エスター / Orphan (2009 film)

エスター / Orphan (2009 film)

『エスター』とは、2009年に公開されたアメリカのホラー映画である。監督はジャウメ・バレイロ、主演はヴェラ・ファーミガであり、彼女の夫役をピーター・サースガード、エスター役をイザベル・ファーマンが務めた。映画の大部分はカナダのトロント、モントリオールで撮影された。原題の『Orphen』は孤児という意味である。全世界で7,700万ドルの興行収入を得た。
物語は、エスターという名前の9歳の少女が、コールマン夫妻によって養子として迎えられたあと、奇怪な出来事が次々と起こり始める様子が描かれている。この映画は、ホラー要素が強調されており、エスターの正体やその秘密が明らかにされていく過程がサスペンスフルに描かれている。エスターの演技やキャラクターが注目された。映画は家庭内の恐怖や心理的な緊張を中心に展開され、観客に驚きや恐怖を提供する。
公開から13年後の2022年に、前日譚を描く続編『エスター ファースト・キル』が制作された。

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エスター / Orphan (2009 film)
9

最後まで続く、クセになる不気味さ

まず、この作品のポスターに描かれている女の子。綺麗な顔をした少女エスター。そんな彼女がある一家の養子になることから物語が始まる。彼女はこれまでも、養子に迎えてくれた家族を失ったりと、まだ少女ながらに辛い思いをしてきた。そんな彼女を迎えたのは、子供が欲しかったにも関わらず子供に恵まれなかった夫婦。物語の最初は、そんな家族と彼女が本当の家族になるまでの話。しかし、どうも少女の様子がおかしい。他人を蹴落としてまで自分のことを良く見せようとする姿、他人に対する無慈悲な行動。それは、これまで家族に恵まれなかった少女が身に着けた生きる術なのだ、最初はそう思っていた。しかし物語が進むにつれ、彼女の残虐性や異常性はより際立ち、周囲を混乱させる。彼女は、狡猾にターゲットを追い詰めてゆく。その手口はとても狡猾でとてもまだ幼い少女のものとは思えないものだった。物語のクライマックスに向けて、そんな不気味さがどんどん増してゆく。なぜ彼女はターゲットを追い詰めてゆくのか?なぜこんな小さな少女にこんなことができるのか?いくつもの疑問が湧いてくる展開。そして最後に明かされる衝撃の真実。その真実は、これまでの不気味さを全て解消してくれる絶対解。もう一度不気味さを味わいたくなる、クセになる作品。