夏目友人帳の名言・名セリフ／名シーン・名場面まとめ

自分にできることを模索して焦っていた夏目に対して、名取は大人として、見える人間の先輩として「人間は無茶したって強くはならない。まずは自分を知ることだ」と諭した。

夏目は今まで周りに見える人間が居なかったが、名取と出会い見える人間が自分以外にも多くいることを知って自分にもできることはないかと気持ちが焦ってしまっていた。
見える人間の集会に妖が迷い込んだことで人を守らなくてはと気が急いて無茶をしてしまう夏目に、名取は無茶をしても強くなれないことを諭すのだった。
自分も見える故の孤独を知っているからこそ、集会に呼べば1人でないと感じられるのではないかと夏目を連れてきた名取だったが、夏目にとっては人も危険かもしれないと忠告する。
夏目が守りたいものの為に強くなりたいと思うきっかけとなった言葉である。

「夏目は強いんだよ。私はそういうのが嫌で、煩わしくて、とっくに捨ててしまったからうまく言ってやれないけれど、夏目は捨ててはいけないんだ。きついかもしれないけど、夏目にはきっと必要なんだ。必要なんだよ」

自分のせいで田沼を危険な目に合わせてしまったと慌てる夏目に対して、名取は「夏目は強いんだよ。私はそういうのが嫌で、煩わしくて、とっくに捨ててしまったからうまく言ってやれないけれど、夏目は捨ててはいけないんだ。きついかもしれないけど、夏目にはきっと必要なんだ。必要なんだよ」諭す。

夏目が妖によって瓶に封印されたせいで、それを何とかしようと田沼が妖ばかりの危険な場所に潜入することになった。
自分のせいで田沼が危険な目にあってしまったと、これからもこんなことがあったらどうしようと、夏目は今の優しい場所に自分は居なくなった方がいいのではないかと錯乱しかける。
しかしそれに対して名取は、自分はとっくに捨ててしまったけれど妖も人もどちらも大切にしている夏目は強いのだと、どちらも守ることは大変だけど夏目にとってそれは必要なことなのだと言葉をかけるのだった。
すでに大人である名取が過去に諦めて捨ててしまった大切なことを、夏目が拾い上げてくれているのだと感じさせる心に響く言葉である。

「いいんだよ。夏目はいつも気持ちをまっすぐ話してくれる。だから、その夏目が私には話せないと心のどこかで判断していることを心が決まる前に話す必要はないんだよ」

夏目が何かを隠していることを察しつつも、夏目の意思を尊重した名取は「いいんだよ。夏目はいつも気持ちをまっすぐ話してくれる。だから、その夏目が私には話せないと心のどこかで判断していることを心が決まる前に話す必要はないんだよ」と伝えた。

夏目の持つ祖母の遺品である友人帳は、祓い屋の間では禁忌の術として扱われていた。
そして欲深い人の多い祓い屋に友人帳の存在を知られることを恐れた夏目は、名取にもその存在を明かせずにいたが、ふとした拍子に妖との友人帳についての会話を名取に聞かれてしまう。
名取に明かすかどうか悩む夏目に対して、名取は隠し事を知りたいと思いつつも、夏目の意思を尊重すると優しい言葉をかけるのだった。

田沼要の名言・名セリフ／名シーン・名場面

夏目が藤原夫妻に言わない理由が分かってしまう田沼

田沼が直接「何故藤原夫妻に見えることを言わないのか」と問いかけた際に、「笑っていて欲しいから」と答えた夏目の真意に気づいてしまったシーン。

田沼は少し前に、夏目に対して「藤原夫妻に妖が見えることを言わない理由」を問いかけたことがある。
それに対して「笑っていて欲しいから」と答えた夏目の真意が当時は分からなかった田沼だったが、夏目が妖に食われる夢を見たことをきっかけにその意味を理解してしまう。
夏目が遅刻してきても、何も知らない他の友人たちは寝坊だと笑っていられるが、自分は妖関係かとひやりとする。それと同じように、ワンパクねと笑って服の土を払ってくれている藤原夫妻が、知ってしまえば服を汚すたびに青ざめるようになってしまう。
夏目にとっては今一番それが怖いのだと気付いてしまった田沼の、思慮深さと友人想いの一面を垣間見ることができる場面である。

「しっかりしろ夏目。つかなくていい嘘はつくな」

誰かに迷惑をかけないようにと、誤魔化すことに慣れてしまった夏目に対して田沼は「しっかりしろ夏目。つかなくていい嘘はつくな」と諭す。

夏目は友人たちと森を散策している際に、通りすがりの妖にちょっかいをかけられたせいで亡くなった両親の唯一の写真を落として見失ってしまった。
友人たちに「どうしたのか」と問われた夏目は、迷惑をかけないようにと咄嗟に「何でもない」と嘘をついてしまうが、そんな夏目を見た田沼は「今の顔見れば嘘付かれてるってのくらいわかるんだ！」と問い詰める。
過去の境遇から誰かに頼る方法が分からない夏目に対して、田沼はそれを分かったうえでつかなくてもいい嘘をつくなと優しく諭すのだった。

多軌透の名言・名セリフ／名シーン・名場面

「そう…じゃあ夏目くんの宝物なのね」

夏目が友人帳のことを厄介なものであると伝えても、祖母のたった一つの遺品であるなら「そう…じゃあ夏目くんの宝物なのね」と多軌は言葉を返した。

ニャンコ先生との会話に登場した友人帳について、夏目は多軌に「詳しくは語れないけれど厄介なものであり祖母の唯一の遺品だ」と伝える。
それに対して多軌は、屈託のない笑顔で友人帳のことを「夏目くんの宝物」だと評した。
夏目にとって祖母の思い出を良く言ってもらえたのは初めてであり、同じように祖父の遺品を苦悩しつつも大切にしていた多軌と意気投合したきかっけでもある。

祖父を大事に思ってくれていた妖と心を交わす多軌

見えないながらに妖を信じていた多軌の祖父を好いて家に集まっていた妖たちが、孫である多軌と心を交わす感動の場面。

多軌の家の蔵の整理をしていた際に誤って封印されていた妖を開放してしまった夏目たちは、多軌の祖父を好いて家に寄り付いていた妖たちの力を借りてなんとか追い出すことに成功する。
見えないながらも妖達に礼を言う多軌の姿に祖父の姿を重ねた妖達は、頑なに見せなかった姿を一瞬だけ表して別れの言葉を送るのだった。
多軌はその時にした花の匂いが、祖父が亡くなって泣いていた自分のそばにずっとあった匂いだと気付き、また夏目も垣間見た過去で妖達が多軌の祖父の名をとても大事そうな声で呼んでいたことを知るのだった。
見えない人と妖達の、寂しくも心暖まるエピソードである。

夏目レイコの名言・名セリフ／名シーン・名場面

「さぁ出ていきなさい。荒すことは許さない。ここは、私のお気に入りの子の家なのだから」