ふしぎ遊戯（朱雀・青龍編）とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

真夜は、自身が生み出した偽の朱雀に騙されていたことに絶望し自殺を図るが魏に救われる。しかし、美朱が昏睡状態であることを聞くと、真夜と美朱の体が消滅し始めた。
現実世界では四神天地書が黒く染まり、本の世界の各地では偽の青龍、玄武、白虎が現れ暴れ出す。前世の姿を取り戻した七星士たちの体も消えゆく中、神座宝の力で心を一つにした真夜と美朱が、本物の朱雀を呼び出した。

力を取り戻した鬼宿の力で偽の朱雀を倒すと、闇に覆われ始めた世界は元に戻った。魏は七星士たちと別れて真夜と共に現実世界に帰還した。真夜は美朱と和解し、四神天地書は消滅する。
腹の子は美朱の胎内に戻り、月満ちて男の子が誕生した。魏と美朱の息子は、「いつまでも輝いてほしい」と願いを込め、光と名付けられた。

『ふしぎ遊戯』の登場人物・キャラクター

現実世界

夕城美朱（ゆうき みあか）

CV：荒木香恵（テレビアニメ） / 日髙のり子（CDブック） / 本多知恵子（少女コミックCDブックおもちゃ箱’93）

年齢：15歳
誕生日：5月12日
血液型：B型

朱雀の巫女。基本的に明るく前向きで、大食らいな性格をしている。
中学校3年生で、両親の離婚後は母、兄と3人で暮らしてきた。女手一つで育ててくれた母の期待に応えるべく、最難関の城南学院合格を目指し日々努力をしている。美朱自身は四つ葉台高校を志望していたものの、城南学院進学を望む母に中々言い出せずにいた。
そんな中、親友の唯と共に勉強の為に入った図書館の書庫で天地書を発見、共に書物の中に吸い込まれる。ゴロツキに襲われかかるが、額に「鬼」の字を持つ青年（鬼宿）に救われた。一旦元の世界に戻るものの母と衝突してしまい、再び図書館に向かい天地書に入った。異界から来た少女ということで皇帝の目に留まり、「三つの願いが叶う」と言われて朱雀の巫女となる。

四神天地所内部で初めて出会った鬼宿と心を通わせ、紆余曲折の果て両想いになる。初めはどんな高校にも一発で受かることを願おうとしたが、次第にこの世界にとどまり鬼宿と結ばれることを望むようになる。鬼宿の家族にも受け入れられるが、彼らは青龍七星士・角宿により皆殺しにされる。
神獣を呼び出した後、神獣に食われる運命を受け入れて青龍側と戦う決意をし、柳宿の死など、様々な苦難を経て巫女として強い精神力を持つようになる。青龍側の策によって心宿に巫女の条件（巫女の純潔）を奪われそうになるが、気を失った状態で結界を張り、心宿を拒む。心宿は結局手を出さなかったが、気絶していた美朱は汚されたと思い込み激しい傷心を負う。鬼宿は美朱に優しく接するが、美朱にはその優しさが辛く、彼の前から姿を消す。
心宿に汚されていないことを青龍七星士の房宿から婉曲に告げられて、喜び勇んで鬼宿の下へと急ぐ。その後も朱雀の召喚の為に奮闘する傍ら、唯に自分が彼女を裏切っていないことを伝えようとするが、唯は青龍を召喚し、朱雀を封印してしまう。
七星士に字が出ないことから朱雀の封印が明らかになり、「もう朱雀を呼び出せないなら、鬼宿と結婚をしても許されるだろう」と周りから言われる。唯による二つ目の願いで鬼宿共々現実世界へと強制送還された。束の間鬼宿とのデートを楽しむが、唯や現実世界に現れた心宿との戦いが始まる。

残りの七星士が呼ばれる中、唯にすべての真相を話す。ここで唯の本心、鬼宿と美朱の間に居場所が見つけられなかったことを聞く。唯は「もう疲れた」と最後の願いを言って青龍に食われた。最後の願いで朱雀の封印が解かれたことを知り、心宿の攻撃を受けつつも朱雀を召喚する。第一の願いで唯を青龍から奪い返し、和解する。願いを叶える度に体内で暴れ回る朱雀と戦いながら、第二の願いで青龍の封印を果たした。
三つめの願いは原作とアニメで異なる。原作では鬼宿と結ばれたいと願うが、アニメでは朱雀に願う程ではない自分たちの戦いとして、戦闘に巻き込まれてボロボロになった町や人々を元通りにすることを願った（原作では青龍の封印後、自動的に皆戻っている）。

原作、アニメ共に鬼宿の肉体が消え失せるが、「生まれ変わっても、必ずお前を見つけ出す」との鬼宿の言葉を励みに日常へと戻る。母と和解し、高校受験で無理をしないように言われるが自分の意思で城南学院を受験する。結果としては不合格になり、別の高校に唯と共に入学した。鬼宿の生まれ変わりである宿南魏（すくなみ・たか）と出会い第一部は幕を閉じる。

第二部では、高校生となり魏と交際していた。魔人・天罡の封印が解けつつあり、高松塚古墳で盗人に破壊された朱雀の壁から朱雀に助けを求められる。魏の消滅を回避するために、魏と共に鬼宿の記憶の石を集めることとなる。幾多の危機があったが、朱雀を再度呼び出し、天罡の封印に尽力した。最終的に魏と結ばれ男児・光を出産する。

『永光伝』では、魏と結婚しハネムーンベイビーを身籠る。妊娠三カ月目に真夜が四神天地書の中に入り、美朱の胎内にいた赤ん坊が真夜の胎内に移動してしまうが、真夜に協力して朱雀を呼び出させ、赤ん坊も戻ってきた。

宿南魏（すくなみ たか）

CV：緑川光

鬼宿の生まれ変わりの大学生。高校に入学した美朱の前に現れた。前世の記憶があり、登場時鬼宿と美朱が買ったペアリングをつけていた。
初登場は第一部最終回で、本格的なストーリーへの参加は第二部からである。鬼宿としての記憶が一部欠落した状態であった。美朱と交際するが、天罡の復活に伴い記憶の石を集めなければ魏の存在が消える事態となり、美朱と共に天地書と現実世界を行き来する。
七星士としての力はなく、途中で現れた鬼宿と違い美朱を守れる力がないと身を引いて現実世界に去った。現れた鬼宿が一種の傀儡であると知り、美朱を救う為に戦いに臨む。鬼宿を受け入れて一つとなったことで消滅の危機を免れた。
最終的に美朱と結ばれ男児・光をもうける。

本郷唯（ほんごう ゆい）

CV：冬馬由美（テレビアニメ） / 山崎和佳奈（ドラマCD）

年齢：15歳
誕生日：10月26日
血液型：AB型

青龍の巫女。
美朱の親友でもある。最難関高校も余裕で合格できると言われる程に優秀で、古文体で書かれた天地書の内容を理解できる。一度目に吸い込まれた時鬼宿に一目惚れをする。一旦元の世界に戻り、美朱が行方不明になったと聞いて図書館に向かう。美朱が天地書内部で朱雀の巫女となっていく様を見守っていたが、美朱が一度現実世界に戻るのと入れ替わりで天地書内部に再召喚される。
見女麗しい美少女であることが災いしてゴロツキに襲われ気を失い、心宿に保護され倶東国で青龍の巫女となる（汚されてはいないので、神獣は呼べる）。美朱の名を呼びうなされていたことから「男たちに襲われたのはその娘（美朱）のせい」「その娘は、あなたを裏切った」と心宿に吹き込まれ美朱を憎むようになり、敵として再会する。
青龍を呼び出す直前、いくらかの恐怖があったことを角宿に呟いた。青龍を取り込んだ後は皇帝への義理として朱雀を封印する。これにより朱雀七星士は力を封じられてしまう。心宿には信頼を寄せているようで、願いの一つを心宿にあげるとしたが鬼宿と美朱を引き離す為一旦現実世界に戻る。しかし、青龍に体を食い荒らされ脚に鱗が出現し動揺。美朱からすべての真実を聞かされる。唯の本心は美朱が裏切ったわけではないことを知っており、「鬼宿と美朱の間に入り込めないことが悔しかった、でももう疲れた」と言って最後の願いで朱雀の封印を解いた。精神が弱っていた為青龍に食われるが、朱雀の召喚を果たした美朱による第一の願いで青龍から解放され美朱と和解する。

難関校の城南学院には合格確実と言われていたが不合格になり（本人曰く「猿も木から落ちる」）、美朱と共に四つ葉台高校に入学した。朱雀と青龍の決戦後は奎介の友人・哲也と交際を開始した。心宿がどこか自分に似ていたと言って、消えずに残った心宿のピアスを付けている。

第二部では、奎介、哲哉と共に天罡について調べていた。

OVA1では、天罡に利用され玄武の巫女に仕立てられる。玄武を呼び出し、一つ目の願いで天罡を封印して二つ目の願いで多喜子を復活させ、三つ目の願いで四神天地書を封印し、二つの世界の行き来を永遠に断った。

夕城奎介（ゆうき けいすけ）

CV：三木眞一郎（テレビアニメ） / 飛田展男（CDブック）

誕生日：1月3日
血液型：O型

美朱の兄で大学生。
美朱から四神天地書の話を聞いた時は信じなかったが、美朱が天地書に吸い込まれるさまを目撃してこの書物の正体や巫女の役割を知り、本越しに戻ってくるよう美朱に呼び掛けた。友人の哲也と共に天地書の出自を調べるなどして美朱が戻る方法を探る。
唯の願いで美朱たちが戻った時には、事情を知る人物として鬼宿をもてなす一方、哲也からの知らせで現在進行形で更新される『四神天地書』に不穏な記述（心宿が現実世界へとやってくる）があることを知る。天地書越しに翼宿、張宿に呼び掛けて彼らを召還するのに一役買った。
朱雀が呼び出され唯が奪還された時には哲也共々唯の保護に当たる。
原作では、鬼宿が魏に生まれ変わったことに関し、朱雀が愛の神であることから、鬼宿を現実世界に転生させる形で結ばせたのだろうと推測した。

第二部では、唯、哲也と共に天罡に関することを調べる。

梶原哲也（かじわら てつや）

CV：成田剣（テレビドラマ） / 森川智之（CDブック）

奎介の友人。おちゃらけた性格をしているが、責任感は強い。奎介に協力して天地書を調査し、永之介の書簡を発見、奎介と共に大杉鈴乃と面会する。第一部ラストで、青龍の中から救い出された唯の保護に当たった。
第二部では、唯の彼氏として登場する。青龍七星士たちの死を思い出して罪悪感に沈む唯を支える。その他、唯、奎介と共に天罡について調査をする。

大杉鈴乃（おおすぎ すずの）

CV：中沢みどり

白虎の巫女。白虎七星士・婁宿と恋に落ちたが巫女の宿命により結ばれることはなく、元の世界へと帰された。現在は老人となり、奎介、哲哉と面会した。
アニメでは天地書越しに婁宿の言葉を聞き、そのまま死亡する。巫女時代の姿で、婁宿の魂とともに昇天した。
既に成人した孫がいることから、白虎に食われることのない強い精神力を持ち、婁宿を愛し続けながら普通の幸せを手にしたことが伺える。

鈴乃を主人公とする『白虎仙記』において、初めて天地書に入った時、鈴乃は幼い少女だった。関東大震災の折崩れた家の下敷きとなる。天地書を知る父に「その本を開けろ」と言われて天地書に吸い込まれることで命拾いをした。元より天地書から白虎の姿を感じ取るなど、本に選ばれていたような描写がある。
一度現実世界に帰り、天地書が失われたこともあって幼少期のことは夢だったと思う一方、虎の絵を描き続けるなどしていた。

奥田多喜子（おくだ たきこ）

CV：田中敦子（OVA） / 雪野五月（『玄武開伝』）

四神天地書内の時間軸で200年前に現れた、玄武の巫女（現実世界では大正時代の人物）。玄武を呼び出し、北甲国に永遠の平和をもたらした後、神座宝として首飾りを残して現実世界に戻ったと伝えられる。奎介たちの調査で、現実世界に戻った後、四神天地書を訳した父・永之介によって刺殺されたとされている。実際には、多喜子を生け贄としない為に永之介が自殺をし、永之介と多喜子の体内を流れる血が媒介となった為、多喜子は父と同じ個所に傷を負って死んだ。
多喜子の活躍は続編にして前日譚の『ふしぎ遊戯 玄武開伝』で描かれている。