Ib(イヴ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

「Ib(イヴ)」とは、kouri氏が製作したパソコン用フリーゲーム。実況動画や二次創作で話題になった人気作品。2012年にRPGツクール2000製で公開し、2014年にはRPGツクール2000無しで起動できるようになった。主人公の「イヴ」は両親と一緒に美術館で行われた「ゲルテナ展」へやってくるが、美術館の不思議な空間に迷い込んでしまう。イヴは道中で出会ったオネエの男性「ギャリー」と共に出口を探す。

『Ib』の概要

「Ib(イヴ)」とは、kouri氏が製作したパソコン用フリーゲーム。
RPGツクール2000製で、2012年に公開された。
ジャンルは、探索&逃げ要素のあるホラーゲーム。
2014年に追加要素のあるv1.07が公開され、RPGツクール2000のダウンロードが不要になった。
選択肢によって内容が変わるマルチエンディングで、v1.07の時点で7種類ある。

美術館を舞台にしたホラーゲームで、ニコニコ動画などの実況動画で流行り、そこから知名度が一気に上がる。
フリーゲームの中でも人気の高い作品となっている。
ベクターの2012年年間総合ランキングではダウンロード数3位、人気投票2012 最終決選投票では最多得票を獲得しグランプリになった。
オリジナルグッズ通販サイト「Guertena Shop(ゲルテナショップ)」や、くじ・フィギュアなども発売された。
二次創作も盛んに行われ、作者からのガイドラインが提示されている。
二次創作や実況動画はこのルールを守らなければならない。

美術館という設定や、キャラクターの独特な佇まい、幼女+オネエという珍しい組み合わせなどが人気を呼んでいる。
ゴシックホラーのような雰囲気がある作品。

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『Ib』のあらすじ・ストーリー

主人公「イヴ」は、両親と共に「ゲルテナ展」を見に美術館へ来ていた。
両親から離れて美術館の中を回っていると、突然人が居なくなり、美術館は不気味な空間へと変わっていく。
床には「おいでよイヴ」と書かれてあり、イヴは巨大な絵画「絵空事の世界」からゲルテナ作品達の作り出した謎の美術館の世界に迷い込んでしまう。
イヴは美術館の世界の中で赤い薔薇を発見した。
それはイヴの命を現していて、薔薇が枯れたり散ってしまうとイヴも死んでしまうのである。

美術館の世界では作品が音を発したり動いたりなど、現実ではありえない事が起こる。
出口を探して彷徨うイヴは、倒れている男性を見つける。
男性の名は「ギャリー」と言い、イヴと同じく美術館の世界に迷い込んでしまったのだという。
ギャリーはオネエ口調で話す、面倒見の良い男性であった。
イヴはギャリーと共に襲い掛かってくる美術品達から逃げつつ、美術館の世界を巡り出口を探す。
しかしイヴは体力的にも精神的にも弱ってしまい、心壊という心が壊れて幻想を見る現象を起こし、倒れてしまう。
目が覚めると、ギャリーが近くにあった部屋までイヴを運び、イヴが風邪を引かぬようコートをかけてくれていた。
イヴはギャリーからコートに入っていた飴を貰った。

イヴの体力が回復したあと、美術館を進んでいくと二人は金髪の美少女「メアリー」に出会う。
メアリーは外の世界に居る父親に会いたがり、二人と行動を共にする事になった。
しかしメアリーは美術館の世界に怯えた様子はなかった。
年齢が近いイヴはメアリーに懐かれる。
逆にギャリーは、イヴと二人で居たいメアリーにとって邪魔な存在であった。
三人がある部屋に入ると部屋にはウサギの人形がいっぱい置いてあり、可愛いというメアリーに対して、気色が悪いと言うギャリー。
イヴはギャリーの言っている意味が分からなかった。
部屋を出ると、突如植物が伸びて来てギャリーとイヴ・メアリーの二手に別れてしまう。
イヴとメアリーは二人で探索を開始する。
探索中、メアリーはイヴに両親やギャリーとの関係を尋ね、自分とギャリーどちらかが好きか尋ねてくる。

一方ギャリーは1人で美術館を探索し、もう一度ウサギの人形が置いてあった部屋へと入った。
ギャリーの視点から見ると、イヴが見えていたウサギの人形は青い不気味な人形なのであった。
イヴはこの時まだ心壊を起こした状態であり、真実が見えていなかったのだと思われる。
ギャリーが探索を進めると、「ゲルテナ作品集」という本を見つけ、作品の中に「メアリー」という作品があることを知る。
作品のメアリーは、自分達の前に現れた少女メアリーと瓜二つで、解説には架空の少女と書かれていた。
ギャリーはその後、青い人形が大量においてある部屋に入ってしまい、入り口に鍵が掛かり閉じ込められてしまう。
大量の人形の中のどれか1つに扉の鍵があり、ギャリーは一つ一つの人形を調べていく。
しかし、部屋の中央の壁には絵画として描かれた青い人形が絵があり、その絵画の青い人形が段々と絵から這い出てギャリーに迫っていくのであった。

ルート分岐

青い人形の部屋から脱出成功

メアリーは美術館の世界の中に居るマネキンの首から、ギャリーがメアリーの正体を知ったことを知らされる。
メアリーは腹いせにマネキンの首をパレットナイフで滅多刺しにし、うわ言を言いながら何処かへ行ってしまう。
イヴは仕方なく1人でフロアの鍵を見つけてギャリーの元へ行った。
後からイヴを追って来たメアリーは、パレットナイフを手に持ち何故置いていったのかイヴに問う。
しかしギャリーが間に入り、メアリーがゲルテナ作品である事をイヴに話した。
二人はメアリーから逃げて出口を探し、子供の描いたスケッチブックのような世界へ行く。
玩具箱の中に鍵があると知り、仕掛けを解いて箱を開けようとするが、メアリーに見つかってしまう。
メアリーは二人を玩具箱の中の空間に突き落とした。
玩具箱の中の世界でイヴが気が付くと、ギャリーとはぐれ、自分の赤い薔薇も失くしていた。

青い人形の部屋から脱出失敗

青い人形の部屋のイベントを失敗した時点で一度分岐がある。
メアリーの好感度が低い→エンディング「ある絵画の末路」へ。
メアリーの好感度が高い→エンディング「ようこそゲルテナの世界へ」へ。

これに該当しない場合は物語が続く。

イヴがギャリーの元へ行くと、ギャリーはウサギの人形に向かって楽しそうに話しかけている。
イヴが様子のおかしくなったギャリーに平手打ちをすると、ギャリーは我に返った。
ギャリーは記憶が混濁してメアリーの正体について忘れていた。
しかし、メアリーの黄色い花が造花だったことが発覚し、メアリーの正体を思い出す。
造花がバレて逆上したメアリーはギャリーと揉み合いになり、ギャリーに突き飛ばされる。
イヴとギャリーはメアリーを置いて先へ進んだ。
二人は子供の描いたスケッチブックのような世界へ行く。
玩具箱の中に鍵があると知り、仕掛けを解いて箱を開けようとするが、メアリーに見つかってしまう。
メアリーは二人を玩具箱の中の空間に突き落とした。
玩具箱の中の世界でイヴが気が付くと、ギャリーとはぐれ、自分の赤い薔薇も失くしていた。

赤い薔薇を見つける

イヴは失くした薔薇とギャリーを見つける。
二人は玩具箱の世界の中にあった黄色い薔薇で扉が閉ざされた部屋に行く。
ギャリーの持っていたライターで薔薇を燃やして扉に入ると、部屋にはゲルテナ作品「メアリー」があった。
するとメアリーが慌てて追いかけてきて、パレットナイフで二人に出て行くように言い、襲い掛かってくる。
ギャリーは作品メアリーをライターで燃やすと、少女メアリーの方にも火がついた。
作品のメアリーも少女のメアリーも燃え尽きて灰になってしまう。
イヴはギャリーが手に怪我をしているのに気づいて、ハンカチを巻いてあげた(ハンカチを巻く巻かないはギャリーの好感度によって変動)。
ハンカチを巻かない→エンディング「片隅の記憶」へ。
ハンカチを巻く→エンディング「再会の約束」へ。

赤い薔薇を見つけられない

イヴは自分の命でもある赤い薔薇を見つけられない。
再会したギャリーにその事を話し、二人は赤い薔薇を捜索する。
すると、玩具箱の世界に居た人形がメアリーに赤い薔薇を渡している所を発見する。
ギャリーがメアリーにイヴに薔薇を返すように言うと、メアリーはある交換条件を提示した。
それはギャリーの青い薔薇と、メアリーの持っているイヴの赤い薔薇の交換だった。
ギャリーは交換に応じると、メアリーは青い薔薇を持って笑いながら去っていった。
二人は先に進もうとするが、通路には青い薔薇が所々に散っていて、メアリーが花占いをする声が聞こえる。
ギャリーは様子がおかしくなり、イヴに先に行く様に言い座り込んでしまう。
イヴが先に行くとメアリーが花占いを終えていて、何か喜んだ様子で去っていった。
メアリーを追いかけるように先に進むと、最初に来た巨大な絵画「絵空事の世界」がある部屋に辿り着いた。

そのまま外へ出る→エンディング「いつまでも一緒」へ。
メアリーの肖像画を燃やす→エンディング「忘れられた肖像」へ
美術館の空間から外へ出ない→エンディング「ひとりぼっちのイヴ」へ。

エンディング

ED1 再会の約束

イヴがギャリーにハンカチを渡した場合のエンディング。
ハッピーエンド。

無事に美術館の世界から出る事の出来たイヴとギャリー。
しかし二人とも美術館の中で起こった事は忘れていた。
イヴは気が付くと美術館の中を彷徨っていた。
イヴは美術館の中で絵画を見るギャリーと再会するが、お互いにお互いの事を覚えては居ない。
しかし、ギャリーがイヴにあげた飴と、イヴがギャリーに巻いてあげたハンカチのお陰で、二人はお互いの事を思い出す。
ギャリーは次に会った時にハンカチを返すという再会の約束をし、二人は別れた。

ED2 いつまでも一緒

ギャリー死亡・メアリー生存の場合のエンディング。
バッドエンド。しかしメアリーにとってはハッピーエンド。

イヴは無事美術館の世界から脱出に成功する。
しかし美術館の中であった事は覚えていなかった。
イヴが両親の所へ行くと、そこにはメアリーがいた。
両親は記憶を改竄されたのかメアリーをイヴの姉妹として扱い、メアリーも姉妹としてイヴに接した。
イヴは違和感は持ったものの直ぐにその違和感を忘れてしまい、メアリーを受け入れた。
イヴがギャリーから貰った飴はメアリーに取られ、「これからはずっと一緒だね」と笑いかけられる。

ED3 片隅の記憶

イヴがギャリーにハンカチを渡さなかった場合のエンディング。

無事に美術館の世界から出る事の出来たイヴとギャリー。
しかし二人とも美術館の中で起こった事は忘れていた。
イヴは気が付くと美術館の中を彷徨っていた。
イヴは美術館の中で絵画を見るギャリーと再会するが、赤の他人として言葉を少し交えるだけなのであった。

ED4 忘れられた肖像

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