くりまんじゅう（ちいかわ）とは【徹底解説・考察まとめ】

くりまんじゅうの概要

くりまんじゅうとは、ナガノ原作のTwitter連載漫画『ちいかわ なんか小さくてかわいいやつ』に登場するキャラクター。和菓子の栗饅頭と動物のカワウソあるいはラーテルを混ぜたような容姿をしている。ちいかわ族であり見た目は可愛らしいが、酒とつまみを愛し、中年の親父染みた言動ゆえ、読者からは「おっさんくさい」と評される。アニメでは放送時間が朝であることを考慮されたためか、酒類をノンアルコール飲料に変更されていることが多い。
酒とつまみを手に登場することから、『ちいかわ』作品の中でもグルメ担当として広く認知されている。

『ちいかわ なんか小さくてかわいいやつ』とは、原作者であるナガノのTwitterアカウントにて、「こういう風になってくらしたい」という説明と共に描かれた二頭身の動物キャラクター「ちいかわ」を主人公として展開される連載漫画。2017年ごろから発表されている。
漫画は2020年1月より単独アカウントが作成され、それに伴い連載化された。2021年2月には講談社より単行本が刊行されている。さらに、2022年4月4日よりフジテレビ系列「めざましテレビ」内にてアニメが放送開始された。
作品は、基本的にはちいかわとその友達のハチワレやうさぎが送る日常を1話完結形式で描いた物語である。森や山など自然豊かで、食べ物が植物のように自生あるいは湧き出るファンタジーな世界を舞台としている。しかし、住宅や店が立ち並び、貨幣経済やインターネットが存在する、きわめて文明的な側面もある。さらにちいかわを含めた主要なキャラクターが「労働し収入を得て暮らしている」という現実的な設定や、どこか不穏で不気味な気配が漂うダークでシビアなストーリー展開がされているのが特徴である。それゆえファン層も、純粋にキャラクターの可愛らしさを楽しんでいる層と、世界観や作者の描こうとしている意図等、物語のよりディープな部分にまで考察を巡らせて楽しむ層とで二分されている傾向がある。

くりまんじゅうの人物像・プロフィール

声：淺井孝行

頭部が和菓子の「栗饅頭」によく似ているキャラクター。動物のカワウソあるいはラーテルをモチーフとしている。容姿は他のちいかわ族と同じく愛らしいが、常に眉間にシワを寄せている。中身（性格）はかなり中年オヤジ染みており、美味しそうなツマミとお酒を嗜んでいることが多い。また二日酔いで苦しんでいるところに迎え酒をするなど、相当お酒が好きな模様。酒以外にも、水風呂とサウナを楽しむ様子も見られ、趣味もなかなかに中年くささがある。
どこか年長者らしい面倒見の良さがあり、主人公であるちいかわを執拗にくすぐって絡んでいるうさぎを鮭とばで叩いて諌めたり、草むしり労働に勤しむちいかわに缶コーヒーをおごったり、柿の種わさびや牡蠣をくれたりする姿が描かれる。
ちいかわのように殆どセリフがなく、飲食の際に「ハーッ…」と言う程度である。作中では飲酒する際には資格が必要であり、その資格を持っていることが明かされている。

くりまんじゅうの能力・装備

飲酒資格免許証

『ちいかわ』の世界で通用する資格の1つ。飲酒するには、この免許を取得することが義務付けられている。さらに、飲酒の際にはこの免許証を携帯している必要があり、しばしば抜き打ちで検査も行われているよう。この免許証を不携帯で飲酒した場合には、「禁」の字が書かれたハンコを額に押され、これが消えるまで飲酒することはできない。当然ながら、これが印字された者には酒類を提供・販売することはできず、店側から断られてしまう。
試験には酒の種類や特徴だけでなく、つまみと合わせる「ペアリング」についても解答する必要があることが明らかになっている。実際にくりまんじゅうは酒類とともに何かしらの肴を用意しており、それらのマリアージュは読者からも非常に高く評価されている。
作中で飲酒免許所有者はくりまんじゅうしか登場しておらず、また合格にむけて勉強中のシーサーによると、その試験が難関であることが示唆されている。

リズム感

くりまんじゅうは酒とつまみ以外に特筆する能力がないかに思われていたが、「島」編にて「リズム感がある」と評されていることが明かされた。
歌を唄い植物を操る人魚の怪物セイレーンのコーラスを乱すため、リズム感の高いキャラクターが3名選出されており、その中にくりまんじゅうが選ばれていたのである。くりまんじゅうは、ビール缶を叩く、プルタブを弾くなどして演奏し、パーカッション担当として見事人魚達のコーラスを乱すことに成功した。

くりまんじゅうの来歴・活躍

「飲酒資格免許」取得

物語開始のどこかの時期で、くりまんじゅうは「飲酒資格免許証」を取得している。これの勉強にはそれなりの努力を必要とし、本人の回想によると、暑い夏も冬の寒い日にも、雨の日には濡れながら、雪の日には頭にこんもりと雪が積もるほどの長時間を賭して取り組んでいたことが明かされている。

初登場

和菓子「くりまんじゅう」を食べているくりまんじゅうの横を、ペロペロキャンディを舐めながらスキャットを歌う主人公のちいかわが通り過ぎる。2人は邂逅なく、くりまんじゅうはさらに焼きシャウエッセンをつまみに「STRONG ZERO DRY（ストロングゼロ ドライ）」を煽ると、「ハーッ」と満足げにため息をつくのだった。
その後も、くりまんじゅうが酒「Corona Extra（コロナエキストラ）」とつまみのタコスを持っているところに、踊っていたちいかわがぶつかるなどの接触はあったものの、深い交流はなかった。

「鮭とば」編・「炙りしめ鯖」編

ある日ちいかわが、ごろごろと転がって暇をつぶしていると、ちいかわの友人であるうさぎが、ちいかわの足の裏を大きなねこじゃらしでくすぐりだす。足の裏が弱かったちいかわは、泣くほどに笑わされてしまう。
これを見かけたくりまんじゅうは、執拗に足の裏をくすぐっていたうさぎの頭を、持っていた鮭とばで殴りつけ諌めた。うさぎはこれによりちいかわへの振る舞いを反省したのか、以降、ちいかわに対して嫌がらせとも取れるような絡み方はなくなった。
また、ちいかわとうさぎが移動用の「宙を浮くマンボウ」に乗っていると、くりまんじゅうがしめ鯖をバーナーで炙り、それをつまみに酒を楽しんでいた。

「微糖コーヒー」編

ハチワレが持っていた武具「さすまた」を欲したちいかわは、給金を得るため「草むしり」のアルバイトに勤しむ。偶然にも同じ業務に従事していたくりまんじゅうは、一生懸命なちいかわを見かねて、自身も飲んでいた「微糖コーヒー」を差し入れる。
ちいかわはこれを快く受け取った賞味したが、子ども舌のちいかわに微糖の苦味は強く、くりまんじゅうの背後で「ニガ…」と密かに震え上がっていた。

くりまんじゅうは、以降も度々ちいかわらの周辺に現れ、酒とつまみを嗜む姿がみられた。くりまんじゅうの行動には、ちいかわらへ影響を与えたものもいくつかある。それは、水風呂の楽しみ方や、瓶詰めされた飲料の注ぎ方など様々であった。
また、飲酒の資格を持たないちいかわ・ハチワレは、「ジンジャーエール」を「想像上のお酒の味」と表現し、飲酒の雰囲気を楽しむこともあった。この2人がジンジャーエールを手に飲酒の雰囲気を楽しんでいるのを見つけたくりまんじゅうは、手に持っていたつまみ「柿の種わさび味」を勧め、2人と同じテーブルにつき乾杯するなどして、さらに飲み会の雰囲気作りを手伝った。

「締めのステーキ」編

常日頃から酒を嗜んでいるくりまんじゅうも二日酔いになることがあり、そこへさらに飲酒する、いわゆる「迎え酒」をしている姿もみられた。
ある夜、酔いで真っ赤な顔をしていたくりまんじゅうは、ラーメン屋「郎」に訪れる。いわゆる「締めのラーメン」を堪能しようとしていたが、そこはすでにその日のラストオーダーを終了していた。この「郎」でアルバイトをしていたシーサーは、ラーメンを提供できなかった代わりにと、くりまんじゅうにステーキを提供した。
これ以降、シーサーはくりまんじゅうの周辺に現れることも増え、くりまんじゅうが沖縄の地酒「泡盛」を楽しんでいた際には、コーヒーを勧めている。これによりくりまんじゅうは泡盛にコーヒーを混ぜた「泡盛コーヒー」を堪能した。

「飲酒資格勉強」編