ザ・ファブル(漫画・映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『ザ・ファブル』は日本の青年漫画。作者は南勝久。講談社の『週刊ヤングマガジン』で2014年49号から2019年51号まで第1部が連載された。伝説の殺し屋「ファブル」は組織の命令によって佐藤明という偽名を付けられ、誰も殺さない一般人として生活する。移住先の大阪で、明はパートナー洋子とともに周囲の優しさに触れる。しかし、明たちはトラブルに相次いで巻き込まれていく。2019年、岡田潤一が主演を務めて実写映画化され、2021年に第2作が公開される。

『ザ・ファブル』の概要

伝説の殺し屋ファブル。多くの謎に包まれている。

『ザ・ファブル』は日本の青年漫画。作者は南勝久。講談社の『週刊ヤングマガジン』で2014年49号から2019年51号まで第1部が連載された。2017年に第41回講談社漫画賞一般部門受賞し、2020年11月、発行部数800万部を突破するなど人気を集めている。
物語は、伝説の殺し屋「ファブル」が、組織の命令によって佐藤明という偽名を付けられ、一般人として生活する様子を描く。「ファブル」とは寓話という意味を持ち、圧倒的な強さと明かされぬ存在から裏社会の人間から付けられている呼称。殺しを業として行う組織に所属していた明は、組織の長であるボスの指導を受け、殺しの技術を磨いてきた。その腕前は組織における暗殺の最高傑作と言われるほどだった。しかし、時代の変遷とともに殺しは合わないと考えていたボスは、明を一般人として暮らせるかを試すため、殺しを禁じて大阪で1年間暮らすように命じる。明は、組織のパートナーの洋子とともに大阪に移住し、組織とつながりがある暴力団「真黒組」の世話を受けながら一般人として生活を始めるのだった。しかし、移り住んだ先で相次ぐトラブルに巻き込まれる明たち。決して人を殺さない伝説の殺し屋。非情にも人の命を奪っていた明は、周囲の優しさに触れながら心を通わせていく。
2019年6月21日に実写映画化された。岡田准一が主演を務める。映画の見どころは、岡田演じる伝説の殺し屋「ファブル」のアクションシーン。大勢の敵を岡田が次々と倒していくというダイナミックな格闘シーンは迫力満点である。漫画の格闘シーンを再現するために、特殊部隊での訓練を受けたフランス人アクション振付師が振り付けを担当している。一部の振り付けは岡田が実際に行っている。映画版は、出所した暴力団の小島によるデリヘル運営を巡るストーリーを中心に実写化されている。洋子役を木村文乃、組織のボスを佐藤浩市、ミサキに山本美月が演じるほか、福士蒼汰、柳楽優弥、向井理ら豪華キャストが演じている。脚本は『20世紀少年』『GANTZ』の渡辺雄介、監督は江口カン。映画版は第2作も制作されている。2021年2月5日に公開される予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で延期され、2021年6月18日に公開される。
また、明のオフショットを描いた漫画『ざ・ふぁぶる』も2020年6月に発売されている。明のほか、洋子や交友のある暴力団員の何気ない日常を描く短編作品。

『ザ・ファブル』のあらすじ・ストーリー

伝説の殺し屋 休業へ

華麗な殺しの技で暗殺するファブル。

裏社会で暗躍する殺し屋「ファブル」は殺しのプロ。その腕は右に出るものがいない。6年間で70人余りを殺害してきた。ある夜も、人身売買に手を出した暴力団5人をあっという間に殺害。ヤクザや政治家、有名人などさまざまな者からの依頼を受けて業として殺しを行っているが、ファブルの正体は謎に包まれている。組織に所属していることは分かっているが、詳しいことは分からないのだ。ある日、ファブルのボスの男が新たな命令を出す。「殺しの数が増えている」という理由で、一般人として1年間暮らすというものだった。

一般人として大阪に移住することになった佐藤明と洋子。

ファブルは、佐藤明という偽名を名乗り、ファブルの殺しのパートナーの女も「妹の洋子」として一緒に生活するように命令される。加えて「誰も殺さない」という条件も付けられていた。ボスから生活資金の5000万円を渡された明は、洋子とともに大阪へ。ボスの紹介で暴力団「真黒組」から家などを用意してもらう。しかし、真黒組の若頭の海老原は、謎が多い2人のことを信用しておらず部下の高橋に監視するよう指示していた。その高橋は自分の興味から、知り合いのアマチュア格闘家を雇うなどして明の実力を確かめようとする。

一般人を演じるためにわざとケンカに負ける明。

明は海老原らに監視されていることもすべてお見通しだった。格闘家に襲われた際も、殺し屋だとバレないように倒されるふりをするなど、一般人を演じることを楽しんでいたのであった。ある日、海老原は明を飯に誘う。車の中で海老原は「殺し屋のファブルであることを信じたい。この街で平穏に暮らしたいなら元レスラーを殺せ」と言った。気の進まない明だったが、平穏に暮らすために海老原の提案にのるのであった。明にとって相手を倒すに必要な時間は「6秒だ」と言う。元レスラーと対峙する明は、相手を飛び越えて頭を掴んで倒し、のど元に拳を一発入れる。一瞬で倒してしまう。殺しの技術に驚く海老原だったが、「まだ生きているから殺せ。お前は快楽で殺しをやっているんだろう」と明に銃を突きつけた。しかし、「快楽殺人ではない」と明は言い切り、平穏に暮らしたいと海老原に頭を下げた。海老原は明の気持ちを理解し、協力者になった。

オクトパスで面接を受ける明。

明はインコをペットとして飼い、平凡な暮らしを送ろうとしていた。大好きなお笑い芸人のジャッカル富岡に影響を受けて、アルバイトを始めることにする。殺し屋の明はバイトなど働いたことはなく、面接はことごとく落ちる。そうした中、街中でミサキという女性と知り合う。ミサキの勤務先でもある小さなデザイン会社「オクトパス」で働くことが決まる。伝説の殺し屋の時給800円のアルバイト生活が始まった。

伝説の殺し屋 殺さず人助け

デリヘル運営のために商売敵の相手を撃ち殺す小島。

その頃、真黒組に所属していて15年間にわたって服役した小島が出所する。同じ時期、海老原が心筋梗塞のため入院。それをいいことに、小島は、金を稼ぐためデリバリーヘルスの運営を始めることにする。しかも、同じ組の幹部の砂川が担当する管轄での経営に手を出すのであった。粗暴な小島は、砂川が面倒を見ていた経営者を殺した上で出店の計画を進めるが、オープンするにあたって看板の風俗嬢として、街中で歩いていたミサキが目を付けられる。さらに、グラビアアイドルをしていたミサキの過去を偶然知った同僚の貝沼も彼女をゆすろうとしていた。

子どもっぽいイラストを描く明。

一方、明は、アルバイト先でデザインを任されることになる。子どもが書くようなデザインが、なぜか気に入られる。時給が900円にアップしていた。

砂川が雇った殺し屋のフード。

水面下で動く小島に気づいた砂川は殺し屋を雇う。

小島とデリヘルで働く契約を結ぶミサキ。

デリヘルにスカウトされてしまったミサキの周辺では、アルバイト仲間や勤務先の店長が通り魔に暴行されるなど小島による嫌がらせがエスカレートしていた。好意を寄せる貝沼は、ミサキの家に盗聴器をしかけていたためその事情を知っていたが隠していた。しかし、明は貝沼の秘密を見抜く。殺し屋だった明は、平凡な暮らしを送る中で自分を支える誰かを助けたいという気持ちが芽生え始めていた。そして、ミサキを助けるために準備を進めるのであった。一方のミサキは、自分のせいで多くの人が傷つくことなどから、デリヘルで働くという契約を小島と結んでしまう。

GPSの付いた腕時計を高橋に贈る洋子。

砂川は、小島の動向を探るために直接電話し、会う約束を取り付ける。殺害される計画などまったく知らない小島は、砂川にデリヘルの一件を話しミサキという看板の風俗嬢を手土産にすると告げる。一方、ミサキが危険にさらさていることに気づき、助けようと準備をする明と洋子。洋子は明に頼まれ、暴力団の高橋にGPSが付いた腕時計をプレゼントする。高橋の動きを把握することで、小島の動きを読むためだった。明は、モデルガンを改造して、殺傷能力の高くない銃を作製。あくまでも、ボスからの「1年間は殺さない」という命令を守らなければならなかった。

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