オペラ座の怪人(2004年の映画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『オペラ座の怪人』とは2004年にアメリカで公開された、ガストン・ルルー原作の小説『オペラ座の怪人』を映画化したミュージカル映画作品である。19世紀のパリ・オペラ座、その地下には醜い顔をした怪人が住んでいた。彼は若く美しいコーラスガールのクリスティーヌに恋をしており、彼女の音楽の才能を見初めて姿を見せずに音楽を教えていた。怪人の目論見通りに主役に抜擢されたクリスティーヌだったが、幼馴染のラウルと再会を果たし恋仲になってしまう。そこから嫉妬に狂った怪人の復讐劇が始まっていく。

メインテーマ:ジェラルド・バトラー/エミー・ロッサム「The Phantom Of the Opera」

The Phantom Of the Opera

『オペラ座の怪人』のメインテーマ曲でもあり、劇中歌として本編にも登場する。

怪人に導かれるまま地下へと進むクリスティーヌ。馬やボートを乗り継いで進んだ先には、無数の蝋燭がともる神秘的な空間が広がっていた。そこが怪人の住処だった。

歌詞和訳

クリスティーヌ:
夢の中であの人は
歌を聴かせてくれてたの
あの声が呼んでいる
名前を呼ぶのが聞こえてる
また夢を見ているの?
だって今も頭から
オペラ座の怪人の
声が聞こえてくるんだもの

怪人:
もう一度
一緒に歌うんだ
あのちょっと変わったデュエットを
お前を操る力なら
前より強くなっている
こっちをちらっと見ただけで
お前は向うを向いたけど
このオペラ座の怪人は
今だって
頭の中に潜んでる

クリスティーヌ:
その顔を
一目でも見た人は
恐怖で後ずさってしまうから
こうやって
他人をマスクの代わりにしてる

怪人:
やつらに聞こえているのは
この私の音楽だ

2人:
お互いの
心と声がひとつになると
怪人が
頭の中にやってくる

怪人:
夢の中で
ずっとわかっていたはずだ
あの男のことだって
あの謎のことだって

クリスティーヌ:
どっちも同じ人間の
話だっていうことは

2人:
この場所に
迷い込んでしまったら
もう何もわからない
このオペラ座の怪人が
今だって
頭の中に潜んでる

クリスティーヌ:あそこよ!怪人は

怪人:
音楽の天使!
歌ってくれ、私の天使
頼むから!

ED(エンディング):ミニー・ドライヴァー「Learn To Be Lonely」

Learn To Be Lonely

「Learn To Be Lonely」は、アンドリュー・ロイド=ウェバーとチャールズ・ハートが『オペラ座の怪人』に為に書いた曲である。もともとは劇中で怪人が歌うために作られた曲だが、最終的にその場面はカットされクロージングクレジットに使われることになった。 2004年の第77回アカデミー賞でアカデミー歌曲賞、第62回ゴールデングローブ賞でゴールデングローブ賞にノミネートされた。
映画及びサウンドトラックで歌っているのは、カルロッタ役を演じた女優のミニー・ドライヴァーである。劇中のカルロッタのオペラシーンは、マーガレット・プリースによる吹き替えだったため、この曲は唯一ミニー・ドライバーをフィーチャーした曲である。

劇中歌:エミー・ロッサム 「Think Of Me」

Think of Me

オペラ『ハンニバル』の舞台稽古中に起きた事故によって、主役のカルロッタが舞台出演を辞退する騒動になる。マダム・ジリーの推薦によって急遽代役を務めることとなったクリスティーヌは、この『Think Of Me』を歌って拍手喝さいを浴び、見事に主役を演じきった。パトロンのラウルはこの舞台を客席から鑑賞しており、クリスティーヌが幼馴染で初恋の相手であることに気づいた。

歌詞和訳
クリスティーヌ:
思い出して 私のことを、懐かしんで 私のことを
いつか二人がサヨナラしたときには
ときどきは思い出して、私のことを
お願い、やってみると約束して

そうすれば あなたも気づくわ
もう一度 あの時の心を取り戻し 自由になりたいと願っている自分に
少しでもいい、この先時間が取れるなら
思い出して 私のことを

「二人の愛は色褪せることはない」とか
「海のように変わらない」なんて、一度も口にはしなかった
でも、少しでも 共に過ごした日々を憶えているなら
心を静め 思い出して 私のことを

思い出して 全てのことを
二人で味わった全てのことを
後悔してはダメ
違う展開もあったかもなんて

思ってみて 私の姿を 思ってみて
目覚めているときは 口を閉ざし 運命に甘んじている私の姿を
想像してみて 私の心を
無理にでも あなたを忘れようとしている 私の心を

思い出して あの日々のことを、振り返ってみて 二人過ごした全ての年月を
思い出して この先二度とはできぬ全てのことを
これからも私には 一日だって有りはしないの
あなたのことを思わぬ日は

ラウル:
まさか あれは?
まさか あれは クリスティーヌなのか? ブラボー!
遠い昔だ、随分昔のような気がしていたが
僕たちは なんて幼く 無邪気だったことか
彼女は僕のことなんか 憶えていないかも
でもこの僕は しっかり憶えているんだ 彼女のことを

クリスティーヌ:
花は色褪せ、夏の果実もしぼんでしまう
ものには盛りがあるのだもの、私たちも同じこと
でも お願い 約束してほしいの
ときどきは 思い出すって
この私のことを!

劇中歌:エミー・ロッサム/ジェニファー・エリソン「Angel Of Music」

Angel of music

『ハンニバル』の主役を見事に演じきったクリスティーヌのもとを訪れたメグは、一体どんな先生に音楽を習っていたのかとクリスティーヌに尋ねる。クリスティーヌは、姿は見えないけれど自分にいつも優しく語り掛け、音楽を教えてくれる存在がいることを打ち明ける。クリスティーヌはその声の主を、生前の父に言われた「音楽の天使」であると信じているが、メグは「そんなことが現実にあるはずがない」とクリスティーヌを心配する。

歌詞和訳

怪人:
ブラボー とても素晴らしかった

メグ:
一体どこに隠れているの?
あなたは本当に完璧だったわ
ただただあなたの秘密が知りたいの
新しい先生って誰?

クリスティーヌ:
父は「天使」について一度口にしたわ
昔は彼が夢に出てきたの
今は歌えば 彼を感じられる
そして今彼はここにいるのよ
この部屋で 彼は私を優しく呼ぶの
どこかにその身を隠しながら…
彼がいつも私のそばにいるとなぜだかわかるの
彼は見えない天才よ

メグ:
クリスティーヌ 夢を見ているに違いないわ
そんなこと起こるわけないもの
謎めいたことを話すなんて
そんなのあなたらしくないわよ

クリスティーヌ:
「音楽の天使」よ!
導き 見守ってくれる天使
あなたの栄光を私にもたらしてください

メグ:
天使って誰なの
この天使って…

2人:
「音楽の天使」よ!
もう隠れないで
謎めいて不思議な天使よ
今でも彼は私のそばにいるの

メグ:手が冷たいわ

クリスティーヌ:私のまわりに

メグ:クリスティーヌ、顔が真っ白よ!

クリスティーヌ:彼のせいで怯えているの

メグ:怖がらないで…

劇中歌:ジェラルド・バトラー/エミー・ロッサム「The Mirror(Angel of Music)」

The Mirror(Angel of music)

幼馴染同士のクリスティーヌとラウルは『ハンニバル』の終演後に再会を果たした。ラウルはクリスティーヌを食事に誘い馬車を手配しに部屋を出ていくが、その隙にマダム・ジリーによって部屋の鍵が閉められ、クリスティーヌは部屋に閉じ込められてしまう。自分の大切な宝物に近づくラウルの存在を許せない怪人は、クリスティーヌを鏡の中に誘う。怪人を「音楽の天使」だと信じているクリスティーヌは、導かれるまま怪人の住処へと向かう。

歌詞和訳

怪人:
生意気な若造め!
社交界にかしずく奴隷
わが身の栄華に浮かれるがいい
無知な愚か者!
怖いもの知らずの求婚者
私の勝利を奪う気なのか

クリスティーヌ:
エンジェル
聞こえます
もっと話して
私のそばを離れずお導きください
エンジェル誘惑に迷う私を許して
姿を現してください
私の先生

怪人:
口のうまい娘よ
私を知るがいい
きっとわかる
何故私が暗闇を好むのか
鏡に映る自分の姿を見るがいい
私はそこにいる
鏡の中に!

クリスティーヌ:
音楽の天使 私を導き守ってください
あなたの輝く光を私の上に
音楽の天使隠れるのはやめて
姿を見せて
謎に満ちた天使

怪人:
私がお前を導く音楽の天使だ
私のところへおいで
音楽の天使よ

劇中歌:ジェラルド・バトラー「The Music Of the Night」

The Music Of the Night

自分の住処にクリスティーヌを連れてきた怪人は、クリスティーヌへの想いを打ち明ける。

歌詞和訳

夜はそれぞれの感覚を研ぎ澄まし、高めてくれる
闇は想像を掻き立て、目覚めさせる
無言のまま、感覚はその鎧を脱ぎ捨てる
ゆっくりと優しく、夜はその輝きを放つ
掴むのだ、感じるのだ、その傷つきやすく脆い輝きを
顔を背けるがいい、ギラギラした真昼の光から
忘れるがいい、冷たく無情な真昼の光を
そして耳を傾けるのだ、夜の調べに
目を閉じて身を委ねるがいい、暗黒の夢のしじまに
追い払うがいい、過去の想いを
目を閉じて、魂を空高く飛び立たせるのだ
さすれば、未知の生が開けてくる
優しく、巧みに、楽の音がお前を愛撫する
聞くがいい、感じるがいい、密やかにお前を捕えるその調べを
心を開き、空想を飛び立たせるのだ
抗うことの出来ぬこの闇の中で
夜の調べに満ちたこの闇の中で
新しい未知の世界に 心を旅立たせるがいい
過去の想いは全て捨て去るがいい
魂の導くままに 憧れの世界へ旅立つのだ
そのとき初めて お前は私のものになる
ときには浮かび、ときには沈む、甘美なる陶酔
私に触れ、私を信じ、ありとあらゆる感覚を味わうがいい
夢を見るのだ、お前の暗い部分を委ねるのだ
私が書き上げる楽の力に
夜の調べが持つ力に
お前だけが私の歌を飛び立たせる
力を貸してておくれ 夜の調べを作る私に

劇中歌:ジェラルド・バトラー/エミー・ロッサム「I Remember/Stranger Than You Dreamt It」

I Remember/Stranger than you dreamt it

クリスティーヌが怪人の住処で目覚めると、怪人は作曲をしていた。長年敬愛してきた「音楽の天使」の顔をみたいという衝動にかられたクリスティーヌは、怪人の着けていた仮面を外してしまう。怪人は激怒し呪いの言葉を吐き出す。しかし冷静になった怪人は、自分の容姿を呪いながらも美しい心を持った人間であり続けたいという気持ちを語った。

歌詞和訳

クリスティーヌ:
不思議なことが 湖に霧が渦巻き
蝋燭が揺れボートが進むの
ひとりの男が
仮面に隠れた その顔は誰?

怪人:
待て!何をするこいつめ!この悪党!これが見たいのか
「畜生!」
もう二度と許さぬ
地獄へ行け 呪われろ!
業火に焼かれた無残な姿になろうとも
美しさに焦がれひそかに夢見る 美しいものを
だが、クリスティーヌ
醜くゆがんだ私の顔だが 心は清らか
今こがれる 夢見る 秘かに美しいものを
おお、クリスティーヌ
行かなければ お前のことをみんなが待つ

劇中歌:ミニー・ドライヴァー/サイモン・キャロウ/キアラン・ハインズ「Prima Donna」

Prima Donna

『イル・ムート』の上演に際し、劇場関係者のもとに怪人からの脅迫状が届いた。「主役はカルロッタに代わりクリスティーヌにやらせるように」との指示に憤慨したカルロッタがオペラ座をやめると言い出したので、支配人たちは必死にカルロッタの機嫌をとって引き留めた。

歌詞和訳

フィルマン: 聴衆はあなたを必要としています

アンドレ:我々もです

カルロッタ:あなたたちの大切な小娘を主役にしたら?

フィルマン&アンドレ:
シニョーラ違う! 世界はあなたを望んでいるのです
プリマドンナ あなたは舞台のファーストレディ
あなたの崇拝者たちはあなたの前にひざまずく

アンドレ:彼らの熱い歓呼に耳も貸さず背を背けてしまうので?

フィルマン:彼らがどれほどあなたに憧れ慕っているか

フィルマン&アンドレ:プリマドンナ もう一度あの魅惑の声を

アンドレ:あなたの才能

フィルマン:劇場を取り巻くあの長い行列!

フィルマン&アンドレ:目の前にある勝利をみすみす取り逃がすのですか?

フィルマン&アンドレ&ピアンジ:もう一度歌ってください プリマドンナ

ラウル:クリスティーヌはエンジェルの話をしてた

カルロッタ:プリマドンナ, 今その声がよみがえる 傷ついたけどファンは私を待っている

フィルマン&アンドレ:聴衆のことを考えて!

マダム・ジリー:あの子は音楽の天使の声を聞いた

カルロッタ:熱烈なファンの声は私だって無視できない

アンドレ:やったぞ

フィルマン:彼女が再び主役に

カルロッタ:私が主役

フィルマン:歌手は扱いづらい

カルロッタ:プリマドンナ 私の歌は決して死なない

ラウル:“命令”に“警告”?正気とは思えない

カルロッタ:最後のアンコールを浴び光り輝く私

群衆:先が思いやられる

ラウル:そんな理不尽な要求は断固ししなくては

フィルマン&アンドレ:
パトロンと寝ているコーラスガール?その娘が主役を奪う?あの若者は認めんだろうが、あの娘とラウルはデキてる
芝居ではよくある話だ 外国語で歌うオペラならお客は大喜びで受け入れる
まさにパーフェクトなオペラ!

群衆:
プリマドンナ、世界があなたの前に!人々の期待を裏切ったらそれっきり!
さぁステージをあなたの輝きで満たして
プリマドンナよ!歌え!

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