大奥(Ooku: The Inner Chambers)のネタバレ解説まとめ

「大奥(おおおく)」はよしながふみによる日本の少女漫画。2004年より隔月刊誌「MELODY」にて連載。男子のみがかかる謎の疫病「赤面疱瘡(あかづらほうそう)」によって男が女の1/4以下になった空想の江戸時代を江戸城・大奥を中心に描く。2010年、二宮和也主演で実写映画化、2012年には堺雅人主演でテレビドラマと続編映画2作が制作された。ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア賞他、多数受賞。

概要

男子のみがかかる謎の疫病「赤面疱瘡(あかづらほうそう)」により男子の人口が女子の4分の1に減少した日本で、男子の受け持っていた役割がすべて女子へと移行していく姿を江戸城・大奥を中心に描く。徳川の歴代将軍をはじめ、歴史上男性とされている人物が女性に、女性とされている人物が男性に置き換えられている。
掲載誌「MELODY」では「男女逆転!パラレル時代劇」、「これは日本の江戸時代とは似て非なる物語」といったキャッチコピーが掲載されており、歴史改変SF作品という位置づけ。

2005年、第5回センス・オブ・ジェンダー賞特別賞を受賞。翌2006年には第10回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞している。2009年、第13回手塚治虫文化賞マンガ大賞受賞。2010年、ジェンダーに対する理解を深める内容を讃えられ2009年度ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア賞を受賞。2010年、第56回(平成22年度)小学館漫画賞少女向け部門受賞。2012年、雑誌「ダ・ヴィンチ」におけるBook of the Year 2012女性誌コミックランキング部門で4位を記録。

世界観

東北のとある村の少年・定吉が熊に噛まれて瀕死の重傷を負って帰ってきた数日後、村では全身に発疹ができ、高熱にうなされ、皮膚が爛れる疫病が蔓延する。
定吉の男兄弟から始まったそれは隣村、東北、関東、関西と、数年のうちに日本全土に広まった。
男だけが感染するその疫病は「赤面疱瘡(あかづらほうそう)」と呼ばれ、根本的な治療法が見つからぬままごく一般的な病気として根付いてしまう。
男性の人口は女性の4分の1 で落ち着き、女たちが労働力のほとんどを担い、男はその生存率の低さから子種として宝のように育てられるようになった。
婚姻制度は崩壊し、貧しい女たちは花街で男に子種を付けてもらい、婿をとれることが裕福である証となった。
将軍職も例外でなく、唯一の天下人である女将軍の一番の贅沢は、男子の少ない世の中で美男3千人を集めたといわれる女人禁制の城・大奥の存在だった。

あらすじ・ストーリー(水野・吉宗編)

正徳6年、貧乏旗本の息子・水野裕之進は美男3千人が集う女人禁制の城「大奥」へ奉公に上がることを決意する。幼馴染のお信と身分違いで結ばれることのできない水野にとって大奥は誰とも結婚せずにいられる救いの場に思われた。水野は大奥で昇進し、さらに将軍になったばかりの徳川吉宗に見初められ、はじめての相手を務めることになる。
しかし大奥には「未婚の上様の最初の相手を務めた男は死罪になる」という決まりがあった。
水野は最期の頼みとして、褥で吉宗を女名の「お信」と呼ばせて欲しいと頼む。吉宗は、水野を公には死罪とし「町人・進吉」という名を与えて幼馴染との婚姻を勧める。

財政難に置かれた幕府の改革に取り組む吉宗は「家業を継ぐ女が男性名を名乗り、公式の場では男性の正装をする」という制度に疑問を抱き、大奥が作られた第3代将軍・徳川家光の頃から日記を書き続けている大奥御右筆・村瀬の元を訪ねる。

登場人物・キャラクター(水野・吉宗編)

水野祐之進(みずのゆうのしん)/進吉(しんきち)

江戸の貧乏な旗本の息子。19才。
武芸に秀で、眉目秀麗で心優しく、貧しい女たちに無償で種付をしていた。
幼馴染のお信に恋しているが身分違いで夫婦にはなれず、他に婿に行くのは嫌だからと大奥へ奉公に上がることを決める。
大奥では「水野」と呼ばれ、大奥総取締(おおおくそうとりしまり)である藤波の意図でお中臈(ちゅうろう)に昇進する。
将軍・徳川吉宗に見初められ、未婚の上様のはじめての相手となる「お内証の方(おないしょうのかた)」として死罪を申しつけられる。吉宗の計らいにより水野裕之進の名を捨て、町人・新吉としてお信に婿入り。後に江戸火消しとして活躍する。

徳川吉宗(とくがわよしむね)/信(のぶ)

第8代将軍。
紀州藩主・徳川光貞の3人目の娘として生まれた。出生名は信(のぶ)。
部屋住みから紀州藩主になり、将軍の座を争う立場にいた女たちが次々に亡くなったため将軍になる。
はっきりとした性格で、物事を述べるときもきっぱりとしており、人の心の機微に疎いところがある。
武芸の達人で質素を好み、将軍になってからも木綿の打掛を愛用したため、贅沢に慣れた江戸城の人々を驚かせた。
堅物に見えるが男性関係は意外と奔放。男を容姿で選ばず、大奥での仰々しい夜伽を嫌い大奥内に神出鬼没に現れ男達に手をつける。
実父が大奥へ来た際に紀州の男たちを連れてきたため、以来その紀州の男性を順繰りに相手にする。
3女に恵まれ、娘の父親は適当に決めた。
「中興の祖」と呼ばれさまざまな改革で幕府を安定させ、長女・家重に将軍職を譲って後も大御所として頼られ、力を奮う。
寛延4年6月20日、死亡。享年58歳。

加納久通(かのうひさみち)/おみつ

紀州時代から徳川吉宗を支えた幼馴染であり片腕。
おっとりとした容姿だが非常にキレ者で、吉宗のためとなると判断すれば非情な決断もする。
夫がおり、遊び人の吉宗に対し「私は1人で手一杯ですが」と発言している。
吉宗を将軍の座につけるため、尾張の徳川吉通(とくがわよしみち)、吉宗の姉にあたる徳川頼職(とくがわよりもと)、徳川綱教(とくがわつなのり)を殺害した。さらに第7 代将軍・徳川家継の後ろ盾で、尾州・徳川継友派であった月光院・間部顕房両名を追い落とすため、第6代将軍・徳川家宣の正室であった天英院と組んで月光院付御中臈(おちゅうろう)・江島を捕縛させ、拷問にかけて流浪の刑に追い込む。
江戸城へ出仕する最後の日に、自らの罪を吉宗に明かした。

お信(おのぶ)

水野の幼馴染み。
裕福な薬種問屋・田嶋屋の跡取り娘であったため貧乏旗本の息子である祐之進と結ばれることができず、裕之進が大奥奉公に上がって後はさまざまな仮病を使って結婚を断っていた。新吉として戻ってきた水野と結婚する。

杉下(すぎした)

御端下(おはした)。
水野と同室であり、水野がお内証の方に選ばれた際は憤りを顕にした。
第5代将軍・徳川綱吉のときから大奥に奉公している古参である。
大奥へ上がる前は結婚していたが、種がなく、離縁されている。
吉宗によって御中臈へと取り立てられ、吉宗の身の周りの世話をするようになり、後に大奥総取締となる。
また、吉宗の娘たちの父親が皆早くに亡くなったため父親代わりを務める。

柏木(かしわぎ)

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