ふしぎ遊戯(朱雀・青龍編)のネタバレ解説・考察まとめ

『ふしぎ遊戯』とは、渡瀬遊宇による漫画作品及び、それを原作とするアニメ、ゲーム作品である。高校受験を控えた少女・夕城美朱は、図書館の書庫で見つけた四神天地書という書物に吸い込まれ、本の中で朱雀を呼び出す巫女となる。鬼宿を始め、巫女を守る七星士と共に朱雀召喚を目指す一方、敵対国で青龍の巫女となった親友の本郷唯と対立する。1992年から1996年まで『少女コミック』で連載され、1996年にテレビアニメ化された。後に、前日譚に当たる『ふしぎ遊戯 玄武開伝』及び『ふしぎ遊戯 白虎仙記』が発表される。

『ふしぎ遊戯』の概要

朱雀の巫女・美朱(上)と巫女を守る朱雀七星士。

『ふしぎ遊戯』とは、渡瀬優宇による漫画作品、およびそれを原作とするアニメ作品である。1992年から1996年まで、『少女コミック』で連載され、1996年テレビ東京系列でテレビアニメ化された。コミックスは全18巻、完全版全9巻、文庫版全10巻。『ふし遊』の略称を持つ。テレビアニメの他、OVAやドラマCD、PS2用ゲームなどメディアミックスが展開されている。
青龍、白虎、玄武、朱雀という東西南北を守護する四神伝説と、四方に分けた空にある28の星座から吉凶を占う二十八宿思想を基にしたファンタジーで、恋愛、冒険、友情を描く。

高校受験を控えた少女・夕城美朱(ゆうき みあか)は、親友の本郷唯(ほんごう ゆい)と共に図書館の書庫で見つけた古書・四神天地書(以下天地書)に吸い込まれる。天地書の内部は古代中国のような世界観で、四神と呼ばれる神獣を呼び出し、あらゆる願いを叶える力を得て国を救う異界の乙女・巫女の伝説を持つ四つの国・四正国(しせいこく)があった。
朱雀を守護神とする紅南国(こうなんこく)で朱雀の巫女となった美朱は、巫女を守る宿命の星を持った七星士と呼ばれる7人の戦士を見つけ出し、仲間にしながら朱雀の召喚を目指す。朱雀七星士・鬼宿(たまほめ)との結ばれない恋や、紅南国と敵対する倶東国(くとうこく)で青龍の巫女となった唯との確執など幾多の苦難が美朱に待ち受ける。

OVA全部で3シリーズが製作された。原作の第一部と第二部の間のストーリーであるオリジナルエピソードであるOVA1(全3巻)、第二部のエピソードをアニメ化したOVA2(全6巻)、小説版『ふしぎ遊戯外伝』の7、8巻をアニメ化した『永光伝』(全4巻)から成る。
2008年PS2用ゲームとして『ふしぎ遊戯 朱雀異聞』が発売される。
2003年、物語の前日譚に当たる『ふしぎ遊戯 玄武開伝』(以下『玄武開伝』)が発表される。『玄武開伝』では、『ふしぎ遊戯』の中で伝承として語られた玄武の巫女と七星士の物語が描かれた。
2015年、白虎の巫女の物語である『ふしぎ遊戯 白虎異聞』が『月刊フラワーズ』にて読み切り掲載され、2017年より同誌で白虎の巫女の物語である『ふしぎ遊戯 白虎仙記』(以下『白虎仙記』)として連載スタートした。
本項で取り上げる『ふしぎ遊戯』は、時系列としては『玄武開伝』、『白虎仙記』に続く物語だが、シリーズの初めに発表されたもので、後続の作品に対し『朱雀・青龍編』の異名で呼ばれる。
2005年時点で、全シリーズ累計発行部数は2000万部を突破した。

『ふしぎ遊戯』のあらすじ・ストーリー

第一部

朱雀の巫女

四神天地書に吸い込まれる唯(左)と美朱(右)。

中学3年生の少女・夕城美朱(ゆうき みあか)は、親友の本郷唯(ほんごう ゆい)と立ち寄った図書館の書庫で、見つけた四神天地書という本の中に吸い込まれる。そこは古代中国に似た世界で、ゴロツキに襲われかけた二人は、額に「鬼」の字を持つ青年・鬼宿(たまほめ)と出会う。

すぐ元の世界に戻ったが、美朱は母と口論になり、家を飛び出してしまう。再び図書館に来て書庫の中で四神天地書を見つけた美朱は、またもや本に吸い込まれ、本が閉じられた為に元の世界に戻れなくなってしまう。鬼宿と再会した美朱は、今いる場所が四正国(しせいこく)と呼ばれる四つの国の一つ・紅南国(こうなんこく)であることを知る。
若くして紅南国の皇帝を務める星宿(ほとほり)は、美朱に「国が乱れる時に異界から娘が現れ、朱雀を呼び出し国を救う」との伝承を聞かせ、「朱雀の巫女となり、朱雀を召喚してほしい」と頼んだ。美朱は紅南国を守り、元の世界に戻る方法を探る為に巫女となる。
ところが、朱雀を呼ぶには巫女だけではなく、朱雀七星士が必要だと言われた。紅南国を含む四正国には各々守護神に当たる神獣がおり、巫女と七星士のことを記した四神天地書が存在した。鬼宿、星宿共に朱雀七星士で、鬼宿は額、星宿は首筋に七星士の証である字(四方を守る神獣を形作る星・二十八宿と同じ文字)を持ち、朱雀召喚まで巫女を守る役目を負っていた。後宮にいた柳宿(ぬりこ)もまた七星士であった(柳宿は男性だが、妹の死をきっかけに女装をするようになっていた)。
柳宿とのやりとりの中、美朱は柳宿が星宿を愛していることを知る。星宿と柳宿の仲を取り持とうとした美朱だが、星宿の気持ちは異界から来ると聞かされていた巫女にあった。朱雀召喚の儀が済んだら、美朱を妻に迎えるつもりだと星宿は言うが、美朱は鬼宿への想いを自覚するようになる。

美朱たちは、体のどこかに現れる字を頼りに残りの七星士を探す方法や、元の世界への戻り方を求めて太極山(一部の者しかたどり着けない場所)を訪れる。仙人の太一君(たいいつくん)の助言と、美朱の行方不明を聞き図書館書庫で天地書を見つけた唯の呼びかけにより、美朱はどうにか現実世界へと帰還した。
しかし、入れ替わりに唯が本の中に吸い込まれたらしいことを知った美朱は、鬼宿と惹かれ合っていたこともあり、紅南国に平和をもたらす為、兄奎介(けいすけ)の制止を振り切って決意も新たに再び天地書へと入る。

友との対立・結ばれない運命

青龍の巫女となった唯(左)。

紅南国は、軍事大国である倶東国(くとうこく)と冷戦状態にあった。
美朱は、倶東国の皇帝が青龍の巫女を探していることを聞き、唯を探す目的もあってこっそり倶東国へ向かった。宮廷の門で出会った倶東国の将軍にして青龍七星士の一人・心宿(なかご)に「自分が青龍の巫女」だと名乗り、美朱は皇帝に引き合わされる。もう一人の青龍の巫女候補として宮殿にいた唯との再会を果たした美朱だが、紅南国の四神天地書が荷物の中にあった為に朱雀の巫女であることがばれてしまう。また、唯は再び吸い込まれた天地書の中で男たちに襲われ心に深い傷を負っていた。唯は「助けてくれなかった」と美朱を憎み、互いに朱雀、青龍の巫女として敵対する羽目になる。
唯と美朱の対立はこの世界の支配を目論む心宿が仕掛けたもので、男たちに襲われていた唯を助けはしたが、汚されていないとの事実を伝えていなかった。青龍の巫女として仕立て上げる為に「(襲われたのは)その娘(美朱)のせい」と心宿に吹き込まれた為、唯は美朱を憎むようになっていた。

現実世界では、奎介が友人の梶原哲也(かじわら てつや)と共に天地書内部での動向を読み、かつ天地書についての調査を開始する。四神天地書とは、大正時代の小説家・奥田永之介(おくだ えいのすけ)が中国の書物・四神天地之書を日本語訳したものであった。特殊な力を持った天地書は、少女を吸い込んで物語の主人公(巫女)に据え、リアルタイムで巫女の行動が文字として書物に浮かび、火をつけても破ろうとしても破壊はできない。神獣を呼び出した巫女は願いを叶える力を得るが、神獣に食われる生け贄のような存在であった。
巫女は、現実世界で天地書を知る者と共通する物質・媒介(またの名を媒体)で繋がっており、美朱が一旦戻った時には美朱と唯の制服、朱雀・青龍の戦いが起きた今は奎介が持っていた美朱のリボンが媒介であった。
奎介は、何とか美朱たちを現実世界に戻す方法を探る。分かったのは玄武の巫女が本を訳した永之介の娘・多喜子(たきこ)であること、父である永之介に殺されていたことであった。更に奎介たちは、白虎を召喚し、無事帰還した大杉鈴乃(おおすぎ すずの)の存在を知る。鈴乃との出会いにより、強い精神力を持っていれば、巫女が神獣に食われることはないことが明らかになった。

美朱は残りの朱雀七星士を集めるが、青龍側の妨害に遭い次々と七星士が命を落としていった。青龍側にも被害が出たが、巫女単体でも神獣を呼び出せる神座宝と呼ばれる宝物の存在が明らかになり、朱雀、青龍勢による神座宝の争奪戦が繰り広げられる。
神座宝を巡る攻防の中、美朱たちは白虎七星士・婁宿(たたら)と出会う。白虎の召喚から90年が経過していたが、七星士の生き残りである婁宿、奎宿(とかき)と昴宿(すばる)は生きており、鬼宿はかつて奎宿から武術や学問を教えられていた。
婁宿は、白虎の巫女となった鈴乃と愛し合っていたが、鈴乃の「婁宿と結ばれたい」との願いだけは叶わず、彼女は現実世界へと帰って行ったと語る。神座宝を自身の体内に隠し守っていた婁宿は、青龍七星士との戦いの後鈴乃への想いを語って死亡、同時刻、現実世界の鈴乃の家で、天地書越に浮き出る婁宿の最後の言葉を聞いていた鈴乃も息を引き取った。

争奪戦を制したのは青龍側で、唯は青龍を呼び出し第一の願いで朱雀を封印した。これにより、朱雀七星士は字が浮かび上がらず、七星士としての力も使えなくなる。続く第二の願いで美朱を本の外に追放し、唯も現実世界に帰還する。美朱を離すまいとした鬼宿も、一緒に現実世界へと現れてしまう。鬼宿は、自分が本の中の存在でしかないこと、巫女と七星士が結ばれないという言葉の本当の理由を知り、衝撃を受ける。
美朱は、奎介から「巫女は願いを叶え終わると神獣に食われる」ことを聞くが、鈴乃のように強い精神力を持っていれば食われずに済むことも知る。青龍に体を蝕まれ始めた唯は動揺し、美朱に助けを求めるが現実世界に心宿が現れ唯に第三の願いを言うように迫る。鬼宿の助けが入ったことで美朱からすべての真相を聞いた唯は、心宿が自分を利用していたことに気付き、美朱に朱雀を呼び出す力を与えて青龍に取り込まれる。

最後の戦い

現実世界で戦う青龍(左)と朱雀(右)。

心宿は、奎介の呼びかけで現実世界に呼び出された朱雀七星士の井宿(ちちり)と翼宿(たすき)、そして鬼宿との戦いを繰り広げる。美朱が朱雀を呼び出したことで朱雀七星士にも力が戻ったが、それでも心宿との力の差は埋まらなかった。
第一の願いで唯を青龍から奪い返し、朱雀に蝕まれながら第二の願いで青龍の封印に成功。力を失った心宿は鬼宿に討たれる。第三の願いで「鬼宿と決して離れない」ことを願うが、鬼宿は消滅する(アニメでは、青龍と朱雀の戦いの余波で傷ついた街、人を全て元通りにするというのが最後の願いだった。鬼宿との運命は自分たちの戦いであり、朱雀に願うことではないというのが美朱の弁である。原作では戦いの余波は自然に戻った)。

唯と共に日常へ戻って数か月が経過した。美朱、唯共にかねてより美朱が志望していた四つ葉台高校に入学し、奎介から「今年自分たちの大学に入った面白い後輩」を紹介される。宿南魏(すくなみ たか)と名乗る後輩の指には、現実世界で鬼宿と共に購入した誓いの指輪が光っていた。

第二部 / OVA2

新たなる脅威

順調な交際を続ける美朱(左端)と魏(右端)。

美朱は高校に入学し、母が再婚したことで父親もでき、満ち足りた日々を送っていた。魏との交際も順調であった。そんな折、学校行事で訪れた高松塚古墳で、朱雀星君(すざくせいくん)と再会する。朱雀星君は「世界を守る為に、美朱と魏の愛の力が必要だ」と告げる。
かつて、玄武、白虎、青龍、朱雀の四神は高松塚古墳に邪悪なるものを封印した。ところが、盗人によって朱雀の描かれた南壁が壊され、朱雀の力が弱まってしまい、封印された者が外に出ようとしていた。朱雀星君は美朱に四神天地書の巻物を渡し、美朱の腕時計の中へと入る。
魏には、鬼宿としての記憶がいくつか欠落していた。突如謎の化け物が現れ、とっさに天地書を投げつけると、魏と美朱は天地書の中へと入ってしまった。

記憶の石

柳宿(左)と翼宿(右)。

天地書の内部で、美朱たちは翼宿と再会する。翼宿の持っていた石が割れて、魏に鬼宿の記憶が少しだけ戻った。現実世界に戻ると、朱雀星君が「天地書内部にある7つの石をすべて集めないと、魏の存在が消える」「天地書内部に入っていられるのは、現実世界の時間で一時間だけ」と告げた。
後日、美朱は学校をサボって再び天地書に入り、井宿と再会する。井宿は、美朱を太極山へと連れて行った。そこには、青龍側との戦いで命を落とした四人の七星士がいた。既に生まれ変わっているはずなのだが、何者かの妨害で転生できずにいると、太一君は告げる。

高松塚古墳に封じられていた者の名は天罡(てんこう)といい、人間を排除して新しい世界を作るつもりだと判明する。井宿の持っていた石でまた少し記憶が戻った魏は、美朱と共にそれぞれ七星士と関係のある場所にあるという記憶の石を探すことを約束して一度元の世界に戻る。

美朱(画面左から3番目)と、新たなる敵・天候の部下斂芳(右)。

現実世界で美朱の通う高校や魏の大学に潜伏していた天罡の部下・斂芳(れんほう)と魅嵩(みいすう)との攻防も含め、美朱と魏は星宿の妻子、柳宿の兄と出会い少しずつ記憶の石を集めていく。しかし、天罡により魏が連れ去られ、記憶の石を奪われ破壊されてしまう。
天罡は、姉弟でありながら愛し合い、魔道に堕ちた斂芳と魅嵩の人間に戻りたいとの願いを利用して彼らを操っていた。用済みとなった二人は消滅させられ、新たに飛皋(ひこう)、俑帥(ようすい)が刺客として立ちはだかる。
飛皋は井宿の親友だったが、井宿の婚約者である香蘭(こうらん)を奪った過去を持つ。井宿は親友と婚約者に裏切られたとの思いから、8年前に起きた洪水で飛皋を見殺しにしたことを悔いていた。飛皋は、翼宿に術をかけ、美朱を襲わせようとする。翼宿は魏と戦い、強い意志を持って自身を焼くことで飛皋の支配から逃れた。
美朱を連れ去った飛皋を、魏、井宿、翼宿が追う。飛皋は井宿と和解をし、息を引き取った。美朱たちは朱雀七星士・張宿(ちりこ)と軫宿(みつかけ)の持っていた石が消えてしまったことを知る。そこに鬼宿が現れ、魏を「自分の身替わりで、影」だと言った。
俑帥が現れて攻撃を仕掛けるが、鬼宿が七星士の力を持って撃退する。魏は、自分は必要ないと美朱を鬼宿に託し、現実世界へ戻って行った。ところが、現実世界に戻った魏は、現れた鬼宿が天罡によって作られたものだと知る。美朱は鬼宿に違和感を覚え、魏を求め現実世界へと戻る。残された七星士たちは、俑帥の操る傀儡の糸に襲われた。

現実世界に戻った美朱は、魏を失いたくないと彼と生きることに決め、高校をやめて魏と結婚すると両親に告げ許しを得る。現実世界は天罡の力で天変地異が起きていた。
最後の戦いの為、天地書に入った美朱と魏は、現れた鬼宿が、記憶の石を入れた人形であることを知る。魏と鬼宿の戦いの中、美朱は魏を庇い倒れる。魏は鬼宿を受け入れて鬼宿の記憶と一つになり、辛うじて生きていた美朱は、魏との愛の力で朱雀を呼び出す。朱雀と頼四神が現れ、天罡は封殺された。
太極山、現実世界共に元に戻り、死亡していた七星士たちは転生を果たす。美朱と魏は結婚し、息子の光(ひかり)をもうけた。

OVA1

えどのゆうき
えどのゆうき
@edono78

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