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guruguruguru6のレビュー・評価・感想

女王の花 / Joou no Hana
1

涙なしでは読破できない

時は紀元前戦乱の世。悠久の大地を群雄割拠していた国々があった。互いに勢力を争う、亜国・土国・黄国・曾国。
亜国の正室の子として生まれた女の子である亜姫が主人公です。
亜国の王女・亜姫(あき)が、悲運な星のもとに生まれながらも逆境に立ち向かい、戦乱の世を強く生き抜くさまが描かれています。
主人公は祖国の姫でありながら冷遇され、病弱な母親の世話をしながら明るく生きる姫のもとに、ある時、金の髪と天の色を持つ奴隷の少年と出会い、
境遇の違いを越えて、強い絆で結ばれていく。
妾の土妃の戦略により、亜姫の病弱な母(亜国の正妃・黄妃)は毒殺され、亜姫は黄国に人質として送られる事に。
黄国では、妻を殺した国から帰還した姫を密偵者として扱い、結局、祖国からも逃げることになる。
奴隷の少年と二人、母国への帰国を夢見て、強くたくましく成長していくお話。
国を背負い、民を背負い、迷いながらも勇猛果敢に立ちふるまう亜姫と、そんな彼女を幼いころからそばで守り、一途に想い続ける奴隷の薄星。
ふたりの恋の結末に待ち受けるのは幸せなのか、それとも……。
そして、亜姫が願ったあるべき国家の姿とは?古代の国々を舞台に、ひとりの女の切なくも美しい物語が紡がれます。

英雄伝説 空の軌跡SC
5

RPGソフト感想

2006年に日本ファルコムよりWii用ソフトとして発売されたRPGで、同社の看板タイトルとなている「英雄伝説 軌跡シリーズ」の内「空の軌跡」シリーズの2作目にあたり、後にPSPやPS3用としてもリメイクされています。
主なあらすじは主人公エステルが敵組織「身食らう蛇」の陰謀を阻止するため姿を消した恋人・ヨシュアを追って旅立ち、エステル一行と結社との対決を中心に描かれていきます。
本作は前作「SC」の正当な続編で、クリアデータもSCのものを引き継げる形になっていて、その際クリア状況によってボーナスが貰えるのもその後の軌跡シリーズでお馴染みの手法の先駆けといえます。
直接的な続という事で大まかなシステムは前作とそのままですが、ミニゲームで釣りができたり、戦闘時にボイスが初めて追加されたりと、後のシリーズにも繋がる要素が複数追加されているのも特徴で、また、エステルとヨシュアの主人公以外の仲間やモブキャラに至るまで存在感ある台詞回しや音楽面など高い評価を得ているのもポイントです。
一方で、移動に関しては手間がかかり、終盤の展開ではいっそう感じられるイベントが存在するので、その辺り多少のダルさが否めないのも事実でした。
とはいえシリーズ通しての敵対勢力となる「結社」が本格的に絡むなど、世界観の広がりに繋がった作品にもなっています。

日食なつこ
8

魂で感じるメロディー!突き刺さる言葉の猛襲!

日食なつこは岩手県花巻市出身のピアノを弾き歌う、シンガーソングライターです。komakiというクラシック出身のドラマーと主に活動しています。12歳から作詞と作曲を始めました。その後音楽番組のイベントに19歳で参加し、高い評価を得てレコード会社と契約を結んでいない時点でiTunesヴォーカルチャートで1位となりました。曲のタイトルは「水流のロック」や「致死量の自由」「座礁人魚」といった独特な言い回しです。歌詞の世界観も、辞書から変わった言葉を見つけて詞に取り込むという手法を使っておりその言葉を日食なつこという人物の解釈によって、唯一無二の歌詞として昇華しています。2012年から2013年には多くのロックフェスに出演。精力的に活動しシングル、アルバムを出しては鮮烈な曲と共に全国各地をツアー、ラジオ出演をしています。タイアップ曲もあり福屋不動産、新日本製薬のコマーシャルソングや「岩手朝日テレビ高校野球テーマソング」を手掛け認知度も上昇中です。2019年には活動10周年をむかえ2ndフルアルバム「永久凍土」をリリースしました。これから耳にする人も、今までのファンたちにも荒々しく聴こえる激しいピアノの連打は魂を揺さぶることでしょう。

進撃の巨人 / Attack on Titan
10

絶望を希望に変える稀有な創作物

絶望を希望に変える漫画はそう多くはない。創作物によって人は感情をかき立てられることはあるが、その衝撃は一瞬のものだ。きっと明日には別のことに感情を消費している。
でも誰にでも自分のこころに「巣食う」ような作品が一つはある。こころに住み着いてしまって、離れないような作品が、どうしても忘れられない記憶のように誰にでもあるのだ。
そして、多くの人にとって「進撃の巨人」という漫画がまさにそれだと思っている。世界的にも名を馳せたこの漫画には熱狂的なファンが付いている。なぜここまで愛されているのか?それは、この物語が人の価値観が真逆に転じてしまう漫画だからだ。悪だと思っていたものが正義となり、絶望だと思っていたものが希望になる。登場人物たちはそれぞれの正義を信じていながら、迷っている。迷い、考え、自分の正義について命を燃やしている。そして読者も彼ら同様に迷い、今までの既存の価値観を揺れ動かされる。
フィクションの彼らは時に本当に生きている人間よりも、読者に深くコミットする。親よりも友達よりも深く、こころに入り込み人を揺れ動かす。この作品を見て幸せにはならないだろう。ハッピーな話ではないし、気持ち悪いと目を背ける人もいるはずだ。それでもこの作品から目が離せない読者が大勢いるのは、この作品の持つ圧倒的なパワーなのだろう。生きるということはパワーなのだ。読者はこの漫画を通して自分の生きてきた過去を見つめることになる。
正義とは何か?自由とは?強さとは?孤独とは?仲間とは?悪とは?愛とは?
そんな、学校では教えてくれなかったことが「進撃の巨人」には描かれている。

エスター / Orphan (2009 film)
9

最後まで続く、クセになる不気味さ

まず、この作品のポスターに描かれている女の子。綺麗な顔をした少女エスター。そんな彼女がある一家の養子になることから物語が始まる。彼女はこれまでも、養子に迎えてくれた家族を失ったりと、まだ少女ながらに辛い思いをしてきた。そんな彼女を迎えたのは、子供が欲しかったにも関わらず子供に恵まれなかった夫婦。物語の最初は、そんな家族と彼女が本当の家族になるまでの話。しかし、どうも少女の様子がおかしい。他人を蹴落としてまで自分のことを良く見せようとする姿、他人に対する無慈悲な行動。それは、これまで家族に恵まれなかった少女が身に着けた生きる術なのだ、最初はそう思っていた。しかし物語が進むにつれ、彼女の残虐性や異常性はより際立ち、周囲を混乱させる。彼女は、狡猾にターゲットを追い詰めてゆく。その手口はとても狡猾でとてもまだ幼い少女のものとは思えないものだった。物語のクライマックスに向けて、そんな不気味さがどんどん増してゆく。なぜ彼女はターゲットを追い詰めてゆくのか?なぜこんな小さな少女にこんなことができるのか?いくつもの疑問が湧いてくる展開。そして最後に明かされる衝撃の真実。その真実は、これまでの不気味さを全て解消してくれる絶対解。もう一度不気味さを味わいたくなる、クセになる作品。

夜ノヤッターマン / Yattarman Night
8

昭和アニメ、ヤッターマンの後の世界が舞台のスピンオフ

夜ノヤッターマンの主人公は9歳の少女レパード。
ヤッターマンが世界を統制している世界、母親からはヒーローであるヤッターマンの話を聞かされて育ち、困った人を助けてくれるというヤッターマンに憧れを抱いていました。
病気と母親をヤッターマンならきっと助けてくれる、という希望を胸にヤッターマンがいるというヤッター・キングダムに向かうと、ヤッターマンと思われる影から発砲を受け、命辛々逃げ帰ります。

これを受け「ドロンボー一味は義賊で、悪者はヤッターマンだったのでは」と考えたレパードは、共に暮らしていたメカ造りの天才ヴォルトカッツェ、力持ちなエレパントゥスと共に新生ドロンボー一味を結成。レパードはドロンジョ、ヴォルトカッツェはボヤッキー、エレパントゥはトンズラーを名乗り、打倒ヤッターマンの旅へ向かいます。

ヒーローであったはずのヤッターマンが世界を支配し、無抵抗のレパードたちに攻撃を仕掛ける巨悪と化していたという、スピンオフ元のヤッターマンへの反証のような夜ノヤッターマンは物語が進むと展開が大きく動きます。

旅の途中で同行することになったガリナ、アルエットと共にヤッター・キングダムで知った真相は、初代ヤッターマンに倒された後に復活しヤッターマンへ復讐を果たしたドクロベエがヤッターマンを名乗り、世界を支配していたという事実でした。

当初は気弱で戦闘能力のなかったガリナとアルエットも、レパードたちとの旅で成長し、最終決戦ではヤッターマンの服をまとい「新生ヤッターマン1号・2号」として、この時代のヤッターマンとなり、レパードらと共にドクロベエを討ち果たした。

ヒーローのヤッターマンが悪になっていたという驚きの設定から、やはり巨悪はドクロベエだ!という初代のファンも納得の伏線回収は気持ちの良いものがあります。
なお、最終ボスとして君臨したドクロベエの声優を担当した滝口順平さんは夜ノヤッターマン放送前にはすでに故人であり、代わりに担当したのは芸人のホリさんです。
ホリさんは、以前よりテレビでハイクオリティなドクロベエの物真似を見せており、アニメでもそれをいかんなく発揮し、「初代ヤッターマンと戦ったドクロベエ」であることを見事に演出してくれました。