窮鼠はチーズの夢を見る(漫画・映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『窮鼠はチーズの夢を見る』とは水城せとな原作の漫画である。2006年2月から2009年5月、大人の女性向けコミック誌『NIGHT judy』で連載される。大人の男同士の甘くない恋愛模様を描いたボーイズラブ作品である。本作は人を好きになることの喜びや痛み、そのリアルな恋愛描写が話題となり多くの女性から支持されている。ある日主人公・大伴恭一の元へ妻から浮気調査を依頼されたという調査会社の男が訪ねてきた。彼は大学の後輩今ヶ瀬だった。今ヶ瀬はずっと好きだったと恭一に告白し恭一はその言葉に翻弄されてゆく。

声:中村 悠一/演:大倉 忠義
本作の主人公。サラリーマンで25歳の頃結婚した妻がいた。妻による浮気調査がきっかけで大学時代の後輩今ヶ瀬と再開する。数々の浮気を報告されたくない恭一は、自分に恋してたというゲイの今ヶ瀬に調査報告しない代わりにキスを強要される。結局浮気の有無関係なく妻に離婚を求められた恭一は独身になる。優しく、モテるため常に女性の方から声がかかる。自分を想ってくれる女性が現れると拒めず、優柔不断で誰かと付き合っている間もそうするため浮気が絶えない。全く同性愛の気はないが離婚後家に居座った今ヶ瀬に押しかけ女房のように尽くされ時間をかけて同性同士の体の関係も慣らされてゆく。今ヶ瀬との生活を心地よく思う反面、ゲイにはなりきれず異性に惹かれ続ける。一途に想い続ける今ヶ瀬と女性の間をふらふらして居たが、たまきが現れ身を引くように今ヶ瀬は恭一の元を去った。たまきと付き合い、婚約までしたが再び今ヶ瀬と再会し関係を持つ。次に今ヶ瀬が戻ってきたら離れることはできないと想っていた恭一はたまきと別れ今ヶ瀬と共に暮らすことを選んだ。

今ヶ瀬 渉(いまがせ わたる)

声:悠佐 浩二/演:成田 凌
調査会社(映画では探偵事務所)に勤める恭一の大学時代の後輩。同性愛者であり、大学時代にテニスサークルの勧誘をしていた恭一に一目惚れをする。その想いを忘れられないまま偶然請け負った浮気調査は恭一の妻・知佳子からの依頼だった。浮気が上がったことを恭一に報告するため再会し、その報告をしない代わりに恭一にキスを強要する。恭一が知佳子と離婚してからしばらく経ってから、恭一の家に押しかけ女房のように住み着いた。家事や料理、気配りまで完璧に恭一に尽くすことができる。執念深い一面もあり、悪びれもなく恭一の携帯やPCのチェックをして恭一に女の気配がないか調べていた。一途に恭一を想うあまり、ゲイではない恭一が自分のものにはならないという現実に苦しんでいた。たまきの出現で恭一の元を去ることになった際も恭一を励ます言葉をかけ「本当に好きだったな」と涙を流す。半年後、恭一と婚約しているたまきはストーカーの被害に遭っていることを調査会社に勤める今ヶ瀬に相談した。そのことで再び恭一と再会する。久しぶりに会った恭一に冷たくされるも、募る想いがさらに抑えられなくなりまた関係を持つ。恭一に彼女と別れてほしいと言ったらそれを受け入れられてしまい、たまきではなく自分が選ばれたことに戸惑いながらも、恭一と生きていく覚悟を決める。

岡村 たまき(おかむら たまき)

声:斎藤 知和/演:吉田 志織

恭一の働く会社の柳田常務の内縁の妻の娘。コネ入社ではなく、自力で父のいる会社に入社した。20歳になるまで父に他の家庭があることを知らされなかった。父の突然の死で自分の立場を再認識し深く傷つく。課長になった恭一の元で働き、恭一に憧れていた。恭一に友人の誕生日プレゼントのワインについて聞かれその時に恭一に彼女がいないことを知る。父の葬儀がきっかけで二人の距離は縮まるがそれをきっかけに恭一と今ヶ瀬は別れてしまう。今ヶ瀬が出て行って一人涙を流す恭一を抱きしめ「空いた隣に滑り込みたい!!」と必死な想いで愛の告白をした。恭一と付き合った後も恭一が去った相手を忘れられないことを悟っていた。やがて恭一に母親を紹介し二人は婚約する。ストーカー被害に遭ってることを今ヶ瀬に相談するが相手に後をつけられ階段に突き落とされる。軽い怪我で入院したが、今ヶ瀬が恭一の元へ帰ったことで恭一に別れを告げられる。恭一の想いを聞いて片想いなら待ってたいと恭一に言うが叶わず、せめて恭一が半分になればいいのにと言った。たまきを好きだったという恭一を否定し「恭一さんは ずっとその人のものでした 私にはわかってました」と言った。二人は泣きながら抱き合い別れた。

大伴 知佳子(おおとも ちかこ)

声:生天目 仁美/演:咲妃 みゆ
恭一の元妻。恭一とは恭一が25歳の時に結婚した。浮気調査を今ヶ瀬の調査会社に依頼したが浮気を疑っていたわけではなく、ただ離婚の時に慰謝料がもらえるかもしれないと思ってのことだった。恭一が稼いで知佳子が使う、ただそれだけの関係だったと言った。恭一は非の打ちどころのない旦那だったが知佳子は「そうやって いつも…あたしが何か言うのを待ってる空気がもう 気持ち悪いの」と言った。知佳子はそれに耐えられず、すでに新しく男を作っていた。

西村 美咲(にしむら みさき)

声:岡田 幸子
恭一が通っていた高校の同級生。旧姓は水野。恭一は当時美咲に憧れていた。再会した美咲は結婚していて子供もいた。後日、美咲は恭一をホテルに誘い出し一夜を共にする。結局は主婦である日常の鬱憤を晴らすためだけにしたことであった。二回目に誘われたホテルで恭一は今ヶ瀬が他の男といるのを目撃し、美咲の目の前で嫉妬心を剥き出しにし今ヶ瀬に食ってかかった。男同士の痴話喧嘩を目の当たりにして美咲は蒼い顔をして立ち尽くしていた。

夏生(なつき)

声:五十嵐 麗/演:さとう ほなみ
恭一の大学の同級生。学生時代恭一と一番長く続いた元カノである。恭一が初めての相手でずっと恭一を想っていたが恭一の度重なる浮気もあり破局。再会後恭一に関係の復活を求める。今ヶ瀬に言わせると今ヶ瀬の知る限りの恭一の彼女の中では一番まともだったという。大学時代、恭一が浮気した時今ヶ瀬に相談していたがそれは別れさせるためだと悟る。今ヶ瀬の気持ちを知り、彼と恭一を取り合う形になった。今ヶ瀬が夏生を呼び出して「手を引いてください」と頼むと夏生はあらかじめ呼んでおいた恭一を同席させた。今ヶ瀬と夏生のどちらかを選んで持ち帰ってと恭一に迫ると、恭一はどうしても今ヶ瀬を選べず夏生を選んでその場から帰った。その後二人はホテルへ行ったが、恭一は今ヶ瀬に対する気持ちの言い訳をするばかりで「勃たなかった」。今ヶ瀬が恭一の元を去った後、落ち込んでいる恭一を励ますため連休は旅行へ行こうと計画する。ところがその前日に恭一は今ヶ瀬を発見し旅行はドタキャンされることになってしまった。

高杉(たかすぎ)

声:丹沢 晃之/演:小柳 友
今ヶ瀬の元カレ。夏生と恭一の食事を知っていた今ヶ瀬は、ちょうどご飯に誘われた高杉を連れて恭一と夏生のテーブルに同席した。高杉は恭一の隣に座り今ヶ瀬に諦めるように言って欲しいと言った。高杉はゲイであり今ヶ瀬との相性もいいのでふさわしく、ノンケの恭一には到底今ヶ瀬とやっていくのは無理だと説得した。

野上 美奈子(のがみ みなこ)

声:日笠 陽子
恭一の部下でたまきの同僚。観察力が優れていている。たまきが恭一に気があることを知った際、今ヶ瀬と同棲している恭一のネクタイや身のこなしを見て「愛されてる余裕がある」と言った。たまきがストーカーに襲われ怪我をした時はすぐに病院に駆けつけた。話をしている恭一と今ヶ瀬を見て二人の関係を悟った。恭一とたまきが別れた直後、恭一がたまきのことを傷つけたことを怒り、ゲイである今ヶ瀬を選んだことをたまきや会社に言うと言った。しかし「最後まで優しくしてもらった」と言うたまきの言葉によって実行することはなかった。

井出瑠璃子(いで るりこ)

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