夏目友人帳の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

『夏目友人帳』とは、緑川ゆきにより2007年から『LaLa』で連載が開始された漫画作品。2008年からテレビ東京系列でアニメ放送が開始した。幼いころから妖を見ることができた高校生の夏目貴志が自称用心棒のニャンコ先生と共に、妖や人との出会いと別れを繰り返す和風ファンタジーである。時に叙情的に、時に人間ドラマ的に語られる物語では、人の心に残る優しい言葉や悲しい言葉が多く登場する。

村崎の名言・名セリフ/名シーン・名場面

心を通わせたせいで柴田を食べることができず、手を引かれながら礼を言い消えていった村崎

生き永らえるために人を食べようとしたが、心を通わしてしまったせいで食べられず、村崎は礼を言いながら笑顔で消えていった。

村崎は藤の木の精であり、木が枯れたことで自身の命が長くないことを悟っていた。
人を食べれば永らえるかと柴田をたぶらかしてみたが、彼と会って話すうちに心を通わしてしまい食べられなくなってしまうのだった。
夏目に連れられて訪れた柴田は、もう力尽きる寸前の村崎から「約束だったね。連れて行って柴田いつものように」と言われ、彼女の手を引いて歩きだす。
ついに力尽きた村崎は、その手を握った柴谷に「ありがとう」と伝え消えていき、柴田は静かに涙するのだった。

葵の名言・名セリフ/名シーン・名場面

「わかってないな香。だからいやなんだ。だから…」

置いて行かれるのは自分であり後で泣くことになるのは自分の方だと分かっているからこそ、葵は「わかってないな香。だからいやなんだ。だから…」と言葉を零す。

特定の妖のみを見ることができる人間の香は、幼い頃から妖である葵とともに過ごしてきた。
しかし香が自分に好意をもっていることを知った葵は「妖に恋をしているのは不毛だから」と香の前から姿を消してしまった。
そうして数年の時が流れるも香は葵のことを諦めることはできずにおり、結婚するという嘘の手紙で葵を呼び出して再会することに成功するのだった。
再会した香に葵は、生きる時間が違う人と妖であるが故に、想いを諦めようと「後でもっと泣くことになる」と伝える。
しかし香は「そんなことはない」と返し、そんな香に葵は、きっと泣くことになるのは置いて行かれる自分の方なのだと分かっていながらも覚悟を決めるのだった。

ナナマキの名言・名セリフ/名シーン・名場面

「もう帰れぬなら旅でもしよう。二人でめぐれば、きっと美しき地も見つかる。もう帰れぬなら、ともに帰る場所を探しにいこう」

祓い屋に封印されたことで穢れてしまい、それが原因でアズマは石洗いでなくなったため故郷に帰ることもできなくなった。そんなアズマにナナマキは、「もう帰れぬなら旅でもしよう。二人でめぐれば、きっと美しき地も見つかる。もう帰れぬなら、ともに帰る場所を探しにいこう」と声をかけた。

石や岩、時には山などは、不浄なものを取り込んで浄化するものがある。
石洗いとは、そういったものが浄化を仕切れずに不浄の物になってしまった時に清めて元に戻すことができる存在だ。
元々は桃源郷のような美しい世界に住む石洗いたちは、修行が済むとこちらの世界にきて各地を浄化してまわるという。
そんな石洗いであるナナマキは、弟子のアズマが旅立ってから連絡が取れなくなったことを心配し、アズマを探すのを手伝って欲しいと夏目に依頼する。
夏目の尽力でアズマを見つけることはできたが、アズマは祓い屋に一度封印されてしまったことで穢れに触れてしまい石洗いではなくなってしまっていた。
石洗いでなくなったせいで郷へ帰ることもできなくなり、せっかく自分を育ててくれたナナマキにも申し訳ないと謝るアズマに、ナナマキは「ともに旅をしよう」と優しく言葉をかけるのだった。

日下部3姉妹の名言・名セリフ/名シーン・名場面

「手紙が減った理由はあなたと同じようなもの。力の入らなくなっていく字では、あなたへ出せなかっただけよ。出せなかった手紙がたくさんあるだけよ」

亡くなった友人への手紙にもっと思いを書くべきだったと後悔する依島に、友人の家に住み着く3姉妹の妖は「手紙が減った理由はあなたと同じようなもの。力の入らなくなっていく字では、あなたへ出せなかっただけよ。出せなかった手紙がたくさんあるだけよ」と伝える。

元祓い屋の依島は、妖の影響で友人の元へ訪れることができなくなってしまった。
その内に病に伏せた友人は亡くなってしまい、借りたままだった本に「たまには会いに来てくれ」というメモが挟まっているのに気づいて彼の家を訪ねることにした。
家には友人の手紙に書いてあった娘たちがいたが、実はその正体は日下部が家に住まわせた3姉妹の妖であった。
日下部に逢いに来なかった依島に腹を立てていた3姉妹だが、依島の姿を見て「会いに来られなかったのね」と察するのだった。
「せめて手紙にはもっと自分の心を書くべきだった」と「書けずにいたから手紙も減った」のだと後悔する依島の言葉に、「日下部の手紙が減ったのは依島と同じ理由だ」と3姉妹は慰めの言葉をかける。
「力の入らない字で手紙を出せば依島に心配をかけてしまう」のだと、日下部も依島と同じように相手を思って手紙が減ってしまっていたのだ。

深蔓の名言・名セリフ/名シーン・名場面

「私を祓いにきてくださったのが、あなたでよかった」

名取と出会い彼を欲しいと思ってしまった深蔓が、人から多くを奪ってきた過去のせいで祓われるのを静かに受け入れ、「私を祓いにきてくださったのが、あなたでよかった」と名取に笑いかける。

その昔は幻術を使って人を迷わしその身を食らっていた妖である深蔓は、彼女を祓うために山の夜道を探していた名取に心を奪われ、せめて名を知りたいと眺め続けていた。
そしてある日、聞こえないだろうと思いつつ深蔓が声をかけたことで、名取が彼女を祓いに来た祓い屋であると知る。
深蔓と名乗った彼女に、名取は生まれることのなかった従姉妹の過去を思い出して心を揺らしてしまい、そんな名取を見た深蔓は「あの眼差しを私のものにすると決めた」のだと言う。
名取に幻術をかけて少しの日々を過ごした深蔓は、名取を救いに来た夏目に「私はね、もう、あの人しか欲しくないの」と言葉を残して自ら名取に祓われに行くのだった。

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