失恋ショコラティエ(漫画・ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ

『失恋ショコラティエ』(しつれんショコラティエ)とは、水城せとなが『月刊フラワーズ』本誌にて連載していた漫画。物語は完結しており、単行本は同社のフラワーコミックスαから全9巻発行されている。
また、松本潤主演でテレビドラマ化されており、2014年1月から3月まで放送された。
ショコラティエである主人公・爽太を中心に、高校時代からの憧れの女性サエコ、チョコレートショップの同僚で年上の薫子、片思い仲間のえれなとの間の、甘くほろ苦い恋愛模様とそれぞれの切ない思いを描いた恋愛ストーリーとなっている。

『失恋ショコラティエ』の概要

『失恋ショコラティエ』(しつれんショコラティエ)とは、水城せとなが『月刊フラワーズ』本誌にて連載していた漫画である。本漫画はもともと『月刊フラワーズ』増刊の『凛花』(小学館)に連載されていたが、その後『月刊フラワーズ』本誌へと掲載誌が移動となり、同誌2010年11月号から連載されている。第36回講談社漫画賞「少女部門」と第2回ananマンガ大賞を受賞している。作者の水城せとなは、『プチコミック』1993年4月号(小学館)に掲載の『冬が、終わろうとしていた。』がデビュー作である。『失恋ショコラティエ』の他には、真木よう子主演で映画化された『脳内ポイズンベリー』が代表作である。現在は『イブニング』(講談社)にて、初の青年向け漫画となる『世界で一番、俺が◯◯』を連載している。恋愛ストーリーが中心の作風ではあるが、どの作品も男女問わず楽しめるとの声が多く、女性のみならず男性ファンも多い。
『失恋ショコラティエ』は、テレビドラマ化されており、2014年1月から3月2までフジテレビ系の「月9」枠で全11回で放送された。主演は松本潤、他主要キャストには石原さとみや水原希子らが抜擢されている。第17回日刊スポーツ ドラマグランプリGP冬で作品賞、第80回ザテレビジョンドラマアカデミー賞では監督賞などを受賞している。
物語は、製菓学校に通う主人公「小動爽太」は、憧れの先輩「サエコ(高橋紗絵子)」に告白しOKをもらうところから始まる。チョコレートが大好きなサエコのために爽太は自分で作ったチョコレートをバレンタイン前日にプレゼントするが、実は別の男性と付き合っているからとサエコに受取りを拒否されてしまう。付き合っていると思っていた爽太だったが、サエコ本人には全くその意識がなく「体の関係は持っていないので付き合ってるとはいえないし、二股にもならない」と言われてしまう。この事件で傷心状態となった爽太は製菓学校を卒業後フランスに渡り、世界的有名パティスリーのラトゥリエ・ド・ボネールでショコラティエとしての修行を積むことを決意する。それから5年後、爽太はボネールの日本出店とともに帰国する。5年ものフランスでの修行を終え帰国した爽太は、菓子店だった実家を改装して「ショコラ・ヴィ」をオープンするが、そんな爽太の目の前にサエコが現れる。昔と変わらず、本人の心の赴くままに爽太を振り回しまくるサエコ、ショコラティエ仲間の誕生日パーティで出会った片思い仲間のモデル「加藤えれな」、修行後に成長した姿を見せた爽太に淡い想いを抱くパティスリーの同僚「井上薫子」との間に起こる、まさにチョコレートのような甘くもほろ苦い恋愛群青劇を描いた恋愛ストーリーとなっている。また、爽太のサエコに対する決して叶わない恋心から生まれる哀しみは、爽太の生きる軸であるショコラティエという芸術に昇華されているという関係性もこの物語の大きな一つのテーマとなっている。

『失恋ショコラティエ』のあらすじ・ストーリー

爽太とサエコの出会いからフランスでの単身修行まで

サエコのことを溺愛する爽太は彼女のことを「妖精さん」と呼ぶ。

主人公小動爽太は製菓学校に通っている。爽太がショコラティエを目指しているのは、高校時代からの憧れの先輩サエコへの恋心がきっかけだった。サエコが大好きなチョコレートを作るショコラティエになり、彼女を幸せにしたいと考えたのだ。サエコと爽太の出会いは4年前、高校に入学したばかりの爽太は1年上の先輩のサエコに一目ぼれしたが、彼女は各学年の1番のイケメンととっかえひっかえ付き合っているという噂が立っており爽太にとっては幻の蝶のような人だった。そんな彼女に少しでも近づきたい一心の爽太は、サエコの彼氏に取り入ったり、サエコのいる手芸部に入部したりと努力した。決死の努力が実を結び、1年前のクリスマス前から爽太はサエコと付き合い始め、クリスマスイブにはキスをした。その後は膠着状態だったものの、もうすぐやってくるバレンタインにはサエコのために自身が作ったチョコレートを渡したいという思いでチョコレート作りに励んでいた。

ラトゥリエ・ド・ボネールでオリヴィエと出会う。オリヴィエは日本語が話せるため、爽太は彼を救世主だと思う。

爽太の実家はケーキ屋だったためもともと跡を継ぐ予定だったが、何よりチョコレートが大好きなサエコのため彼女を幸せにできるようなチョコレートを作ることが自分の人生の目標となった。そして約束のバレンタイン前日、サエコの趣向を重視した特製チョコレートを渡すが「これは受け取れない」と拒否されてしまう。さらに、「今付き合っている人がいる」と告げられてしまう。爽太に告白された1年前のクリスマスが終わった後、元彼とヨリを戻したという。それでは自分はその彼氏と二股をかけられていたのかと爽太はサエコに問い詰めるが、当のサエコ本人はどこ吹く風。体の関係は持っていないから付き合っているとは言えず、二股ではないという。
結局サエコのために作ったチョコレートは受け取ってもらえず、付き合っていると思っていたのは自分だけだったという事実にひどく傷ついた爽太はしばらく寝込んでいたものの急に思い立ち、フランスへと旅立つ。そして本場の老舗チョコレート店「ラトゥリエ・ド・ボネール」に訪れ、フランス語で「ここで働かせてください」と懇願をする。そこで出てきたのは「オリヴィエ・トレルイエ」。彼は小学生のころに日本にいたので日本語が話せるらしい。爽太は最新号の週刊漫画をオリヴィエに渡す代わりに、「ラトゥリエ・ド・ボネール」の上の人に自分を取り次いでほしいと交渉する。その結果、なんとか雇ってもらえることになった爽太はその後、この店舗で5年間ショコラティエとしての修行を積むことになる。

チョコレート専門店「ショコラ・ヴィ」を開業した爽太とサエコの再会

「ラトゥリエ・ド・ボネール」での5年間の修行を終えた爽太は、ボネールの日本出店をきっかけにオリヴィエとともに帰国する。そして爽太はボネール日本店を支える若きショコラティエ、通称・チョコレート王子としてマスコミに紹介される。それをテレビで観て爽太の帰国を知ったサエコは爽太の働くボネール銀座店の閉店時間を狙い、社員通用口で待っていた。サエコとの再会を喜ぶのもつかの間、ただサエコを振り向かせたくて一生懸命フランスでの修業に励んできた爽太だったが、再会したサエコはすでに他の男との結婚が決まっていた。そしてサエコは爽太に「自分の結婚式に出すウェディングケーキとデザートを作ってほしい」と頼む。複雑な心境のまま、爽太はサエコのために一からウェディングケーキとデザートを開発し、結婚式当日に完成品を提供した。間もなく爽太は独立し、チョコレート専門店「ショコラ・ヴィ」を開店する。サエコも結婚し、爽太とサエコは互いに新たな道を歩み始める。一方、「ショコラ・ヴィ」の同僚「井上薫子」は修行を終えて大人になった爽太にひそかに想いを寄せてるようになったが、爽太には全く告白などできない様子だった。

ライバル店と片思い仲間となる「えれな」の登場

「チョコレート王子」とマスコミに呼ばれた爽太だったが、六道は「チョコレートの貴公子」と呼ばれている。

人妻となったサエコをあきらめたかと思いきや、そんなことは関係ないと思う爽太は彼女を振り向かせるため、あえて「悪い男」を演じ彼女のハンター心をくすぐろうと奮闘する。そんな中、3か国でパティシエ経験を積んだのち、ニューヨークに自身の店「RICDOR」をオープンし今度東京に日本一号店を開くという「六道誠之助」が登場する。爽太は日本一号店の「RICDOR」に視察に向かい、六道と出会うが初対面で仲良くなり、六道は同業者として様々な刺激を与える。特に「60億人のうち59億9千万人に嫌われてもいい。1千万人と愛しあえたらもう十分。自分のチョコレートを欲しいって思ってる人に与えて、縁あった人を大切にしたい。59億9千万人に嫌われることより自分自身のビジョンが消えてしまうことの方が怖い」という言葉は、自分の実現したいショコラティエとしての芸術を爽太に信じさせ、彼に情熱を与えた。

サエコの前でえれなと仲良いところを見せつけ、「悪い男」を演じる爽太。

そしてある日、爽太はショコラティエ仲間の誕生日パーティでモデルの「加藤えれな」と出会い、互いの片思いについて語り合う。えれなはバンドマンの「倉科」に片思いをしているという。意気投合した二人は、お互いに本命の相手がいることを承知の上で体の関係を持つようになる。サエコを振り向かせために「悪い男」を演じようとしている爽太は、あの手この手で毎日奮闘し、少しずつサエコの意識を引いていく。
爽太の思惑通りにハンター心をくすぐられたサエコは行動に変化を起こす。付き合っているつもりでいた爽太を否定した過去があるにも関わらず、掌を返して爽太を「元カレ」と呼んでえれなに対抗してみたり、デートに誘ってみたりする。しかし、決して爽太と一線を越えることはないサエコにまたもや爽太は翻弄されていく。一方、爽太に淡い片思いをしている薫子は自信が持てず何もできないでいた。そんな中、「RICDOR」の従業員・関谷が訪ねてきて、前振り無しに薫子をいきなりデートに誘う。これは、関谷が六道に世界を広げるため「今まで行った事のない人と食事に行くこと」との宿題を出されたためである。関谷と飲みに行った薫子は、彼の指摘で自分が愚痴を言っているだけの女性であると気がつく。しかし、自分はサエコやえれなとは違い、ショコラ・ヴィの一従業員にしか過ぎないただの女であり、勇気を出して爽太にアプローチをすることなんてできないと悩み続ける。

サエコと旦那との不穏な夫婦生活

遂に妻であるサエコに手を挙げてしまった幸彦。

早々と結婚し、幸せをつかんだかのように見えていたサエコだったが、サエコの旦那の「吉岡幸彦」は実は短期で酒乱のDV夫だった。幸彦は職場でたまったストレスをぶつけるため、とにかくサエコに説教じみた暴言を吐く理由を探してはサエコに怒鳴り散らす毎日。サエコはそれに対し反抗の言葉を返し、その返しが罵りの材料を与え、さらに幸彦が暴言を吐きまくるという悪循環で、夫婦生活は決して穏やかとはいえないものだった。そんなある日、ついに幸彦はサエコに手を挙げてしまい、サエコの顔に傷がついてしまう。「跡が残ったらどうしよう」というサエコに「嫁入り前でもないし、顔の真ん中でもないからいいじゃん」と悪びれる様子もない幸彦。そんな旦那にサエコは次第に愛想をつかしていく。傷心のサエコは時間を見つけては爽太の店に足を運び、密かに心を癒される毎日を送っていた。

クリスマスの時期にそれぞれの恋愛模様は大きく動き出す

えれなの悪口を言う薫子を批難する爽太。

ショコラ・ヴィは新商品「パン・デピス」が予想以上の売れ行きになり、もはやヒット商品となりそうな勢いであった。これも爽太がサエコに影響されたが故に開発された商品だった。クリスマスに向けて「ビュッシュ・ド・ノエル」の予約受付はすぐに上限に達するほどの盛況ぶりで、店は大変好調であった。一方、爽太の片思い仲間のえれなは倉科に告白するも、実は倉科は妻帯者で娘も2人いると説明する。そして、丁重に断りを入れられ、えれなの片思いは終わってしまった。そしてクリスマス当日、ショコラ・ヴィのメンバーで閉店後に皆で飲みにいくことになっていたが、失恋したえれながどうしても心配で、飲みに行かずにえれなの元に駆け付けようとする爽太。爽太に片思いをする薫子は強い嫉妬心を抱き、片思いが実らなかった直後に別の男性に助けを求めるえれなを悪く言う発言をしてしまう。それに対し爽太は怒りを表し、「薫子さんはいつも人の悪口ばっかり。俺は女の悪口言う女は大嫌いだよ!」と反論する。薫子は「私だってこんな私は好きじゃない」と涙を流す。

自分の片思いにケジメをつけ、えれなとの関係をきちんと考えると伝える爽太。

そして、失恋したえれなの元に駆け付けた爽太。えれなが失恋したことでえれなも爽太も「自分たちがしていた片想いはファンタジーだった」と気づき、お互いの大切さに気付く。そして、爽太は自らの片思いに決着をつけてえれなとの関係をきちんとしようと決意する。

爽太の片思いを終わらせるためのバレンタイン

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