オペラ座の怪人(2004年の映画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『オペラ座の怪人』とは2004年にアメリカで公開された、ガストン・ルルー原作の小説『オペラ座の怪人』を映画化したミュージカル映画作品である。19世紀のパリ・オペラ座、その地下には醜い顔をした怪人が住んでいた。彼は若く美しいコーラスガールのクリスティーヌに恋をしており、彼女の音楽の才能を見初めて姿を見せずに音楽を教えていた。怪人の目論見通りに主役に抜擢されたクリスティーヌだったが、幼馴染のラウルと再会を果たし恋仲になってしまう。そこから嫉妬に狂った怪人の復讐劇が始まっていく。

劇中歌:エミー・ロッサム/パトリック・ウィルソン「Why Have You Brought Me Here?」

Why Have You Brought Me Here?

『イル・ムート』での怪事件の直後、クリスティーヌはラウルを連れて屋上へ逃亡する。訳が分からないラウルは理由を尋ねる。

歌詞和訳

ラウル:どうしてここへ?

クリスティーン:止めないで

ラウル:早く戻ろう

クリスティーン:彼はあなたを殺す気だわ

ラウル:馬鹿なことを

クリスティーン:あの燃える目は1000人だって殺す力を持ってる

ラウル:そんな

クリスティーン:オペラ座の怪人はまた誰かを殺す

ラウル:怪人なんていない

クリスティーン:彼は誰なの?

ラウル:彼は何者?

クリスティーン:あの死の狩人

ラウル:あの死の仮面

クリスティーン:私は彼から逃れることができない 永遠に彼の虜

2人:迷宮に迷い込んで周囲は漆黒の闇
ファントムは今ここにいる 心の中に

ラウル:オペラ座の怪人なんているわけない

クリスティーン:
でも私はさあそこにいったの
闇の支配する世界に
昼の光が夜の闇に飲まれる世界
暗黒の世界
そして私はこの目で彼を見たの
二度と忘れないわ
瞼を離れないあの顔
とても顔とは呼べないようなあの顔
私は暗闇の中でそれをみた
でも彼お声は私の心を満たした
とても不思議な甘い音色で
そして音楽が私の心にあふれた
忘れられないあの夜
私の魂はたちまちその音楽に包まれて高く舞い上がった
聞いたことのないような素晴らし音楽

ラウル:
君は夢を見たんだ
夢に決まってる

クリスティーン:
あの時のあの方の目
この世のすべての悲しみを秘めていた
懇願するようなあの目
私を威嚇しながらも憧れにあふれていた

劇中歌:エミー・ロッサム/パトリック・ウィルソン「All I Ask Of You」

All I Ask of You

怪人の存在に恐怖を感じているクリスティーヌに対し、ラウルは自分がクリスティーヌを守ることを約束し、愛を誓う。

歌詞和訳

ラウル:
いやな話はこれでおしまい
怖い思いもしなくていい
いつも傍にいて守ってあげる 誰に手出しはさせないよ
この話を聞けば君もきっと安心する
ここから自由になって普通の生活をすればいい
そうすれば、もう悲しむことも怖がることもない
いつも君の傍にいて
君を守るし、困った時は相談に乗るよ

クリスティーヌ:
目覚めた時に好きだと言って
楽しい話で安心させて
一緒にいたいと言って
その言葉を信じていいのね?
それだけでもう十分よ

ラウル:
君を守る盾になろう
君を照らす灯りになろう
誰にもみつからないから安心して
もう怖がらなくてもいいんだよ

クリスティーヌ:
自由になりたいだけ
恐怖や悲しみのない世界で
あなたが傍にいて
抱きしめて守ってくれればいいの

ラウル:
生涯君だけだ
寂しい思いはもうさせない
ここにいてと言ってくれ
いつも傍にいたいんだ
クリスティン、それだけだ 他に望みなんかないよ

クリスティーヌ:
ずっと大切にしてくれる?
そうすればついていくわ

2人:
朝も昼も夜も僕と一緒に過ごしてくれ

クリスティーヌ:私のことが好き?

ラウル:わかってるだろう 当たり前だよ

2人:
大切にして それだけでいい
いつも一緒に
それだけでいい

劇中歌:サイモン・キャロウ/キアラン・ハインズ他「Masquerade」

Masquerade

『イル・ムート』の怪事件から3ヶ月が過ぎ、オペラ座には平穏な日々が戻っていた。人々は怪人の存在も忘れ、新年を祝う仮面舞踏会で大いに盛り上がっている。

歌詞和訳

アンドレ:フィルマンさん?

フィルマン:アンドレさん?

アンドレ:ああ こりゃ素敵なパーティ!

フィルマン:そう 素晴らしいニューイヤー!

2人:
盃あげて乾杯しよう
おめでとう!
残念なのはファントムのいないこと!

マスカレード!仮面舞踏会!
マスカレード! 歌え 踊れよ 楽しく
マスカレード! 思い思いに
マスカレード! 仮面つけて 集まれよ!
誰が 誰なのかわからない
王様の顔や道化の顔
いろいろ出てくる
次々に メリーゴーランド/そうメリーゴーランドのように回る
誰が 誰か 誰の顔か
誰が 誰か わからないよ
飲めよ飲めよ 盃ほせ
誰が 誰か
マスカレード! 心ときめく
マスカレード! 華やかなスペクタクルの夜!
マスカレード! きらめく光
マスカレード! 互いに姿かくして
マスカレード! たわむれ遊ぶ
マスカレード! 影と影のたわむれか
マスカレード! 今宵限りは
全ての人は 他人になるのだ
なんてすばらしい!
みんな選ばれた人ばかり
皆うれしそう
何もかも大丈夫
半年心配いらない!
極楽だよ
息がつける
おばけも出ない!
よかった
シャンデリアの光が二度と消えぬために
夢のようよ!
めでたいことだ!
今宵 マスカレード!

クリスティーヌ:
人に言っては駄目よ 二人のこと 内緒よ

ラウル:
だけどなぜ隠すのか

クリスティーヌ:
お願い
二人は
まだ駄目なの

ラウル:
もう婚約をしたのだよ
クリスティーヌ どういうわけか

クリスティーヌ:聞かないで

ラウル:聞かないよ

2人:いつかわかる日がくる

マスカレード!仮面舞踏会!
マスカレード! 歌え 踊れよ 楽しく
マスカレード! 思い思いに
マスカレード! 仮面つけて 集まれよ!
マスカレード! きらめく光
マスカレード! 互いに姿 隠して
マスカレード! 心ときめく
マスカレード! 華やかなスペクタクルの夜!

劇中歌:エミー・ロッサム「Wishing You Were Somehow Here Again」

Wishing You Were Somehow Here Again

怪人とラウルの間で心が揺れ動くクリスティーヌは、父の墓を訪れ答えを求める。

歌詞和訳

あなたはかつて 私の唯一の話し相手だった
あなたは 私のすべてだった
あなたはかつて 友であり 父であり
今や 私の世界は
砕けてしまった

あなたがここにいれば
あなたが私のそばにいてくれれば
時々思うの これが夢ならって
どうか そばにいてくれれば
もう一度 声が聞きたい
そんなこと無理だとわかってるけど
あなたはもう 私を助けてはくれない
私にできるのは
ただ あなたを夢見ることだけ

葬儀の鐘の音と 彫刻の天使達
冷たく 凍てついて
彼らは間違った話し相手にに見える
何故なら あなたは あたたかく やさしかったから

もう何年も 涙をこらえているのよ
どうして過去のことにしてしまえないのかしら?

あなたがここにいれば
さよならを言わなければならないって
わかってるけど
どうか許して欲しい…
どう生きていけばいいかを教えて
私に 立ち向かう力を与えて

思い出も 静かな涙も もう捨てるわ
もう 過去を見つめて、いたずらに時間を費やすのをやめて
私にさよならを言う 力を与えて…

劇中歌:ジェラルド・バトラー/エミー・ロッサム「The Point Of No Return」

The Point Of No Return

『ドン・ファンの勝利』の上演中、ドン・ファンになりすまし舞台上に現れた怪人は、クリスティーヌへの想いを伝える。するとクリスティーヌも怪人の歌に恍惚状態になり、怪人を想うむき出しの本性が姿を現し始める。

歌詞和訳

怪人:
君はやってきた
深い深い衝動に駆りたてられて
今まで沈黙を守ってきた望みを追い求めて
沈黙を守ってきた望みを

私は君をここに呼んだ
我々の情熱が一つに溶け合えるように
君の心はすでに 私の前に屈している
警戒心を捨てて 完全に屈服してしまっている
今 君は私と共にいる 思い直すことはできない
君は決心したのだから 決心を
もう引き返すことはできない
振り返ることもできない
今までしてきた戯れは 終わりだ
「もしや」や「いつ」と考える時は過ぎた
抵抗しても意味はない
考えるのをやめて 夢に身をまかせるのだ

どんな燃えさかる炎が 魂をおおうのだろう?
どんな濃厚な欲望が 扉の鍵を開けるのか?
どんな甘い誘惑が 我々の前に横たわるのか?

もう引き返すことはできない
これが最後の一線
言葉にできない秘密 どんな熱い秘密を
我々は学ぶのだろうか?
もう引き返すことはできない

クリスティーヌ:
あなたに呼ばれてここに来た
言葉が干上がり 会話が消えて
沈黙だけが残る この場所に
沈黙の地に

私はここに来た その理由もわからないままに
頭の中では もう想像しているわ
肌もあらわな私たちの体が
沈黙の中でからみあう様子を
今 私はあなたと共にいる 思い直すことはない
私は決心したのだから 決心を

もう引き返すことはできない
もう後戻りはできない
私たちの受難劇がついに始まった
善悪の判断はもうできない
残る疑問はただ一つ
二人が一つになるまでに どれくらい待てばいいの?
いつになったら 血が全身を駆けめぐり
眠っていたつぼみが 一気に花開くの?
炎がとうとう 私たちを焼き尽くすのはいつ?

もう引き返すことはできない
これが最後の一線
もう橋は渡ってしまった
あとは橋が燃え落ちるのを見ていよう
私たちはもう 引き返すことはできない

怪人:
一つの愛を 一つの人生を
私と分かち合うと 言ってくれるね
この孤独から 私を導き 救い出してほしい
君と一緒に 君のかたわらに
いてほしいと 言ってくれるね
君がどこへ行こうと 私もついて行こう
クリスティーヌ 私の望みは ただそれだけ

劇中歌:ジェラルド・バトラー/エミー・ロッサム/パトリック・ウィルソン「Down Once More」

Down Once More

『ドン・ファン』の上演中にマスクを外された怪人は、クリスティーヌを連れて地下の住処へと逃亡する。そして自分とここで共に生きることを強要する。そこにラウルが助けにやってくるが、囚われ人質にされてしまう。クリスティーヌが怪人にキスをすると、怪人はラウルを開放し二人を地上へと返した。

歌詞和訳

怪人:
私の暗い絶望の地下牢へまた戻るのだ!
私の心の監獄へ降りていくのだ!
地獄と同じ暗闇へ入りゆく道を下っていく!!
なぜ お前は聞く この冷たく陰鬱な場所に囚われ縛られているのかと
罪を犯したのでなく この醜い見た目のせいだ

コーラス:
この殺人者を追って降りろ!
やつを見つけなければ!

怪人:
皆に追い出され
どこにいても毛嫌いされ
誰からも優しい言葉をかけられず
同情などどこにもない
クリスティーヌ、クリスティーヌ…
なぜだ、なぜ…?

コーラス:
この殺人者を追い詰めろ!やつを見つけねば!
この獣を捜し出せ、身を隠している男を!
長いこと我々を餌食にしてきたが
今はわかる オペラ座の怪人は(心の)奥底に
オペラ座の怪人はここに…

クリスティーヌ:
ついにあなたは自分の欲でいっぱいになってしまったの?
私はもうあなたの餌食なの?

怪人:
私を血の中に転げ回らせたその運命が、私に肉欲も拒絶させている
私たちの愛を汚すこの顔
母の恐れと嫌悪を生んだこの顔
仮面は私が初めてつけた身を覆うものの冷酷なくず
情けが来るのは遅すぎる 振り返れ
お前の運命と向かえ 目の前のこの永遠に!

クリスティーヌ:
この呪われた顔にはもう恐ろしさはない
真の歪みがあるのはあなたの魂の中

怪人:
待て! 客が来たようだ!
子爵 これは実にたぐいまれなる喜び!
あなたが来られることをむしろ望んでいましたよ
まさに今私の望みがかなう 君のおかけで素晴らしい夜になった!

ラウル:
彼女を放せ!
放せば何でも好きなようにしろ!
お前に憐みはないのか?

怪人:
お前の恋人が熱烈に懇願しているぞ!

クリスティーヌ:
お願い ラウル 無駄よ!

ラウル:
彼女を愛してる!
それでは意味がないのか?
彼女を愛しているのだ!
少しでも慈悲を見せろ

怪人:
世界は私に慈悲など見せなかった!

ラウル:
クリスティーヌ、クリスティーヌ
彼女の姿を見せろ

怪人:
お入りなさい ムシュウ歓迎しよう!
私が彼女を傷つけるとでも思ったのか?
なぜ彼女がお前の罪を滅ぼしをなければならないのだ?
さあ、いい馬を頼んで来い!
手を目の高さにあげろ!
もう何もお前を救えない おそらくクリスティーヌを除いては…
私と新しい人生を始めるのだ
お前の愛で彼の自由を買え!
私を拒絶すればお前の恋人を死に送ることになる!
これは選択だ
ここが戻ることのできないところなのだ!

クリスティーヌ:
あなたの暗い運命に流した涙は冷たくなり、憎しみの涙に変わる!

ラウル:
クリスティーヌ 許しておくれ 許しておくれ
すべて君のためにしたのだが無駄になった
クリスティーヌ:
さよなら 私の落ちた偶像 偽りの友…
私たちに希望はあったけれど 今それは打ち砕かれた!

ファントム:
振り返るには遅すぎる 祈りも無駄な同情も遅すぎる!

ラウル:
そいつを愛していると言って そしたら僕の人生はおわる

怪人:
助けを求めたいというすべての望み/闘う意味はない!

ラウル&怪人:
どちらを選んでも そいつが勝つことになる/お前は勝つことができない!

怪人:
さあ、私と生涯をともにするか、
彼を墓へ送るか?

ラウル:
私を助けるためになぜ彼女に嘘をつかせる?

クリスティーヌ:
音楽の天使

怪人:
戻れないところを過ぎた

ラウル:
お願いだ、クリスティーヌ、ノーといって!

クリスティーヌ:
これは誰が報いるの?

怪人:
最後の扉

ラウル:
僕のために君の人生を捨てるな!

クリスティーヌ:
なぜだかいつわかるの?

怪人:
今お前が得るべきものは彼の命なのだ!

ラウル:
君を自由にするために一生懸命やってきた

クリスティーヌ:
音楽の天使

怪人:
戻れないところを過ぎたのだ

クリスティーヌ:
あなたは私をだましたのね。
私はやみくもにこの心を捧げた

怪人:
我慢の限界だ 選べ!

クリスティーヌ:
闇に生きるかわいそうな生き物
どんな人生を生きてきたの?
神がくれた勇気であなたが一人ではないことを示そう

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