目次

  1. フルーツバスケットとは
  2. 草摩慊人とは
  3. 歪な両親との関係性
  4. 本当の性別を隠しての生活
  5. 十二支の絆への執着と不安
  6. 空の箱に込めた期待
  7. 草摩紅野との関係性
  8. 草摩紫呉との関係性
  9. 本田透という存在

フルーツバスケットとは

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フルーツバスケットは事故で母を亡くしながらもめげずに生きてきた主人公本田透と十二支の動物憑きという奇妙な体質を持った草摩家の人々との交流を描いた作品。作中では透との交流や草摩家の外の世界に触れることで十二支達は草摩家のしがらみやその特異な体質よるトラウマを乗り越え、人間的に成長していく姿が描かれている。一人の人物にスポットを当てるのではなく、登場人物のそれぞれが深く掘り下げられている作品。辛い過去や現実とどう向き合っていくのか彼らはそれぞれの問題に直面しながらもそれぞれの道を模索していく。

草摩慊人とは

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名家草摩家の当主であり、十二支達の神様という立ち位置にいる人物。
その絶対的な立場で十二支達を縛り付けており、十二支達のトラウマの象徴的な存在として描かれている。気性が激しく、十二支達を傷つける言動をとる人物だが、何故そのような振る舞いをするのか。この記事では草摩慊人という人物の背景や影響を与えた人物について迫っていこうと思う。

歪な両親との関係性

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父親である晶は体が弱く、短命であった。その短い人生の中で楝との間に生まれた「神様」という特別な存在である慊人溺愛していたが、それは娘である慊人本人を可愛がっていたわけではなく、楝と晶が特別であったということを証明する存在である「神様として特別」な慊人を可愛がっていたに過ぎない。彼の死に際にそのことに気付いた慊人は自分の存在意義について苦悩する。父である彼は慊人の支えであり、彼からの愛情の代替を男性の十二支に望んでいる。

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夫である晶に対して強い執着を持っている楝。慊人が生まれてから慊人に夢中になった晶を見て女性として嫉妬し、嫌悪と憎しみを覚えるようになる。自分と晶の絆が本物であり慊人と十二支達の絆は偽物であると慊人を否定し、その絆を壊すような行動を度々とる。母である彼女の執着、嫉妬、目的のためなら女性としての武器を使うといった女としての醜さを見てきた慊人はそれに嫌悪し頑なに反発する。慊人は女性の十二支に楝を重ねている面があり、楝に対する嫌悪感が女性の十二支に対する否定的な態度に繋がっている。

本当の性別を隠しての生活

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母である煉の勅命により女でありながら男として育てられた慊人。彼女が女であるということは草摩家のトップシークレットとして扱われている。本人も一人称を「僕」とし、男性として振る舞っているため、女性としての感情に未熟な面がある。そのため紫呉への感情が異性に対するものであると気付けないでいた。

十二支の絆への執着と不安

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父親が愛していた「神様」という特別な存在としての自分。その自分を肯定する存在である十二支との絆を支えとしている慊人。酉憑きの呪いが解けたことによってその絆に不安を抱き、病的なほどに十二支を縛り付けるようになった。度々十二支を傷つけるような言動をとるが、この行為は十二支の絆を試すといった側面が強い。慊人は十二支との絆に執着しながらも、試さずにいられない程にその絆に疑念を抱いていたため、楝に持ち掛けられた「十二支が外の世界に触れても神様である慊人の元に戻ってくるか」という賭けに対して十二支との絆は絶対であると証明したいという半ば祈るような気持ちでその勝負を受けた。

空の箱に込めた期待

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父親である晶が亡くなったときに世話役から渡された空の箱。
晶の魂が入っているとされるその箱を慊人は大切に隠し持っていた。何もない箱に対して疑念を抱いていたが、愛する父の存在を否定することができなかったのだ。父親に一番愛されてなどいなかったと理解していたからこそ十二支との絆に固執した慊人。その十二支が自分から離れていくことが止められないと悟った慊人はこの箱を奪いに来た楝に投げつける。箱が空であることを不思議がる楝に「そうだよ。空っぽだ。」と仲間外れは初めから自分であった事実を認め涙する。

草摩紅野との関係性

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紅野が酉憑きの呪いが解けたことを切っ掛けに慊人は精神的に不安定になる。
「追いていかないで」と必死に縋りつく慊人を紅野は突き放すことができなかったためずっと側にいると誓う。絆を深める事を意図として慊人と関係を持っている。慊人に対しては「神様」ではなく「一人ぼっちの孤独な少女」という認識が強い。慊人に関して恋愛的な感情を持ってはいない。しかし、彼女に対する気持ちは、生ぬるい同情ではなく深い愛情だった。作中後半、慊人の成長を見て、自分はもう必要でないと感じたことから慊人の元を去った。

草摩紫呉との関係性

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幼少期から紫呉を振り向かせたいと強く思っていた慊人。ある日自分のことが好きかと聞いた際に椿の花を渡され「誰よりも君を想う。それこそが揺るぎない事実。」と告げられたことから紫呉に特別な感情を抱く。元来優しい性格ではない紫呉も彼なりに慊人に優しく接するなど慊人の幼少期は良好な関係であったが、慊人が紅野に執着するようになってからは関係に歪みが生じ彼の慊人に対する態度も冷たくなった。それは慊人が嫌いになったからではなく、嫉妬からくるもの。慊人の固執する父親や十二支との絆を紫呉は邪魔なものだと感じている。父親に望まれた神様という立場を放棄し父親の呪縛からも解き放たれ、ただ一人の女性として自分を欲してほしいと思っていたからだ。作中後半、神様としてではなく一人の人間としての道を歩もうとしている慊人に紫呉は振袖を贈り、自分のもとに来るのであれば覚悟してほしいと慊人に対する執着を語った。慊人はその振袖を纏い、一人の女性として紫呉に想いを告げる。紫呉はその告白を昔椿の花を渡した時のような優しい表情で受け入れた。

本田透という存在

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慊人にとって本田透という存在は異分子であり、外の人間を象徴する存在であった。
彼女に対して、自分が十二支達にとって神様という立ち位置の人間だと明かした際、十二支達との絆を不変と称し、透に対して仲間に入れてやらないと彼女を排除するような態度をとっている。
しかし、彼女と交流を持つことで十二支達は彼女に心を開き、外の世界に目を向け始めた。呪いが次々と解けていくなか、慊人は自分だけが残されていく世界に絶望する。そんななかで透と対峙し自分の絶望をぶつけた。透は慊人の置いて行かれる辛さや孤独と理解する。彼女も慊人と同様の思いを亡くなった母親に対して抱いていたからだ。不変を願っていたのは自分も同じであると慊人に告げ、彼女と対等の立場で寄り添おうする。そのことは慊人の頑なな心が変化するきっかけになった。