かくりよの宿飯(第19話『月の夜の銀の獣』)のあらすじと感想・考察まとめ

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折尾屋に天狗の秘酒を届けた葵と葉鳥は、帰り道で笛の音を聞く。葉鳥から笛を吹くのは雷獣だと教えられ、関わらぬように忠告を受ける。旧館に戻り、炙りしめさば寿司と梅肉チーズのサラダ巻を作った葵は、ノブナガの導きで、傷ついた銀次をやしろで発見する。葵の手弁当で霊力を回復した銀次だが、乱丸も同じやしろで傷ついた姿で倒れていた。葵の料理で回復した乱丸に、人魚の鱗を取って来るという約束をしてしまう葵だった。
今回は「かくりよの宿飯」第19話『月の夜の銀の獣』の内容(あらすじ・ストーリー)と感想・考察を紹介。

「かくりよの宿飯」第19話『月の夜の銀の獣』のあらすじ・ストーリー

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乱丸と語る金髪のあやかし

折尾屋の一室で、乱丸は金色の髪をしたあやかしと葵の話をしていた。
金髪のあやかし「ねーえ乱丸君、津場木葵を攫っておきながら、どうして好き勝手にさせているのかなあ?」
乱丸「黄金童子様が仰った。津場木葵の行動を抑制するなと」
金髪のあやかし「ふーん、まあ虹結びの雨傘と、天狗の秘酒を手に入れたんだから凄いよね。でも、人魚の鱗と、蓬莱の玉の枝、それに海宝の肴も何とかしないとね」
「人魚の鱗は銀次が手に入れる」と乱丸は話したが、金髪のあやかしは、銀次が鱗を手に入れるのに苦戦していることを指摘した。乱丸は「絶対に手に入れるのでご心配なく」と 金髪のあやかしにきっぱりと言った。

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折尾屋からの帰り道に聞く笛の音

葉鳥と葵は、苦労の末に手に入れた天狗の秘酒を、折尾屋に届けた。帰り道、笛らしき音を葵は聞いた。
葵「笛の音?」
葉鳥「雷獣様だな、雷を操るあやかしで黄金童子様と並ぶ身分の大貴族だ」
葵「雷獣」
葉鳥「知っているのか?」
葵は天神屋で、雷獣が暴れて怖い体験をしたことを葉鳥に話した。
葵「私、雷は苦手だから」
葉鳥「お嬢ちゃんにも苦手があったか、はっはっは」
葉鳥は真面目な顔に戻り、葵に忠告をした。
葉鳥「しかしな、あいつには関わるな。何しろあいつは、この世の全ての娯楽を知り尽くした、歪んだ快楽主義者だ。気まぐれで、刹那的で、時に平気で残酷な真似をする」
葵「笛の音はこんなにきれいなのに」

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炙りしめさば寿司

旧館に戻った葵は料理を作り始めた。
アイ「葵様、それ何ですか?」
葵「炙りしめさば寿司と梅肉チーズのサラダ巻を作るの」
チビ「呪文のような名前ですね」
アイ「葵様のお夕飯ですか?」
葵「ううん、銀次さんに夜食の差し入れをしようと思って」
チビ「狐さんにですか?そう言えばしばらく見かけてないですね」
葵「儀式の準備でとっても忙しいらしくて」
葵の眷属のアイも鬼火でサバの炙りを手伝い、料理は出来上がった。

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傷ついた九尾の狐の姿の銀次

弁当箱に料理を詰めて葵は表に出た。するとノブナガが「バフ」と吠えてやって来た。そして葵について来いという仕草をして走り出した。葵がアイの鬼火に照らされながら、暗がりを追ってゆくと、森の中のやしろにたどり着いた。そこで葵は鳥居の下に九尾の姿で倒れている銀次を発見する。銀次は自分は今、穢れに覆われているので近づかないよう葵を制した。
銀次「このいやしろに残った神聖な力で、身体を浄化しているところなのです。だからそれ以上は…」
月に向かって背伸びをするように起き上がった銀次は、そう言ってまた倒れこんでしまった。

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炙りしめさば寿司を頬張る銀次

葵は銀次の側に駆け寄り、銀次の鼻筋を撫でた。
葵「ねえ銀次さん、お口を開けて」
銀次は大きく獣姿の口を開けた。葵は持って来た弁当を開いて、炙りしめさば寿司を一貫、銀次の舌の上に置いた。銀次は口を動かして、炙りしめさば寿司を食べた。みるみるうちに銀次は、人の姿に戻っていった。
銀次「すごい、元に戻りました。いつもはもう少し時間がかかるんですけど」
葵「よかった、とても苦しそうだったから。それに、少し痩せた気がするわ」
銀次はそれから炙りしめさば寿司をたくさん食べ、梅肉チーズのサラダ巻も堪能した。銀次は元気を取り戻して行った。

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葵の作った炙りしめさば寿司と梅肉チーズのサラダ巻

葵「ねえ銀次さん、さっきはどうしてあんなに弱っていたの?」
銀次「葵さんはどこまで知っているんですか?」
葵は葉鳥から聞いた、南の地が儀式によって災害を避けてきたこと、100年に1度海からあやかしがやって来ること、儀式に必要な5つの品のことを銀次に話した。
銀次「私が探している品は人魚の鱗です。人魚たちはとても希少で貴きあやかしでした。今では絶滅したとも、海を渡って常世へ行ったとも言われています」
葵「へっ、じゃあ鱗はどうやって手に入れるの?」
銀次「竜宮城跡地に残っているらしいのです。ただあやかしに纏わりつくとても強い呪いが澱んでいて、短い時間いるだけでも、邪気に蝕(むしば)まれてしまいます」
葵「そんな危ない場所に」
銀次「ここ数日毎晩、そしてこのやしろの神聖な霊気で身体を癒していました」

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磯姫に抱かれる幼い頃の乱丸と銀次

銀次はやしろの由来を葵に話し始めた。
やしろは折尾屋が出来る前の、この地の八葉の拠点だった。その八葉は磯姫と言う女性で、南の地の磯男と最後の人魚の間に生まれた、気高く美しいあやかしであった。磯姫は神懸かり的な力を持ち、額に予知の水晶を抱いていた。
葵「予知?磯姫様には未来が見えたの?」
銀次「はい、未来が見え、人々に行くべき道を指し示す力を持っていたことから、標(しるべ)の巫女と言う異名を持っていました。そして彼女は私と乱丸の育ての親でもあったのです」
葵「ええっ、育ての親って?」
銀次「寄る辺を失くしていた幼い乱丸と私を、磯姫様はこのやしろに連れ帰って下さいました。そしていずれは儀式を担うことが出来る守護獣になるよう、育てて下さったのです」

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海から来るあやかし海坊主

銀次はそれから、磯姫様が乱丸と銀次を連れて様々な場所を旅し、海から来るあやかしや、より有効な儀式についての情報を集めたことを葵に聞かせた。
葵「海から来るのはどんなあやかしなの?」
銀次「黒く巨大な正体不明の呪いの塊、私たちは海坊主と呼んでいます。このかくりよと常世を行き来する海の魔物で、常世ではダイダラボッチと呼ばれているらしいです。海坊主自体は非常に大人しいあやかしなのですが」
葵「竜巻や台風を連れて来るのね」

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竜宮城跡地を目指す磯姫

銀次は300年前、儀式が失敗して、避けられない災厄が来ることを予知した磯姫様が、海中の竜宮城跡地に引き籠り、災厄をその身に引き寄せて亡くなったのだと葵に話した。そして竜宮城跡地に今も残る呪いは、彼女がこの南の地を守るために、その身に集めたものだと語った。
銀次「その後、黄金童子様がやって来ました。当時、天神屋の大女将をなさっていた黄金童子様は、この地に新しい宿を築きました」
葵「それが折尾屋なのね」
銀次「折尾屋の発展こそ、南の地を守ることに繋がる。そう考えて私たちは懸命に働きました」
葵「でも、それじゃあどうして銀次さんは、折尾屋を辞めることになったの?」

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折尾屋を辞めると言い出した銀次に怒る乱丸

銀次「いつしか2人の思いが、すれ違い始めたのです」
磯姫様の後を継いで八葉となった乱丸は、折尾屋と南の地を発展させたいという気持ちが強過ぎて「お前らは黙って俺の言う事を聞いてろ」と従業員達に厳しい態度をとり、あらゆる手段を使って他の宿の買収を行ったりした。
銀次はそんな乱丸を見ていられなくなり、その時に大旦那様が「天神屋に来ないか」と声をかけて下さった。
そして銀次は「お前のやり方にはもうついて行けない、儀式の時には必ず戻って来る」と乱丸に言い残して、折尾屋を辞めることになった。

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銀次と話す葵

葵「今がその約束を果たす時なのね?」
銀次「ええ、そうです」
葵「ねえ銀次さん、無事に儀式が終わったら、夕がおに戻って来てくれる?」
葵はそう聞こうとしたが、こんなに苦労をしている銀次には聞くことが出来ず、心の中でそう呟いた。
葵「銀次さん、私に出来る事はある?銀次さんの助けになりたいわ」
銀次「葵さん、いいえ葵さんはもう十分助けてくれています。虹結びの雨傘に天狗の秘酒、ですが人魚の鱗、これだけは関わってはいけません。絶対にです」
葵「でも…」
銀次「危険過ぎます。あなたに何かあったら、私は大旦那様に顔向け出来ませんから」
銀次が「もう戻りましょう」と言った時、ノブナガが「バフ」と吠えて鳥居の方へ走り出した。

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鳥居で座り込む乱丸

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