Dr.STONE(ドクターストーン)のネタバレ解説まとめ

『Dr.STONE』とは、原作・稲垣理一郎、作画・BoichiによるSF・サバイバル漫画である。2017年から『週刊少年ジャンプ』で連載開始した。2019年に第1期が全24話でアニメ化し、2021年に第2期が放送予定。ある日、謎の光によって地球上の全人類が石化してしまう。長い長い時が流れ、最初に石化から目覚めたのは主人公「石神千空」で、人類が石化してから約3700年が経っていた。人類はこれまで築いてきた全文明を失うが、千空は幼馴染「大木大樹」などの仲間と共に科学によってその文明を取り戻していく。

『Dr.STONE』の概要

出典: eiga.com

『Dr.STONE』とは、原作・稲垣理一郎、作画・Boichiによる日本の漫画作品である。2017年に『週刊少年ジャンプ』で連載を開始。話数カウントは「Z=○」となっている。作画担当のBoichiにとっては初の少年漫画である。2019年~2020年に同作者コンビが描く番外編『Dr.STONE reboot:百夜』が同時連載された。2019年にアニメ化し、コミック7感の中盤辺り(レコードを聞くまで)までのストーリーを原作通りに放送。第1期放送後に2021年1月から第2期が放送された。

2018年に次にくるマンガ大賞2018 コミックス部門2位入賞、同年に第64回小学館漫画賞少年向け部門受賞した。
コミックの他に番外編『Dr.STONE reboot:百夜』と、小説『星の夢、地の歌』『声はミライへ向けて』(著:森本市夫)、ムック本『Dr.STONEの最強自由研究』が発売。
2020年に卓上ゲーム「Dr.STONE ボードゲーム 千空と文明の灯」が発売予定。
2020年2月に「リアル脱出ゲーム×Dr.STONE 石の洞窟(ストーンケイヴ)からの脱出」を開催。

ある日、地球は謎の光に包まれ人類全員が石化してしまう。3700年後、科学に精通した主人公「石神千空」が石化から復活すると人類の文明は全て滅び、周りには自分と同じく石化した人間達が石化したまま転がっていた。千空は1人で石を調べて石器を作り、火を起こし、狩りをし、革で服を作り、家を作り石器時代を生きた。千空は1人での活動に限界を感じ、コウモリの糞でたまたま出来ていた硝酸で幼馴染の「大木大樹」を復活させた。千空と大樹は2人で全人類を石化から復活させようと誓い合い、硝酸とアルコールの比率の実験を繰り返して石化復活液を完成させた。
その後ライオンに追われた際に、霊長類最強の男子高校生「獅子王司」を復活させる。しかし司は強い者が弱い者を搾取する社会を毛嫌いしていたため、邪悪な大人は復活させず純粋な若者だけを復活させ、科学を発展させず自然と共に生きるという野望を抱いていた。千空と大樹は、大樹の片想いの相手で大樹と千空の2人の幼馴染でもある「小川杠」を復活させると、司と対抗できる手段である火薬を作り出すため3人で硫黄が取れる箱根へ向かった。司は千空たちを追い杠を人質にして千空から復活液の作り方を聞き出すと、千空を殺してしまう。しかし千空の首の裏には石化がまだ少し残っており、石化が解ける際に体に起こる修復効果によって蘇生を果たす。
大樹と杠は千空は死んだ事にしてスパイとして司の元に行き、千空は司に対抗できる科学王国作り出すと2人に約束し1人で行動を始めた。千空は謎の少女「コハク」と出会い、彼女をピンチから救い、コハクの住む村に案内された。集落の人間は現代人では無いようであった。千空は集落の人間を科学王国の仲間に引き入れる事を目標にし、コハクの姉で村の巫女「ルリ」を病気から救うためにサルファ剤を作る計画を建てた。千空は千空に協力的なコハク、科学に興味のある少年「クロム」、村の子供「スイカ」、門番の兄弟「金狼」「銀狼」、職人「カセキ」と共にサルファ剤の材料をコツコツ作っていく。司の使いで復活者「あさぎりゲン」が偵察に来るが科学王国に引き入れ、ゲンは逆スパイとなった。千空は村の御膳試合に出て優勝して村長になり、集落の人間たちを科学王国に引き入れ、完成したサルファ剤でルリを救った。
するとルリから村の名前は「石神村」であると語られる。石神村は宇宙にいたため石化を免れた千空の父で宇宙飛行士の「石神白夜」とその仲間たちの子孫で形成された村だった事が明らかになった。そんな矢先、石神村に司が復活させた「氷月」「紅葉ほむら」が偵察に来て、千空が生きているのがバレてしまう。千空は本格的に司が作る帝国と戦うために通信機を作り出すが、司もまた仲間を増やて司帝国を作り千空との戦いの準備をしているのであった。

『Dr.STONE』のあらすじ・ストーリー

プロローグ(Z=1 - 12)

ある日、謎の光によって地球上の全ての人間が石になってしまう。

高校生の「大木大樹」は、5年間片想いをしていた「小川杠」に告白をしようとしていた。大樹は幼馴染である本作の主人公「石神千空」に今から杠に告白をする事を宣言する。科学部部長である千空は惚れ薬を大樹に渡すが、大樹は千空にお礼を言いつつ薬を捨て「そんなインチキはしたくない」と言い、杠を呼び出していた校内のクスノキの下に向かった。千空が渡した惚れ薬は実は千空が精製したガソリンであり、大樹は絶対に惚れ薬なんかに頼らないと確信しての行動であった。クスノキの下では既に杠が待っており、大樹は杠に告白しようとする。すると突然空が謎の光に包まれ、光を浴びた人たちが次々と石化してしまう。
大樹は咄嗟に杠を庇いクスノキに掴まっているように杠に言うが2人とも石化し、そんな2人を科学室から見ていた千空も、他の生徒達も例外なく地球上にいた全ての人間が石化してしまうのであった。石化した人間たちは皆最初は自分達に起こった怪現象に動揺するなど意識を保っていたが、五感を失い次第に意識を失ってしまう。しかし大樹は杠への想いを糧に長い長い年月意識を保ち続けた。
石化現象が起こる以前、本物そっくりの燕の石像のような物があちこちで発見されていた。あまりにもリアルな石像だったため大樹と杠は共に燕を病気だと思い、燕を救おうと病院まで連れて行った事があった。そんな他愛のない事を思い出しながら意識を保っていた大樹であったが、ついに石化が解けた。

大樹は卵の殻を破るように表面の石化を破り復活した。すると世界は建物が風化して草木が生い茂り、周りには石化から目覚めていない人々が周りに沢山居る「ストーンワールド」になっていた。大樹の服は既に風化して無くなっており、相当長い年月が流れた事が伺える。大樹が川に沿って歩いていると、大きなクスノキがありクスノキに守られるように石化した杠がいた。大樹は石化した杠に長年の想いを伝え、絶対に助けると誓う。
するとクスノキに掘られた「川下レ デカブツ」という文字を発見する。デカブツとは千空が大樹を呼ぶ時に使うニックネームである。大樹が言われた通り川を下っていくと、大樹より半年前に石化から目覚めていた千空が現れた。千空は「今日で西暦5738年10月5日」だという。千空たちが石化してから約3700年も経過していたのだ。大樹が何故そんな正確な日付が分かるのかと問うと、千空は「ただ数えてただけだ」と答えた。大樹が杠を想い3700年耐えていた間、千空は3700年ずっと秒数を数え続けていたのである。そして千空は大樹が目覚めるまでの半年の間で簡易的な木の家や石器などの道具を作っていた。
千空は頭を大樹は体力を使って2人は生活しながら、石化現象の謎を解くことにした。千空は自分と大樹がたったの半年差で復活した事と、石化した2人が居た位置の近くにコウモリの住む洞窟があり、そこにコウモリの糞からたまたま出来た硝酸があった事から、硝酸が石化復活の鍵になると考えていた。その奇跡的に作られた硝酸がたまたま千空と大樹の体に当たり、石化部分を腐らせヒビが入り2人は復活したのではないかと千空は考えている。しかし大樹が目覚めるまでの間、千空は硝酸を色々な方法で石化した燕にかけていたが成果は無かった。また、人類以外に石化したのは燕だけであった事も謎の1つであった。アルコールがあればナイタール液が作りだせるという千空の話を聞き、大樹は食料集めで葡萄を見つけた事を思い出した。葡萄を潰して混ぜ続ける事でワインが完成し、2人はナイタール液を作り出した。アルコールと硝酸の割合を変えながら石化した燕に垂らす実験を繰り返し、季節は巡り実験を始めてから約1年のある日、燕の石化を復活させる事に成功した。2人はいずれ全人類を石化から救おうと誓い合った。

完成した復活液を使い最初に石化から復活させるのは杠にすることになったが、そこへ動物園から脱走し長年かけて野生化したと思われるライオンが現れる。2人は石化した杠を抱えて逃げるが、このまま逃げた所で勝ち目は無い。大樹は1人で囮になり千空に逃げるように言うが、千空は「逃げる時は2人一緒だ」と大樹を説得する。大樹は食料を探していた際に霊長類最強の男と謳われた高校生の格闘家「獅子王司」を発見していた事を思い出し、一か八か復活液を司にかけた。
復活した司は一切取り乱すこともなく冷静に現況を聞き、素手でライオンを倒した。司は身を守るために殺してしまったライオンの肉を糧にし、その毛皮を身に纏った。司は霊長類最強と言われるだけあり、目を見張る身体能力を有していた。大樹は司を素直に褒めていたが、千空は司のその強さが自分達に向いたら危険だと感じていた。千空は大樹に貝殻を集めて砕かせて炭酸カルシウムを作り出す。炭酸カルシウムには4つの使い道があり、農業の肥料としての使い道と、焼いて砂と混ぜてモルタルにして家を補強する使い道と、石鹸を作る使い道があるという。話を聞いていた司は千空の知識の深さに驚き、「君なら本当にゼロから近代文明を作れてしまうかもしれない」と言う。大樹が4つ目の使い道を聞くと、千空は「使い道は最初から3つだと言った」と言う。
司は、昔1人の少年が病気の妹のために貝殻のネックレスを作ろうとしたが、砂浜の所有者に泥棒だと一方的に難癖を付けられて酷い折檻を受け、結局最後まで妹に貝殻のネックレスをあげる事は叶わなかったという話を千空に語る。その少年とは司のことであった。司はたまたま近くにあった成人男性の石像を壊した。石化した人間を壊すという事は人間を殺したという事である。司は千空に弱者を食い物にする汚れた大人まで復活させるのかと問い、純粋な若者だけを復活させ誰のものでもない自然と共に生きていく人類浄化のチャンスではないかと千空を説得する。しかし科学テクノロジーが大好きな千空はその意見には1ミリも同意ができなかった。司との会話から、千空は司は全人類を復活させる気は無く自分達と目指す所が違うと確信し、復活液を作るための硝酸とそれが取れる奇跡の洞窟の存在を隠さなければならないと思う。硝酸は人口的に作ろうとすると時間が掛かるため、自然発生する場所というのは非常にレアなのである。しかしそう思った側から大樹が石化から1人復活させる分の硝酸が溜まったと大喜びで現れ、硝酸と洞窟の存在が司に知られてしまう。千空は咄嗟に嘘をついて硝酸が足りないと言って司を硝酸を取りに洞窟に向かわせて、大樹に司は大人の石像を壊して回る人殺しであるという説明をし、急いで作った復活液で早急に杠を復活させた。
杠と大樹の感動の再会もつかの間に、予定より早く司が洞窟から戻ってきてしまう。司は自分が石像を壊していた事を隠す事も無く、邪魔立てするなら容赦はしないという覚悟が見受けられた。大樹が司を止めようとするが、ライオンを素手で倒す相手に叶うわけがなく、千空は奥の手として取っておいたクロスボウで司を射つも軽々と避けられてしまう。大樹は自分の事をいくら殴っても良いから石像を壊すのを止める様に司に言うが、司はしばし真面目に考えた後それは取引になってないと困惑する。大樹が司から受けた攻撃で倒れてしまうと、司は大人を間引くのを邪魔しないよう言いその場を去った。千空たち3人は逃げたフリをして硫黄を取りに箱根へ行き火薬を作るという作戦を立てた。武器があれば力で敵わない司と対等な交渉ができるからである。幸い司は交渉に耳を傾けてくれる性格であった。
箱根への道中、大樹は杠のつま先がまだ石化が解けきっていないのを発見する。復活液をかけると表面の石化が砕け、同時に周辺にあった痛みも取れると言う事が分かった。千空は、石化が解ける時に周辺の細かい破損箇所が繋がるようになっているのではないかと考察した。その頃、千空たちがいなくなった事を知った司は、千空なら自分を脅かす武器(火薬)を作りだすと予想し、そのために箱根に行った事に気づく。

箱根に辿り着いた千空たちは硫黄と木炭と硝酸カリ(貝殻を砕いたもの)を混ぜて火薬を作るも、うっかり失敗して爆発させしまう。すると自分達が歩いてきた方向と逆方向の森から狼煙が上がった。明らかに爆発で起こった煙に反応して上げられた狼煙であり、即ちこれは千空、大樹、杠、司の4人以外の人間がいるという事であった。千空は科学や計算ではなく非合理な勘で、この狼煙に応えたら自分は死ぬと感じていた。しかしそれでも未来のために狼煙に応えて再度火薬で煙を上げた。
司はその煙を見て千空の居場所を知り、やはり火薬を作ろうとしていると確信する。そして千空が炭酸カルシウムの4つの使い道の話を話をしている時点で、既に自分を敵視していたのだと理解する。炭酸カルシウムの4つ目の使い道とは火薬の生成である。司は猛スピードで箱根まで走り、狼煙を上げるために木を拾っていた杠を人質に取り千空の前に現れる。杠の髪を切り落とし脅しでは無く本気であると示し、千空に復活液のレシピを教えるよう脅す。間が悪く大樹はその場にいなかった。司にとって千空は理想の新世界を作るのに最も邪魔な人物であり、千空が科学を発展させることをなんとしても阻止したかった。杠は自分が殺されたとしても復活液のレシピを教えてはいけないと千空に言うが、千空は杠を見捨てる事ができず復活液が硝酸とアルコールを調合したものだと話し、その詳しいレシピも説明する。司は科学文明を捨てると約束すれば千空を殺さなくて済むと迫るが、千空はそれだけは無理だと答えた。司はその返事に千空ならきっとそう言うと思ったと納得しながらも、「千空、もしも俺たちが3700年前に出会っていたら、初めての友達になっていたかもしれない」とどこか悲しげに言い、千空の首の頚神経を1撃で砕いて殺した。異変を察知して戻ってきた大樹は間に合わず、千空は殺害されてしまった後であった。千空の死に大樹は涙を流して慟哭するも冷静さを捨てず、杠と2人で連携を取り残りの火薬を爆発させ、千空を連れて司から逃げた。

大樹と杠は千空がまだ生きていると信じ、何か千空を蘇生させるヒントは無いか探す。千空は石化前にはなかったが石化復活後から首をゴキゴキ鳴らす癖が出来ていた事を思い出し首筋を見ると、そこにはまだ解けてない石化が残っていた。2人は杠のつま先の石化を解いた際に周辺組織が修復された事を思い出し、首すじの残った石化を解けば頚神経も繋がるのではないかと気づく。祈るような気持ちで、2人は手元に少し残ってた最後の復活液を千空の首筋にかけた。

第一部「STONE WORLD THE BEGINNING(Z=13~45)」

千空はコハクが住む村へ向かった。

大樹たちが石化から復活する前、千空はたった1人で石化から目覚めた。石化してから約3700年間数を数え続けていた千空は、目覚めた日の年と日付を木に彫って記した。それから千空は1人でその都度何度も失敗しながら石器を作り、火を起こす道具を作り、罠を作って狩りをし、動物の皮から服を作り、揃えた道具で簡易的な家を作った。そして自分が何故復活できたのか考え、石化した自分が居た場所の近くにあった洞窟の存在に気づく。
洞窟にはコウモリが住み付いていて、コウモリの糞から偶然に硝酸が出来ていた。千空はこの硝酸を自分が何らかの偶然で浴びたため、表面の石が割れて復活したのではないかと考えた。復活者が千空1人では日々を生きていく事に手一杯で研究をする暇などなかったため、千空はまず人手が欲しいと思い幼馴染の大樹を探し出し硝酸を浴びせた。他の人たちは皆表面だけではなく中身も石化していたが、3700年意識を保っていた千空は石化がもたらしたと思われる何らかのエネルギーを消費し、表面だけが石化した状態だったのではないかと千空は考えた。
大樹という我慢強い男なら自分と同じく3700年間ずっと意識を保っていてもおかしく無いと言う確信があり、自分と同じ条件で復活できるとしたら大樹しか居ないと思ったのである。しかし大樹はなかなか復活しなかった。「テメーがいなきゃダメなんだ。戻ってこい大樹…!」と千空は強く大樹の復活を願った。

千空が過去の夢を見ている時、丁度同じく千空の復活を大樹も願っていた。大樹と杠が雨が止んだ事に気づいたその隙に千空は目覚めており、2人は驚きつつ千空の目覚めを心から喜んだ。大樹は杠の足や千空の首を直した石化は「医者代わりの命の石、ドクターストーンじゃないか」と言う。その言葉に千空は石化は果たして人類への攻撃だったのだろうかと思考を巡らせる。そして杠にあるミッションを耳打ちした。杠はそのミッションの内容に驚きつつも承諾した。そのミッションを遂行するために、そしてスパイになるために、大樹と杠はこれから司の元に戻る決意をする。司はこれから復活液を作って人を増やし、大人の石像を破壊するつもりである。それを阻止するためには科学で戦うしかないのである。千空は富士山で狼煙を上げていた誰かに会い協力を求めることにし、大樹、杠としばしの別行動をすることになった。もしかしたら数ヶ月や数年会えなくなるかもしれないと気づいた大樹が拳を上げて千空を見送ると、それを見た千空は模様がロケットに見える革を旗にして科学の王国を必ず立ち上げると誓い大樹の見送りに応えた。

丁度その頃、司の元にある少女が現れた。それは千空たちの狼煙に答えていた金髪の少女であった。少女は千空と司たちのやり取りを影から見ており、司が女の子を人質に取り紳士な少年を殺した事を卑劣な行いだと怒っていた。司を危険な人物だと考える少女は司も驚くような俊敏な攻撃を仕掛けるが、司の圧倒的な力には敵わず司の倒した木の下敷きになってしまう。
司は少女の言動から少女が現代人では無いと察し、原住民がいた事に驚きはしたが今殺さなくても大した脅威では無いと思い、わざと足止めをして見逃したのであった。木の倒れる音を聞いた千空が現場に駆けつけると司はもうおらず、少女が木の下敷きになっていた。千空はとにかくまず少女を助ける事を考え、数時間かけて滑車を作って木を持ち上げた。少女は千空の一歩一歩問題解決へと楔を打ち続ける揺らがぬ信念を素晴らしいと褒めた。
少女は「コハク」と名のり、千空に「めっぽう好きになってしまった」と言う。千空が面倒臭そうにすると、好きになったのは恋愛では無く人間としてであると訂正した。コハクは千空が司と戦うつもりだと知ると協力すると言い、仲間のいる自分の住む村に案内してくれるという。コハクは富士山まで温泉を取りに来ており、どうやら毎日大きな壷に温泉を入れて担いで往復しているようである。それは病弱な姉のためであると話すと、千空はまだ怪我が癒えてないコハクのために滑車を改良して台車を作り坂を下った。コハクの村は40人の村人が住んでおり、石器時代のような暮らしをしていた。コハクが科学や近代文明を一切知らない事から、千空は村人たちは復活者の子孫なのではないかと思う。しかし村を作るとなると数人の復活者が同時に復活しなければならないが、コハクが復活液の作り方を知っているようにも見えなかったため、彼らが一体どこから現れたのか疑問に思った。
村に入ろうとすると門番をしている槍使いの兄弟で兄の「金狼」と弟の「銀狼」が現れ、村の中によそ者を入れるのは掟違反だと止める。しかしコハクが力ずくで2人を捻じ伏せようとすると2人は怯み、武力ではコハクの方が上だと分かる。千空が持っていた石鹸でシャボン玉を作ると、金狼と銀狼はシャボン玉を知らずこれは一体なんなのかと狼狽する。銀狼が自分では対処出来ないと分かるや否や他人任せにして「クロム」を呼びに行こうとすると、既に騒ぎを聞きつけたクロムが現れた。
クロムは自分を妖術使いだと名のり、シャボン玉なんて木炭の泡から作れるものだと言う。そして千空をビビらせようと炎色反応を見せるが、千空は全く驚かないどころか炎色反応の原理まで理解していたため逆にクロムの方が千空にビビッてしまう。千空とクロムの科学対決になるが、千空の圧勝に終わった。クロムは好奇心が強く色んな鉱石や植物を収集したり、それを混ぜたり燃やしたりなどの研究を重ねて独学で科学(本人は妖術だと思っている)を学んでいた。千空はクロムを気に入り科学大国の一員にさせ、クロムの倉庫も千空のものとなった。
千空とクロムはとても気が合い、千空は目を輝かせてクロムの集めた鉱石を物色し、クロムも目を輝かせて石の説明をした。千空はクロムが持っていた辰砂という石から水銀を採り、水銀と砂金と溶かして金狼の槍を金の槍にした。金狼はまんざらでもなかったが矜持から千空たちに非協力的な姿勢は崩さず、逆に銀狼は自分の槍を銀の槍にしてくれるのではないかという期待から千空たちに好意的になった。千空はクロムに3700年前の人類の歴史全てを教えた。クロムは人類が巨大なビルを建てたことや、宇宙に行ったことや、ロボットを作っていた事に驚くが、それらの努力が石化によって全て無になってしまった事を悔しく思い涙した。

コハクの姉「ルリ」は村の巫女であったが、体や弱く激しい咳をして吐血をしてしまう病気に掛かっていた。コハクはルリに少しでも健康になってもらうために毎日温泉を運び続けている。クロムはルリの幼馴染で、クロムが物を集めるきっかけになったのはルリの病気を治すために色んな草を集めて食べて研究し始めてからであった。2人の話から千空はルリを救えば村人達に好意を持たれ、科学王国の一員になってくれるのではないかと考えた。そして抗生物質「サルファ剤」を作り出す計画を建てた。それは簡単では無い長い長い工程が必要な地道な作業であった。
手始めに川で砂鉄を集めているとスイカの仮面を頭に被った少女「スイカ」が現れて手伝いたいという。スイカは素顔を見られたくないためにスイカを被っているが、困っている人の力になりたいという気持ちが人一倍強い子供であった。千空は1人でも多くのマンパワーが欲しいとしスイカを受け入れた。砂鉄を鉄にするためには1500度という高温で熱する必要があり、火に何時間も空気を送り続けて高温にしなければならないが千空、コハク、クロム、スイカの4人だけではとても無理な作業であった。人手が足りないため、千空は村人を仲間にする方法を考える。スイカが姿を潜ませて村人の調査をした結果、食べ物で釣れそうだと分かりラーメンを作る事にする。村では農業をしておらず小麦がないため、猫じゃらしを脱穀して小麦粉を精製しラーメンを作った。舌の肥えた現代人である千空からすると美味しいとは言えない代物であったが、魚、肉、木の実などしか食べないクロムたちからしたらとんでもなく美味しい食べ物であった。そしてラーメンの屋台を作り、匂いに釣られて出て来た村人に振舞い、食べたら労働させることでマンパワーをゲットするのであった。
するとそこに現代人のマジシャン「あさぎりゲン」が現れ、自分は1人で石化から復活して歩いていたらここにたどり着いたと言う。しかしこれは嘘で、ゲンは司帝国の一員で司から念のために千空の死を確認してきて欲しいと頼まれて偵察しにきたのであった。ゲンもラーメンを食べたため労働力として働かされ、そこで千空たちが鉄を作る事に成功していると知る。鉄の武器ができてしまったら司帝国にとっては不利である。ゲンが千空か司かどちらが勝ち馬なのか見定めていると、千空はこれから発電所を作るとゲンに教える。ゲンは予想外の事に驚き動揺する。
発電所を作るために必要な巨大な磁石を雷から作る作業をしていると、凶暴で豪腕な村人「マグマ」とその腰巾着の「マントル」が怪しいよそ者である千空たちに攻撃を仕掛けようとやってきていた。ゲンはマジックを妖術だと言って見せることでマグマを驚かせて撤退させ千空たちに協力した。その甲斐もあり、雷を受けた鉄で強力な磁石を作る事に成功した。その際に金狼の金の槍が雷に打たれて丸焦げになってしまった。銅を打って伸ばし円盤状にして人力発電機を作り金狼と銀狼に回させ、一瞬ではあるが科学文明の消えた真っ暗な夜に科学の光が灯った。ゲンが夜に1人発電機を眺めていると、そこに何者かが現れゲンを襲いゲンの胸に槍を突き刺した。即死したかのに見えていたが、ゲンは血糊を入れた袋を服のあちこちに忍ばせており槍は体に刺さっていなかった。しかし殴られたり蹴られたりした傷が酷く、熱を出し寝込んでしまう。ゲンが一定期間帰らないとなれば司がゲンを探しに動くため、ゲンは自分のためにコーラを作って欲しいという条件で千空に協力を約束し、満身創痍の状態で司の元に走った。そして千空は死んでいたと司に報告した。勝ち馬がどちらか見極めるような素振りをしていたゲンであったが、本当はとっくに科学王国側に付くつもりだったのだ。

ゲンを襲った犯人はマグマで、村の外から来た妖術師は千空ではなくゲンだと思い込んでいたためゲンを攻撃したのであった。その理由はルリの結婚相手を決める御膳試合に勝利するためである。巫女のルリと結婚するという事は村の長になるという事であり、マグマはルリと結婚して長になろうと企んでいた。しかしマグマはルリに対して愛情は無く、むしろ病気で早々に死ねば楽だと思っていた。前回の御膳試合ではマグマを優勝させまいと女であるコハクが参加して優勝してしまったため無効になり、コハクは父に勘当されたのであった。ルリを助ける気が無いマグマが村の長になってしまったらルリに抗生物質を飲ませる事はできなくなるため、次の御膳試合では千空たちでマグマを破り、千空側の誰かが優勝してルリと結婚し長になる必要があった。事情を話すと金狼と銀狼が協力してくれることになった。
コハクが金狼と銀狼を鍛え、その間に千空は硝子を作り出しスイカに眼鏡を与えた。スイカが顔を隠したがるのはぼやぼや病(近眼)で顔をギュッとしかめて周りを怖がらせてしまうためで、スイカの仮面を被っていたのは小さい穴から覗くと少しだけよく見えるためであった。それをピンホール効果といい、スイカは知らなかったが理にかなった行動であった。スイカの仮面の目の部分にレンズをはめ込む事でスイカは初めて綺麗な視界を手に入れ感動するのであった。硝子を作れるようになったことで、硝子の試験管やフラスコを作ろうとするが千空たちでは上手く行かない。クロムは村から職人の「カセキ」を強制的に連れて来た。カセキは硝子という見たこと無い物体に職人の血が沸き、長年の勘からあっという間に硝子細工を覚えてフラスコを作りだしてしまう。硝子の器や硝子のテーブルを作ることで千空は本格的なラボを手に入れる事ができた。
次に入手難易度が1番高い薬品「硫酸」を手に入れるため、銀狼に銀の槍を与えて先頭を歩かせた。銀の槍が黒く変化したら硫酸があるという危険信号になるからである。しかし思った以上に地形が悪く、硫化水素が硫酸で出来た湖の周りに溜まるようになっていた。硫化水素を吸い込んだら大抵の生き物は即死で、硫酸を浴びたら骨まで解けてしまう。一同は一端引き換えしガスマスクを開発し、再度湖に向かう。千空は初め危険性からクロムを置いて1人で行くつもりであった。だがクロムに本当に信頼しあっているなら科学者である千空とクロムの2人で行くべきだと言われて考え直し、クロムと一緒に向かう事にした。クロムはずっと千空の横で千空を手伝いながら科学を学んでいたため、今や千空の次に科学を知る男に成長しているのである。銀狼は硫酸に怯えてしまい居残ったが引け目を感じ、カセキが作った3つ目のガスマスクをつけて千空たちを追った。クロムが硫酸の湖に落ちそうになったのを銀狼が助け、3人は硫酸をゲットして無事帰還するのであった。そこから千空は塩酸、クロロ硫酸、水酸化ナトリウムなどを精製し、後は大量の酒があれば材料が揃うと言う。酒ならば御膳試合で優勝すれば振舞われるとカセキに言われ、一同はマグマを優勝させないためにも、薬でルリを救うためにも御膳試合で優勝する事を目指す。

御膳試合ではとにかくマグマを優勝させない事と、科学チームの誰かが優勝すれば良い事が勝利条件になる。マグマが1番疲れている時に1番優勝する確立が高い金狼と当たるのが好ましかったが、一回戦に金狼とマグマが当たってしまう。マグマにとっては前回負けたコハクが1番のライバルであったため、マントルにスイカが溺れているという嘘をつかせてコハクを離脱させた。
金狼はコハクに鍛えられてかなり成長していたが、近眼の持ち主であったため決定打に欠け不安があった。マントルに捕まっていたスイカは自力で脱出し御膳試合の会場まで来ると、その時にはもう金狼が劣勢であった。スイカは金狼の目つきから金狼も近眼なのだと気づきスイカの仮面を投げて金狼に渡すと、仮面についていたレンズで金狼の視力が良くなりマグマを倒した。しかし金狼は外部からの支援はルール違反なのではないかと思い、審判をしていた「ジャスパー」にルール確認をするも、その背後を付かれマグマに倒されてしまう。次はクロムとマントルで、幼稚な殴り合いの末クロムが勝利した。次が千空とコハクであったが、スイカを探しに行ったコハクがギリギリで間に合わず千空が不戦勝となった。
次の試合は銀狼と村人のアルゴで、千空から貰ったカフェイン飲料によってハイテンションになった銀狼が勝利した。次はクロムとマグマの勝負になり、一方的にクロムが攻撃され続け村人達もあまりの惨状に目を覆った。クロムは地面に落ちてたスイカの仮面に付いたレンズと自分の汗と涙で凸レンズを作り出す。太陽光でマグマの服に着火させる作戦であり、司の元から戻ってきたゲンが「一歩でも動くと心臓が爆発する妖術をかけた」と嘯きマグマを着火に必要な一分間身動きを封じ、マグマの服に着火させた。驚いたマグマは火を払おうとするが、それがかえって空気を送る事になって燃え上がり、クロムに渾身の金的をされて海に落ちた。クロムが勝利し、これで科学王国の勝利確定である。
次に千空と銀狼の勝負になる。ルリと自分が結婚するのも有りだと思った銀狼が本気で千空を攻撃するが、梃子の原理で金的され千空の勝利となった。次にクロムと千空の勝負になる。千空はルリを好きなクロムに勝ちを譲るつもりであり、ルリも幼馴染で好意を持つクロムと結婚できると思っていたが、クロムが試合前に気絶してしまっていたため千空の勝利となった。
ルリの結婚相手は千空になり、千空は村の長になった。ルリは咳き込んで血を吐き一刻の猶予もなかったが新しい長を祝う宴をするというため、千空は「じゃあ離婚」と言って酒だけ持ってラボへ帰った。そこから1日でサルファ剤を作り出し、ルリに飲ませに行く。ゲンは見送るだけで一緒には行かず1人ラボに戻ると、千空が作った良く冷えたコーラが一瓶用意されていた。ルリは千空に作って貰ったサルファ剤を飲み続けたことで肺炎を完治させ、走れるようにまでなった。ルリとコハクの父「コクヨウ」は、もうダメだと思っていたルリが元気になったことに涙し、千空を新しい村長だと認めた。

千空はルリから村の名前が「石神村」である事を教えられる。石神とは千空の苗字である。石神村の巫女は代々「百物語」を語り継いできたという。百物語には危険な生き物や食べ物を教える知識が詰め込まれていた。そして百物語の1番最後の百話目の物語のタイトルは「石神千空」であった。千空は石神村と言う名前を聞いた時点で全てを理解したようであった。

石化時に宇宙に居た百夜は、ISSの仲間と共に子孫を残し後に目覚める千空たちへ「仲間」という遺産を残した。

千空は小さい頃から色々な事に疑問を持ち、科学的な理由を知りたがる子供であった。小学生の頃に宇宙に興味を持ちロケットを作り始め、大樹と出会い2人で実験し簡易的なロケットを完成させるなど既にこの頃から科学の才能を開花させていた。千空の父「石神百夜」は宇宙飛行士になるのが夢であったが、前回の試験では着衣水泳で不合格になってしまった。千空は百夜のために着衣水泳を覚えるための電極スーツを作る協力をした。白夜は千空に応援された事で今まで以上に頑張り見事宇宙飛行士の試験に合格し、宇宙船ソユーズに乗る事になった。
白夜と一緒にソユーズに乗って国際宇宙ステーション(ISS)に行ったのは、一般枠で参加するアメリカの歌手「リリアン・ワインバーグ」と男性の船長「シャミール・ヴォルコフ」だった。そしてISSで白夜たち3人を待っていたのはアメリカ人の女性「コニー・リー」と、ロシア人の男性「ヤコフ・ニキーチン」とその妻「ダリヤ・ニキーチナ」であった。百夜たちが宇宙へ行ってから3日後、謎の光によって地球上の全人類が石化してしまう。
石化の瞬間に宇宙にいた百夜たち六人は石化されず、残された人類はたったこの六人となってしまう。百夜たちは各地のモニターから石化してしまった人類を発見し、NASAとの連絡も全く取れなくなったことから、地上へ降りてみる事にした。白夜は千空だったらこんな時どう考えて問題解決するか想像し、各地のSNSの情報が途絶えた時間から謎の光の発生源を南米だと特定する。
発生源に近づくのは危険とし、発生源から1番遠い日本に着陸する予定だったが、座標がずれてしまい日本付近の海に着陸してしまう。日本の近くの何処かの無人島に移動し、六人は現状をどうする事もできずサバイバル生活を始めた。コニーとシャミールが結婚し、ヤコフとダリヤの子供が生まれるなど当初は生活を楽しんでもいた。しかしある日コニーが肺炎に掛かってしまう。ヤコフとダリヤは日本本土にたどり着ければ薬などの物資があるかもしれないと船で出て行くが、2人は戻る事はなかった。コニーが肺炎で死亡した後、シャミールも同じく肺炎に掛かって死亡してしまう。百夜とリリアンは自身の子供とコニー&シャミールの子供とダリヤ&ヤコフの子供を育てながら暮らして行く。白夜は子供たちが子孫を残し未来に繋がっていく事で、いつか石化から最初に目覚めた人物の支えになると考えていた。そして白夜はその最初に石化から目覚めるのはきっと息子の千空であるはずだと強く思っていた。千空だったらきっと石化していても何百年も何千年も生き延びて、科学で人類を救う解決策を見つけるはずだと信じたのである。そんな未来の千空に「仲間」という宝を残すため、白夜はおとぎ話の中に生活に役立つ知識を積めた百物語を子供達に教え覚えさせた。
リリアンと白夜の死後、子供たちは白夜に教わった百物語を子孫に教えながら人口を増やしていった。子孫達は白夜からいつか日本に向かうよう言われており、船を作って日本に移住した。その移住者達の子孫が石神村の住人達であった。

百物語の百話目「石神千空」は、白夜が宇宙で石化現象を目の当たりにし地球に戻り仲間六人で子孫を残すまでの詳細であり、これは石神村の成り立ちを教えるために千空に当てたメッセージであった。百物語は村の巫女にだけに教えられる物語で、百話目は千空という人物が現れた時に教えるように伝わっていた。コハクたちは自分達が千空の親戚だったのかと驚くが、千空は自分と百夜は親子であるが血が繋がっていないため、親戚という意味ではあっているが血は繋がってないと言葉を濁す。コハクやルリが日本語を話すのに金髪に青い目であることなど、石神村の住人たちの身体的特徴はISSに居た六人の血を受け継いで出来たものであったのだ。千空はルリに墓地に案内され、墓地の山の1番上にある小さな石1つが日本に移動する時に持って来た創始者たちの墓だと説明を受ける。千空は石化して暗闇で数字を数えていた頃に、白夜は千空のために奮闘していた事に想いを馳せ、「懐かしい」と言葉にし涙する。しかしそんな感傷もつかの間、すぐに切り替えてゲンから司軍が石神村に襲撃に来るという情報を聞く。司は、千空の死を確かめに行ったゲンが千空の死体を見たわけではないという事から、念には念を入れて石神村を襲撃しようとしているというのである。

第二部「STONE WARS(Z=46 - 82)」

千空たちは氷月を倒すために日本刀を作り出す。

村に襲撃してきたのは貫流槍術という槍の使い手である「氷月」とその部下たちであった。ゲン曰く、氷月は司と同じくらい高い戦闘能力を持っているという。門番である金狼が氷月たちを食い止めようとするが手も足も出ず重症を追ってしまう。千空とゲンの機転で残っていた火薬を崖に投げつけて爆発させ、村で銃が完成していたと氷月に思い込ませた。氷月は一端撤退するが、その間に千空たちは鉄を使って日本刀を作り出した。氷月たちの武器は石器であるため日本刀の方が威力が高いが、氷月の貫流槍術によって日本刀も破られてしまう。しかしまだ司たちの仲間のフリをしていたゲンが昼間に密かに氷月の槍に細かい切れ目を入れる細工しており、戦闘中に氷月の槍が崩壊する。
だが氷月の攻撃は誘導であり、氷月の右腕「紅葉ほむら」が石神村に火を放っていた。村の人たちはクロムの倉庫前に集まるが、いつ氷月たちに狙われてもおかしくない状況であった。山道に詳しい自分が囮になろうとスイカが飛び出して行き、氷月たちはスイカを追う。スイカの行き着いた先は硫酸の湖であった。スイカ本人は硫酸の事を知らなかったが、千空とコハクたちがガスマスクで硫化水素からスイカを救う。何らかのガスが発生してると気づいた氷月たちも木に登って様子を見るが、風向きから木の根元付近には硫化水素が溜まっていると千空に言われ、ガスマスクをつけて逃げていく千空たちをそれ以上追う事が出来なかった。氷月は本当に毒ガスが溜まっているのか確かめるために、ほむら以外の部下を木から落としてみると部下達は全員死んでしまい、本当に毒ガスだったのだと知る。
ガスが収まってから司の元へ帰還した氷月は千空が生きていた事を話し、科学で戦う千空には数で応戦するしかないと言う。千空は硝酸が取れる洞窟を司が握っていることから、司が千空の手元に硝酸は無く、硝酸がなければ火薬も作れない事を知っているはずだと考えた。ならば司と戦うためには新しい科学の武器が必要だと考え「スマホ」を作ると宣言する。コハクたちはピンと来ないが、ゲンだけはとても驚いていた。スマホと言っても現代のスマホのような多種多様な機能は無理であり、会話ができるだけの携帯電話である。科学の武器とは情報の事であり、通信機器を作って司帝国にいる大樹と杠に連絡を取れれば、生きた情報のやり取りが可能で有利になるのである。しかしスマホを作るための工程はとても長かった。そしてこれから冬になり冬支度をして生きる事を優先しなければならないため、タイムリミットは春であった。

ほむらは村を見渡せる遠くの木から千空たちを監視する任務についており、千空たちもほむらの存在を認識していた。千空はまず綿飴機を作った。とても細い金属の糸が必要になるためであるが、まずは砂糖を入れて綿飴を作りコハクたちに振舞った。ほむらにも分けると、ほむらは警戒しながらも綿飴を一口食べ、もう遠い昔の思い出となった縁日を思い出していた。綿飴機を均一に回すためにギアを作り出し、ギアを見たクロムは自分だけの力で水力発電を思いつきカセキと2人で作って千空を驚かせた。
千空はバッテリーを作り出し、その応用で電球を作った。千空は大きな木を電球で装飾しライトアップすると、ゲンはその日がクリスマスだった事に気づいた。千空は誰にも何も言わなかったが、クリスマスに間に合うように電球を作っていたのである。

次に真空管を作ろうとするが何を試しても上手く行かず、千空は行き詰ってしまう。電球が出来た事でクロムは意気揚々と洞窟に探検に出て行き、持ち帰った石の中にたまたま紫外線を浴びると光る灰重石があるのを初詣の朝日で発見する。この灰重石は宇宙最強の金属タングステンであった。タングステンを使えば真空管が作れるため、千空とクロムとマグマはクロムが先日行った洞窟に出かけた。クロムはマグマを連れて行く事に不安を感じていたが、固い鉱石を掘り出すにはパワーのあるマグマが適任だと千空は言う。マグマは洞窟で千空たちを事故に見せかけて殺そうと企んでいたが、千空と共に過ごすことで頭が良い者と力の強い者どちらにも役割があり協力し合うことでもっと凄い事ができると知り、しばらく千空と一緒にいるのも悪くないと思い千空を殺すのを諦めた。
3人はタングステンや他の鉱石など回収し村に帰ろうとするが、千空は突然マグマに目隠しされてどこかに連れて行かれた。千空はこのまま司帝国に引き渡されるのかと内心焦っていたが全く当てが外れており、その日1月4日は千空の誕生日でありサプライズプレゼントを贈るための演出であった。贈られたのは皆で作った天体望遠鏡で、宇宙に強い興味を持つ千空にとっては感動的なプレゼントであったが表立って顔には出さず、物見やぐらに使えると言って喜んだ。ゲンは石化が解かれた後すぐに木に刻まれた日付を目にしており、その時からこの日付を彫った人物(千空)に強い感動と期待を持っていた。ゲンは司を千空どちらが強いのか天秤にかけて千空に付いた様に見えていたが、本当は最初から千空の事が損得関係なく好きだったのである。ゲンは元旦の日にそれとなく千空の生きてる日数を聞きだし、木に刻んだ日付から計算して誕生日を割り出しサプライズを考案したのであった。

タングステンを手に入れたことで真空管が完成し、プラスチック、マンガン電池、電線、電波を作り出し、最後にマイクを作ってついに携帯電話が完成するのであった。しかし通信機器という物は1つだけでは通信が出来ない。千空はとりあえず完成したケータイの受信機を石神村に置き、発信機を置いたラボまで配線で繋いで通信してみることにした。ラボにいたクロムの声が村にいるルリに届き、石神村の一同は遠くから声が届く事に驚いた。ルリは「まるでスピーカーみたい」と言い、千空は驚き何故ルリがスピーカーを知っているのかと問う。文明の失われた石器時代にスピーカーなんて言葉が残っているはずがないからである。するとルリは千空の質問に「スピーカーは蜂の名前なのではないか」と驚く。百物語その14でスピーカーと言う蜂が出てきて、石に針を刺して死者の言葉を聞くのだという。14とは千空の誕生日1月4日(石の日)を表しており、白夜から千空へのメッセージであった。針で音を聞くという言葉にピンと来た千空は、前にルリに案内された墓場へ行き創始者たちの墓石とされた石を調べた。すると石はコンクリートで出来ており、中には硝子で出来たレコードが入っていた。白夜は千空が石化から復活したらきっと見つけてくれると思い、千空へ音声手紙を残していたのであった。

千空は簡易的なレコードプレイヤーを作り、石神村の住人達を集めて全員でレコードを聴いた。レコードには白夜から千空への軽い挨拶とリリアンの歌声が入っていた。白夜は千空がもし石神村の人たちをまだ仲間に出来ていなかったら、これを聞かせて仲間にするように言う。石神村の人たちはちょっとした歌は知っていたが、本格的な音楽は知らずリリアンの歌声にとても感動する。そして千空に過去の文明にあったゲームや映画などの娯楽をいつか必ず復活させて見せてやると言われ、村人達は人類全てを復活させるという目的へのモチベーションを高めた。今までは突然現れた千空に巻き込まれているだけだった村人達の目的が、リリアンの歌によって千空と同じものになったのである。司軍の人たちもリリアンの歌声を聞けば戦いを止めてくれるのではないかとスイカとカセキが言うが、ゲンは現代人にはリリアンは有名すぎるし音質も低くてそこまで感動出来ないと言う。音質が低いという自分の言葉にゲンは何かを思いついた様子で、その夜1人で千空の元へ向かう。ゲンはモノマネが得意でリリアンのモノマネもかなり上手に出来るが、男の声であるため完全一致とは行かない。しかし携帯電話の音質が低い事を利用しリリアンを名乗って「アメリカは既に復活済みで、今救援が日本に向かっている」と嘘をつけば、司軍の多くはリリアンに寝返るのではないかと考えた。この作戦は沢山の人を騙す作戦でもあり、実行する千空とゲンは騙した人たちから深く怨まれる事になり地獄に落ちるくらいの覚悟が必要であった。この作戦を千空に話すと千空は上手く出来れば一滴も血が流れない作戦であると言い賛同した。たまたま部屋の下で話を聞いていたクロムも話に混ざり、リリアンを偽って仲間を増やすという作戦はこの3人だけが知る物となった。

二代目の携帯電話を作った千空たちは、携帯電話を司軍にいる大樹と杠に届けることになった。しかしほむらがずっと見張っているため、音が大きいだけで威力がない爆弾によってほむらの注意をひきつけ、その隙に操作知識のあるクロムと重いケータイを運ぶマグマと道案内のゲンの3人で司軍の本拠地へ向かった。ほむらは素早くてなかなか捕まらなかったが、偽の通信機器をあえてほむらに見せるように置いておびき出し、コハクがほむらを捕まえる事に成功する。
クロム、マグマ、ゲンは司軍の本拠地までたどり着くが、耳の良い「西園寺羽京」に発見されてしまい、急いで千空の墓の前に携帯電話を埋める。この千空の墓は大樹と杠が作った物で、司には千空は死んだ事になっているため墓を作っていたのである。司軍の者たちにとっては千空の墓など興味がないため、ここに来るのは大樹と杠だけである。クロムとマグマはゲンだけを逃がし、羽京と戦おうとするが耳が良く弓を使う羽京に歯が立たずクロムが羽京に捕まってしまう。
その頃、思惑通り大樹と杠は埋められたケータイを発見し、千空へ連絡を取る。2人は「花田仁姫(通称ニッキー)」に常に監視されているが、千空の墓参りという提でバレないように通信していた。大樹は一年ぶりの千空の声に感極まって号泣してしまうが、遠目から監視していたニッキーには一周忌で泣いているのだと思われた。千空は2人に監視役をしている人を携帯電話の前に呼ぶよう言い、大樹と杠はニッキーを呼んだ。急いで帰ってきたゲンがリリアンになり済ましニッキーに話しかけると、ニッキーは相手がリリアンである事に驚く。ニッキーは兼ねてからリリアンの大ファンだったのである。しかしだからこそリリアンのちょっとした受け答えに違和感を感じ偽者だと見抜いてしまう。千空がリリアンの歌が入ったレコードをかけると、歌はリリアン本人のものであると気づき、もう二度と聞けないと思っていたリリアンの歌が聴けた事に喜び感動する。千空からリリアンはもう亡くなった事を聞かされると、ニッキーは最後に残ったこのレコードを守るために千空たちに協力すると約束した。

千空は重症を追った司を石化の回復力で治すため、司をコールドスリープさせる決意をした。

羽京に捕まったクロムは司の元に連れて行かれ、司と初対面する。羽京はクロムの他にマグマを見ていたがその事は司に伏せ、偵察に来たのはクロム1人だったと偽った。羽京は完全に司だけの味方という訳でもないようで、何か思うところがあるようであった。司はクロムに千空の情報を売るように言うが、クロムは死を覚悟してでも喋る様子がなかったため投獄された。
マグマが帰還し、千空たちはクロムが捕まった事を知る。クロムを助ける事と戦うために必要な科学物資の移動も考え、千空は蒸気機関を作り出し簡易的な自動車・スチームゴリラ号を作る。千空は物資の移動と言ったが、本当は長距離を歩く事が出来ない年寄り達を思い車を作ったのであった。しかし村の年寄り達は、村に残れば司軍から攻撃を受ける可能性もあるが一緒に行って足を引っ張りたくないとし、千空たちを信じ村に居残る決断をした。自動車で司軍の拠点の近くまで移動し、スイカの偵察でクロムは投獄されている事を知る。
千空はカーボンで槍すら通らない盾を作り、自動車を改造して戦車になったスチームゴリラ2号を作る。その頃、司は千空なら自分を戦うのにどうするか考え、きっと蒸気機関の車両を作り出すと千空の行動を読んでいた。クロムはスイカが偵察に来ていた事から千空たちが来る事は察していたが、司軍の手下達が落とし穴を作っているのを見ていたため、自分を餌に千空たちが罠にハマってしまう可能性に気づく。助けられる前に自分で脱走しなければならないと思い、枝で火を起こそうとするがそう簡単には火はつかなかった。元警官でクロムの監視をしている「上井陽」はクロムを原始人と呼び、枝で火をつけようとしていたのを見て笑ってしまう。科学の無い所で育った未開の人を笑うのは良く無いと言う常識を持ちつつも、クロムを小学生以下の科学知識しかないと思い込み侮っていた。クロムは悔しいと思いながらも、あえてバカのフリをして油断を誘っていた。その夜誰かがクロムの檻に電池を入れ込み、クロムは自分の汗と電池を使って水酸化ナトリウムを作り出した。実際には作り方を間違え水酸化ナトリウムにはなっておらず漂白剤になっていたが、竹と縄で作られた檻を溶かすにはそれでも十分であった。クロムの音の無い脱獄に下っ端たちは驚き、その隙をついてクロムは脱獄する。陽に追いかけられ崖に追い詰められるが、クロムは実は肺炎だったと言って血を吐き、陽が動揺した隙にクロムの唯一の必殺技である金的で陽の行動を封じた。自力で千空の元に戻ってきたクロムが口から血を吐くと、ルリは自分と同じ肺炎ではないかと動揺するが、実は血ではなく赤紫蘇とカタバミを噛んで赤くしたものであった。陽は自分の失態を司に知られるのを恐れ、部下に陽は崖から落ちて死んだと司に伝えるよう言い残し、どこかへ逃げて行った。

ゲンはニッキーにリリアンのモノマネ指導を受けより精度が上がり、大樹と杠が呼んだ司軍の人たちにリリアンと偽って寝返りさせていた。しかしレコードで流した歌声が羽京の耳に入ってしまい、携帯電話の前に羽京が現れる。羽京は元潜水艦のソナーマンで、ちょっとした息遣いなどから歌ってるリリアンと喋ってるリリアンは別だと見抜いてしまう。その上であえて周りに分からない様に英語でゲン、千空と会話し、杠が司が壊した石像を接着剤で綺麗に繋ぎ合せているのを見たと話す。これは千空が杠に耳打ちしていた極秘ミッションの事であった。壊れた石像の切断面が風化する前に繋いでしまえば復活できるかもしれないと千空は考え、このミッションを手芸部で超器用である杠に任せたのだ。千空は司が壊した石像たちさえも救おうというのである。羽京は本来誰も死んでほしくないと思っていたが、復活前の石像はただの石像だと自分に思い込ませ、司に従う事がより血が流れない事だと考えていた。しかし千空ならば本当に全人類救えるかもしれないと思い、千空に「誰も殺さない」という約束させ千空の仲間になった。羽京は司と氷月は考え方は似ているが全然違うと言う。実際に司は今まで死んだ部下達の事を1人も忘れていないが、氷月は自分が見捨てた部下の名前を1人も覚えていなかった。

千空は戦車に紙で出来た一発だけ大きな音が鳴る大砲を作る。本当の大砲なんて作らずとも、現代人なら戦車の姿と大砲の大きな音を一回聞いただけで恐怖し戦意喪失するからである。戦車で攻撃をされ混乱した20秒の間に硝酸の取れる洞窟を占拠できれば、復活液を作れ且つ硝酸で爆薬を作れるようになるため千空たちの勝利である。その作戦のために必要な要員として大樹と杠が千空と合流する。一年ぶりの合流で熱い抱擁を交わそうとする大樹を避け、千空は至ってクールであった。洞窟奪還の作戦が開始し、大砲の音で驚いた司軍の兵士たちが混乱する隙に千空が戦車で突撃し、コハクたちが日本刀で応戦し、大樹が攻撃を防ぎ、司に報告するために逃亡しようとする女記者「北東西南」をニッキーと羽京が捕まえる。音響兵器で大きな音を出して兵士を気絶させ、見事敵味方の死者数ゼロで洞窟を占拠した。
千空は硝酸で爆薬を作ろうとするが、墓にあった携帯電話を発見した司が驚異的な速さで洞窟まで移動してきた。走ってくる足音で気づいた羽京が警告しようとするが遅く、羽京が吹っ飛ばされ千空と大樹に当たり3人とも負傷し、持って来た薬品も瓶ごと全て壊されてしまう。司と氷月が洞窟に到着してしまったのである。こうなってしまうと千空たちの勝ち目は薄くなり、司と氷月は村人たちの安全を保障する代わりに千空だけ死ぬ事を提案する。箱根で杠が司に人質に取られた時と同じ状況である。しかしあの時は大樹も間に合わず千空1人しか居なかったが、今はたくさんの仲間がいて戦って時間を稼いでくれる。千空とゲンは急いで散らばった薬品で何か作れないかと試行錯誤していると、クロムがこけおどしの大砲で使った残りカスの硫酸を持って来た。これによりニトログリセリン(ダイナマイト)が完成する。紙飛行機の先にニトログリセリンを塗って投げて、木の枝を爆破させた。そして爆弾を作った今千空と司の力関係は変り、千空は司に取引を迫る。千空は真面目で権力に興味のない司が、何故霊長類最強といわれるほど格闘で賞金を稼いでいたのか疑問に思っていた。もし前に言っていた病気の妹が生きているのならその医療費を稼いでいたのではないかと考え、司に「妹は生きているのか」と問う。実際に司は病気で意識の戻らない妹の医療費を稼ぐためにがむしゃらに戦って賞金を稼いでいたのであった。千空はそんな司に復活液を使えば妹も治るかもしれないと言い、復活液を作るための硝酸は今は千空の手にあるため「司の妹の復活チャンス」を与える代わりに「停戦」するように提案する。科学に嘘は付かないという千空を信じ、司はこの提案を受け入れた。

司の妹の病院があった付近をダイナマイトとスコップで穴を掘り、妹「獅子王未来」を発見する。そして未来に復活液をかけると、千空の思惑通り石化が病気を治し未来は健康な体になって復活した。未来が目を覚まさなくなってから六年と数千年経っていたため司の見た目は随分と変わっていたが、未来は一目見て司を兄だと認識した。コハクは司とは因縁があったが、自分と同じように病気の兄妹のために戦っていたのだと知り、もう司に敵意を向けなかった。氷月に言われ、未来は石の破片がついた顔を洗いに川へ向かう。その頃、クロムはダイナマイトの残り本数が合わない事に気づく。羽京は自分に気づかれないような隠密行動が出来るのはほむらだけだと言う。ほむらを捕らえた後マントルが見張りをしていたが、スイカがマントルの元へ良くとマントルは気絶していた。司たちから逃げていた陽がほむらを発見し、ほむらを助けたのであった。ほむらは盗み出したダイナマイトで硝酸の取れる洞窟を爆破する。その音を聞き千空は全てを察し、司と未来に氷月から離れるよう言うが既に遅く、氷月は槍で未来を狙い、司は未来を庇って胸を槍で貫かれた。氷月はずっと、隙のない司に隙が生まれるのを伺っていたのであった。未来を復活させたことで司には守るべきものが出来てしまい、皮肉にもそれが隙となってしまうのであった。
司と千空は川に落ち、千空は司を連れて岸に上がるが川の流れを読んで氷月が先回りしていた。氷月と司は人間を選定するという目的は同じで、司は大人の搾取を嫌い若い人間だけ全員復活させるという選定方法をしていた。しかし氷月は「優れたものだけを間引きする」という選定をしようとしていたのである。資源が失われた今、70億人もの人間が同時に復活して生きていけるわけが無く、それなら優れたものだけが生きるべきと氷月は言うのである。しかし千空は70億人支えられないなら70億人支える方法を70億人で探すのが科学だと言い、氷月の考えを否定した。致命傷の傷を負ってもなお起き上がった司と千空はタッグを組んで戦う。司が戦っている間に千空は服の下に仕込んでいたマンガン電池を使って小指に包帯を巻いて隠した小さいスタンガンを作り、氷月をスタンガンで気絶させた。2人は満身創痍で倒れながらハイタッチした。ほむらは氷月に駆け寄ろうとした所を捕らえられた。

漸く戦いが終わったというコハクに、千空は終わりでは無く科学王国の本当の始まりだと言う。復活液を作って杠がつなげた石造の石化を復活させてみると、見事に砕かれた箇所も繋がって復活した。杠たちの楽しそうな姿を見て陽は記憶を失ったと嘘をついて仲間に入れて貰おうとしクロムに怪しまれるが、杠は人出は多い方が良いと言って陽を仲間に受け入れた。司は致命傷の傷で動けないが自分が砕いた石像とその場所を覚えていて千空達に話し、その石像を杠たちが直した。千空が杠にした極秘ミッションは砕かれた石像を救う以外にも、司を本当の殺人鬼にしないで済むものでもあった。科学王国が無血(死人無し)で勝利はしたものの、司だけが重症を負い、現在の医療技術では救うのは困難であった。
千空は司をもう一度石化させて復活させたら傷口や破壊された臓器も治るのではないかと考えるが、今は石化を解く事は出来ても石化させることはできない。どうやって石化するのかが分かれば司を助けられるが、今は無理なのである。その「いつか」が来る時を待っていては司は死んでしまうため、千空は司をコールドスリープさせることにし、そのための冷凍装置を開発した。今の科学技術ではコールドスリープから復活できるかどうかも賭けである。最悪の場合コールドスリープさせる事が司にとどめを刺すことにもなるため、コハクたちはその場から離れ千空は司と2人っきりになり、どうでも良い話を2人でしながら司を眠らせた。これは司に恐怖や不安を与えないようにするための千空の優しさであり、司もその事に気づき穏やかに眠りに付いた。

第三部「Dr.STONE(Z=83 - 137)」

船を完成させた千空たちは、宝島に到着する。

百物語「石神千空」で、白夜が石化の発生源は南米と突き止めていた事から、千空は船を作って最終的には南米を目指すという目標を立てる。そのためにはまず大人数が乗れる程大きくて長い航路を耐えられる現代技術で作られた船が必要であった。さらに航海知識を持った船長も必要不可欠である。千空は記者の北東西南に船長が出来る人間に心当たりは無いかと尋ね、南は乗り気ではなかったが海洋系学校「七海学園」のオーナーである七海財閥の息子「七海龍水」を復活させる事になった。七海はテンションが高く強欲な青年であったが、船長としての技術、知識、リーダーシップは天才的であった。

大型船には良質な燃料が必要となり、千空たちは静岡の相良油田を探す事になった。龍水は船長を引き受ける代わりの報酬に石油の権利が欲しいと言い、千空はこれを了承した。すると龍水は千空が必ず石油を見つけ出すという前提で紙幣「ドラゴ」を作り出し、綿飴やラーメンなどを売った。陽など一部の人はお金に目がくらみドラゴ集めに躍起になった。一方油田探しは難航しており、その1番の問題が富士山による噴火によって周囲の地形が大きく変わっている事であった。
千空は空から地形を把握するために気球を作る事にし、杠をリーダーに大きな布の作成を依頼する。杠は大樹や陽などと協力して膨大な量の糸を地道に作り、それを千空とカセキが作った機織機で大きな布にした。編み目が粗くなってしまった失敗布は服の製作に使われ、杠はノリノリで洋服を作り、千空とゲンがその服を高額で売りさばいた。気球が完成し、千空、龍水、クロムが乗る事になった。現代人では無いクロムは人が空を飛ぶ事に甚く感動し、もっとこの世界の事を沢山知りたいと涙を流した。気球は司軍がいた場所から石神村までの移動で、途中に大きな気流に巻き込まれてしまい、臨時の燃料として千空は持っていた最後の硝酸を使ってしまうが無事石神村にたどり着いた。気球に目が良いコハクを乗せて油田を探しながら地図を作っていると、山羊の群れを発見する。山羊の肉を食べながら、石神村の老婆あるみは昔魚が不漁で多くの村人が餓死した事を話す。石神村は魚や木の実とたまに取れる動物の肉を食料にしている。千空と龍水は農耕を始めるために小麦の種を探すことにした。千空は山羊の群れが居たことから近くに小麦がある事は確信しており、すぐに小麦を見つける事が出来た。復活者で人口が増えた石神村に農耕が始まる事になった。採取した小麦から初めてパンを焼いてみるが丸焦げになってしまい、石神村の人々が美味しいと喜んで食べたが、舌が肥えた現代人の千空たちには不味すぎて食べる事ができなかった。
龍水は早急に優秀なシェフが必要だと考え、自分の執事兼シェフの「フランソワ」を復活させようと言う。千空も長い船旅にシェフは必要とし賛成する。しかし復活液はもう使い切ってしまい、洞窟が爆破で塞がれた事で新しく作ることも出来なかった。千空は、司帝国時代に石化復活の人選役を担ってた南なら1人分の復活液を密かに持っていると踏んでいた。ゲンは南に復活液を渡してくれたら1つ何か欲しい物をあげると持ちかけ、1人分の復活液を手に入れフランソワを復活させた。フランソワは復活すると取り乱さずに状況を即座に把握し、長い航海に耐えられる食料としてシュトーレンを作った。シュトーレンの美味しさに石神村の住人たちだけでは無く、現代人たちも復活後初めてのまともな食べ物の味に感動を隠せなかった。南が復活液と交換に願ったのはカメラであり、千空はダゲレオタイプの人類最古のカメラを作り出し南に渡した。記者でありカメラと共に仕事をしていた南はもう二度とカメラに触れられないと思っていたため感動するが、千空は南の分だけではなく大量にカメラを作っていた。そもそもカメラは気球で空から地上を撮って油田を探すために必要で、元より作る予定であったのだった。南はカメラで後の世に千空たち復活者の歴史が残るよう記録係をすることになった。出来上がった上空からの写真でコハクが森にある小さな黒い点を見つけ、千空はそれが猪の群れだと気づく。過去に猪が石油と泥を間違えて油臭くなっていたことから油田が発見された事例があり、猪を追いかければ油田が見つかるかもしれないのである。フランソワによって解体されようとしていた油臭い猪を保護し、スイカが猪と仲良くなったことで猪は油田の場所に千空たちを案内した。千空は石油の品質を実験するため数人で小型ボートで海に出た。通信機でルリたちと交信していると、スピーカーに謎のモールス信号が送られてきた。自然現象ではなく、千空たちの電波に周波数を合わせて送って来た意図的なものであった。モールス信号で「WHY」を只管繰り返しており、千空が「人類石化の黒幕はテメーか?」と聞くと突然モールス信号が途絶え何の音沙汰もなくなった。
モールス信号だけでどこにいるのか分からない敵に対しての策として、千空はレーダーとソナーを作り出した。レーダーで魚群の位置が分かり、石神村は不漁に悩まされなくなった。クロムはレーダーで魚群が分かるなら石にも使えるのではないかと思い、洞窟に出掛け鉱山を発見した。鉱山の中はトロッコでの移動になった。石油の廃液からコンクリートを作り道路を舗装し、そこを走る車があり、海路を行く船があり、気球があり、石神村の周囲はかなり発展してきていた。しかし肝心の船を作っていたカセキは行き詰っていた。作った事がない大きなものであり、組み立て作業が難航していたのである。過去に伝統的な大型船の模型を作った事がある龍水が48分の1スケールの模型を作り、それを元に拡大定規を使ってパーツを拡大コピーして作る事になった。製作に一年を要し、ついに帰帆船「ペルセウス」が完成した。製作に使った一年の記録を南は写真に収めており、この一年が皆で一緒にいられる最後かもしれないと涙する。しかし千空は必ず全員帰ってくると約束し、船完成を祝い全員で記念撮影をした。

船に乗る事になったのは、船長の龍水、エンジニアの千空とクロム、帆の管理をする杠、レーダー&ソナーの羽京、シェフのフランソワ、力仕事のパワーチーム(コハク、マグマ、大樹、ニッキー、金狼、銀狼など)、そして牢獄にいる氷月とほむらであった。氷月たちは脱獄して反逆を起こす可能性があるため船に乗せてしまうのが得策且つピンチの時の戦闘力としてであった。千空はいきなり南米へ行くのではなく、まずは白夜たちが生活した無人島「宝島」を目指すことにした。百夜たちが後の人類のために貴重な鉱石をソユーズに詰め込んで島に置いてきた事が百物語で語られており、その鉱石の中にプラチナがあるからであった。プラチナは人口的に硝酸を作るために必要不可欠なものなのだ。
出航後、パワーチームの1人であった石神村の住人とされいたある男が、自分は石神村出身者では無いと千空たちに打ち明けた。赤子の頃に漂流していたのを石神村の住人に拾われ、子供として育てられたのだという。本名は「ソユーズ」で、石神村では名前が浮くため「名無し」として生きていた。ソユーズは驚異的な記憶力を持っており、赤子の頃に見た物を今でも思い出す事が出来るという。ソユーズの記憶を元に宝島に行く事になった。ソユーズの証言から宝島には確実に人が住んでいる事が確定する。白夜の遺言である「日本を目指せ」という言葉を守り日本を目指し成功した村人たちの子孫が石神村の住人で、島に居残った村人達の子孫がソユーズたちなのではないかと千空は考えた。そして航海開始から数時間で宝島を発見し、嵐に紛れて上陸を試みる。
無事宝島に船を止めると、千空、コハク、ゲン、ソユーズは上陸して探索を開始し、隠れて船に乗っていたスイカが龍水に見つかり叱られる。羽京は海底に何かレーダー反応がある事に気づき、銀狼が素潜りして様子を見に行くと海底に沢山の石化した人間が落ちていた。しかし白夜の残した話のよると百夜たちが島に付いた時は既に無人であったため、地形変動があったとしても海底に人間がいるのはおかしいのである。そんな話をしている時、龍水は宝島の森の中から視線を感じ振り向いた。コハクは船の方が光ったような気がし、ソユーズが望遠鏡で船を見てみるとソユーズは驚いて甚く狼狽していた。ソユーズの様子がおかしい事に気づいたゲンは望遠鏡で船を見ると、龍水たち乗員全てが石化しており大きなショックを受け思わず叫び声を上げた。

重症を負う銀狼を抱え、コハクは宝島の真実を大声で叫ぼうとする。

ソユーズは石化した仲間達を見て、自分が赤子の頃に母親と共に石化する謎の光から逃げていたことを思い出した。その話から千空は宝島には「石化させる勢力」と「それから逃げる勢力」がいるのではないかと思う。そして後者は自分達の仲間になる可能性の高い存在となる。千空たちは森に落ちていた貝殻と枝についていた長い髪から先ほどこの辺を若い女が通ったと推理し、探してみると推測どおりの若い少女を発見した。
少女の名は「アマリリス」といいかなりの美少女で、3人の男から求婚されていた。しかしアマリリスは明日にも迎えがきて頭首様の居る後宮へ連れて行かれると涙し、「それに逆らえばどんな姿にされるか分かるでしょ」と言う。3人の男達は悲しみからその場を去って行った。島には頭首と呼ばれる王のような存在がいて、頭首がいる後宮があるようである。千空がアマリリスに話しかけるとアマリリスは頭首の使い或いは頭首本人が迎えに来たのだと思い込み、1番頭首と面影が近いソユーズを頭首だと勘違いしいきなり抱きつく。ソユーズが頭首では無いと否定すると、ならばこちらかと千空に抱きつく。アマリリスは見た目の可愛らしさを利用し相手を誘惑する技術に長けていたが、千空には全く通じなかった。すると村の方から騒ぎ声が聞こえてきて、先ほどアマリリスに求婚した3人の男が頭首を倒すと言って暴動を起こそうとしていた。しかしそんな事をしたらこのあたりの村人全員が石にされてしまうと村民達は動揺する。千空は催涙弾で男達を止めると、アマリリスは千空は妖術使いなのかと驚き、千空たちの力を借りたいと申し込んできた。

アマリリスは小さい頃友達数名と戯れに船で海へ出ていたが、それを頭首の使いの女性「キリサメ」と同じく頭首の使いの男性「モズ」に発見されてしまう。キリサメがヒモ付きの石を空に投げると発光し、船に乗っていた友人達がその光に当たると次々に石化していった。アマリリスは1番後部に居たため目の前で友人達が石化していくのを目の当たりにする。アマリリスは光を浴びた所から石化をし始め、毛先から徐々に石化が迫ってくる。咄嗟の判断で髪の毛を引きちぎると、石化は千切った髪の毛だけを石化し納まった。そして幸いにもアマリリスのギリギリ手前で光が止まるのであった。アマリリスは海に飛び込みその場をやり過ごした。これまでは頭首が起こす石化は一体何なのか分からなかったが、石化させるものが武器であれば盗ってしまえば皆石化に怯えることはなくなると思い、アマリリスは頭首に近づく事にした。頭首は毎年各集落から18歳を過ぎた綺麗な女の子を選抜し強制的に後宮へ連れて行くため、アマリリスはそれに選ばれるために己の見た目を磨き続けてきていた。後宮に入り頭首に近づければ隙をついて石化武器を盗めるからである。
そして明日がその選抜の日なのだと千空たちに語った。しかし武器を持っているのは女であるキリサメであるためお色気攻撃は通じず、戦える可愛い女の子が味方に一緒に居ればと思っていた。千空チームにいる戦える可愛い女の子といえばコハクである。千空たちは素材は良いがガサツで飾り気の無いコハクを科学でモテモテ美少女にすることにした。

アマリリスの服を着たコハクにメイクを施したいがコスメを作る道具が無いため、船に乗せてある移動式ラボを取りに行くことになった。すると船には頭首の使いの男で宰相の「イバラ」が部下を連れて乗っていた。イバラは船を探索しており、珍しい服を持ち帰るために近くにあった石化したクロムを倒して壊した。そんなクロムを見て頭に血が上ったコハクは飛び出したい衝動を抑え遠くから様子を伺っていると、キリサメに発見されてしまう。キリサメは武力に長けていて、長いスカートを着ていたコハクは上手く戦えず劣勢であった。なんとかラボだけでも入手したいと思ったコハクは「ラボだ!ラボが絶対に欲しい!」と大声で叫んだ。ラボという言葉は宝島の住人には聞きなれない言葉であるためキリサメは首を傾げると、ゲンが咄嗟に千空を「ラボ君」と呼びコハクの前に連れて行った。コハクは千空にキスをして、ラボという男と逢引をしていたと誤魔化す。恋愛ごとに疎いキリサメは赤面し、コハクとラボ君(千空)に「早く帰りなさい」と言って去って行った。
一方コハクの「ラボが欲しい」という言葉を聞いていたのは、頭首の使い達だけではなく偶然石化を免れて船の樽に隠れていた銀狼とスイカもであった。船員たちの石化時、龍水はとっさにスイカを蹴って海に落とし、銀狼はたまたま海に潜っている最中であったため2人だけは助かったのであった。銀狼は金狼が石化しているのを見て号泣している所にイバラたちがやってきて樽の中に隠れていた。一方スイカはコハクの声を聞くと状況を理解し、水陸両用の自動車になっているラボに草を被せて隠した後囮になって暴れ、その間に銀狼がラボを動かせるようにした。銀狼は1人で逃げようとしていたが金狼だけは一緒に連れて行こうと石像を引っ張っていたが、囮になるスイカと自分に何かを訴えているような目をしている石化した金狼を見て、今やるべき事がなんなのか察する。金狼をその場に置き、ラボのエンジンを起動させてスイカと一緒に船を脱出した。イバラの部下達は自動車を見たことが無いため、船に大きな生き物が乗っていて逃げて行ったのだと勘違いする。しかし用心深い性格のイバラは、船と森と集落の隅々をよく探すように命令した。
ラボカーを持って来たスイカと銀狼と合流した千空たちは洞窟を拠点にすることにした。シャンプーとコンディショナーを作ってコハクの髪の毛を整え、化粧品を作ってコハクにメイクを施し見かけは完璧な美少女にすることが出来た。1人でも人員は多い方が良いとし、女装が似合った銀狼もコハク達と一緒に潜入する作戦に参加する事になった。

アマリリスとコハクは選抜に選ばれるが、コハクはちょっとした身のこなしからモズに本当は強い事がバレてしまう。しかし女好きのモズはそれをイバラには教えず、コハクにそのうち手合わせしたいと耳打ちした。ビビりな銀狼は選抜に選ばれたくないため可愛くないフリをするが、僕っ娘だったのがイバラのツボに入ったようで選抜に選ばれてしまう。イバラが銀狼と話しているその間に、千空たちは作ったインカムをコハクに投げ渡した。このインカムは千空たちの声が一方的に届くというもので、指令は出せるが意思疎通は出来ないものであった。千空はキリサメが石化装置を使う際に空中に投げるのを利用し、ドローンを作って安全に遠くから空中で石化装置を強奪するという作戦を立てた。コハクたちへのミッションは3人で出来る限り後宮を偵察し、イバラ、モズ、キリサメの3人がバラけた時にキリサメだけを上手くおびき出して石化装置を使わせるというものであった。
後宮はオオアラシという屈強な男が警備していたが、アマリリスがオオアラシを誘惑してる間にコハクが偵察し、後宮にある大木の幹に白夜の残した宇宙船ソユーズを発見する。千空たちはミニ四駆を作り出し、コハクたちの元へ送り込む。そのミニ四駆に手紙をつけて送り返せば千空達と意思疎通が出来るが、コハクもアマリリスも銀狼も文字が書けなかった。コハクは血で暗号の絵を描き送り返した。ゲンがコハクの性格を考えて絵文字を解読し、暗号は「プラチナがあった」という文章であったと判明する。プラチナが手に入れば復活液を作る事ができるため、石化してしまった乗員達を全員復活させる事が可能である。
夜、銀狼とアマリリスがオオアラシたちの気を引いてる間にコハクが千空から届けられた道具とサイレント爆弾を使い、宇宙船ソユーズを劣化から守っていた石工を破壊する。コハクはソユーズの中にあった砂を袋につめて千空たちに送った。それは砂金であり、大量の砂金の中に一粒のプラチナがあった。砂金の中に稀にプラチナが紛れる事があるのである。千空とゲンは砂金をこれだけの量を川から集めるには何十年も掛かる事に気づき、白夜が何十年もかけて砂金を集め、千空のために一粒のプラチナを残してくれたのだと察する。ゲンが百夜と千空は似ていると言うと、千空は自分は百夜の親友の子で百夜とは血は繋がってないし詳しい経緯は知らないと語りながらも「そんな事は関係ない」と言い、ゲンもそれに同意した。千空と白夜は血は繋がってないが地道な努力をし続ける才能を持つ、良く似た親子なのである。

プラチナを使って硝酸を作り出した千空たちは、まず石にされた仲間達を奪還して復活させる作戦を立てる。しかし昨晩コハクが宇宙船ソユーズを破壊した事でイバラが後宮に侵入者がいる事に気づいてしまう。イバラは見せしめに船の上に置いてあった石化された船員達を海へ捨て、1番装飾品が豪華だった龍水の石像を新しく後宮へ来た者達全員で破壊しろと言う。後ろめたい事が無ければ破壊できるはずだと言い、侵入者を確かめるための踏み絵のような者であった。コハクはインカムで千空から作戦を聞き、龍水をあとで繋ぎやすい様に上手く粉々にし、バラバラになった破片を千空たちに送った。
千空たちはバラバラになった龍水の体を繋ぎ合せ龍水を復活させた。千空は酸素ボンベを作り、ボンベを持って龍水とソユーズが海に潜り、捨てられた石像の中からカセキを拾い上げに向かう。カセキはすぐに見つかるが埋まってしまっていて龍水たちでは持ち上げられなかった。持ち上げられそうであった大樹を先に復活させる事にし、龍水は自分の残りの酸素を大樹に下から当てて海の中に一瞬地上と同じ環境を作り、復活液を掛けて大樹を復活させた。残り酸素が無くなるため龍水の捨て身の作戦であったが、大樹は即座に状況を判断して必要な分の酸素だけを吸って酸素ボンベを龍水に返した。そしてカセキの破片を持ち帰り、カセキを復活させる事に成功した。
千空はカセキと共にドローン作りを開始し、大樹たちは仲間達の破片を海から持ち帰り繋げて1人ずつ順番に復活していく。一方後宮では銀狼が頭首の寝屋の相手に選ばれて呼ばれていた。千空はパイナップル型の酢酸エチルを渡し、頭首を昏倒させてその間に家捜しするように言う。頭首は布越しにしか姿を現さず、イバラだけが頭首の声を聞き、まずイバラが銀狼に寝屋の手解きをしようとする。銀狼は酢酸エチルでイバラを昏倒させると、頭首の顔を見ようと布をめくる。頭首はソユーズの顔に良く似ており、石化していて顔の半分がなかった。昏倒から回復したイバラは頭首の秘密を見てしまった銀狼の腹をかぎ爪で貫いた。
一方その頃、元からコハクを怪しんでいたモズはコハクと一体一の戦いを望み戦いになっていた。コハクは銀狼が刺されたのを見て駆けつけるも、もう手の施しようが無い事を悟る。銀狼が最後の力で頭首は石だった事をコハクに話すと、コハクは銀狼を抱えて後宮で1番目立つ頭首のいる部屋の屋根に乗って「頭首は石だ」と大声で叫ぼうとする。イバラはキリサメに石化の武器を投げさせ、コハクが全て言う前にコハクと抱えられた銀狼を石化させた。致命傷を負った銀狼を助けるためには石化復活の回復力を頼る他になく、こうすれば確実に石化装置を使うと確信したコハクの咄嗟の判断であった。2人は千空たちが必ず助けてくれると信じ、自ら石になったのであった。

千空たちが杠、クロム、羽京たちを復活させていると、アマリリスが駆けつけコハクと銀狼の事を話した。羽京がキリサメが頭首の部屋を避けるようにしてコハクたちを石化させたことから、頭首が石像になってることを知らないのではないかと推理する。するとアマリリスを尾行してきたモズが現れ、キリサメが何も知らない事を肯定した。モズは宝島で最強の戦力であり、戦いになったら今の千空たちに勝ち目はない。モズは頭首が既に石で、石化させた犯人はイバラである事を知っており、その事をキリサメが何も知らない事も知っていた。モズは生粋の美女好きで女遊びをするために自分が頭首になりたいと思っているが、それにはイバラが邪魔である。イバラを攻撃すると何も知らないキリサメが石化装置を使うため、石化装置も邪魔であった。モズがここに来た目的は、イバラを殺すか千空たちを皆殺しにするかどちらを先にするか見極めるためであった。千空たちはモズに利害の一致で協力関係になる事を求めると、モズは自分のために千空たちが働き石化装置も自分に渡すという条件を出し、一時的にモズを味方にする事ができた。千空たちはモズへの対抗策として銃を作り、現代で唯一銃の使い方を知る警官であった陽を復活させた。

千空たちはフードを被った戦士達という嘘の対抗勢力を作り出してイバラたちを崖におびき寄せることにした。フード戦士たちに石化装置を投げた所を龍水が操作するドローンで奪うという作戦である。モズの嘘のリークによってキリサメとオオアラシが崖に来る。しかしイバラはキリサメの耳飾りがコハクと同じ物である事に気づき、石化したコハクから耳飾を奪って装着してみたことで通信装置だった事がバレてしまう。モズも侵入者の仲間だと確信したイバラはキリサメに嘘の石化装置を投げさせ、千空たちは寸前で偽者である事に気づいてその場から逃げた。
立場が悪くなったモズは、自分は敵勢力の仲間では無いとイバラに弁解するために千空たちを皆殺しにすることにした。イバラはキリサメたちが崖で戦っている間に、島民を全て千空たちが乗ってきた船に集めていた。島民全員を船に集めてしまえば島には侵入者しかいないため、島全体を範囲に石化装置を使えば千空たちを全員倒せるからであった。千空たちは頭首が既にイバラによって石化させられていると暴けばキリサメはイバラに協力しなくなり、島民もイバラに従わなくなるはずだと考えた。そして銀狼の見立てが確かであればソユーズは頭首の息子であり、正当な後継者であると推理した。
千空達は島民に見せるために頭首の石像を奪うチームとそのための時間稼ぎをするチームに分かれた。しかし用心深いイバラは、頭首の秘密を暴かれる可能性を考えて頭首の石像を破壊していた。杠たちはソユーズの赤子の頃の記憶を元に石像を一から繋げることになった。船の上では時間稼ぎに千空達がイバラの部下たちを科学で圧倒するが、そこに千空たちを皆殺しにする決意をしたモズが現れてしまい戦力差に千空たちはピンチになる。千空は奥の手として氷月を復活させた。復活した氷月は千空たちに付くかモズに付くか考え、モズに人類は選別すべきだと思っている事を話すとモズも賛成した。しかしモズの選別とは美男美女の選別であり、ブスはいらないという浅はかな物であった。氷月は千空たちと意思を違えてはいるが千空たちの人間性と有能性は認めてはいるため、モズの浅はかな発言から千空たちの味方に付くことを選んだ。ただの槍での勝負では天才的な武力を持つモズが優位であったが、千空たちが氷月の管槍を用意したことで氷月がモズに勝利した。
その頃、イバラはオオアラシに石化装置を持って島の中心まで行く様に言う。石化装置をオオアラシに使わせてオオアラシとまだ移動が終わってない島民を巻き込んで島にいる侵入者達を石化させようというのである。キリサメはそれは行き過ぎた行動だとイバラを止め、それは本当に頭首の命令なのかと問う。すると丁度その時頭首の石像の繋ぎ合せが終わり、大樹が大声で「頭首は石像だー!」と叫んだ。大樹の声はイバラとキリサメまで届く程の大声であった。イバラはキリサメから石化装置を奪うと「1m1second(ワンメーター、ワンセコンド)」と言い、咄嗟に石化装置を奪い返そうとしたキリサメを石化させた。石化装置を使う時はこの様に装置に指示するようである。キリサメは石化される瞬間にイバラがずっと自分を騙していた事を知り、悔しさに涙しながら石化して海へ落ちた。
イバラが千空たちも石化させようとしてると、先のモズとの戦いで海に落ちていた陽がイバラの手に銃弾を命中させ、イバラが衝撃で手放した石化装置を水中でキャッチし手に入れた。イバラは咄嗟の判断で海へ飛び込み、陽の持つ石化装置の近くで「3m1second」と言って装置を発動させて陽を石化させ装置を奪った。そして海の中で「2000m15minutes(2000メートル、15分)」と言って近くに居たオオアラシに装置を飲み込ませて、石化したくなかったら島の中央に走るように言う。自分が何をされたのか分かって居ないオオアラシは、イバラの言うとおり島の中央に走って行く。千空たちは総力戦でオオアラシを止めるが、15分経ってしまいオオアラシの腹の中で装置が発動し、オオアラシと周りの人々を巻き込んで石化の光が広がっていく。クロムは自分が石化された際とその後何度か見た石化の光から、鋭い観察眼で石化光線の進むスピードは常に一定だと見破る。クロムたちは1人1人手を広げて感覚をあけて並び自分に石化が始まったら合図して千空に見せ、千空に自分があと何秒で自分が石化するか正確に計れるようにした。千空は自分の石化が始まったタイミングで復活液を石化が始まった手にかけると復活液が石化を阻害し、千空は全て石化する前に石化した箇所が復活した。そんな事が行われていた事も知らず、イバラはラボに隠れて準備していた千空と一体一の戦いになる。
千空はラボを遠隔操作してイバラにぶつけるがイバラは用心深く固い盾を用意しており、イバラは鉤爪で千空を傷つけ、逃げる千空を追いかける。イバラは戦いやすい平地に千空を追い詰めたつもりであったが、そこは当初ドローンを使う予定であった崖であり、イバラが石化装置を千空に投げると龍水がドローンでそれを奪う。しかし投げた瞬間に何かおかしいと気づいたイバラは石化装置の紐を引っ張る。石化装置を持ったドローンを奪われないようドローンのコードを千空&龍水が引っ張り、両者は綱引きのような状態になる。千空たちは石化装置が発動する直前に手を離し、よろけたイバラに石化装置を当て石化させる算段であったが、イバラはよろけながら被っていた王冠を投げて迫ってきた石化装置に当てる。すると龍水は石化光線の中に突っ込んで行き石化しながらイバラに体当たりをするが、完全に石化して地面に倒れてしまう。イバラは考えなく特攻してきた龍水をバカにしながら石化装置を拾うと、石化装置にはインカムが引っかかっていた。龍水は考え無しに特攻したのではなく、装置にインカムを引っ掛けたのである。インカムで千空が「5m1second」と言って石化を発動させイバラを石化させた。これで漸く千空たちは石化装置「メデューサ」を手に入れたのである。

千空は仲間達や復活可能な状態の島民を全員復活させた。コハクと銀狼も無事に復活が出来た。瑠璃から通信があり、千空から通信があったと話し何の用か聞いてきたが千空に心当たりはなかった。その話をしてると通信が遮断されて「12800000m1second」という声が聞こえてきた。12800000mとは地球の直径である。そしてその声は千空の声であったが、ソナーマンであり耳が良い羽京は千空の声では無く千空の声に似た合成音だと断言した。音声は一定周期で繰り返しているようであった。海底から見たこと無い人物の石像が発見された。
損傷がないため復活させてみると、侍のような喋り方をする男「松風」が復活した。松風は今よりもずっと前の時代の宝島の住民で、ある日大量の石化装置が空から降ってきたと話す。この話から千空は通信機から聞こえてくる声を逆探知し声が聞こえてくる距離を掴み、石化装置が降ってきた事を踏まえ、ホワイマンは月にいると考えた。次の目標は月に行く事になった。松風は自分が仕えていた上様と銀狼がそっくりであったため、銀狼を上様と呼び、守りきれなかった本当の上様の代わりに銀狼の護衛をするようになった。頭首の石像は頭の部分が長い事壊れていたため表面が風化してしまい復活できず、ソユーズが意思を継いで頭首になる決意をした。キリサメは頭首になったソユーズの命で千空達の手助けをするように言われ、千空達と一緒に本土へ行くことになった。アマリリスとソユーズとはここでお別れとなり、千空たちは宝島を出て本土にいる瑠璃たちの元へ帰った。

千空はイバラ戦で怪我した場所を石化で治癒しておらず、何故かと龍水に問われると、石化装置の充電切れを気にしていると言う。イバラが5メートルと言ったのに1メートル程度しか光が発動しなかった事があり、石化装置の充電切れを危惧し司のために使わずに取っておいているのである。司に祈るような気持ちで装置を使うと石化する事ができ、復活の際の治癒力で司は無事完治した。宝島に行ったメンバーと司は再度石化し復活したため顔や手足にあったヒビが完治したが、石化していない千空は未だにヒビが顔に残っている。ゲンは戦化粧だと言って顔に以前のヒビを後を描き、大樹たちもそれに賛成して皆自分のヒビを再現した。司も一緒に戦化粧をし、白状な嘘つきを装いながらも実際は人情深く、言葉で他人を繋げる力を持つゲンを復活して良かったと思う。月に行くためには地球の各地へ行って人類を復活させて街を作り、多くの資源を獲得する必要がある。まずはアメリカへ行ってコーンを採取し、復活液を作るのに必要な大量のアルコールを手に入れる事を目標にした。

本章「石化の真相(Z=138以降)」

千空たちはアメリカを目指す。

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『アイシールド21』とは、原作:稲垣理一郎、作画:村田雄介によって週刊少年ジャンプに掲載されていた少年漫画、およびそれを原作としたテレビアニメ作品。 パシリにより鍛えられた俊足を見込まれ、強制的に泥門高校のアメフト選手にされた小早川瀬名。選手登録名「アイシールド21」として日本のアメフト界の最高峰である全国大会決勝(クリスマスボウル)を目指し、仲間たちと共に様々な強敵を相手に奮闘する。

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D.Gray-man(Dグレ)のエクソシスト・イノセンスまとめ

『D.Gray-man』とは、星野桂による漫画、及びそれを原作とするアニメやゲームなどのメディアミックス作品である。 育ての親であるマナを亡くしたアレン・ウォーカーは、千年伯爵の誘いに乗ってマナの魂を呼び戻し、『AKUMA』という兵器へと変えてしまう。アレンの左腕にはAKUMAを破壊することができる『イノセンス』が宿っており、アレンはAKUMAを破壊する。アレンは『エクソシスト』となり、千年伯爵たち『ノアの一族』と戦いを始める。

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ARMS(アームズ)の名言・名セリフまとめ

『ARMS(アームズ)』とは、七月鏡一原案をもとに1997年から2002年にかけて少年サンデーで連載された、皆川亮二の大ヒットSF漫画である。 主人公は、右腕にナノテクノロジーで生み出された金属生命体「ARMS」を移植された少年「高槻涼」。彼が同じARMS移植者である3人の仲間と供に、ARMSを狙う謎の組織「エグリゴリ」の刺客と果てない戦いに身を投じていくという物語である。 本作は「人間とは一体何か?」をテーマとしたSF漫画作品でもあり、登場する名言は人間の心や成長にまつわるものが多い。

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