ひよ恋(漫画・アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ひよ恋』は雪丸もえによる学園恋愛漫画であり、少女漫画雑誌『りぼん』で連載されていた。主人公の西山ひよりは人見知りで、中学生までは友達が幼馴染しかおらず、高校に上がっても登校初日は緊張していた。しかし隣の席の広瀬結心はひよりと反対の性格で、みんなの人気者である。ひよりは結心に勇気づけられることが多くなり、いつしか好きになっていた。臆病なひよりが変わろうとする成長も見られ、読者からは「応援したくなる」という声が寄せられた。最終巻では累計300万部を突破するほどの人気ぶりだ。

『ひよ恋』の概要

『ひよ恋』は雪丸もえによる、学園恋愛ストーリーを描いた少女漫画である。少女漫画雑誌『りぼん』に2019年から2014年の5年に渡って掲載されていた。単行本では14巻まで出版されており、累計300万部を突破している人気作品である。漫画だけではなく、2010年にはイベントである「夏ドキッ★りぼんっ子パーティー55」にてアニメ化して上映された。

主人公の西山ひより(にしやまひより)は、幼いころから極度の人見知りだった。そのため、中学生の時はほぼ友達がおらず、本音を語りあえるのは幼馴染の中津律花(なかつりつか、愛称はりっちゃん)しかいなかった。高校もりっちゃんと同じで、4月から一緒に通う予定だったが、ひよりは入学式の日に大きな交通事故に遭い、約1年間学校に行けなかった。完治して、やっと学校に行けるようになったのは12月からだった。すでに友達グループができていないか不安で、クラスに溶け込めるかどうか心配していた。初日から緊張して顔がこわばっていたが、隣の席になった広瀬結心(ひろせゆうしん)に「笑ってればいいことあるぞ」と言われて緊張がゆるんだ。結心はひよりと真反対でクラスの人気者で、ひよりにとっては遠い存在だった。しかし、何かとひよりのことを気にしてくれるようになり、ひよりは好きになっていた。人見知りだが、好きな結心に思いを届けようとするひたむきに努力するひよりの姿勢に多くの読者が共感する。

『ひよ恋』のあらすじ・ストーリー

ひよりの初恋

西山ひよりは人と話すことが苦手で、極度の人見知りだった。春から高校に入学する予定だったが、入学式の日に交通事故に遭ったため、3学期まで登校することができなかった。幼馴染の中野律花(なかのりつか)と同じクラスになって友達ができたことに安心する。ひよりは極度の人見知りだったが、隣の席になった広瀬結心(ひろせゆいしん)がひよりに積極的に話しかけ、ひよりも仲良くなることができた。ひよりは140cmの低身長だが、結心は190cm あることから、身長差が大きいことをクラスメイトに笑われるのだった。

結心は初日から幼馴染のりっちゃんと話すことしかせず、顔がこわばっていることに気付いていた。ひよりが古典の教科書を忘れて2人で1冊を見ていた時、結心はひよりを笑わせようとし、下手な落書きをノートの隅に描いてそれをひよりに見せる。ひよりは思わずわらってしまい、結心は「笑ってるといいことあるぞ」とひよりに話すのだった。ひよりもこの言葉に勇気づけられる。気付くと結心のことを好きになっていた。

ひよりが学校に慣れてきた頃、ある日教室で平井淳平(ひらいじゅんぺい)が「クリスマスの日、美少女と一緒に歩いている結心を見た!聖セリーヌ女学園の1年、富永妃(とみながきさき)と付き合ってるんだろ!?」とクラスメイトの前で公表する。結心は「小学校からのただの幼馴染なだけ」と否定した。その時に妃がどんな人物なのか、ひよりは気になる。

冬休みに入り、補講に通っていたひよりは補講に通うクラスメイトに、ファミレスで勉強を教えていた。その時に偶然妃と会う。ひよりは自分より背が高く、頭も良く綺麗な妃と自分を比べてしまった。ひよりは結心が妃を好きなのか、心配になる。妃は「私、勉強得意だよ?先生になってあげる!」と周りに話し、ひよりの教える役割を奪ってしまった。妃はひよりの結心への挙動な態度から、結心を好きであることに気付いていた。さらに、「そんなんじゃ結心は落とせないよ?」とひよりに強気な態度を取る。妃も結心を好きだと知ったひよりは、妃に勝てるのか不安になる。

新学期が始まると、初日から結心は遅刻した。ノラ猫を拾っていたため、どこに置いておこうか悩んでいたためだった。しかし行く当てがなく、最終的にひよりが飼うことになる。ひよりは結心と話すときに「ぷいぷい」を話題として話すことができるため、結心と少し仲良くなれることが嬉しかった。

2月になると、バレンタインデーが近づいてくる。ひよりは結心にチョコレートを渡そうと思い、りっちゃんと一緒にバレンタインデーチョコを作るのだった。当日は緊張して渡すのに時間がかかってしまったが、自分から渡すことができた。幼馴染のりっちゃんも、ひよりが自分から好きな人へチョコを渡せたことに、ひよりの成長を感じた。

ひよりのライバル

あっという間に1年生も終わり、クラス替えになると、ひよりは結心と同じクラスになる。しかし、りっちゃんとはクラスが離れて寂しく感じるのだった。ひよりが好きな夏輝が同じクラスになったため、ひよりは夏輝を頼りにする。

初めて同じクラスになった仁戸部コウ(にとべこう、愛称はコウ君)はひよりに度々嫌がらせをする。コウ君は身長が周りの男子と比べて低く、ひよりが入学してきた際に、コウ君はクラスで「140cmの西山さんとならお似合いじゃない?」とからかわれていた。そのため、直接嫌がらせをしていないひよりさえも恨むようになってしまった。コウ君はひよりを泣かせた時は謝って仲直りをする。コウ君はひよりを嫌いな気持ちよりも、ひよりが好きである気持ちが少しずつ芽生えていた。

コウ君とひよりは仲直りでき、一旦落ち着いたように思えた。コウ君に嫌われたとしても、好きな結心も同じクラスだったため、あまり気にすることはなかった。しかし、1年のアメリカ留学から帰国した松島礼奈(まつしまれいな)も結心を好きになる。結心に一目ぼれした礼奈は、積極的に結心に近づいていた。気弱なひよりに意地悪をすることもあった。礼奈は進んで結心にアプローチをするが、結心は礼奈を恋愛対象として見ることをしなかった。礼奈もアメリカに本命の彼氏がいたため、結心はひよりに譲るのだった。

結心から妃への告白の返事

ひよりは礼奈を気にすることがなくなったが、幼馴染の妃と結心が付き合っていないのか心配していた。
ある日の放課後、ひよりはりっちゃんと帰っていると結心が1人で帰っているのを見かけた。いつも1人で帰ることはなかったため、珍しいと思った2人はこっそりと結心をつけることにした。人混みが増えてきて結心を見失いかけた時、ひよりは近くを歩いていたコウ君にぶつかってしまう。迷惑をかけたお詫びに、ひよりとりっちゃんはコウ君に近くのファーストフード店でおごることにする。そこで偶然、妃と結心が会話をしているのを聞いてしまう。結心が「あの時の返事させて」と言った時にひよりは妃からの告白の返事だと思った。結心が「俺も妃のこと好きだよ」と言った時にひよりはその先を聞くことが怖くなり、立ってしまう。結心と妃に気付かれ、ひよりは内緒で聞いてしまったことを謝った。

次の日、ひよりは結心と会っても目を合わせづらかった。結心も避けられていることに気付いていた。結心はひよりと2人きりで話すために、移動教室を抜け出してひよりと話す機会を作った。結心は、ひよりが「広瀬君と妃ちゃんは付き合っている」と誤解しているだろうと思っていた。その誤解を解くために結心は、妃を好きなのは幼馴染として特別な存在であり、好きな感情を持っていることを伝えた。結心は「妃が俺に対して持っている『好き』は俺が妃に対して思っているのとたぶん絶対的に違う」ときっぱり答えた。また、結心が「ずっと近くに入れるもんだと思ってた。たぶんもう会うこともないと思うけど」と言ってその場を離れた意味が、ひよりにはまだ理解できなかった。

妃との別れ

結心から、結心にとって妃の存在はどんな存在なのか聞いたその日の帰りに、ひよりは偶然妃と会った。妃からファーストフード店で盗み聞きしてしまったことを謝ると、妃から「きっぱりフラれちゃった。だけど、これが結心と話す最後だった。私、もうすぐイギリスへ引っ越すの」と言われる。ひよりは結心の言っていた意味を理解した。

翌日、ひよりは結心に妃の見送りに行くのか聞いてみるが、結心は「引っ越しの日も飛行機の時間も、俺は妃から何も聞いてない。来てほしくない、ってことなんだろ」というだけだった。妃と結心は幼いころからずっと仲が良く、ひよりも大事な幼馴染のりっちゃんを持っていたため、幼馴染の大切さをよくわかっていた。ひよりは「大切な存在である妃と広瀬君が最後に会わないと、広瀬君は一生後悔するかもしれない」と心配していた。

ひよりは何とかして妃の引っ越しする日を知りたかったが、妃の連絡先を知らなかったため、妃の通う学校まで向かった。妃を知る人から「妃は昨日退学して、明日の飛行機で出発する、って聞いたけど」と聞く。ひよりは、結心と妃が最後に話してほしくて飛行機の時間を聞いて回って調べたが、誰も知らなかった。その日、先生へお別れの挨拶に来ていた妃はひよりが来ていることを噂で聞いたが、直接ひよりに会いに行くことはしなかった。

しかし、妃は翌日の登校前の時間に結心のメールに「ひよりちゃんへ」という宛名で飛行機の出発時間と空港を伝えた。ひよりは「まだ間に合うかもしれない」と結心を後押しすると、結心はひよりの手を引っ張って学校を抜け出し、急いで空港に向かう。

空港につくと、人ごみの中ですぐに妃を見つけることはできなかった。ひよりと結心は分かれて妃を探し始め、ひよりが妃を先に見つけた。ひよりは「広瀬君も呼んでくるね!」と呼びに行こうとすると、妃は「もういいの」と止めるのだった。妃が去ろうとした時にちょうど結心が妃を見つけ、妃に近づくと「飛行機の時間くらい前もって教えろよ!」と少し怒り気味に怒鳴るのだった。結心は妃との最後の別れを惜しんでハグをした。ひよりも妃とハグをし、最後の別れをするのだった。その時、妃は中学生の時に結心からもらった第2ボタンをひよりにプレゼントした。妃は「私には結心との思い出があるからいいの」と話し、ひよりへプレゼントする。その後、妃はイギリス行きの飛行機で日本を離れた。

結心に告白

ひよりは結心に告白するため、まずは勇気を出して夏休みの花火大会に誘う。結心もひよりに誘われると「いいよ」とOKを出した。当日、ひよりは「私、広瀬君がすきです」と告白する。しかし、ちょうどその時にクラスの同級生に会い、気まずくなった結心は返事をすることができなかった。翌日、ひよりは結心から返事を聞くことが怖かった。結心に話しかけられても逃げてばかりだったが、「俺も応えたい。俺と付き合って!」と、結心から返事をもらう。この日から、結心がひよりの彼氏になる。

秋がやってくると、文化祭の時期になる。クラスの文化祭実行委員をくじで決めると、ひよりとコウ君が選ばれてしまう。気弱な2人が実行委員に選ばれたことをクラスメイトは少し心配したが、仲良く協力しながら仕事をしていた。しかし、結心はひよりがコウ君と仲が良いことに少しやきもちを焼いていた。ひよりは、コウ君を友達として「好きだよ」と結心の目の前で口にしてしまう。ひよりは後から無神経な発言だったと反省するのだった。

ひよりは、少しやきもちを焼いていた結心に「無神経なことしてごめんなさい。今まで恋愛経験してこなかったから。でも、実行委員を頑張って、広瀬君の似合う人になりたかったの」と謝り、仲直りする。文化祭も無事成功したのだった。

コウ君は、文化祭の頃からひよりのことが好きだった。しかし、鈍感なひよりは気付かず、コウ君が好きであるように思わせるような無神経な態度を取ってきた。それを見ていたりっちゃんは、ひよりに少し苛立ちを感じ始める。りっちゃんはコウ君のことが好きだったからだ。しかし、それに気付かないひよりと話すことが苦しかった。修学旅行前にひよりと初めての喧嘩をする。ひよりは、りっちゃんにすぐに謝り、コウ君は好きでないことをしっかりと伝えて2人は仲直りをする。

お互いの夢へ

3年生になると、クラスは学力別に振り分けられた。成績優秀なひよりと、勉強が苦手な結心はクラスが別れてしまう。ひよりはコウ君と、結心の中学の時の同級生である折坂秋穂(おりさかあきほ)と同じクラスになる。

クラスも別れ、お互いに受験勉強に専念していた結心とひよりは、少しずつ気持ちにすれ違いが出てきていた。クラスは離れていたが、ひよりは結心の教室に向かう度に、結心が勉強で疲れ切っていることを知っていた。「結心の勉強の邪魔をしたくない」と思い込んでしまうようになる。

クリスマスデートに、ひよりは「センター試験が終わるまでメールもしないし、話しかけない!」と言ってしまい、冬休みが終わるまで連絡を取らずにいた。しかし、急に寂しさが押し寄せるのだった。新学期になると、周りもひよりと結心が一緒に帰るところを見かけないようになったため、「結心とひよりんが別れた」と思い込んでいた。しかし結心はひよりの夢である教師の道に、自分も進みたいと夢を持つようになっていた。受験直前、結心は「大学合格する!そんで教師になる!2人で一緒に夢叶えよう!」と、ひよりに打ち明ける。

結心とひよりは、無事同じ大学に合格し、教育実習で母校に向かう。恋人同士として、また教師として切磋琢磨しながら教師の道を歩み始める。

『ひよ恋』の登場人物・キャラクター

主要人物

西山ひより(にしやまひより)

CV:竹達彩奈
人見知りが激しく、自分から人に話しかけることが苦手。高校は幼馴染のりっちゃんと同じになる。高校の入学式の日に交通事故に遭った。その時に全身骨折し長期入院したため、12月にやっと登校できた。すでに仲良くなっているクラスにはいることに緊張を覚えていたが、クラスで1番の人気者である結心と話すことが増え、徐々にクラスメートとも打ち解けていく。ひよりのニックネームは、結心が「ひよりん」と呼んだことで周囲もそう呼ぶようになった。ひよりは人見知りであること以外に、身長が140㎝とかなり低いこともコンプレックスだった。気弱なひよりだが、結心と話すことで段々と人と話すことに前向きになり、そのきっかけを与えてくれた結心にも好意を寄せる。

広瀬結心(ひろせゆうしん)

CV:鈴村健一
明るい性格で、クラスの人気者である。スポーツも万能で、誰にでも平等に接するためクラスの男女から人気があった。ひよりも大事なクラスメートの一員としか見ていなかった。しかし、ひよりが人見知りを少しずつ克服しようと頑張っている姿をいつしか目で追うようになる。花火大会でひよりから告白されたことをきっかけに、ひよりと付き合い始める。ひよりが彼女になってからは、女子からもらうバレンタインデーのチョコレートは受け取らず、ひよりのことを大事に思っていた。家では「ラッキー」という大型犬を飼っている。

ひよりと結心の友達

greentea3580
greentea3580
@greentea3580

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