妖怪アパートの幽雅な日常(Elegant Yokai Apartment Life)のネタバレ解説まとめ

Elegant yokai apartment life

「妖怪アパートの幽雅な日常」は「香月日輪」による小説作品。2003年から原作小説が発売し、全10巻。2017年に「シンエイ動画」製作でアニメ化。「あにめのめ」枠で放送された。親を亡くし親戚の家で暮らしていた主人公「稲葉 夕士」は、縁あって格安アパート「寿荘」へ入居する。そこは人間だけではなく、妖怪や幽霊も住んでいる妖怪アパートであった。

『妖怪アパートの幽雅な日常』の概要

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「妖怪アパートの幽雅な日常」は作者「香月日輪」による小説作品。全10巻。
「第51回産経児童出版文化賞フジテレビ賞」を受賞。
番外編には「妖怪アパートの幽雅な食卓 るり子さんのお料理日記」「妖怪アパートの幽雅な人々 妖アパミニガイド」 「妖怪アパートの幽雅な日常 ラスベガス外伝」がある。
漫画版は作者「深山和香」が執筆し、2011年から月刊少年シリウスで連載。
2017年にシンエイ動画製作でアニメ化。
TOKYO MX・読売テレビ・BS11の「あにめのめ」枠で放送された。

本作は、香月日輪の別作品「地獄堂霊界通信」とリンクしている。
香月日輪は2014年に51歳で死去した。

主人公「稲葉 夕士」をはじめ、妖怪・幽霊・人間が住む「寿荘」の住人達や、夕士の親友の「長谷 泉貴」など個性豊かなキャラクターが登場。
前半は寿荘の住人の紹介や怪事件、中盤で夕士が霊能力に目覚め魔道書「小ヒエロゾイコン」を入手し、夕士の成長が描かれる。
声優は「中村悠一」「石田彰」「沢城みゆき」「森川智之」など有名大物声優が多く起用されている。

『妖怪アパートの幽雅な日常』のあらすじ・ストーリー

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本作の主人公「稲葉 夕士」は中学一年生の時に両親を事故で失くしてしまう。
その後、夕士は親戚の元で暮らしていたが、親戚家族と上手く打ち解けられず、高校は学生寮付きのところを選んだ。
しかし、夕士が引越し予定であった寮で火事が起こり、寮は全焼してしまう。
夕士は家を出ると宣言した手前、親戚の家にこのまま厄介になり続けるのに気が引けていた。
すると不思議な声が聞こえてきて、夕士はその声に導かれるまま不動産屋へ行った。
不動産屋では格安アパート「寿荘」を紹介され、夕士は新しく寮が建つまでの間寿荘に入居する事になった。

寿荘は一見ただの古びた洋風のアパートであるが、実は人間の他に妖怪や幽霊も住んでいるアパートだったのである。
夕士は、寿荘の個性的な住人と出会っていく。
「久賀 秋音」は、夕士とは違う高校に通う女子高生で、実は霊媒師の卵でもある。
「一色 黎明」は、夕士が好きな作家。
「深瀬 明」は、見た目はヤンキーであるが海外で人気のある画家。
「龍」は、かなりの力を持った霊能力者。
「骨董屋」は、名前の通り骨董品を売っているミステリアスな人物。
そして、母親に虐待されて死んだ子供の幽霊「クリ」とそのペットの「シロ」、ナイスバディな幽霊の女性「まり子」、調理人の幽霊の女性「るり子」などがいた。
いずれも夕士がこれまで持っていた常識では測れない、個性的な人物たちであった。
夕士は人間の住人はともかく、幽霊や妖怪の住人に対してどう接して良いかわからず、戸惑ってしまう。
しかし、妖怪や幽霊は夕士を襲ってきたりすることはなく、普通に過ごしていれば人間と大きな違いのない、皆気の良い者たちであった。
寿荘の住人たちは何かと理由をつけて大人たちが宴会を開き、妖怪も人間も分けてだてなく楽しく過ごしている。
段々と夕士は住人達と打ち解けあい、寿荘に居心地の良さを覚えていく。
夕士は親友の「長谷 泉貴」に手紙を書き、寿荘は良いところであると自分の現状を報告した。

夕士は当初の目的通り、寿荘に居る期限を新しい寮が出来上がるまでとしていた。
しかしいざ引越しが近くなると寂しさも感じていた。
夕士は予定通りに寿荘を離れ学生寮に引っ越しし、寿荘の住人は夕士に頑張るよう励まし夕士を笑顔で見送った。
だが夕士は学生寮で同室の先輩と馴染めなかった。
夕士は同室の仲間なのだからもっと打ち解けたいと思っていたが、それは先輩からするとお節介以外の何者でもなかった。
価値観が違うといえばそれまでだが、皆が仲良く和気藹々としていた寿荘を思い出し、夕士は考えた末にもう一度寿荘に戻る事にした。
寿荘の住人は戻ってきた夕士を歓迎してくれた。

寿荘に戻った夕士は、また前と同じように皆でご飯を食べお風呂に入り、他愛のない話を楽しんだ。
家族を失っている夕士にとって、寿荘の住人が家族に等しい存在になっていた。
するとそこへ、まだ夕士が会った事がない住人「古本屋」が一年ぶりに帰宅した。
古本屋は各地を巡り歩き、希少本や魔道書などの古くて価値のある本を入手する古本屋さんであった。
そしてその古本屋が持って帰った魔道書「小(プチ)ヒエロゾイコン」に主と見初められ、夕士は小ヒエロゾイコンの持ち主となった。
小ヒエロゾイコンは本物の魔道書を真似た魔道書で、名前の通り「プチ」版である。
22の式(妖魔・妖精など)が封印され、持ち主はその式を使用することができるが、あくまでプチであるため大した効果は期待できないというもの。
しかし持ち主の力量にも左右されるため、夕士が魔道書使いとして強くなれば、プチ版であってもそれなりの使い道もあるようだ。
以降、小ヒエロゾイコンの案内人「フール」が常に夕士の側にいるようになった。
そして夕士は魔道書を少しでも上手く扱えるよう、秋音の監修で修行をはじめる。
寿荘へ来る前の夕士はごく普通の人間であったが、寿荘に住むようになってから霊能力者としての素質が目覚めつつあった。

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夕士の親友・長谷は、夕士の親を亡くした過去や夕士の性格などを大体把握しており、一人暮らしを始めた夕士を気にかけていた。
たまに夕士から手紙を貰ってはいたが、長谷と夕士は違う高校へ通っているため直接会う事は卒業式以降なかった。
夕士は長谷に寿荘が妖怪アパートであること、自分が魔道書使いになったことなどは話していなかったが、いずれは親友である長谷にも話さなければならないと思っていた。
長谷は夕士に会いに来たが、まだ心の準備が出来ていなかった夕士は長谷を寿荘の中には入れず、外で話す事にした。
ひょんなことから、夕士と長谷は道端で不良に絡まれ、夕士はやむを得ず小ヒエロゾイコンを使用して不良を追い払った。
頭が良く空気の読める男であった長谷は、夕士の言動などからなんとなくの事情を把握した上で、次は寿荘に行くと夕士と約束した。
これは次に会った時に全て話せという意味であった。

約束の日、夕士は妖怪たちと一緒に住んでいることを長谷に引かれたらどうしようと内心思っていた。
しかし長谷の方は心の準備が万端であり、夕士から聞いていた住人たちにそれぞれプレゼントを渡し、自己紹介をした。
妖怪や幽霊が居る事もある程度覚悟していた長谷は、実際に妖怪や幽霊を目の当たりにすると少し驚くが、すぐさま受け入れるなど驚異的な適応力を見せた。
特にクリを可愛がり、溺愛していた。
長谷は親友の夕士が楽しく安全に暮らせるように、住人達にプレゼントをあげ根回しをしにきたのである。
本心では妖怪や幽霊に心底驚いていたが、そう言った弱さは夕士に対してしか見せなかった。

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夕士は学校のクラスメイト「田代 貴子」とよく一緒に居る事が多かった。
元々はあまり接点はなかったが、田代が怪我をした時に夕士が助けた事で接点が生まれ仲良くなった。
夕士は学校にて、英語教師で演劇部顧問の「三浦 勝正」から何か良くない気配を感じ取っていた。
三浦は普段は大人しいが、女性を極端に嫌っており、田代と夕士がじゃれあうのを見て鬼の様な形相で怒鳴るなど、ただの毛嫌いとは違う何か常人離れした何かがあった。
田代は情報通で、三浦は演劇部の顧問をしており、どうやら前の学校でも演劇部の顧問をしていたがそこで何らかの事が起こり、精神を病んで学校を辞めたという過去があると夕士に話す。
夕士と田代が演劇部の倉庫へ行くと、壁には女性を罵倒し呪う落書きがあった。
その落書きは条東商業高校の歴代の生徒の中で、何らかの理由で女性へ恨みを持った生徒達が書き重ねてきたものであった。
壁が黒くなるほど言葉が埋め尽くされており、蓄積された女性への悪意の邪念が溜まっていた。
そこに三浦がやってきて、夕士と田代は三浦と対峙する。
三浦は前の学校で顧問をした演劇部の女子生徒たちから虐めを受けており、女性に対して強い憎悪の気持ちを持っていた。
その気持ちと落書きの邪念が繋がり、三浦は邪念に操られて、突然田代に襲い掛かり田代を投げ飛ばした。
夕士ではなく田代に襲い掛かったのは、田代が女だったからである。
後日、三浦はその事を覚えてないのか普段はいつも通りであったが、やはり邪念に操られており、復讐すべき女性の代表として目立つ存在である田代を選び、田代を亡き者にしようと襲い掛かる。
その事に気づいた夕士は三浦を止めて気絶させ、田代を助けた。
気絶した三浦は病院に搬送された。
夕士は専門家である秋音を呼び、二人で三浦の病室に忍び込み除霊を行った。
三浦に取り付いていた邪念は払われたが、三浦の根本的な女性へのトラウマは解決されず、病んだ精神が回復する事は無かった。
自暴自棄になった三浦はその行き場のない気持ちの矛先を夕士に向け、学校の人気のない教室で夕士を包丁で襲った。
夕士は小ヒエロゾイコンを使って三浦を気絶させ、三浦はその後もう一度入院し休職する事になった。

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三浦が学校を去った後、学校には新教師として「千晶 直巳」「青木 春香」が赴任した。
千晶は夕士たちのクラスの担任に、青木は三浦の代わりに英語の授業を担当した。
千晶は気の良い生徒達のアニキのようなタイプで、青木は清楚で博愛主義のクリスチャンで、どちらも生徒から人気が出る。
夕士は自分をちゃんと見てくれる千晶に対し信頼したが、夕士を親の居ない可愛そうな子とレッテルを張る青木には心を開かず反感を持った。
そして夕士の属する英会話倶楽部には、新入生「山本 小夏」が加わった。
山本はヒステリックで人を見下す性格で、英会話倶楽部の生徒と諍いばかりを起こし、度々問題となる。

文化祭の季節になり、英会話倶楽部は英語で劇をやることになったが、山本はそれを馬鹿にし協力せず、やはり部の人々と諍いになってしまう。
夕士は山本に対し苛立ちを感じてもいたが、いつも一人ぼっちの山本を気にかけ何かと声をかけようとする。
しかし山本にとって夕士の行動は大きなお世話となり、結局夕士と山本が友人になることはなかった。
山本は優秀な姉と比べられる人生を送っており、他人に対して人一倍承認欲求が強く、結果、人を見下し自分の方が頭が良いとひけらかす歪んだ性格になってしまっていた。
そんな山本を英会話倶楽部の人々は認めず、山本は感情をむき出しにして泣き喚いてしまう。
山本を救ったのは廊下で話を聞いていた青木で、青木は山本の全てを受け止め、山本を肯定し、山本の欲しい言葉で慰めた。
以降、山本は人が変わったように穏やかな表情や笑顔で青木と一緒に居るようになった。

一方、生徒にフレンドリーな千晶と、あくまで先生として接する青木は、生徒との接し方の違いで対立していた。
青木を苦手に思う夕士は千晶に悩み相談をしたり、雑談したり、千晶との関わりを強くする。
千晶は生徒達から好かれていたが、ある生徒が携帯でカンニングをしたことが問題になり、自ら嫌われ役となって生徒達をきつく叱りつけた。
以降、千晶は手の平を返したように生徒たちから嫌われてしまう。
千晶は生まれつき血が薄く、度々貧血を起こしていた。秋音と修行をして霊力を鍛えていた夕士は、体調の悪い千晶をヒーリングで治癒した。
だが治癒は一時的なもので、且つ夕士と千晶がたまたま体の相性が良かったから出来た事で、夕士にも負担がある行為であった。
文化祭の準備で夜まで生徒が居残っていた日、夕士は青木を信望する生徒の一人から怪しい気配を感じ取る。
それは三浦から感じたどす黒い気配と似ており、その生徒は手に持っていたカッターで千晶を刺した。
理由は青木と対立し青木を困らせる千晶が許せなかったというものであった。
千晶は元から持っていた貧血もあり、出血し意識を失っていた。
夕士は小ヒエロゾイコンで生徒を捕まえ説教したが、大事にはしなかった。
さらに夕士は小ヒエロゾイコンで精霊「ジン」を呼び出し、寿荘にあるアムリタ(不老不死の薬)を持って来させた。
アムリタは古本屋が持っていたもので、瓶の中に一滴入っているかどうか、そして一滴ならちょっと体調が良くなる程度のもので、その一滴を千晶に飲ませ事無きを得た。

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文化祭の日、お祭り事が大好きな寿荘の住人たちはこぞって夕士の学校へ遊びに来ていた。
そして長谷も遊びに来ていた。
文化祭のステージではサプライズとして千晶が歌唱し、生徒達は盛り上がる。
カンニングの件で悪い印象がついてしまった千晶であったが、このことで人気は元に戻った。
しかしそういった集団行動が気にいらなかった学校の不良たちは、ステージを台無しにしようと裏で暗躍しようとする。
だがその行為は、折角楽しんでいる夕士たちを想った深瀬・一色・長谷の三人によって密かに潰された。

寿荘には長谷が頻繁に遊びに来るようになり、ワイワイと騒がしく楽しい日常を過ごし、夕士の寿荘での暮らしは続いていく。

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『妖怪アパートの幽雅な日常』の登場人物・キャラクター

主要人物

稲葉 夕士(いなば ゆうし)

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CV:阿部敦

本作の主人公。
中学一年のときに親を事故で失くし、その後親戚の伯父の家に厄介になっていた。
しかし伯父夫婦の娘「恵理子」は受験を控えていた事や、同年代の男子と住む事に強い抵抗を感じ、夕士と折り合いが悪かった。
夕士は伯父家族に居心地の悪さや申し訳なさを感じており、高校は学生寮のある所へ入学した。
だが夕士が引越し予定であった寮が事前になって火事で全焼してしまい、夕士は不動産屋をはしごし、最後に行った不動産屋で格安アパートの「寿荘」を紹介される。
夕士は新しい寮が出来るまでの期間寿荘に住む事を決めたが、寿荘は人間以外にも妖怪や幽霊が住むアパートであった。
当初夕士は寿荘の個性豊かな住人に常識を破壊され面食らっていたが、次第にその生き方を尊敬し色々な事を学んでいく。
寮が出来てから一度寮へ引っ越したが、寿荘のことが忘れられず、また寮での暮らしに馴染めず、寿荘へ戻ってきた。
その後、夕士は寿荘に居たことで霊能力の素質が目覚める。
その結果、古本屋が持っていた小ヒエロゾイコンに所有者として見初められ、魔道書使い見習いになる。
秋音に修行を見てもらいながら、魔道書を少しずつ扱えるようになっていく。

性格は真面目で正義感が強い。ツッコミ役である事が多い。
年齢に反し人生経験が豊富なため、同年代や年上の人間が幼く見えたり反面教師にしたりするが、寿荘に居る大人たちの指摘や意見はキチンと聞いている。
長谷は唯一無二の親友で、夕士が親を失くした頃、塞ぎこみがちな夕士を救ってくれた人物でもあった。
学校では田代などの女子に囲まれている事が多く、周りの男子から若干嫌われている。
親の居ない自分を特別扱いする青木を苦手とし、逆に特別扱いしない千晶を尊敬する。
霊能力が目覚めた事で事故に遭った田代を助け、貧血で倒れた千晶を救った。
伯父家族の娘・恵理子とは折り合いが悪かったが、夕士が寿荘へ引っ越した後に恵理子から当時の態度を謝罪されている。

長谷 泉貴(はせ みずき)

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CV:中村悠一

夕士の親友。
容姿端麗で頭脳明晰、その上合気道が得意な文武両道。
何をしても卒なくこなし、夕士曰く大学は「良くて東大、悪くて東大」。
「必要な場所への根回しには金と手間を惜しむな」をモットーにし、寿荘にも来るたびに沢山の高額なプレゼントを持ってきて、そのたび宴会を開く。
クリに対し父性愛を感じ、非常に可愛がり、クリからもとても懐かれている。
優等生でありながら、裏では不良達を束ねている。
将来は父親の会社を乗っ取ろうとしている野心家。
家では立場が一番下で雑用を押し付けられたりなど、様々な苦労を背負う。
週末や長期休日には寿荘に遊びに来ており、夕士の部屋に泊まっている。
始めは夕士の居る場所への根回しであったが、段々と寿荘そのものを気に入り、癒しを求めて訪れるようになった。

寿荘の人間

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