ハチワレ（ちいかわ）とは【徹底解説・考察まとめ】

CV：杉田智和
灰色の鎧さん。ハンドメイド作家として、制作した「くまのポシェット」や「パジャマ」を販売している。ハチワレの持っている青いパジャマもこの鎧さんの手によるもの。可愛いものが好きで、お弁当の中身も自作のキャラ弁。回が増すごとにちいかわ達と関係が深くなっていく。しかしこれは偉い鎧さんに「仲良くしすぎだ」と注意されている場面もあるため、ちいかわ族と鎧さんの間にはある程度の距離が必要な関係であることが推察されている。

労働の鎧さん

CV：東地宏樹
作中最初に登場した鎧さん。銅色の甲冑。主に仕事の斡旋所で受付窓口を担当している。全員分の仕事はないらしく、「早いモン勝ちッ」と述べている。
ぶっきらぼうにも見えるが面倒見は良い。「たまにくる怖いやつ」に遭遇すると擬態型か友好型か品定めする。
ハチワレの要点のズレた話にも根気よく付き合うが、ハチワレが要旨でないところで完結してしまうため、労働の鎧さんも重要な点が何であったか理解しきれていない。具体的には「三ツ星レストランに擬態型と思われる怪物がいた」というものだったが、ハチワレからは「食べられそうになったけど三ツ星と逃げてオムライスを食べた」と報告を受けたため、全く要旨を理解できていなかった。

ハチワレの名言・名セリフ／名シーン・名場面

「なんとかなれッ」

「たまいくる怖いやつ」などに襲われ窮地に陥ったハチワレが、状況を打破するために発奮する際のセリフ。
このセリフはいくつかのシーンで使われ、「なんとかなれッ」「なんとかなれーッ」などのバリエーションがある。運命に身を任せる投げやり的なセリフのようでもあるが、実際にはこれによって「なんとかなる」場合が多く、読者の間では「魔法の言葉」のようにも捉えられている。
作中では「なんとかバニア」編で人形に変えられてしまったハチワレが、魔女めがけてペットボトルの蓋を転がした際に「なんとかなれッ」と言った。その他、「パジャマパーティーズ」編でも、オリジナルメンバーを襲っていた鳥型の怪物に攻撃する際「なんとかなれーッ」と叫びながら、デッキブラシで攻撃した。

「心がふたつある～」

「杖」編にて、怪物に変貌してしまったハチワレが元凶である杖に対して「折ったほうが良いかも」と理解しつつも、「折らないで欲しい」という相反する感情を抱えた際に言ったセリフ。
上述のとおり「杖」編で、呪われた杖を使ったことにより、うさぎやハチワレは異形の怪物になってしまう。この2人の変化に原因が杖であると突き止めたちいかわは、杖を折ろうとする。それに対し、原因が杖であると理解しながらもハチワレは折らないで欲しいという感情もかかえ、「心がふたつある～」というセリフとともに地団駄を踏んでいた。
このセリフは作品の人気から、相反する感情を抱えた際に同様のセリフで困惑を顕わにする事例の元ネタとなり、各所で多用された。
またこのセリフは、『ちいかわ』の世界観において「たまにくる怖いやつ＝ちいかわ族がなんらかの事情で怪物化した姿」であり、「徐々に理性や感情を怪物化とともに支配されてしまう」といったことを示唆しているのではないか、とファンの間で考察されるセリフの1つとなった。

「同じ気持ちじゃないとき…どうしたらいいんだろ…」

草むしり検定を一緒に受験したものの、自分だけが合格してしまったハチワレが悲しみの中にこぼした独白。
もともと草むしり検定は、ちいかわが報酬アップのため1人率先して勉強していた。そんなちいかわとともに受験しようと密かに発奮したハチワレが、後から追いつく形で勉強を始めた。受験当日、ハチワレが勉強していた事実を知らなかったちいかわは、ハチワレの行動に心慰められたことは間違いなかった。
結果はハチワレだけが合格し、ちいかわは不合格という残酷なものとなる。合格した自分が無理に励ましたり慰めたりすることは逆効果でないかと躊躇したハチワレは、ちいかわにかける言葉を失ってしまう。そのままちいかわと別れたハチワレはその夜、せっかく手にした合格証を見ても喜べず、「同じ気持ちじゃないとき…どうしたらいいんだろ…」と独り言ちた。
現実社会においても、このように同じ目標に向かって競い合うように努力していたとしても、一方が結果をだし、一方がそれを逃すということは有り得ることである。そして、気落ちしている相手の受け止め方によっては、結果を得た側が何を言っても落ち込みを深めるばかりになってしまう。こういった結果だけに囚われ、それまでの人間関係に亀裂を生じさせることも少なくない。このハチワレのセリフは、そういった経験に覚えのある読者の胸を打つものとなった。

ハチワレの裏話・トリビア・小ネタ／エピソード・逸話

チャルメラのコラボ漫画とコラボ商品「チャリメラ」

『ちいかわ』やハチワレの人気により、2021年にはコラボ漫画が2本発表された。この時発表された漫画の内容としては、「チャルメラまぜそば にんにく醤油味」の食レポと、『ちいかわ』に登場する酒飲みキャラクターの栗まんじゅうによるアレンジレシピであった。
さらに2022年2月、インスタントラーメン「チャルメラ」の本家である明星が『ちいかわ』とコラボレーションし、しょうゆラーメンを「チャリメラ」のパッケージで販売した。さらに、この時「チャルメラ宮崎辛麺」も名称はそのままに、ちいかわキャラクター達のパッケージで販売された。
この商品は『ちいかわ』作品の人気により飛ぶように売れ、発売とともに売り切れてしまった店舗もあったという。

ハチワレの正体は猫ではない

2022年12月開催の「ナガノ展」では、作者のナガノによる「ハチワレはねこではないので、たまねぎやチョコも食べています」と説明が書かれたボードが展示された。これにより、ハチワレは「寒くなると毛量が増える（冬毛になる）」「時期によって毛の模様が変わる」「唐突に毛玉を吐く」「くさいものを嗅ぐとフレーメン反応をする」「時々舌をしまいわすれる」など猫によく似た生態を見せつつも、猫そのものではないことが明かされた。事実、ハチワレは香箱座りのようなポーズをとるスフィンクスを本で見た際には、自身の生態を棚に上げて「まるで猫」と言わんばかりに笑いを堪えきれていなかった。このことからも、ハチワレは自身（とスフィンクス）を猫とは思っていないことが明らかである。

時折変化が見られるハチワレの毛並み

ハチワレは猫によく似た生態があり、上述のとおり「寒くなると毛量が増える」特徴がある。しかしそれ以外にも、生え変わりの時期になると度々毛並みに変化が見られ、それゆえ見た目が変わってしまうことがある。
本編では前髪に相当する部分の毛並みが並行になる「ぱっつん前髪」や、はちわれ部分が消失した「スポーツ刈り」などの髪型も披露された。
なおこのスポーツ刈りについてはファンのあいだでも「スポワレ」と呼ばれ、このデザインのハチワレマスコットが販売された。