隣のあたし(漫画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『隣のあたし』とは『別冊フレンド』(講談社)で連載された南波あつこの漫画。幼馴染同士の恋愛模様を描いた青春ラブストーリーである。中学3年生の上村仁菜は、隣に住む1つ年上の橘京介に憧れを持っており「いつか彼女になりたい」と夢見ている。互いの想いがすれ違いながらも、嫉妬や葛藤を繰り返しそれぞれが恋をしていく。感情を抑えられない登場人物の真っ直ぐな姿に好感を持つ読者が多い。また、最後の最後まで結末が分からない展開が人気を呼んでいる。

京介が通う高校。仁菜も受験をし、南中学校を卒業した後は、南高校に合格する。甲子園出場した経歴があり野球部が強い。京介やOBの久米川の代では、甲子園予選の決勝まで進んでいる。

講南高校

三宅が受験した高校。偏差値は、南高校より少し高い。仁菜と三宅はオープンスクールに行き、大人っぽい高校生の姿を目にする。仁菜は、南高を受験する予定だが、三宅と離れることを不安に思い、講南高校を受験しようかと考えることもあった。

『隣のあたし』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

三宅瞬「笑わせるから俺と付き合ってください」

告白した三宅(画面左)と後ろ姿の仁菜

南高校の文化祭の帰りに、仁菜と三宅は2人で帰ることとなる。その帰りに、仁菜の母と会ってご飯を食べに行くことになった三宅は、付き合っているという母の勘違いに対し、「ただの友達なので」とキッパリ否定する。京介が同じ空間にいたため、三宅と付き合っていると京介に勘違いされないかと心配し、動揺する仁菜を気遣ったのである。そして、別れ際に三宅が言ったセリフが「笑わせるから俺と付き合ってください」である。京介のことが好きだと分かっている三宅であったが、どうしても仁菜が大好きで隣にいたい、笑わせたいという想いがある。勝算がない中での勇気ある三宅の告白は印象に残る。

上村仁菜「応えてとか言わないから、せめて好きでいさせて」

仁菜(画面左)と京介(画面右)

大好きな京介に彼女が出来て、「兄弟みたいなやつなんで」と振られてしまった仁菜。そんな中で同級生の三宅に告白された。その時の仁菜の中での想いは「応えてとか言わないからせめて好きでいさせて」である。三宅のことも優しくてかっこいいと惹かれている仁菜であるが、幼い時から想い続けた京介のことは忘れられない。仁菜の想いが京介に届かないことが分かった上でも、「好きでいさせてほしい」という想いが強い。京介に対する仁菜の気持ちが伝わる名セリフである。

橘京介「すごい大事なんで、全然良くないんです。ずっと一緒にいた兄弟みたいなやつなんで」

野球部OBの久米川は、南高校の文化祭に来ていた。そんな中で、初めて仁菜と出会い、冗談半分で「フリーだったら俺と付き合ってよ」と言う。しつこい久米川に困っている仁菜。それを見た京介が言ったセリフが「すごい大事なんで、全然良くないんです。ずっと一緒にいた兄弟みたいなやつなんで」である。「すごい大事」と京介に庇ってもらった仁菜は、驚きと喜びの顔をするが、その後の「兄弟みたいなやつなんで」と言われたことで落ち込む。京介のことを恋愛対象で好きだった仁菜だが、京介は「兄弟」として大事だと言った。お互い大切な存在ではあるものの、京介との気持ちの違いに気づいたことが分かる印象的なセリフである。

三宅瞬「楽しそうだったからさ、上村。橘先輩と。よかったな」

三宅と仁菜

三宅と別れた後、京介と弟の圭介と初詣に出かけた仁菜。心にすっかりと穴が空いている様子。そして、同じ日に初詣に来ていた三宅は、仁菜と京介が楽しそうに過ごしている姿を見る。後日、学校で初詣の話となり、三宅が言ったセリフが「楽しそうだったからさ、上村。橘先輩と。よかったな」である。仁菜と別れたことを後悔している三宅だが、幸せそうに京介と過ごしている姿を見て、笑って「よかったな」と言っている。しかし、本心では仁菜を手放してしまった悲しみと京介に取られてしまう悔しさが滲み出ている。気持ちと態度が一致しない三宅の姿が印象に残るセリフである。

上村仁菜「もう1回片想いからはじめます」

仁菜は、三宅と別れた後、付き合っていた幸せな日々を思い返す。どれだけ、笑わせてくれたかを感じるようになる。そして、別れた後も、三宅は絵馬に「ずっと笑っていますように」と仁菜のイラストを交えて描いていた。いつも自分の幸せを願ってくれている三宅を愛おしく思えた。そこから仁菜が決心し、言ったセリフが「もう1回片想いからはじめます」である。今までは、京介のことが頭の片隅にあり、付き合っていても中々両想いになれなかった仁菜と三宅。別れてから相手の想いや優しさに気づき三宅とやり直していきたいと願う。そして、京介ではなく三宅のことを片想いから始めると決めた、仁菜の決意が表れたセリフである。

上村仁菜「だからもう1回 あたしとつきあってくれませんか」

京介のことも好きだったが、ずっと自分のことを見ていて想ってくれた三宅と「離れたくない」という気持ちが強くなり、「もう1度やり直したい」と思うようになった仁菜。卒業式の後、三宅を全力で追いかけて精一杯の言葉が、「だからもう1回 あたしとつきあってくれませんか」である。三宅は、仁菜への想いは変わらず、「ずっと笑っていてほしい」という気持ちがある。そして、笑ってくれるなら誰でもいいと思っていたが、「やっぱり自分に笑ってほしい」と素直な想いを伝える。この先も、ずっと隣で笑って、自分も笑わせていきたいという願いを込めた仁菜の力強いセリフである。

三宅瞬「去年のクリスマスからもう俺結構待ったよ」

高校に進学した三宅と仁菜。別々の高校だが、仲良く付き合いを続けている。ある日、仁菜の部屋に来た三宅に、クリスマスのプレゼントを渡す。このクリスマスプレゼントは、京介の高熱により、2人で過ごせなかったので渡しそびれた物であった。それを喜ぶ三宅は、思い切り仁菜を抱きしめ言ったセリフが「去年のクリスマスからもう俺結構待ったよ」である。大好きな仁菜と一緒になりたいという、今まで我慢していた気持ちが爆発した。いつもクールで優しい三宅の男心が溢れた印象的なセリフである。

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