薬屋のひとりごと

薬屋のひとりごと

『薬屋のひとりごと』は、日向夏による日本のオンライン小説、ライトノベル作品。コミカライズもされており、ビッグガンガン版(作画:ねこクラゲ、構成:七緒一綺)と「猫猫の後宮謎解き手帳」の副題がつくサンデーGX版(作画:倉田三ノ路)がある。なお2誌とも同じ原作の内容を描いている。物語は中国によく似た世界での話。元花街で働いていた猫猫(マオマオ)が後宮で働くことになる。そこで様々な事件に巻き込まれ(たまに自ら首を突っ込み)持っている薬の専門知識で事件を次々と解いていくファンタジーラブコメミステリー作品。

薬屋のひとりごとのレビュー・評価・感想 (2/2)

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薬屋のひとりごと
8

毒薬の知識も楽しめるコミック

『薬屋のひとりごと』はインターネット投稿サイト「小説家になろう」から始まった中華風ライトノベルだ。それを漫画化したものが今回オススメのコミックで、男女どちらでも楽しめるファンタジー&ミステリー作品となっている。
貧しくも賢く、前向きな少女(猫猫と書いてまおまお)が、薬と医学の知識を使って謎を解く。冒頭から人買いにさらわれたり、花街で薬師をしているという身の上話に驚く。いつの間にか事件に引き込まれて、イケメンとのラブコメディ展開にドキドキしてしまう。

※以下ネタバレ注意。
後宮や旅先で次から次へと事件が起こる。猫猫はその細かい現象を集めて分析する。彼女の推理能力に気づくのがイケメン宦官こと壬氏(じんし)。やがて協力して事件を解決するようになる。
他には、親と慕う医師、後宮に咲く妃たち、など面白いキャラクターがどんどん増えていく。
主人公の、犯人にさえ共感してしまう優しさにジーンとくる。複雑な過去を背負いながらも生きる人々。猫猫の賢さ、正直さが事件を解決に導いてゆく。壮大な展開ながらもクスッと笑えるエピソード満載で癒される。コミックならではの読みやすさに全巻ハマること間違いなしだ。

コミックは2種類あるので注意が必要だ。スクウェアエニックス版(ガンガンコミックス)は正統派でしっかり読みたい人向けで、原作ファンに大好評である。あらゆる世代向けとして小学館版(サンデーGXコミックス)があり、読者層が広がっている。
ファンタジーの世界でゆっくりしたい人は是非ご一読いただきたい。

薬屋のひとりごと
10

とても面白い

このマンガは花街で薬屋として暮らしていた「猫猫(マオマオ)」が人さらいに遭い、後宮へ売り飛ばされて、下働きをしながら後宮内で起こったミステリーや事件を解決するお話です。
主人公の猫猫は、毒と薬が大好きなちょっと変わった女の子で、浮世離れしているところがあります。しかし、いびりやいじめが横行する後宮でも、いざというときには情に厚く、さっぱりした男前なところが気持ちいい性格で、好感が持てます。
キーパーソンである美貌の宦官の壬氏とのやりとりがとても面白く、二人の今後の関係性の変化がとても気になると共に、楽しみでもあります。
複数いる後宮の妃も、それぞれ個性的で魅力的なキャラクターが多く、その他、猫猫の同僚や養父、実家の花街の妓女等、味のあるキャラクターばかりです。
もともとはライトノベルで、私はライトノベルも全て読みましたが、コミックはまた違った面白さがあります。
妃の美しさや衣装の数々、建物の豪奢さはもちろん、表情や動作など、よく考えられた緻密さがあって、それらはこのコミックでなければ楽しめない魅力だと思います。
シリアスな要素とギャグ要素がバランスよく散りばめられているため、読んでいて全く飽きません。
ミステリー好きの方にはぜひオススメしたい作品です。

薬屋のひとりごと
8

オススメ漫画「薬屋のひとりごと」

中国をイメージしたファンタジー世界です。王宮で働いている下女、猫猫(マオマオ)は、人攫いにあって王宮に売り飛ばされた経緯があります。花街で生まれ育った猫猫は、養父の元で薬師として働いてましたが、毒草などに異常な執着を見せるマッドサイエンティストのレベルです。文字は読め、薬学の知識もある猫猫ですが、目立たないように働いていました。しかし、ある妃の子供が不審死した事件をきっかけに猫猫の実力がばれてしまい、壬氏(ジンシ)の目をつけられることになります。そしてさまざまな王宮内の事件を解決していきます。本人は面倒ごとを避けたいのですが、壬氏からの依頼を断ることもできず、嫌々引き受けます。猫猫の腹黒い感じが非常に良いです。感情的にならずつねに冷静です。
また上級妃同士の争いは、自分の子供が次の皇帝になるかも、という将来がかかっているので必死で、足の引っ張り合いも当然のようにどろどろしているのですが、表面上はニコニコしているのが恐ろしいです。
猫猫の出生の秘密や壬氏の正体などは少しずつ明らかになっていきます。出てくるキャラクターも極悪人というほどの人物はそれほどおらず、根本はいい人ばかりで安心して読めます。基本的に「謎解き」がメインのマンガです。

薬屋のひとりごと
8

毒が好きな主人公を巻き込んだ王道ラブコメ

「次にくるマンガ大賞2019」でコミックス部門の大賞に選ばれた「薬屋のひとりごと」。同名の小説もありますが、月刊ビッグガンガンで連載されている漫画をオススメします。
物語は、主人公の猫猫(マオマオ)が、ひょんなことから毒味役として後宮で働くことになるところから始まります。
そして、宮中で起こる様々な事件や、妃に盛られた毒の謎などを解き明かすため、猫猫はこっそりと原因を探し、最終的に犯人を見つけ出すこともしばしばあります。これらのミステリ部分も十分楽しいし面白いです。しかし、この漫画の一番の魅力はラブコメ部分にあると思います。
女性のように美しい宦官(去勢している)、壬氏(ジンシ)は、自分の色目が全く通用しない猫猫に興味を持ち、度々ちょっかいを出します。その回数が増すごとに、壬氏は猫猫に惹かれていき、次第にぞっこんになっていきます。「わかりやすくヤキモチを妬く」「自分のかんざしを猫猫にプレゼントする」「不意に笑顔を見たことで真っ赤になって動揺する」「猫猫が出て行ったことで激しく落ち込む」などなど、、、とてもわかりやすいラブ表現が出てきます。それでも猫猫は壬氏の気持ちには気づきませんし、うざいくらいに感じています。
このもどかしさが、とても楽しくて「頑張れ!」と思う部分です。すこーーーしずつ、二人の距離が近づいている気がするので、いつ二人がくっつくのか、とても楽しみにしています。
実は壬氏は宦官ではなく、正真正銘の男で、、、という今後の展開にも期待です。

薬屋のひとりごと
8

宮中で働く変わった少女の物語

ネットで話題になったことがある「薬屋のひとりのごと」。
宮中でとあるお姫様の侍女となった薬屋の少女のお話です。
ある日外で用事を済ませていた時、運悪く人攫いに逢い、宮中で働かされることとなった猫猫(マオマオ)。
宮中で起きた姫の子供が亡くなってしまう事件が起きます。その原因に気づいた猫猫は、こっそり姫にそれを伝えます。その一件をキッカケに、猫猫の運命が変わります。
猫猫はもともと薬屋として働いていましたが、宮中での事件の原因を判明させたことにより姫に気に入られ、その姫の侍女として毒味役の仕事を与えられます。
いままで目立たずに任期を終えようとひっそり仕事をしていましたが、事件を機に隠していた好奇心、毒に対する興味が露わとなります。そして姫から与えられた毒味役、そして薬の調合をやるようになります。

私は二巻まで読んでの内容ですが、個人的に物語は大好きです。
中世の宮中が舞台となり、その時代が好きな方はもちろん、詳しくない方でも読みやすいと思います。
原作は小説で、コミカライズ版が2人の漫画家さんによって出ています。
私は「ねこくらげ」さんという方の漫画を読みました。
漫画は正直、絵柄の好みによるかもしれません。
ねこくらげさんのほうを先に読みましたが、もう1人の「倉田三ノ路」さんのほうも次回読んでみようと思っています。
猫猫、可愛いです。
薬の調合している時の楽しそうな様子、料理に毒が入っていた時の嬉しそうな顔、心から楽しんでいる姿は、怖いと思いつつ引き込まれるものがあります。
そのあたりの表情は、とても綺麗に描かれているので惹きこまれます。
漫画全体もとても綺麗に描かれているので絵が好き、という方にもおすすめです。