手の先を行くという意味が込められている。
ジャンと同様に幼少期から過酷な料理修行を積んでおり、全身にはたくさんの古傷がある。また百蘭王からは高い実力を買われて次の後継者に指名されているが、本人は百蘭王を嫌っており、百蘭王ではなく「初代・黄蘭青」として世界に君臨するという野望を持っている。
先代の百蘭王（ぱいらんわん）
アジア料理界の影の支配者。睦十、階一郎とどれだけ速く餃子を作れるかという勝負を行い、秘伝の技である「にぎり」によって2人を同時に相手しても引き分けるほどの驚異的な調理スピードを見せた。階一郎はこの時見たにぎりを独自に進化させ、のちにジャンに自分が考えた技として伝授した。傲慢で横暴な性格で、実の孫の黄蘭青からも暴君と呼ばれる。
蘭青を後継者に指名するが、ほかの候補者から不満が続出したため、第2回全日本中華料理人選手権で優勝すればその人物を後継者にする、という約束をした。
陸 顔王（りく がんおう）
香港出身の料理人で百蘭王後継者候補の1人。ジャンとはオリジナル調味料をテーマに対決し、高級魚であるネズミハタを発酵させて作った魚醤を使った。しかしジャンの「飲めるラー油」という全く新しい調味料に対して普通であると評価され、敗北。
陸 麗花（りく れいか）
台湾出身の女料理人で百蘭王後継者候補の1人。故郷の台湾料理を得意とする。ジャンと同様に料理を勝負であるととらえており、事前に相手を分析して対策する、「料理は傾向と対策」がポリシー。霧子とオリジナル調味料をテーマに対決し、台湾バナナを使用した料理を作る。しかし霧子がアボカドと子牛の脳を使って作った挑戦的な料理の前に敗北。
陸 延雀（りく えんじゃく）
上海出身の料理人で百蘭王後継者候補の1人。餃子の早握りを得意とし、ジャンとの対決でも秘伝の「にぎり」により驚異的なスピードで餃子を作った。しかしその技はかつて階一郎が百蘭王と餃子の早握り対決をした際に見ており、ジャンはそれを階一郎とジャンの2代にわたって改良した技を披露する。
それに動揺してその後の料理に精彩を欠いた結果、大差で敗北した。
その他の料理人
尾藤 リュウジ（びとう りゅうじ）
「XO醤のリュウ」という異名を持つ料理人で、様々な中華料理店に賭け料理勝負を挑んで稼ぐのを生業としている。大谷日堂に雇われて五番町飯店に送り込まれ、ジャンに料理勝負を仕掛ける。
異名の通りXO醤を使った料理が得意で、自らで調合したオリジナルのXO醤を使う。ジャンとは自らの得意分野である「XO醤を使った料理」で競ったが、XO醤の強すぎる美味しさを使いこなすことができずに敗北、大谷からも見捨てられる。
蟇目 檀（ひきめ だん）
数年前まで五番町飯店の鍋担当だったが、中国での修行を経てホテル「ミラージュ」のレストラン「蜃気楼」の総料理長に就任する。中国での修業時代に様々な食材、調理に精通し、五番町飯店を訪れた際には「ベタベタしているにも関わらず皿・箸・歯に付かない」という特徴を持つ「三不粘（サンプーチャン）」を作り店の面々を驚かせた。
料理は才能こそすべてという考え方の持ち主であり、ジャンを「蜃気楼」に引き抜こうと画策する。
ジャンが負ければ「蜃気楼」に引き抜くという条件で料理勝負を持ち掛け、さらにジャンの両腕を負傷させて勝負を有利に運ぼうとするが、小此木のアシストを得たジャンに敗北。それでも諦めずに大量の芥子が入った麻婆豆腐で意識を奪い強硬手段に出ようとするが、自らもジャンの作った危険な薬膳の取り合わせを入れたスープを食べて昏倒してしまい、ジャンには逃げられてしまう。
その後、勝手にジャンに料理勝負を挑み敗北したことや仲間に引き込もうとしたことを大谷に咎められ、開店前の段階で「蜃気楼」の総料理長を下ろされる
伍 行壊（ご ぎょうかい）
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目次 - Contents
- 『鉄鍋のジャン！』の概要
- 『鉄鍋のジャン！』のあらすじ・ストーリー
- 五番町飯店編
- 第1回全日本中華料理人選手権
- ホテル「ミラージュ」編
- 湯水スグル編
- 第2回全日本中華料理人選手権編
- 『鉄鍋のジャン！』の登場人物・キャラクター
- 秋山一族
- 秋山 醤（あきやま じゃん）
- 秋山 階一郎（あきやま かいいちろう）
- 桃 明輝（とう みんき）
- 五番町飯店
- 五番町 霧子（ごばんちょう きりこ）
- 小此木 タカオ（おこのぎ たかお）
- 五番町 睦十（ごばんちょう むつじゅう）
- 五番町 弥一（ごばんちょう やいち）
- 李 考英（り こうえい）
- 望月 貢（もちづき みつぐ）
- 全日本中華料理人選手権出場者
- セレーヌ 楊（せれーぬ やん）
- 沢田 圭（さわだ けい）
- 河原 裕司（かわはら ゆうじ）
- 大前 考太（おおまえ こうた）
- ザザビー本郷（ざざびーほんごう）
- 藤田 貫一（ふじた かんいち）
- 阿武隈 源司（あぶくま げんじ）
- 筍 智秀（じゅん ともひで）
- 俵屋 朋次（たわらや ともつぐ）
- 陸一族
- 黄 蘭青（こう らんせい）
- 先代の百蘭王（ぱいらんわん）
- 陸 顔王（りく がんおう）
- 陸 麗花（りく れいか）
- 陸 延雀（りく えんじゃく）
- その他の料理人
- 尾藤 リュウジ（びとう りゅうじ）
- 蟇目 檀（ひきめ だん）
- 伍 行壊（ご ぎょうかい）
- 湯水 スグル（ゆみず すぐる）
- 審査員
- 大谷 日堂（おおたに にちどう）
- 崔 信典（さい のぶのり）
- 玉海山（たまかいざん）
- 荒俣 雷蝶（あらまた らいちょう）
- ミケロッティ本郷（みけろってぃほんごう）
- 麝香院 紫苑（じゃこういん しおん）
- ケペル・ハインツ・ルンメニゲ
- 『鉄鍋のジャン！』の用語
- 料理
- 秋山の魔法
- 中国三大食感
- にぎり
- 店名
- 五番町飯店
- 蜃気楼
- その他
- 全日本中華料理人選手権
- 陸一族
- 裏食医
- 『鉄鍋のジャン！』の名言・名セリフ／名シーン・名場面
- 秋山醤「ま…負け犬がーーーーっ！！！」
- 秋山醤「お前の料理なんか誰も食わねーよザマーミロ！」
- 伍行の作った太極鍋の秘密が明かされるシーン
- 大谷日堂「ワシは大谷日堂やど！天下第一の「神の舌」を持つ男やど！料理人が好きだの嫌いだので点が変わる男やないで！見損なうなボケ────ッッ！！！」
- 『鉄鍋のジャン！』の裏話・トリビア・小ネタ／エピソード・逸話
- 大谷が鼻の舌を伸ばすほどの完璧な女装するジャンと小此木
- ブーム以前に「食べるラー油」が作中に登場