東京アンダーグラウンド(漫画・アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『東京アンダーグラウンド』は、1998年から2005年にかけて『月刊少年ガンガン』(スクウェア・エニックス)にて連載された有楽彰展による日本の漫画作品。略称は「TUG」。2002年にはテレビ東京系にて、テレビアニメ版が放送された。バラ色の学園生活を夢見る無敵のケンカ王と呼ばれた男子高校生、浅葱留美奈は家の裏庭で「アンダーグラウンド」と呼ばれる地下世界から逃げてきた少女ルリと、その護衛役のチェルシーと出会う。この出会いがきっかけとなり、浅葱留美奈の運命が大きく変わることになる。

通称「アンダーグラウンド」。東京の地下深くに存在する広大な世界であり、本作の主な舞台となる場所。数十年前に造られた箱庭と呼ばれる施設で、自然現象を操る能力の開発を行うため、世界各地から集められた子供達が被験者となっていた。やがて研究の集大成として、巨大な力を持つ「龍(ロン)」が誕生する。しかし龍は暴走してしまい、その力が手に負えないと知った生みの親である研究者達は、地下世界を封鎖して地上に逃亡した。現在は地下に残された人々が生き残るために独自の社会が築かれている。地上から地下世界へ続く通路は列車置き場にある廃線となった地下鉄の路線が使われており、公司によって厳重に管理されているため、一般人にはその存在すら知らされていない。線路の先にある入り口は巨大な壁によって封鎖され、壁を開かないと地下世界には入れないようになっている。

地下空洞(アンダーグローブ)

龍の暴走によって作られた巨大な空洞。いくつもの階層が突き破られており、地下世界の下に広がるもう一つの世界として扱われている。

スラム

地下世界の最下層に存在する街。公司に逆らって追放された人々によって作られた。公司の力が届かないため治安が悪く、環境も劣悪なため危険度が高いエリアとなっている。また、マスターと呼ばれる人物が電力を管理しており闇の支配者として君臨している。

公司(カンパニー)

地下世界を統治する治安機関。龍の暴走後、地上の研究者がいなくなった地下世界では一部の能力者が弱い者を虐げる混沌とした時代が続いていたが、この混乱を収めるべく華秦を筆頭にチェルシー、テイル、崇神、赤の5人が設立した。この5人は公司の創設メンバーと呼ばれており、華秦は公司のトップとなり他のメンバーもそれぞれ上位の役職に就いた。地下世界の第四階層に存在するかつて箱庭の研究者達が残した施設を本部に設置しており、その場所は一般人はおろか末端社員にも知らされていない。能力者を管理するために能力者部隊「師兵」を組織して地下世界の治安維持や発電所を管理して各村の電力の供給、浄水機関などの各種施設の管理・修繕、犯罪者の処分・更生など、地下の人間達の暮らしのために多岐にわたる活動を行っている。一方で裏では「能力者狩り」と呼ばれる人間狩りや虐殺行為、地上への報復のために仮死状態となった龍の復活を計画するなど、表には明かされていない行為を行っており、公司に対して不信感を抱く者も数多く存在している。

師兵(スーペイ)

地下世界の治安維持のために公司が組織した能力を持つ戦闘員。いずれも厳しい訓練を受けた能力者達で総勢100人ほどのメンバーで構成されている。戦闘力によって上からA級師兵、B級師兵、C級師兵の3階級に分かれており、実績によって昇格することもある。師兵の頂点に立つA級師兵は8人存在しており、3人の最高幹部に次ぐ権限を持っている。また、交通、宿泊施設が無料で利用でき、メイド付き特別個室が用意され、公司1階のハンバーガーが食べ放題になるなど、様々な特権が付いてくる。

陰兵(インペイ)

師兵に従って活動する一般戦闘員。師兵のように能力を持っていないため、プロテクターや武器を装備して戦闘を行う。

衛兵

公司の一般業務を担当する社員。警備、医療、広報、経理など、様々な業務が存在する。完全週休2日制。やむを得ない理由を除き希望退職は認められていない。

レジスタンス

公司への反乱分子を指す言葉。地下世界を統治する公司への支配体制に不満を抱く人間や、地上への復讐計画に反感を抱く人間によって組織が構成されている。公司によって肉親や知人を奪われた人間も数多く存在する。チェルシーがまだ公司に所属していた時代には、師兵だった煉照が公司を裏切ってレジスタンスと化し、ルリを誘拐する事件を起こしている。

龍の民(ロンのたみ)

地下空洞で封印された龍を監視し続ける人間達のこと。多くの人々が地下世界へ移住し、過疎化した地下空洞で生活を送っているためか、屈強な身体の持ち主が多い。

地下世界の研究物

能力

「炎」や「雷」、「重力」などの様々な属性の自然現象を司る力。能力を持つ人間を「能力者」と呼ぶ。地下世界に住む一部の人間が扱うことができるが、留美奈や白龍のように地上で能力を身につけた人間も存在する。"反魂の能力"を持つ少女・サラサや「龍」の研究課程で生み出された力で、全ての能力の属性はサラサが源となっている。

練氣銃(れんきじゅう)

地下世界の科学者達が研究開発した銃を発明家である翠が知識を駆使して改良した銃。能力を持たない人間でも「炎」や「氷」などの様々な属性の力が込められた弾丸を撃つことができる。作中では翠と銀之助の2人が使用している。銀之助が使用している練氣銃は、扱いやすくパワーが制御されたもので一発の弾丸で3回撃つことができる。

生命の巫女(いのちのみこ)

生命を蘇らせる"反魂の能力"を持つルリ・サラサを指す言葉。公司の象徴でもあり最重要人物として扱われている。また、生命の巫女には龍を復活・制御する力を与えられているため、公司と敵対しているレジスタンス側からは「悪魔の巫女」と呼ばれている。

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