夜廻(ゲーム)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『夜廻』とは、日本一ソフトウェアから発売された夜道探索アクションゲームシリーズの1作目。本作の好評を受けて『深夜廻』、『夜廻三』と続編が制作されている。PlayStation Vita、Nintendo Switchなど様々なプラットフォームでリリースされている。
幼い少女が姉と愛犬を探して、夜の町を歩き回るというストーリーだ。キャッチコピーは「夜の怖さをおぼえていますか?」。
「電撃PSアワード 2015」インディーズ部門で第1位を獲得し、PHP研究所から小説版も発売されている人気作だ。

『夜廻』の概要

『夜廻』とは、日本一ソフトウェアから発売された夜道探索アクションゲームシリーズの1作目。本作の好評を受けて『深夜廻』、『夜廻三』と続編が制作されている。PlayStation Vita、Nintendo Switch、Steamなど様々なプラットフォームでリリースされている。
幼い少女が姉と愛犬を探して、夜の町を歩き回るというストーリーだ。キャッチコピーは「夜の怖さをおぼえていますか?」。かわいいテイストのビジュアルと、ダークで物悲しい結末が大きな反響を呼んだ。
『週刊ファミ通』のクロスレビューでは、40点満点で29点を獲得した。出荷本数は4.8万本を超えている。「電撃PSアワード 2015」インディーズ部門で第1位を獲得し、PHP研究所から小説版も発売されている人気作だ。

『夜廻』のあらすじ・ストーリー

いなくなったポロとおねえちゃん

チュートリアル直後の主人公。ポロがいなくなり、道路には血の痕がある。

ある日の夕方、主人公の女の子はいつものように愛犬ポロの散歩に出かけた。いつもは行かない、山沿いの道の先にあるトンネルを見に行ったが、怖かったので中に入ることはしなかった。帰り道、主人公が何気なくひろった小石を道路に向かって投げると、ポロが反射的に飛び出してしまい、そこに小型のトラックが猛スピードで走ってきた。主人公が目を開けると、リードの先がちぎれていて、ポロの姿はどこにもない。血の痕がガードレールの向こうへ消えていた。
起きたことが受け止められない主人公はちぎれたリードを引きずったまま、家に帰った。家にいたおねえちゃんに「ポロは?」と尋ねられたが、まだ幼い主人公はうまく答えることができず、おねえちゃんは日が暮れようとしている町にポロを探しに出かけていった。
日が暮れて時間が経っても、おねえちゃんは帰らない。しびれを切らした主人公はおねえちゃんを探しに行くことにした。真っ暗で得体の知れないものが徘徊する夜の町に怯えながらも、主人公はおねえちゃんを発見する。するとおねえちゃんは主人公を茂みの影にしゃがませて、目を閉じているように言った。主人公は言われたとおりに目を閉じていたが、なかなかおねえちゃんから「開けていいよ」と言われないので顔を上げてみると、おねえちゃんはおらず、おねえちゃんの懐中電灯だけが落ちていた。主人公が家に帰ってみると、おねえちゃんは帰っていない。ポロだけでなく、おねえちゃんまでいなくなってしまったのだ。
主人公はポロとおねえちゃんを探すため、ひとりで恐ろしい夜の町を歩き回ることになる。

ポロの死

ポロの亡骸を見つけた主人公。

主人公は怖いおばけが徘徊する夜の町を歩き回り、ポロとおねえちゃんを探しつづける。小学校でポロを見つけたと思ったらそれは凶暴な人面犬で、なぜかおねえちゃんの靴を持っていた。主人公は機転をきかせて靴を取り返したが、おねえちゃんの手がかりはない。田んぼでは自分の遺体を見つけてほしがっている女性のおばけに襲われた。主人公はとても怖い思いをしたが、彼女の悲しみや無念に触れ、見つけた遺体に花を供えた。
町を歩いていた主人公は、白い犬の影を目撃した。間違いなくポロだった。ポロは主人公が呼びかけても立ち止まらず、どこかへ一目散に走っていく。主人公はポロの後を追って林に入っていった。たくさんのおばけがうろついている木々の間を抜け、古い寺に入って墓地を彷徨い、廃線になった線路を超えた先の空き地で、主人公はようやくポロを発見する。ポロはぴくりともせずに横たわり、冷たくなっていた。主人公はポロを揺すり、「帰ろう」と呼びかけるが、ポロは目覚めなかった。大好きな愛犬の死に直面した主人公は涙を流し、簡単なお墓を作る。
主人公がもと来た道を帰ろうとすると、線路の上で異変が起きた。猛スピードで電車が突っ込んできたのだ。線路の周囲は狭く、逃げられる場所はない。思わず目をつむった主人公だったが、目を開けると電車はどこにもなく、怪我もしていなかった。線路の上には、ちぎれてしまったポロの首輪が落ちていた。主人公は「ごめんね、ポロ」と涙を流し、首輪をひろって帰っていった。

よまわりさん

工場から出られない主人公(右)と、主人公をさらったよまわりさん(左)。

主人公が取り壊し予定の商店街を歩いていると、人間の手に目がついた姿をしたおばけが各所にある盛り塩を崩しているところに遭遇する。盛り塩が崩されると周囲に大きな口のついた凶暴なおばけが出現し、主人公を襲ってくる。
商店街の中にある公衆電話がとつぜん鳴り出した。主人公が受話器を取ると周囲の様子が一変し、全長がどれだけあるのかもわからない巨大なムカデが出現する。主人公がムカデから逃げていると、商店街近くの神社に辿り着いた。その境内からムカデが顔を出したかと思うと姿を消し、主人公はいつのまにか塩を持たされている。ムカデが「盛り塩を直せ」と言っているのかも、と考えた主人公はおばけを避けながら商店街を回り、盛り塩を作り直していった。すべての盛り塩を直すと大きな口のおばけは消え、主人公はムカデからおばけを足止めできる塩をもらった。ムカデは神社の神様だったのだ。
主人公が町を歩いていると、大きな袋を持った黒いおばけが襲い掛かってくる。目を覚ました主人公は、町はずれの廃工場のコンテナの中にいた。工場のゲートには鍵がかかっていたため、主人公は鍵を探して工場を彷徨うことになる。
町には昔から「よまわりさん」というおばけの噂があり、「夜にひとりで歩いている子どもをさらう」と言われていた。よまわりさんはコンテナから出た主人公を見ると体が裏返り、ピンク色の肉でできたおばけになって主人公に襲い掛かる。主人公がよまわりさんから逃げながら工場内を探索していると、おねえちゃんが持っていたムカデ神社のお守りを見つける。おねえちゃんはよまわりさんに攫われて、この工場にいたのだ。
主人公はゲートの鍵を見つけ出してよまわりさんから逃げ切り、工場を脱出する。おねえちゃんを迎えに行くため、主人公は山へ向かうことになる。ポロが死んだ道路の先にある、トンネルの向こうにおねえちゃんはいるのだ。

夜の怖さ

ようやく見つけたおねえちゃん(左)を抱えて帰ろうとする主人公(右)。左側の視界に徐々に血がにじんでいく。

主人公がトンネルに入ると、人間の手に目がついたおばけが現れる。商店街で見たものと同じ姿だったが、ずっと大きい。手のおばけが主人公に襲い掛かろうとすると、肉の姿になったよまわりさんが現れて、手のおばけに飛び掛かった。轟音をたててぶつかりあう2つのおばけの脇をすり抜けて、主人公はトンネルの先へ向かった。
トンネルを抜けた先は雑草が伸び放題になった雑木林だった。道なき道を進んでいくと、山を登る長い参道が現れる。手のおばけに襲われながら主人公が階段を上っていくと、古い古い神社があった。町の人に忘れ去られ、朽ちかけた神社だ。そこに、おねえちゃんが倒れている。
主人公が駆け寄ろうとすると、巨大なおばけが現れた。たくさんの人体が絡み合って顔を形成しており、手のおばけを従えている。主人公は祠に明かりをともして巨大なおばけを退け、おねえちゃんに縋りついた。主人公が何度も揺すると、おねえちゃんは意識を取り戻した。
主人公はおねえちゃんに肩を貸して山を下りた。トンネルを抜けたとき、主人公を違和感が襲う。左側の視界が徐々に霞んでいったかと思うと、左の眼球がはじけ飛んで血を噴いた。主人公は崩れ落ちて意識を失う。
夢の中で、主人公はポロと一緒にトンネルの前にいた。あたりは霧がかかっている。主人公がトンネルに入ろうとすると、ポロが吠えた。主人公はポロに促され、トンネルに背を向けて立ち去った。主人公を見送ったポロは、トンネルの向こうへと駆けていった。

後日、主人公はおねえちゃんとふたりでポロのお墓参りに出かけた。花を供える主人公の左目は、白い眼帯で覆われている。

『夜廻』のゲームシステム

アクション

歩く・走る

通常のスティック操作で主人公が歩く。Rボタンを押したままスティック操作で走ることができるが、スタミナがなくなると走れなくなる。

スタミナ

移動中の主人公。画面下部にある白いバーがスタミナだ。

主人公にはスタミナが存在する。走ると消費され、なくなると走れなくなる。
おばけに追われている状況で走ると急速にスタミナを消費する。

ひろう

オブジェクトに対してAボタン(〇ボタン)でひろうことができる。10円玉などの消費アイテム、コレクションアイテムはひろって取得する。

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@shuichi

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