食糧人類(Starving Anonymous)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『食糧人類(Starving Anonymous)』とは、原案・水谷健吾、原作・蔵石ユウ、作画・イナベカズによるパニックホラー漫画である。高校生の伊江とカズは帰宅中に何者かに誘拐されてしまう。目を覚ました伊江が目にしたのは丸々と太った人間と、それを解体する職員の姿だった。伊江は施設で出会った山引とナツネと行動を共にし、施設からの脱出しようと試みる。連載時、人間が未知の生物に飼育・捕食されるというショッキングな内容とグロテスクな描写で話題となった。

巨大生物のクイーンの元に向かう際、山引が言った言葉が、「永遠とも思える永い間死ぬほどの苦痛に耐えられることができれば奴らを根絶やしにできる」
である。ナツネと自分の特異体質を最大限に活用し、巨大生物に立ち向かっていった二人。変態や倫理観の外れた人間という描写もあった山引だが、その身を挺して人類を救う決意を見せた印象的な一言である。

ベンチに刻まれたメッセージ

ナツネや山引を探すため、施設のあった場所に戻ってきた伊江。しかしそこは人気のない廃墟と化していた。二人の生存を信じて探し続ける伊江だったが、力尽いてベンチに座り込んでしまう。その時に目にしたのが、ベンチに刻まれていたメッセージ。メッセージの主はナツネであり、それを見つけたことで伊江はサバイバルを生き抜いた仲間たちの生存を知る。直接的な再会は描かれていないが、伊江が立ち直る姿、そしてナツネと山引のその後を読者の想像力に委ねるラストシーンになっている。

『食糧人類』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

衝撃作を生み続ける鬼才コンビ

原作者の蔵石ゆうと作画担当のイナベカズは、大人気漫画『アポカリプスの砦』でもタッグを組んでいる。ゾンビと不良のサバイバル・パニックであり、「食料人類」に通じる絶望感が描かれ、話題となった。またこの他にも事故死がきっかけで全ての電子機器を操る「電人となった青年「N」の暴走を描いた衝撃のサイコスリラー『電人N』でも、蔵石とイナベはタッグを組んでいる。

原作小説の存在

実は原作となる小説が存在する『食料人類』。原作小説の著者は作家・脚本家として活躍する水谷健吾。小説投稿サイト「エブリスタ」に原作があり、小説版と漫画版では設定が異なっている。

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