86(エイティシックス)のネタバレ解説・考察まとめ

『86ーエイティシックスー』とは電撃文庫から刊行されているライトノベルおよびそれを原作とした漫画、アニメ作品。著者は安里アサト、イラストはしらび、メカニックデザインはI-IV。
軍事大国ギアーデ帝国は国内で開発した無人兵器〈レギオン〉を武器に周辺諸国へ宣戦布告。〈レギオン〉部隊による侵略戦争が全世界を巻き込んだ大戦となる。
尊厳を奪われ消耗品として扱われるエイティシックスと後方から特殊通信で彼らの指揮を執る指揮管制官〈ハンドラー〉が織りなす激しく悲しい戦いと、人との別れが連なる物語である。

『86ーエイティシックスー』の概要

『86ーエイティシックスー』とは電撃文庫から刊行されているライトノベルおよびそれを原作とした漫画、アニメ作品。著者は安里アサト、イラストはしらび、メカニックデザインはI-IV。『このライトノベルがすごい!2018』(宝島社 刊)部門で新作1位&総合2位、第23回電撃小説大賞の大賞作品である。作家で最終選考委員の時雨沢恵一(代表作『キノの旅』)の推薦文では「ストーリー、伏線、作中ギミックの使い方、戦闘描写、全体を漂うヒリヒリとした雰囲気、そしてラストの一文まで、文句なしの大賞作品。この戦いを”全て目撃する”のはあなた。」と大絶賛されている。

帝国の放つ無人兵器〈レギオン〉を迎え撃つのは共和国製自立無人戦闘機〈ジャガーノート〉。共和国は〈ジャガーノート〉の指揮を執りを辛うじて撃退する日々が続く。国内の報道は〈ジャガーノート〉が〈レギオン〉を倒し今日も平和であると伝える。しかし〈ジャガーノート〉は無人兵器ではなく有人兵器。搭乗者は共和国純血以外の移民。彼らは存在してはいないもの「エイティシックス」と烙印を押され対〈レギオン〉戦に駆り出される。なぜこんな非人道的行為がなされているのか。それは共和国が行っている人種差別制度が存在しているからだ。純血の白系種(アルバ)と共和国に住まう有色種(コロラータ)とで区別し、有色種を帝国に与する敵性市民と断定。そして行政が管轄を行う85区以外(人外領域)に強制収容させられる法律”治安維持法”が制定されている。85区以外(人外領域)で有色種は人型の豚とみなされ人間扱いをされず、エイティシックスという蔑称で呼ばれていた。

主人公シンはエイティシックスであり、最前線で活躍するスピアヘッド戦隊の隊長として〈レギオン〉を殲滅している。一方ヒロインであるリーゼは最前線から120km程度離れた大要塞壁群〈グラン・ミュール〉で遠方同士意思疎通可能なレイドレバイスを装着し指揮管制官〈ハンドラー〉としてシン達の戦いを勝利へ導く。2人は戦う。少女は”涙”と共に。そして少年は”死”と共に。数々の出会いと別れを繰り返し、戦争を終わらせるため戦場へ赴くエイティシックスたちの活躍が続く。

『86ーエイティシックスー』のあらすじ・ストーリー

サンマグノリア共和国

9年前、帝国ギアーデ連邦は、自立無人兵器レギオンを開発し侵略戦争を始めた。
隣国のサンマグノリア共和国は自国で開発した、無人戦闘機ジャガーノートで応戦していた。ジャガーノートは表向きは無人とされていたが、実際は人が乗って操縦していた。操縦者は共和国の有色種(コロラータ)で、エイティシックスと呼ばれる人々だった。

共和国では純血の白系種(アルバ)とそうでないコロラータに分けられ、行政区の85区にはアルバが住み、コロラータは人外領域である86区という地区に強制収容されて戦争に送り込まれていた。
コロラータは人扱いされず戦死者とカウントされなかったため、共和国市民には無血戦線と伝わっていた。

共和国の軍人レーナは、エイティシックスを後方指揮する指揮統制者ハンドラーだった。
彼女は精鋭部隊の集まるスピアヘッド戦隊を指揮し、戦隊長のシンと共に戦っていた。シンはレギオンの気配を察する能力を持っていた。
レギオンは複雑な動きをするため、あと2年で動かなくなることが分かっていた。そのため彼らはこの期間の生き残りをかけて必死で戦っていた。

しかし帝国は、兵士を「黒羊」、部隊の指揮者を「羊飼い」と称し、寿命をつかさどる中枢部分を人間の脳に置き換えた進化系のレギオンを開発していた。
進化系レギオンに使われる脳は、戦場の死体から抜き取られており、中にはスペアヘッド戦隊員の脳もあった。

共和国はスペアヘッドに、後退不可で無期限のレギオン偵察任務を与えた。
シンは戦場で「羊飼い」となった兄レイの声を聞き分けた。
レイとの戦いは熾烈を極めたが、レーナの後方支援を受け、シンはレイを撃破し戦闘は終わった。
戦いを終えたシンは知覚同調(パラレイド)しているレーナに「追いついてほしい」と告げ、共和国の手が届かない所へ逃げた。

共和国はエイティシックスに戦いを押し付けていたため、軍がまともに機能せず1年後にレギオンに侵略され滅亡した。
レーナは共和国の第1区にいたためレギオンの殺戮を逃れ、防衛線の指揮を執っていた。

ギアーデ帝国は4年前に市民革命が起こり共和制ギアーデ連邦となっていた。
連邦軍が救援に訪れた時、生き延びていた共和国の市民は喜んだがエイティシックスへの迫害を知られてしまい迫害者とみなされてしまった。

連邦軍に派遣という形で特別任務に就いたレーナの新しい部下は、スペアヘッド戦隊員だったシンたちだった。戦場で別れてから2年が経っていた。

シンとギアーデ連邦政府

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再会するレーナとシン

シンがレーナと別れた少し後から再会するまでの話。
ギアーデ連邦政府の暫定大統領エルンストは、エイティシックスの生き残りを保護していた。
連邦政府は帝国を市民革命で滅ぼしたが、レギオンは連邦政府を敵とみなし攻撃したため、現在はギアーデ連邦がレギオンを討伐していた。
エルンストはじめ周囲の大人は、シンたちを一般人に戻し平穏な生活を送らせようとしたが彼らは戦場へ復帰した。

ギアーデ連邦軍は帝国時代の名残で子どもを戦場に連れ出し、兵士と寝食を共にして疑似的な家族を作り兵士が逃げないようにしていた。
それを受け入れている旧帝国ギアーデ最後の女帝フレデリカはまだ10歳だった。
フレデリカには知人の現在と過去を透視する能力があった。

フレデリカの騎士だったキリヤ・ノウゼンは、革命時フレデリカを守るため帝国側についたが、同国の兵士を殺していくうちに心を病んでレギオンに倒されてしまった。

シンは共和国時代兄に会うという目標をもち戦っていたが、今は未来が見えずただ戦っているだけだった。
フレデリカからキリヤの話を聞いたシンは、キリヤと同じで戦場にしか自分の居場所がないと思うのだった。
そんなシンを兄のように思っていたフレデリカは彼を戦場に行かせたくなかった。

列車砲を持つレギオン電磁加速砲型「モルフォ」と、多脚甲兵器 「フェルドレス」に搭乗して戦うシンの前にレーナが現れた。
シンはパラレイドで繋がっていただけで顔は知らなかったが、レーナの声を聞き共和国でスペアヘッドを指揮していた人物だと確信した。
応答したシンにレーナは「負けると分かっていても最後まで戦う。自分を信じて生き延びた人に追いつき、彼らと共に戦う」と言った。シンは自分たちのことをレーナが覚えていてくれたのだと実感した。
エルンストが到着しレギオンを倒すとレーナは会話したのがシンとは気付かず共和国に帰っていった。

その後ギアーデ連邦に特別任務として派遣されたレーナは2年ぶりにシンと再会した。
「元スペアヘッド戦隊隊長、シン・ノウゼン」とあいさつしたシンに、「これからは一緒に戦う」とレーナは微笑んだ。

共和国解放

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突如〈レギオン〉から少女の形をした光が現れ、シンに対し「さがしにきなさい」と伝える

2年ぶりに再会したレーナとシンはこの2年間について話をした。
レーナはアルバの特徴である銀の髪の一房を赤に染め誰かに流させた血とし、黒の軍服を着てエイティシックスだけ死なせた喪としていた。
シンはエイティシックスだけを犠牲にし罪悪感でいっぱいだったレーナを慰めた。

シンたちの新しい任務は共和国奪還だった。共和国の暫定政府は未だエイティシックスを差別しレギオン討伐に利用していた。さらにギアーデ連邦に保護されたシンたちの返還を要求し、レギオン討伐に充てようとしていた。

アンリエッタ・ペンローズはかつて父親同士がパラレイドの研究をしていたことから、シンとは幼馴染だった。
戦争が始まりコロラータのシンと父は行政府から追い出され、アネットの父は人体実験をしていたことに心を痛め自殺していた。
父の研究を引き継いだアネットも共和国奪回作戦に参加することになった。

共和国内の調査を開始したアネットの護衛戦隊が、レギオン近接猟兵型「グラウヴォルフ」に襲撃された。捕らえられたアネットは脳の摘出手術を受けさせるために捕獲された人々を発見した。

一方能力を使ってアネットを探していたフレデリカとシンの前に、突然大量の「羊飼い」が現れた。この「羊飼い」は行政区にいた共和国市民と思われた。
探索を続けたシンは実験室で大量の脳を発見した。レギオンは共和国市民の劣化していない脳を複製し、人間の脳を持つレギオンを作っていた。
シンは脳を取り出されるのを死んだように待っているアルバに、かつてのエイティシックスの姿を重ねていた。
衝撃を受けたシンだったが作戦に戻りアネットを救出した。

アネットの救出中、シンを襲ったレギオンから液体のマイクロマシンが出てきた。それは少女の形になり「さがしにきなさい」と唇を動かした。
この少女は、連合王国のレギオン開発主任であったゼレーネ・ビルケンバウムと思われた。彼女は人工知能「マリアーナ・モデル」を改良し、レギオン制御系を作った天才科学者だった。しかしレギオン斥候型「アーマイゼ」の初期ロット運用開始前に死亡し、遺体は見つかっていなかった。

テレビでは共和国に迫害されたエイティシックスが、愛国精神をもって自ら進んで戦場に赴いたと報道していた。
レーナは報道に失望したが、エイティシックスが侮辱されてもシンは気にしていなかった。シンたちエイティシックスにとって、この世界は美しくなく期待が持てるところではなかった。自分とは違う世界を見ている事実に、レーナはただ涙するのだった。

ロア=グレキア連合王国

レーナたち第86独立機動打撃群の次の戦地は、友好国にして仮想敵国のロア=グレキア連合王国だった。
連合王国はレギオン阻電攪乱型「アインタークスフリーゲ」によって上空を電磁妨害され、太陽の光が届かず雪国になっていた。
そのため「アインタークスフリーゲ」の増産拠点である、竜牙大山内部のレギオン壊滅を目指していた。
一方レーナたちは「無慈悲な女王」と呼ばれるゼレーネの情報を得ることを目標としていた。
ロア=グレキア連合王国の第二王子ヴィークトル・イディナロークはレーナたちと合流した。

ヴィーカの率いる部隊の半自動式集団戦用の「フェルドレス」である「アルカノスト」には、人造妖精「シリン」のレルフェが乗っていた。「アルカノスト」とヴィーカはパラレイドで連携した。
レーナはパラレイドは人間の間で使用する通信手段であったので、シリンの「アルカノスト」とどうやって集合意識体を経由するのか疑問に思った。
その疑問にヴィーカは「アルカノスト」は死者の脳を処理系統に利用していると答えた。

竜牙大山へ向かい作戦を遂行する中、ヴィーカとレーナが待機するレーヴィチ要塞と機動打撃群はレギオンに囲まれ分断されてしまった。
要塞側は籠城戦を余儀なくされたが、要塞に突撃してくるレギオンは戦闘能力が低い共和国市民の脳を複製していた。そのため籠城作戦が分からず戦況は有利であった。
その後、無事シンたちと合流することができた。

シンは自分の能力で死者の声が聞こえるため、シリンのレルフェを苦手に思っていた。
連合王国の戦闘に入ってから死者の声が頭で鳴り響き調子が出ないシンに、レルフェが「自分たちにもっと戦闘を任せればいい」と話しかけてきた。
シンにとって他人に戦争を任せることは共和国が自分たちに強いたことと同じだった。そのため「誰かに自分の運命を委ねることは無様だ」とレルフェの言葉を受け入れられなかった。

レルフェはヴィーカの幼馴染の脳を複製した人型機械だったため、人間が生きることに執着することを知っていた。レルフェは「無様だからと戦場で生きることを選ばず、自分たちに戦闘を任せろ」とシンに告げるのであった。

高台にある要塞から脱出するため、「アルカノスト」に先頭を任せることになった。
レギオンと激突し倒れたシリンたちを踏みつぶして、シンたちは前に進んだ。アルカノストの残骸を見つめながら、シンは「この世界は美しいか」と聞いたレーナの言葉を思い出し「これは美しくない」と思うのだった。

シンの苦悩

作戦が開始されてから半年が過ぎ、シンは自分の能力で死者の声や思考を理解してしまい苦しんでいた。
そんな時連合王国の軍事会議に出るためドレスを着たレーナを見て、エイティシックスとは違い戦場にいる存在ではないと思った。
レーナはシンに「こんな世界でも、欲しいものを望んでもいい」と語りかけた。

竜牙大山南部支配域での作戦を遂行していたシンは「アルカノスト」が撃破されていく光景を目の当たりにした。
シンはレーナの誰もが幸せにという願いを「自分はどうすることもできない」と嘆いた。
そしてレーナの「望んでもいい」という言葉を思いだし、「自分のような望めない人間はどうしたらいいのか」と思い悩んだ。

「アルカノスト」の捨て身の戦いから、シンの様子がおかしいと仲間たちは思っていた。
エイティシックスのクレナは「苦しいなら、無理に変わらなくてもいい」と助言するが、シンは誰かと共に生きたいのなら今のままではいけないと思っていた。

戦闘中、かつてスペアヘッドが乗っていた「ジャガーノート」と似た動きをするレギオン重戦車型「ディノザウリア」が現れた。シンは能力でスペアヘッドのカイエだと気付いた。
エイティシックスの魂を自分で救いたかったシンは、「ディノザウリア」と一騎打ちをした。
しかし今までの疲れと最近思い悩んでいたことが重なり、集中力にかけたシンは戦闘中の意識をなくしてしまった。

診察室に搬送されたシンは体に問題はなかった。心配して訪れたレーナは「何か心配事があるのか」と尋ねたがシンは答えなかった。
「何でもない」と答えるばかりのシンに、力になれないと感じたレーナは泣きながらその場を飛び出した。

竜牙大山拠点作戦は前回と同じく発電プラント「アトミラル」と自動工場型「ディーゼル」の破壊を最優先とし、次いで当該拠点指揮官「無慈悲な女王」の捕獲としていた。
シンたちは戦闘をこなし作戦を成功させていった。
一通り作戦を遂行し待機していたシンに、パラレイドでレーナは「帰ってから気楽に話そう」と伝えるのだった。

希望

竜牙大山内部へ進行するときが来た。レーナは発令所に、シンは竜牙大山に向かった。
レギオン高機動型「フォニクス」はレギオンの中でもシンの能力であるレギオン索敵能力に重きを置いていた。しかし今回それはシンを襲撃するのでなく、レーナのいる発令所をターゲットにした。

レーナは「フォニクス」の目的を知るため囮になることを決めた。シンはそのことを知らされると憤慨し、90㎞も離れた発令所にレーナを救出に向かった。
救出されたレーナは「自分のことは気にするな」とシンに言った。シンは戸惑いながら「海を見せてあげたい」と自分の願いをレーナに伝えた。
「今後どうなるか分からないが、希望を失わさせないで欲しい」とレーナに望むのだった。

竜牙大山に戻ったシンは二足歩行の「フォニクス」と遭遇した。激しい戦闘の末シンは勝利したが、機体は損耗が激しくパラレイドも繋がらなかった。
体力も限界だったシンは死を覚悟するのだった。

その時「アーマイゼ」の気配がした。それは「アーマイゼ」の上位互換の上位指揮官機「無慈悲の女王」だった。
レーナに海を見せるという希望を持ったシンは最後まであきらめずに戦った。
そこにシンを探しに来た仲間とレルフェが現れ、彼らの助けを借り「無慈悲な女王」を無事捕獲することができた。

レルフェは再び「戦場は自分たちに任せるべきだ」とシンに言った。死んだ「アルカノスト」は道具として何度でも生まれ変わり、役に立つことができると話すのだった。シンは「自分は道具にもなれないが、生きたいから戦う」とレルフェに言うのだった。

無慈悲な女王

戦いを終え隣接国の保養地で休みを過ごしていたシンは、レーナと今まで交わした言葉を思い出していた。そしてレーナに対する自分の気持ちを自覚するのだった。

「無慈悲な女王」は捕獲されてから何も話さなかった。
なすすべもなく時間が過ぎる中、ヴィーカはゼレーネが「自分を探せ」と言ったことを思い出しシンと共に収容室へ向かった。
「無慈悲な女王」の生前の名前はゼレーネで、ヴィーカの母親のマリアンナ・モデルを研究しレギオン開発に大きく貢献した人物だった。

シンが時間をかけて接触するうちにゼレーネは少しずつ話し始めた。
ゼレーネは人を救いたかったがレギオンは戦闘兵器としてばら撒かれてしまった。
ゼレーネは全土に渡るレギオンの一斉停止をする方法を伝えた。それはレギオン支配層最奥、帝国最深部で停止コードを使う方法だった。停止コードの発信はギアーデ帝国による承認が必要なためフレデリカに頼むしかなかった。

ゼレーネはレギオンの現状を知るため、ノゥ・フエイスにコンタクトを取ろうとするが反応がなかった。ゼレーネとノゥ・フエイスはかつては人間だった。

ノゥ・フエイスが戦争で死んだ頃は寿命付きの中央処理装置を使っており、寿命を長くするための代替品として複製されたのがノゥ・フエイスだった。
長きにわたって活躍したノゥ・フエイスは、今や統括ネットワークの指揮官機になっていた。最近ノゥ・フエイスはレギオンでない何かになりつつあった。
ゼレーネは平和をもたらすためノゥ・フエイスの企てを阻止することを決めた。

数日間の保養期間を終えたシンはレーナに自分の想いを伝えた。レーナはそれに答えるようにキスをした。

クレナの不安

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〈原生海獣(クジラ)〉の砲撃に戦場は混乱。セオが搭乗する〈ラフィングフォックス〉の一部と、セオの右腕は損失してしまう

ゼレーネのレギオン全停止案はまだ未確定な情報であることから保留になった。
シンたちはレギオンの大攻勢が観測されたため、レグキード征海船団国群に派遣されることになった。

シンは最近退役した後の未来のことを考えるようになっていた。
その姿を見てスペアヘッドの隊員セオとクレナは、今後自分たちもどうすべきか悩むようになった。
同じく隊員のライデンとアンジュは、シンに頼ってばかりいたことを反省しシンを開放するべきだと考えるようになった。

クレナはレギオン「モルフォ」との激戦中、シンがエイティシックスや自分を捨ててしまうのではないかと不安になり集中力を欠いてしまう。それにより射撃が上手くできず撤退命令が出されてしまった。
クレナの撤退により多くの隊員も犠牲になった。セオも右腕を失ってしまった。

未来へ

次の戦場はノイリャナルセ聖教国だった。ここの兵士は10代が目立った。軍隊長のヒエメルナーデ・レェゼも10代だった。

クレナは大きなミスを犯した自分を責め塞ぎ込んでいた。
結果を出せないクレナは当初作戦から外される予定だったが、シンが責任を持つと進言したため作戦に加わることができた。
それを上官から聞いたクレアは、自分を信じてくれる人がいることに気付き次第に調子を戻していった。

苦戦を強いられなかなか進まない戦況の中、突然ヒエメルナーデがレーナたちに降伏を要求してきた。
幼少時聖女の象徴として軍から利用されたヒエメルナーデは、無理やり居場所を温かい家庭から戦場へ移されていた。同じ境遇で戦場や過去にしがみつくしかないエイティシックスなら、自分の要求を受け入れると信じていたのだった。
しかし未来を見るようになっていたシンたちにヒエメルナーデの声は届かなかった。

レギオンを制圧し戦闘が終わりヒエメルナーデは然るべき処分を受けた。
クレナはシンに自分の気持ちを伝えた。シンに受け入れられなかったが、気持ちを整理し未来を見るのだった。

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