グラナト伯爵（葬送のフリーレン）とは【徹底解説・考察まとめ】

グラナト伯爵（葬送のフリーレン）の概要

グラナト伯爵とは、原作：山田鐘人、作画：アベツカサによる漫画『葬送のフリーレン』の登場人物。北側諸国グラナト伯爵領の領主であり、魔王軍残党の中でも屈指の実力者である大魔族断頭台のアウラ（だんとうだいのアウラ）と30年近く戦い続けてきた騎士。
魔王を討伐した勇者ヒンメルは、その50年後に大往生を遂げる。それまで潜伏していたアウラはこれを機に活動を再開し、自らの軍勢を率いてグラナト伯爵領地を攻撃。グラナト伯爵は頑強な抵抗を続けるも、“自分と対象の魔力を比べて強い方が弱い方を傀儡にできる”というアウラの「服従させる魔法」（アゼリューゼ）の前に少しずつ自軍の戦力を切り取られ、信頼していた息子までも失ってしまう。

それでも民のため、誇りのため、グラナト伯爵は大魔法使いフランメの残した結界を頼りに防戦を続けていたが、アウラ側から突如和睦の申し出を受ける。困惑しながらも使者を受け入れ、その話術に丸め込まれそうになるも、寸前で「結界の解除と領民の皆殺し」という魔族たちの真の狙いに気付く。
計画が露呈した魔族たちに襲い掛かられて深手を負うも、ちょうど街に来訪していた勇者ヒンメルの仲間でエルフの魔法使いフリーレンとその仲間たちに助けられたグラナト伯爵は、彼女たちと共にアウラの軍勢と交戦。これを打ち倒し、領地と領民を守り切った。

グラナト伯爵（葬送のフリーレン）のプロフィール・人物像

CV：咲野俊介

30年近くアウラの率いる軍勢と戦い続けてきた歴戦の騎士。兵士、領民、そして息子の命を奪ったアウラのことを恨み抜いており、彼女が送り込んできた和睦の使者も最初は斬り捨てるつもりでいた。
しかし「人を欺くためだけに言葉を操る」魔族の生態についてはそれほど詳しくなく、死者としてやってきたリュグナーの「あなたが息子を失ったように、私も父を失った。こんな悲劇は終わらせよう」という詐術を信じそうになっていた。

領地を守る最後の防壁たる結界の解除寸前にまで至っていたアウラたちを討伐してくれたフリーレン、その弟子のフェルン、彼女たちの仲間の戦士シュタルクにはとても感謝しており、特にアウラに操られていた息子の遺体を取り戻してくれたフリーレンには「この恩は決して忘れない」と直接伝えている。

グラナト伯爵（葬送のフリーレン）の来歴・活躍

断頭台のアウラとの戦い

グラナト伯爵家の当主となり、領地と領民を導く。グラナト伯爵領は物資の流通が多い豊かな街で、領主としての手腕も優れていたものと思われる。
しかし魔王を討伐した勇者ヒンメルが老衰によって大往生を遂げると、彼を恐れて活動を控えていた魔王軍残党の中でも屈指の実力者である断頭台のアウラ（だんとうだいのアウラ）がグラナト伯爵領に侵攻を開始。アウラはかつて魔王軍幹部「七崩賢」の一員だった大魔族で、“自分と対象の魔力を比べて強い方が弱い方を傀儡にできる”「服従させる魔法」（アゼリューゼ）という特殊な魔法の使い手だった。

グラナト伯爵は領地と領民を守るために果敢に戦うも、「服従させる魔法」によって少しずつ戦力を奪い取られ、少しずつ追い詰められていく。「服従させる魔法」は、強い意志を持つ者ならある程度までは抵抗することもできたが、アウラはこれを嫌って傀儡とした者の首をことごとく刎ねることを徹底していた。ついにはグラナト伯爵の息子までもがアウラの傀儡とされ、その首を落とされた上で死体を彼女の戦力とされてしまう。
多くの兵を失い、息子の亡骸を弄ばれながらも、グラナト伯爵は1000年前に生きたとされる大魔法使いフランメが残した結界を頼りに防戦を続けていく。アウラとの長き戦いが28年ほど続いた頃、彼女は突如として和睦を申し出る。熾烈な消耗戦を続けていたグラナト伯爵は、これ以上戦い続けることは難しいという事情もあり、半信半疑ながら和睦の使者を街の中に受け入れる。本心からアウラたちを信じたわけではなく、彼女の軍勢の中でも重要な戦力である力ある魔族を騙し討ちにして討ち取るのが彼の目的だった。

フリーレン一行の来訪

この時、ちょうどグラナト伯爵領にフリーレンという名のエルフの魔法使いが来訪していた。フリーレンは勇者ヒンメルと共に魔王を討伐した英雄の1人で、この時は弟子のフェルン、戦士のシュタルクと共に大陸の北の果てを目指す旅の途中だった。
和睦の使者として街にやってきた魔族のリュグナーたちを見るなり、フリーレンは問答無用でこれを殺そうとして衛兵に取り押さえられる。リュグナーたちを殺すにしても然るべき場所でと考えていたグラナト伯爵は慌てるが、歴戦の勘でフリーレンの持つすさまじい実力を感じ取り、彼女があっさり抵抗をやめたことに注目。「やろうと思えば衛兵を造作もなく殺せたはずなのに、このエルフはそうしなかった。“衛兵を殺す”ことがと゜れた゜けの罪になるのか理解しているのだ」と察する。

フリーレンは「魔族は人間の言葉を操りはするが、それは騙して食い殺すためのものでしかなく、相互理解など決してできない」と結論づけており、リュグナーたちをいきなり殺そうとしたのもこれが理由だった。実際にリュグナーたちは「和睦の使者を装って結界内部に侵入し、内部からこれを破壊する」ことを目的に行動しており、いきなり自分たちに牙を剥いたフリーレンに対して「良い判断だ」との認識を抱いていた。
リュグナーたちを館に招き入れたグラナト伯爵は、当初の予定通り彼らを殺そうと画策。この際「息子の仇討ち」を掲げるが、リュグナーから「あなた方との戦いで私も父を失った。こんな悲劇はもう終わりにしよう」と思いがけない言葉を告げられて戦意を喪失する。これはリュグナーの詐術でしかなかったが、「互いに大切なものを失ったのなら、自分だけが憎悪を理由に戦うのは筋が通らないのではないか」と考えたグラナト伯爵は和睦の受け入れを真剣に考え始める。一方、「自分たちの目論見に感づかれる前に始末してしまおう」と地下牢に入れられたフリーレンの下に向かったリュグナーの仲間の1人は、彼女にあっさりと返り討ちにされていた。

アウラの真意

自分を襲撃した魔族が衛兵を殺していたことに気付いたフリーレンは、「自分の仕業にされたら大変だ」と館を抜け出す。部下からフリーレンの脱走を伝えられたグラナト伯爵は、「あのエルフは衛兵殺しがどれだけの罪か理解している。恐らく犯人は彼女ではない。であれば、急に姿を消したリュグナーの仲間の魔族が怪しい」と結論。やはりアウラの目的は和睦ではなかったと判断して、リュグナーたちを始末しようとする。
先走った仲間がしくじったことを知ったリュグナーは、和睦の使者のふりをするのはここまでと館の中にいる兵を殺害。逆にグラナト伯爵を捕らえ、フランメの結界を解除する方法を吐かせるために彼を拷問にかける。

この頃、フリーレンはフェルンやシュタルクと合流し、アウラやリュグナーを相手にどう立ち回るか話し合っていた。フリーレンが街の外に向かう中、フェルンとシュタルクはリュグナーの館に潜入。ひたすら拷問に耐えていたグラナト伯爵を救出する。
リュグナーはこれを追撃するも、フェルンとシュタルクによって仲間諸共返り討ちにされる。街の中の危機が去ったことを理解したグラナト伯爵は、自身とフェルンたちの負傷を癒し、急いで戦力を掻き集めてフリーレンの援護に向かった。

グラナト伯爵領の解放

グラナト伯爵が駆け付けた時には、すでにフリーレンはアウラに勝利していた。フリーレンは普段から魔力の放出量を意図的に制限しており、これを見て「自分より魔力が弱い」と誤認したアウラに「服従させる魔法」を使わせ、逆に彼女を傀儡にして自害に追い込んだのだ。
30年近く戦い続けた宿敵の呆気ない最後にグラナト伯爵は驚き、同時に首を落とされてなおアウラに弄ばれていた息子や部下たちの遺体を回収できたことを喜ぶ。

グラナト伯爵はフリーレンたちに「望むままの報酬を取らせる」と伝え、魔導書集めを趣味にしている彼女は伯爵家に伝わる“フランメの偽の魔導書”だけを受け取って再び旅に出る。グラナト伯爵は街を去るフリーレンたちを自ら門まで出向いて見送り、領地と領民を救ってくれたことへの感謝を告げた。

グラナト伯爵（葬送のフリーレン）の関連人物・キャラクター

息子

グラナト伯爵の息子。勇猛な騎士であり、アウラとの戦いでも前線で戦い続けた。しかしその優れた力量からアウラに目を付けられ、「服従させる魔法」で傀儡とさせられてしまう。強固な意志の力でなお抵抗するも、これを疎ましく思ったアウラに首を斬り落とされて絶命した。
その後愛用していた剣だけがグラナト伯爵の下に届けられ、彼に深い嘆きとアウラたちへの憎悪を植え付ける。

アウラ

元魔王軍幹部「七崩賢」の一員。対象にした者と自分の魔力を比べて、強い方が弱い方を傀儡にする「服従させる魔法」の使い手。
食料としての人間を求めて28年間グラナト伯爵領を脅かし、無数の民と兵士を殺戮。息子を殺されたこともあり、グラナト伯爵にとっては決して許せない宿敵である。

断頭台のアウラ（葬送のフリーレン）とは【徹底解説・考察まとめ】 - RENOTE [リノート]

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断頭台のアウラとは、原作：山田鐘人、作画：アベツカサによる漫画『葬送のフリーレン』に登場するキャラクター。魔王軍幹部「七崩賢」に属していた高位魔族で、魔力の多寡によって相手を傀儡とする魔法を操る。魔王が勇者ヒンメルに討たれた後もアウラは生き残り、潜伏しながら活動を続けた。
ヒンメルの死後、アウラは部下を率いてグラナト伯爵領へと侵攻し、ヒンメルの仲間だったエルフの魔法使いフリーレンと交戦。最終的には相手の魔力量を見誤り、自分の魔法で自分が傀儡と化し、フリーレンに命じられて悔し涙と共に自害した。

リュグナー

アウラの配下の魔族。魔族の侵入を阻むフランメの結界を解除するため、偽りの和睦の使者として街の中に入り込む。
話術に長け、人間心理に長じ、グラナト伯爵が「息子の仇討ち」を理由に自分を殺そうとしていることに気付くや「自分もあなた方に父親を殺された」との嘘を咄嗟に語り始め、彼の戦意を奪った。

リュグナー（葬送のフリーレン）とは【徹底解説・考察まとめ】 - RENOTE [リノート]

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リュグナーとは、原作：山田鐘人、作画：アベツカサによる漫画『葬送のフリーレン』に登場するキャラクター。魔王軍最高幹部「七崩賢」の一員である断頭台のアウラに仕える3人の魔族の内の1人で、「首切り役人」と称されている。
「首切り役人」の中ではリーダー格で、経験、実力、アウラへの忠誠を高いレベルで兼ね備える。魔王討伐を果たした勇者一行の魔法使いフリーレンと過去に戦うも、手も足も出ずに逃げ出した。グラナト伯爵領攻略のため暗躍するが、フリーレンの弟子であるフェルンに敗北して死亡する。