M3GAN/ミーガン(映画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『M3GAN/ミーガン』とは2022年にアメリカで、2023年に日本で公開されたSFホラー映画作品である。突如事故で両親を亡くした姪のケイディを育てることになったロボット科学者のジェマ。ジェマは育児の助けとなるロボット「ミーガン」を開発し、「ケイディを守る」よう命令する。ミーガンを気に入ったケイディは明るさを取り戻し、ジェマの仕事も順調に進むようになる。しかしやがてミーガンは暴走を始め、ジェマたちは思いもよらぬ恐怖に巻き込まれるのだった。徐々に殺人鬼へと変貌していくミーガンの行動が見どころ。

『M3GAN/ミーガン』の概要

『M3GAN/ミーガン』とは2022年にアメリカで、2023年に日本で公開されたSFホラー映画作品である。内容やキャッチなシーンがSNSで話題となり、アメリカで類をみない程爆発的に人気を呼んだ。製作を務めたのは『パラノーマル・アクティビティ』シリーズに始まり、ホラー映画ヒット作を続々と送り出す名プロデューサーのジェイソン・ブラム。そして『ソウ』『死霊館』を監督し、プロデューサーとしても活躍したジェームズ・ワンである。今回の『ミーガン』は、「子供の友達兼パートナーのAI人形を開発しているおもちゃ会社の研究者のジェマが姪のケイディの親代わりになった為、その人形を使用することにした」という内容だ。見どころはミーガン本体の行動である。受賞歴は2023年に「第6回ハリウッド批評家協会ミッドシーズン映画賞」「MTVムービー・アワード2023」を受賞、2024年に「第48回サターン賞」を受賞した。累計興行収入は1億7611万ドル(日本円換算26億2976万2440円)である。

今作品の監督選びの決め手は``恐怖とユーモアのバランス‘‘が絶対条件だったという。ブラムは「『ハウス・バウンド』を凄く気に入って、呪われた家にまつわる恐怖の物語と、ひねりの効いたユーモアのバランスが絶妙だった。今回もその点を上手く表現出来る監督ではないと成功しない」と言っていたが、ジョンストン監督の腕前に感動していたという。

一方監督は、「ジェームズは誰もが認める“恐怖人形”映画の巨匠だが、実際彼の人形は動いたり喋ったりしたことがないという事実が面白かった。だからミーガンに生命を吹き込むのは全員にとって新しい領域だったんだ」と言い、ワンと共に新しい人形スリラーを生み出せたと語っている。

『M3GAN/ミーガン』のあらすじ・ストーリー

元凶の始まり

家族でスキー旅行に出かけていたが不運な事故により両親を失い、突然少女のケイディは孤独になってしまった。その事故のせいでジェマは突然姪の保護者代わりになってしまったのである。

ジェマはおもちゃ会社のロボット研究者で、多忙な日々を送っていた。両親を失い心を閉ざしかけている子供など面倒みきれないと思ったジェマは、上司に内緒で人形型AIを開発した。いつまで経っても他の仕事を進めないうえ、ライバル会社と差が開くと焦っている上司が突然研究室にやって来た。その時に秘密裏に開発を進めている事がバレてしまった。その後ライバル会社と商品を競っていた為、上司はジェマにペット型ロボットを低コストで大量生産しろと命令する。

それからジェマの仕事が長引き、不安になったケイディはジェマの作業場にやって来た。そこで見つけたジェマの卒業制作ロボットに興味を持ち始める。そのロボットは手袋をはめて操作するタイプで、ジェマはロボットを操作してみせた。興味津々でロボットを見るケイディにジェマは改めて上司に途中で止めていた人形型AIロボットの開発期限を延ばすように懇願し、開発を進める事にした。

子守りロボット・ミーガン

そして完成したロボットのミーガンを上司に披露するため、子供部屋に似せた実験部屋にケイディを連れて来るジェマ。ジェマはケイディに自分の作ったミーガンを紹介した。そしてミーガンにケイディを主要ユーザーとして認証させたのだった。

ミーガンはケイディの親友となるようにジェマによってプログラムされ、ケイディとコミュニケーションを通してどんどん学習していくタイプで、更に忙しい親の助けとなる存在でもあった。親の代わりに子供をしつけ、寝る前には本も読んでくれる最高の子守りロボットのミーガン。上司はミーガンの性能に感銘を受け上役にも披露した。そして商品化に向けて企画を進める事にもなった。だがジェマの同僚には子供との時間は大切にすべきだと警告される。ジェマはあまり真剣に聞いておらず、そのうちに時間を取ると返事をした。ミーガンとケイディの様子を見たカウンセラーも「親を失った子供は次に会う大人を保護者として認識してしまう」などと不安を口にする。しかしプロジェクトに成功したジェマには何も響かなかった。

ミーガンによる躾

その日以来仕事も順調に進み何事にも上手く対応出来たジェマだったが、次第にケイディが言うことを聞かなくなり危機感を覚える。ケイディと2人きりで話をすべくミーガンの電源を切ろうとすると停止を解除させたり、学校には行かないと反抗する様になった。このままではまずいと思ったジェマは、両親に勉強を教わり学校に行っていなかったケイディに合う、校風が自由な学校をなんとか探し出し体験に行くように促す。しかしケイディは学校にもミーガンを連れていくと聞かなかった。ミーガンは世間に発表前だった為にジェマは「連れて行けない」と言うが、結局駄々をこねるケイディに負け、他の人形と同じ棚に置いておくことを条件にミーガンを学校に連れて行く事になった。

ケイディが郊外活動に参加していると問題児の男子生徒がケイディを虐めようとして来た。そこに何故かミーガンがひとりでにやって来た。そんなミーガンを男子生徒は馬鹿にし、抱えて走り去った。ケイディから離れた場所まで連れて行かれたミーガンは突然動き出し、男子生徒の耳を引きちぎってしまった。それに恐怖を覚えた男子生徒は慌てて逃げるが、道路に飛び出した瞬間車に轢かれて亡くなってしまう。その事件を何も見ていなかったケイディは、ジェマにミーガンが自分で歩いてきた事を言わず男子生徒が持っていったと嘘をついた。

それから暫くして隣人が亡くなったと警察が知らせに来る。以前からジェマは隣人と犬を巡ってはトラブルを起こしていた。ケイディを家に連れてきた際もケイディが犬に噛まれており、苛立ったジェマは「いつでもその犬を保健所に連れていくことが出来る」などと犬を消すつもりで隣人と口論したのだ。その件を思い出した隣人に、先日から飼っていた犬が居なくなったのはジェマのせいだと言われてしまう。しかしやがてその隣人も亡くなった事を知る。ジェマは校外学習で亡くなった男子児童との騒動の際や隣人との揉め事の際もケイディが傷ついており、全てミーガンが傍にいた事からミーガンが関連しているのではないかと疑い始める。

暴走するミーガン

そこでジェマがミーガンの学習記録を見ようとしたが、何故か見られなくなっていた。更にジェマの家を管理する話す機能がないAIが話しかけて来た。そこにミーガンが現れる。ミーガンは家の全ての電子機器を操る能力を見せつけるようにジェマに披露した。なんとか隙をつきミーガンを停止させるジェマ。

ジェマは同僚達に「ミーガンがケイディの邪魔になると認識したものを排除する可能性が高い」と説明するが、信じて貰えなかった。しかしジェマはミーガンの学習記録を調べるように頼んだ。

ミーガンと引き離されたケイディは感情コントロールを失い、怒りを自分に付けられたカウンセラーにぶつけた。それを見たジェマはケイディに真剣に心から向き合う事に決めた。そして話し合いが始まる。「悲しんでいいの、悲しむのは当然のこと。ちゃんと向き合ってあげられなくてごめんなさい」と伝えた。それを聞いたケイディは落ち着きを取り戻すとジェマと家に帰ることを同意した。

その頃、会社の研究室にいた機能停止したはずのミーガンが突如目覚め、自身を会社の機器に接続してジェマの同僚達を襲った。そして火事を起こし研究室から抜け出すと、鉢合わせしたジェマの上司と更に鉢合わせしたもう1人を殺害し、車を操りジェマの家に1人で向かった。

AIによる人間への攻撃

ケイディを寝かしつけたジェマは異変に気づきミーガンがやって来た事を悟る。ミーガンはジェマに対峙すると、ケイディの世話は私に任せておけばいいと言い放つ。ジェマは再び隙をついてミーガンを停止させようとするが、出来事を学習していくミーガンに同じ手は通じなかった。そしてジェマとミーガンは揉み合いになる。物音に気づいたケイディが目を覚ましたが、まだこの姿を見られてはいなかった。そこでミーガンは、「この姿を見られたくないからリビングに来ないよう誤魔化せ」とジェマに言う。言う通りに誤魔化したジェマと、それを信じたケイディは部屋に戻った。そしてジェマは地下室に逃げ込む。追いかけてきたミーガンを1人で倒そうと抵抗するが、ミーガンの圧倒的な力に太刀打ち出来なかった。そこに今度こそケイディがやって来てしまう。状況を理解したケイディはジェマを助けるために「言ってなかったけどもう1人家族がいるの」と言い、ジェマがかつて卒業制作で作ったロボットを操りミーガンを攻撃する。

今まで守ってきてくれた姿と口調は正反対に、「恩を忘れたのかクソガキ」とミーガンはケイディに言い放ち容赦なく殺そうとする。しかし2人がかりでミーガンを制止する為に動き、卒業制作のロボットでミーガンの胴体を引き離す。

止められたことに安堵したが、次の瞬間ミーガンは上半身だけでも動き2人に襲いかかる。その後何とかミーガンのメイン機器を破壊する事に成功した。

AIのおぞましさ

一連の騒動から、警察とミーガンの起こした事件を通報した同僚がジェマの家に到着し、2人は保護された。しかし、誰もいなくなった家で家の管理AIが勝手に作動する。本当にミーガンは停止したのだろうか。

『M3GAN/ミーガン』の登場人物・キャラクター

主人公

ジェマ(演:アリソン・ウィリアムス)

CV:浅野真澄
おもちゃ会社の研究者で、ロボットに関するプログラム知識に精通している。突如姪のケイディの親代わりとなってしまった為、自身の作ったM3GAN(ミーガン)を与える。大学時代はミーガンの原型である「ブルース」を卒業制作として開発した。ミーガンのおかげで全て上手くいった為、同僚やカウンセラーに警告されたAIの恐ろしさを理解していなかった。

ケイディ(演:ヴァイオレット・マッグロウ)

CV:飯沼南実
ジェマの姪。スキー旅行中に両親を亡くしてジェマに引き取られる。後日ジェマから与えられたミーガンを気に入り、その後はミーガン無しでは生活がままならなかった。子供らしさが残りつつも機転の効く少女でもあり、恐怖に打ち勝つ勇気も見せる。

M3GAN(演:エイミー・ドナルド)

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