くりまんじゅう(ちいかわ)とは【徹底解説・考察まとめ】

くりまんじゅうとは、ナガノ原作のTwitter連載漫画『ちいかわ なんか小さくてかわいいやつ』に登場するキャラクター。和菓子の栗饅頭と動物のカワウソを混ぜたような容姿をしている。ちいかわ族であり見た目は可愛らしいが、酒とつまみを愛し、中年の親父染みた言動ゆえ、読者からは「おっさんくさい」と評される。アニメでは放送時間が朝であることを考慮されたためか、酒類をノンアルコール飲料に変更されていることが多い。

「郎」のアルバイトであるシーサーは、「飲酒免許」の取得にむけて勉強に励んでいた。ある日、屋外で勉強し居眠りしてしまったシーサーを見つけたくりまんじゅうは、「飲酒免許」取得にむけて勉強に励んでいた過去の自分を思い出すと、手に持っていたカルパスをひっそりとシーサーに差し入れた。
またある日、筑前煮のちくわを肴にレモンハイボールを堪能していたくりまんじゅうのもとに、シーサーが島らっきょうのてんぷらを差し入れる。そして、飲酒免許試験の勉強についてシーサーが教えを請うと、くりまんじゅうはこれを快諾した。以降たびたび、酒を片手にシーサーの勉強に付き合う姿が描かれた。

「島」編

とある島での討伐隊誘致のチラシが出回ると、くりまんじゅうはこの特典の「飲食無料提供」に惹かれ、その島行きの船に乗船する。上陸した島で歓待を受けたくりまんじゅうは、焼きそばやビールを手に入れ、それらを心ゆくまで堪能した。
実はこの島には人魚と呼ばれる大きな怪物セイレーンが出没しており、それによって次々と島民がさらわれるという被害に遭っていたのである。これを重く見た島民は、人魚の討伐を依頼するため、島をあげて討伐隊を誘致していた。これらが周知され、同じく島へやってきていたちいかわやその友人のうさぎ・ハチワレ、ちいかわの討伐訓練の師匠であるラッコなどが討伐参加を強要される中、何も知らないくりまんじゅうは、二日酔いにより体調を崩し、宿泊施設内でシーサーの作った沖縄の郷土料理「ゆし豆腐」を食べていた。さらに、ちいかわ達が討伐に挑んでいる最中も、事情を知らぬまま二度寝をする、夜の海に漂うなど、ゆったりと過ごす様子が描かれた。
セイレーンの元から命からがら脱出したちいかわ達により、「セイレーンは仲間の人魚を食べられたことを怒っておりそのために島を襲撃している」「必ずまた襲撃してくる」「セイレーンは歌声によって植物を操ることができる」ことなどが明かされる。これにより、ゆったり過ごしていたくりまんじゅうも、ようやく状況を知ることになった。
ちいかわの発案により、一同は襲撃してくるセイレーンに備え、歌を封じる作戦として激辛カレーを作ることになった。この際、シーサーは調理隊長、くりまんじゅうはその味見隊長として名乗りをあげた。この時くりまんじゅうは、ニンニク追加の要不要などの検討に力を貸している。実際の完成品は非常に辛く、味見は危険と判断され、興味本位で手をつけたモモンガを除き、味見をした者はいなかった。
このカレーはちいかわ族にとっては非常に辛いものとなったが、セイレーンにとっては「うま辛」程度の辛さだった。そのため、さらに強い香辛料キャロライナ・リーパーを足すことになった。
襲撃してきたセイレーンの隙を突くため、くりまんじゅうのプルタブ楽器、うさぎのボイスパーカッション、モモンガのコーラスによるビートボックスが披露される。すると、音楽につられてしまう性(さが)を持っていた人魚達はコーラスの和を乱し、セイレーンの操作する植物の動きも鈍ってしまった。これにより生まれた隙に乗じ、ちいかわとハチワレがセイレーンの口にカレーを放り込むと、セイレーンはあまりの辛さに悶絶し撤退した。
無事にセイレーンを追い返した一同は、キャンプファイヤーを囲い宴会を行うと、翌朝船で元の居住地へと帰っていった。
くりまんじゅうはこの帰りの船旅でも飲酒し、「船酔いを酒で相殺」しようとしている姿が描かれた。

「禁酒」編

ある夜、ごま油で焼いたモチに粉チーズと醤油をかけたものをアテにして酒を嗜んでいたくりまんじゅうは、「飲酒免許証」をトカゲのような生物に持ち去られてしまう。さらに運悪く、このタイミングで免許証の抜き打ち検査が行われた。奪われたために免許証を提出できなかったくりまんじゅうは、「免許証不携帯」として額に「禁」の字が書かれたハンコを押され、一定期間の禁酒を命じられてしまう。
翌朝、くりまんじゅうの飲酒免許証をもつトカゲを見つけたシーサーは、沖縄料理の「さかな天」を餌に免許証を奪い返す。くりまんじゅうに見つけた免許証を渡しに来たシーサーは、そこでくりまんじゅうから禁酒を命じられていることを聞く。
解禁した後の酒の美味しさに期待するくりまんじゅうだったが、禁酒中であることを忘れ「草むしり」労働後に居酒屋「うまい屋」を訪れ酒類の提供を断られてしまう。このことでくりまんじゅうは酒を飲むことができない絶望を味わうことになった。
また、飲酒資格の勉強をするシーサーに付き合うくりまんじゅうは、飲酒の快感を反芻しつつも飲むことができない不満を、ゼロコーラを飲むことでごまかす日々だった。
数日の禁酒を強いられ、一時は眉間の皺を深めるほど顔つきが凶悪となったくりまんじゅうであったが、「禁」の字がかすれ「林」になる頃には眉間の皺もなくなり、表情も和らいでいた。そして、「だし」屋で出汁のみを堪能したり、和菓子の栗饅頭をほうじ茶と嗜んだりと、健康的な食生活を送る。そしてとうとう、禁酒期間が明けるころには、酒類を必要としない身体になってしまった。
くりまんじゅうの変貌ぶりに寂しさを募らせるシーサーだったが、「これはこれで良いのかも」と事態を受け入れようとする。そんなシーサーのもとへ、拳を振り回しながら襲ってくる怪物「ブンブンぶん殴り」が現れる。討伐を苦手とするシーサーは、これを恐れ逃げ惑う。シーサーの窮地に気づいたくりまんじゅうは、たまたま発見した巨大なちくわを「ブンブンぶん殴り」の腕にはめ込む。これにより自慢の拳を封じられた「ブンブンぶん殴り」はちくわを引き摺り去っていった。
シーサーとくりまんじゅうが振り返ると、周辺にはおでんの具やチーズ、軟骨から揚げなどが湧いていた。美味しそうなおつまみを目の前に、ビールやワイン、日本酒などのマリアージュを思い出したくりまんじゅうは、その場を走り去る。そして、これらの酒類を手にシーサーのもとへ戻ってきた。くりまんじゅうは怪物と会敵した緊張感と、討伐成功した達成感から酒類を味わう喜びを思い出したのである。
こうしてくりまんじゅうは、もとの酒呑みキャラクターへと戻った。

くりまんじゅうの関連人物・キャラクター

ちいかわ

声:青木遥
物語の主人公。台詞はほとんど無く「ワッ」「ヤー」「フ!」などのわずかな言葉しか発しない。臆病ですぐ泣く性格だったが、さまざまな経験を通して少しずつ成長している。泣き虫なイメージがあるが、素手でキメラと闘って撃退するなど意外と戦闘能力は高い。むちゃうまヨーグルトの懸賞で当たった家に住んでおり、その他にも懸賞に応募し当選していることから、くじ運は強い模様。草むしり検定5級の合格に向けて勉強中であるが、作中では2回不合格となっている。
可愛らしい容姿で、味覚は子どもそのもの。そのため、わさびや微糖コーヒーなどの辛いもの・苦いものを苦手とする。そのため、くりまんじゅうからの渋いチョイスの差し入れを、必ずしも楽しむことができないでいる。
どこか大人っぽいくりまんじゅうに最初は恐る恐るといった様子であったが、徐々に「飲酒資格をもつ先輩」という憧れのような感情を抱いている。

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ハチワレ

声:田中誠人
ちいかわの友人の1人であり、言葉を流暢に喋るはちわれ猫をモチーフとするキャラクター。社交的で好奇心旺盛な楽天家。ギターが弾け、「ひとりごつ」というタイトルの生乾きのことを歌った自作ソングがある。作中では珍しく流暢に話すキャラクターのため、他のキャラクターと率先してコミュニケーションをとる、状況を言葉にして説明するなどの場面が多い。作中で「草むしり検定5級」を受験し合格している。
洞窟で暮らし少ない給金でカメラなどの趣味に投資している。その慎ましい暮らしぶりゆえ、一人暮らしならではの簡単料理を作中で披露する。このため、くりまんじゅうやシーサーとともに料理を披露するグルメ担当でもある。
ちいかわとともに、くりまんじゅうの飲酒する姿に憧れており、ジンジャーエールを「想像上のお酒の味」として楽しむ姿が描かれた。

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うさぎ

声:小澤亜李
ちいかわの友人の1人であり、うさぎをモチーフとするキャラクター。常にテンションが高く自由奔放に振る舞い、時にはトラブルメーカーのような一面もあるが、ちいかわやハチワレがピンチの時に助けたり、サポートをしたりする友達思いの面も多くある。言葉は話さず「ウラ」「ヤハ」「プルャ」「フゥン」「ハァ?」などの奇声を発する。
草むしり検定3級を所持していることが明かされている。
ちいかわへの執拗な絡み方をくりまんじゅうに諫められて以降、ちいかわに対する接し方が和らいでいる。また、くりまんじゅうとともにリズム感があるとされ、「島」編での討伐に一役買った。

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シーサー

声:島袋美由利
沖縄の守り神・シーサーをモチーフにしたキャラクター。気遣い屋でとても優しく、表情が豊かで「きびシーサー」「うれシーサー」「やさシーサー」といったシーサーに絡めて表現する単語が度々出てくる。「スーパーアルバイター」の資格を持っており「郎」のラーメン屋さんでは店員(弟子)として働いている。ラーメンの鎧さんを「お師匠」と呼んでいる。また、差し入れとして沖縄料理が出てきたり、締めにステーキを提供するなどの沖縄文化に影響を受けた言動が多くみられる。
仕事のためにお酒の資格が欲しいと考えており、その勉強のためくりまんじゅうに師事している。そのため、読者からはくりまんじゅうとともに「飲酒系コンビ」あるいは「ゆんたくコンビ」とされる。この「ゆんたく」とは「島」編で討伐せずにゆったり過ごすくりまんじゅうに向かって「ゆっくりゆんたくしたい(お話したい)」と言ったためである。

ラッコ

声:内田雄馬
ラッコをモチーフとするキャラクター。討伐の上位ランカーであり、ちいかわ達の憧れの存在でもある。右目の上に十字形の傷跡がある。普段は面倒見の良い兄貴分的な存在でクールな発言とともに顔も常にキリッとしているが、かなりの甘いもの好きで甘いものを口にした時は顔が緩んでしまう。
作中くりまんじゅうとの絡みは殆どなかったが、「島」編にてうさぎ・モモンガとともにくりまんじゅうにもリズム感があることを把握している描写があった。くりまんじゅうと同じくちいかわ達の先輩的立ち位置にいることもあり、くりまんじゅうと同世代あるいは何らかの関係があるのではないかと読者によって考察されることもある。

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