銀河鉄道999（Galaxy Express 999）とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

空間軌道

宇宙に敷設された不可視のレール。 通常の線路は各停車駅での離着陸時に使われるがビジュアル的な役割のためであり、材質が違うわけではない。

軌道チューブ

銀河鉄道が走行する空間軌道を保護する透明なシールド。 シールドチューブなどとも呼ばれる。 空気の確保と外部からの衝撃を保護するためにある。 なので、窓を開けて外を見ても車内から乗客が落ちたとしても窒息することはない。

合成食品

999世界において庶民が食べている食べ物の総称。
この時代では天然の食材が地球やほかの星で作られている描写はなく、天然素材は貴重であるということと庶民は合成食材を食べているらしいことしかわからないし、その材料も不明である。 999の食堂車で分子を合成させて作る食事はほぼ天然素材に近い出来らしいのだが、合成食との違いは明らかではない。 作る際のコストと品質の違いかもしれない。 惑星明日の星で鉄郎はインスタントラーメンを初めて見たので、インスタント食品というわけでもなさそうだ。
合成食材そのものが存在しない惑星以外の地域では富裕層である機械化人は天然素材の食品を食べないのに、存在自体は庶民である鉄郎がなぜ知っているのかは不明である。

命の火

機械化人のエネルギー源。 その実態は生身の人間から抜き取った魂そのものである。 そのため機械化帝国は生身の人間を差別虐待する一方で機械化法によって強制的な機械化を禁じている。 大半の機械化人は命の火の材料について知らないが、惑星クイマで反乱を起こした機械化人ネコアは知っていたし、惑星雨が池の支配者クーフレームは自宅にある命の火を抜き取る装置でメイドが見繕った人間の魂を抜き取らせていた。 雨が池に立ち寄った鉄郎も命の火を抜き取られたがメイドのアークが自分の命の火とすり替えたため、機械化人の命の火を食べたクーフレームは死亡した。 機械化人のものではダメな理由は、拒否反応という以外明らかではない。

るつぼ

惑星大アンドロメダの中心部。 ここには生身の人間で作られた9億9999万本のネジがはめ込まれ、命の火を搾り取られている。
一本でもネジがゆるむと蓋が空いてしまうらしいが「るつぼ」の設計者と思われるドクター・バンの言によればわざと脆い結合になっている。
機械化帝国の最重要部分なのにずさんな管理体制なのは、大きくなりすぎた大帝国の中枢は脆いものだという比喩のためと考えられる。

『銀河鉄道999（Galaxy Express 999）』の登場人物・キャラクター

星野鉄郎（CV：野沢雅子）

この物語の主人公。 10歳。
母と二人でメガロポリスの郊外に住む。 父親は人間の機械化に反対したかどで処刑されたらしいが、鉄郎の記憶にはない。
機械化人の人間狩りによって母を殺され、行き倒れているところをメーテルに救われる。 メーテルからの誘いもあり、母の遺言でもある「機械の体をタダでくれる星」へ行くため銀河超特急999号に乗る。

胴長短足でちびで偏平足で豚鼻だが、各停車駅で出会う女性にはモテる。 困っている人を見ると放っておけない優しさと人並み以上の好奇心を持ち、そのやさしさと知的好奇心が何度も命を救う反面、そのおせっかいさとミーハーな好奇心が何度も命の危機を招く。 中には、永遠の命に疲れ果てた機械化人や、宿命を背負うことに疲れた生身の人間の自殺ほう助をさせられる場合もあるので、単なる殺人とは言い切れない部分もある。
環境適応能力、サバイバル能力は高いが、一度犯した失敗を終盤になるまで何度も繰り返す。

大抵のことは我慢できるが風呂だけは大の苦手。 冬という季節も、地球に住んでた頃寒くてつらかったことと母が死んだ時を思い出すので嫌いになった。 風呂ギライとラーメンをこよなく愛するのは、松本零士作品主人公の共通項である。

ネーミングの由来は、作曲家星野哲郎。

メーテル（CV：池田昌子）

鉄郎とともに旅をする謎の美女。 実年齢不詳。 その正体は機械化帝国の女王プロメシュームの娘で、出身地は惑星ラーメタル。

999で旅をするのは鉄郎のような元気な若者を機械化帝国の母星（惑星大アンドロメダ）に連れて行き、母星を構築する部品に加工したうえ彼らの魂を機械化人のエネルギー源である命の火の材料にするためである。
しかしその裏では、彼女の父でプロメシュームの夫ドクター・バンの命令で母星を破壊するための工作をしていた。 母星に連れて行った若者たちをあえて部品にするが、その工程はドクター・バンの手であらかじめ細工をされていた。 すべての部品は重要な位置にわざと緩く取り付けるよう設定されており、決起の時は目前だった。 その決起の時に出会ったのが鉄郎であったのは偶然か必然かはわからない。

優しく美しく、気丈で戦闘力も高く、宇宙の真理にも通じている才色兼備の鑑な女性。 自分の意志に忠実で健気に生きる若者は機械化人、生身の人間関係なく応援するが、自堕落で自分勝手な人間に対しては容赦しない冷酷さも持っている。 その冷酷さは両親譲りなのか、長い間旅を続けて出会いと別れを繰り返したことによって心を閉ざしたためなのかはわからない。

なぜ鉄郎の母に生き写しの容貌なのか、なぜプロメシュームはメーテルを機械の体にしなかったのかは不明である。 劇場版999ではメーテルが鉄郎の母と生き写しな理由が曖昧ながらも明かされるが、原作でもその設定が採用されるかどうかはわからない。
メーテルの魂の半分は惑星大アンドロメダにいるプロメシュームと融合しており、もう半分を人間体に植え付けて命の火の材料探しをさせている。 もし片方のメーテルが死んだらもう片方も死ぬかどうかは不明である。 本物のメーテルの体は冥王星の墓場に安置されており、999が冥王星に停車するたび見に来ては涙を流す。

ネーミングの由来は、青い鳥の作者メーテルリンクとギリシャ語で「母」を意味するmētēr。

車掌（CV：肝付兼太）