なまいきざかり。(漫画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『なまいきざかり。』とは2013年より『花とゆめ』で連載開始した、ミユキ蜜蜂による高校が舞台のラブコメ漫画。バスケ部マネージャーの由希(ゆき)は、キャプテンの木戸(きど)に失恋し、部室で泣いているところを、後輩の翔(しょう)に目撃されてしまう。由紀の涙をきっかけに、クールな彼女の普段とのギャップに惹かれ、猛アプローチを開始する翔。強引な翔に振り回されるうちに、次第に由紀にも恋愛感情が芽生えてくる。学生時代の甘酸っぱい記憶を思い出させる、バスケを題材にした青春胸キュンストーリーである。

『なまいきざかり。』の概要

『なまいきざかり。』とは2013年より『花とゆめ』で連載開始した、ミユキ蜜蜂による高校が舞台のラブコメ漫画。
バスケ部マネージャーの由希(ゆき)は、キャプテンの木戸(きど)に片想いをしていたが、ある時木戸には彼女がいることを知ってしまう。失恋し部室でこっそり泣いているところを、後輩の翔(しょう)に目撃され、弱みを握られる由紀。一方で翔は、普段クールな由紀の弱さに触れたことをきっかけに、そのギャップに惹かれ由紀に猛アプローチを開始する。真面目で堅物な由紀だが、強引な翔に振り回されるうちに、次第に彼女の中にも恋愛感情が芽生えてくるのであった。
本作は、2018年度「白泉社電子書籍大賞」最優秀賞を受賞し、2021年度でも優秀賞を受賞している。2022年7月には、累計発行部数は600万部を突破。本作の完結を記念し、ファッションブランド「DHOLIC」とのコラボが決定し、作中に登場するコーデ全7種が実際に販売されるなど、漫画にとどまらずファッション業界にも影響を与えた。学生時代の甘酸っぱい記憶を思い出させるシーンが魅力の、バスケを題材にした青春胸キュンストーリーである。

『なまいきざかり。』のあらすじ・ストーリー

出会い篇

主人公、町田由紀(まちだゆき)は隆北(りゅうほく)高校に通う2年生で、男子バスケ部のマネージャーを務める。真面目でクールな彼女は、いつでもマネージャーの仕事をテキパキとこなすことから、バスケ部のメンバーからは「姐さん」と呼ばれていた。そんな由紀だが、実は3年生のキャプテン、木戸(きど)に長らく片想いしている。想いを伝えるつもりはなかったものの、メンバー同士の会話で木戸に彼女ができたことを知った由紀。予期せぬタイミングでの失恋に、こっそりと部室で涙を流してしていたところを、バスケ部の後輩の成瀬翔(なるせしょう)に見られてしまう。木戸への想いを翔に気付かれた由紀は、バラされないようにと慌てる。一方の翔は、普段クールな由紀の涙を見て、彼女に興味を持ち始めるのであった。
そんな中、バスケ部は3年生の引退試合を迎える。負けたら木戸たちは引退という1戦で、隆北高校が劣勢のまま試合は進む。誰もが諦めかける中、木戸が引退すると由紀が悲しむと思った翔だけは最後まで走り続けるのであった。そんな翔の姿に感化された由紀は、翔がボールを手にした場面で「そのボールとられたら尻ひっぱたくよ」と喝を入れる。結局試合には負けてしまったものの、由紀のこの喝は翔の気持ちを動かし、彼女への恋心を自覚するのであった。

両想い篇

引退試合以降、翔は由紀へのアプローチを始める。初めは冗談かと思っていた由紀だが、「悪ふざけとか 勝手に決めんな 簡単に触ってるとかドキドキしてないとかわかってねーくせに勝手に決めんな」という翔のまっすぐな告白に、翔の気持ちが本物であることを知る。翔に振り回されてらしくない自分に戸惑う由紀は、初めこそ自分の気持ちを否定していたものの、翔に惹かれているのを自覚するのであった。
バレンタインの日、素直になれない由紀は翔にチョコを渡すことができない。しかし、当日風邪を引いて翔が休んでいることを知った由紀は、翔の家にチョコではなく薬を持って訪問するのであった。そんな由紀の可愛らしい行動に、思わず翔はキスしてしまう。一方の由紀も、自身の彼への気持ちを自覚してしまい、拒否することはできないのであった。
その後も付き合ってはいないものの、バレンタインのお礼にとデートをしたり、隙をみては翔が由紀にキスをしたりと、変わらず翔のアプローチは続く。そんな中、バスケ部の強豪校である三寿々(みすず)高校との試合が決まる。三寿々高校には、翔の幼馴染でライバルでもある袴田静(はかまだしずか)がいた。昔から何かとライバル意識を持っていた静と翔。高校に入って初めての対戦で、翔たちは完敗してしまう。このことに悔しさを感じた翔は、チームメイトに隠れて1人自主練習を繰り返す。そんな翔の姿を見た由紀は、ますます彼への恋心が強くなることを自覚するのであった。
一方で、敵校ながら由紀のまっすぐかつ迫力のある応援を見た静は、由紀のことが気になり始める。静はその気持ちが恋だとは気付いていないが、幼馴染の翔は静が由紀を気にしている事に気づき、ライバル視するのであった。
明らかに両想いの由紀と翔だが、真面目な性格故に翔と付き合うことに自信が持てない由紀。変わらず翔からのキスやスキンシップは受け入れるものの、なかなか2人の関係に進展がないまま、夏を迎える。バスケ部の夏の合宿で、トラブルで由紀が水に溺れそうになっているのを真っ先に助けてくれた翔。いつも自分を助けてくれる翔に、由紀の気持ちは膨らむものの、バスケで忙しい彼の邪魔になりたくないと思う。そのため、「ちゃんと付き合うのは私の引退まで待ってほしいの」とお願いするのであった。
しかしそんな中、翔が同級生の女子にキスをされているのを目撃してしまった由紀。ショックを受けた由紀だが、翔のことを取られたくないという気持ちを自覚し、翔のことが好きだと改めて素直に告げる。こうして無事に2人は付き合うことになるのであった。

引退と受験篇

由紀と翔の交際が順調に進む中、バスケ部はウィンターカップを迎える。負けたら由紀たち3年生が引退するという大事な試合に、翔も気合いが入る。1回戦から強豪校とあたるも、まだまだ先輩たちとバスケがしたい翔の頑張りもあり、無事に勝利を収めるのであった。
2回戦目は静がエースを務める三寿々高校との対戦。前半戦は大差をつけられて、部員たちは諦めモードになる。しかし翔は由紀に気合いを入れてもらいながら、最後まで諦めない。翔の頑張りもあり後半戦で追い上げる隆北高校。ギリギリまで勝敗がわからない試合をするも、最後は静の3Pで敗北してしまうのであった。
こうして、由紀たち3年生の引退が決まり、次期キャプテンには翔が選ばれる。キャプテンらしく、引退する由紀に感謝の言葉を伝えた翔。「バスケ部で由紀に出会えてよかった」と、素直な気持ちを伝えるのであった。
その後は由紀は受験勉強、翔は修学旅行やバスケで忙しくなり、すれ違いの日が続く。しかしそんな中でも、受験勉強の息抜きにと翔が由紀をデートに誘ったり、昼休みはお弁当を一緒に食べたりと、2人の時間を育んでいく。
そしていよいよ受験当日、生憎の天気で、受験会場に辿り着けないトラブルに巻き込まれた由紀。そこにたまたま居合わせた静のおかげで、由紀は無事に受験でき、志望校への合格を勝ち取る。静が由紀を助けたことを後日知り嫉妬する翔だったが、由紀の高校卒業の日にお互いのことが好きだと再度伝え合い、仲直りするのであった。

大学篇

央崎(おうさき)大学に入学し1人暮らしをする由紀は、コンビニでアルバイトを始める。バイト先には、同じ大学の先輩であり、バスケ部に所属する諏訪匠望(すわたくみ)がいた。同じ大学ということもあり、仲良くなる由紀と匠望。さらに、アパートのお隣さんで同じ大学の同級生である宇佐見風香(うさみふうか)とも仲良くなり、順調な大学生活を送る。しかし、これまでと違い翔の近くで彼のバスケをする姿を応援できないことに、寂しさを感じていた。一方の翔も匠望の存在に嫉妬してしまう。
そんな中迎えた関東大会で、再び静が率いる三寿々高校と対戦することになるも、残念ながら負けてしまう翔たち。落ち込む翔を見た由紀は、自分ができることをしようと、「疲れたらいつでも来ていいよ」と、由紀の1人暮らしのアパートに招く。こうして2人はすれ違いつつも、仲を深めていくのであった。

静の想い篇

大学のバスケ部のマネージャーをすることになった由紀。ある日、洗濯をしに体育館から出ると、物陰に隠れる静を発見する。央崎大学のコーチに練習を見に来るように誘われてきていたのだ。どことなく元気がない静を励ます由紀。そんな由紀に対し、静は恋心が募るのを自覚するのであった。
時は流れ4月、翔と静は由紀と同じ大学に入学する。バスケ部に入部し、より一層ライバル関係が強まる静と翔。推薦の静とは違い一般で入学した翔は、自身のバスケの実力の足りなさに苛立ちを隠せない。そんな中、由紀が匠望に告白されるなどの出来事が重なり、すれ違う2人。匠望に告白されたことを知り拗ねる翔だったが、由紀が真っ直ぐに翔への気持ちを伝えたことによって仲直りする。もちろん由紀は、匠望からの告白は断るのであった。
由紀へ告白したことにより、匠望の想いは吹っ切れた一方で、静は由紀のことを諦められないでいた。バスケ部での春の練習合宿の際、静がビールをかぶってしまうトラブルが発生する。汚れた服を洗うために別室にて由紀と2人になった静は、由希の肩に付くキスマークに気が付き嫉妬してしまう。勢いに任せて、由希を壁際に追い込んで、キスをするのであった。
その後の由紀の様子から、何かあったと察する翔。由希が正直にキスされたことを話すと、翔は静を探しに行き、もみ合いになる。後日、静はケジメをつけるために謝罪と共に、由紀に告白する。しかし、翔のことが好きだとはっきりと振られるのであった。
その後もすぐには由紀のことを諦められない静だったが、翔と由紀の一途な恋を間近で見る中で、自身の気持ちに終止符を打つ。こうして静の初恋は幕を閉じる。

留学篇

大学バスケリーグ戦が開幕し、翔と静の爆発的な活躍もあり、央崎大学は2部昇格を決める。翔は、上手くなっていく自分に高揚しもっとバスケがしたいと思っていた。そんな翔に対し、遠くに行ってしまうようでどこか心から応援できない自分に戸惑う由紀。幸せな時間が失われてしまうのではと不安を吐露する由紀に対して、時計をプレゼントし「自分とずっと一緒だと思ってほしい」と翔は言うのであった。
そんな中、翔に1年間のアメリカバスケ留学の話が舞い込む。更なる高みを目指しアメリカへ旅立つことを決めた翔を、由紀も応援することに決める。自身も就活を頑張りながら、遠距離恋愛をすることになるのであった。
そして時は流れ、帰国した翔のプロ初試合の舞台。チームには静の姿もあった。かつてライバル関係であった静と翔は、抜群のチームワークを見せ、チームを勝利に導く。試合終了後、翔は客席にいた由希に小さな箱をぶん投げ、「結婚して」と伝えるのであった。

『なまいきざかり。』の登場人物・キャラクター

主要人物

町田由希(まちだゆき)

バスケ部の敏腕マネージャー。クールな性格で、いつも淡々とマネージャーの仕事をこなすことから、部員からは「姐さん」と呼ばれている。大家族の長女ということもあり、面倒見が良く責任感が強い。
バスケ部のキャプテンである木戸に片想いをするも、告白することなく失恋してしまう。失恋に涙していたところを翔に見られたことをきっかけに、彼から興味を持たれ好意を寄せられる。困っている時や悲しい時に由紀のそばに寄り添ってくれる彼に、次第に心を奪われていく。

成瀬翔(なるせしょう)

バスケ部のエースで、由紀の1年後輩にあたる。高校時代はバスケ部のキャプテンをしていた。先輩にもタメ口を使う生意気なところもあるが、基本男女問わず人気のある愛されキャラである。長身の美男子でスポーツ万能ということもあり、女性にモテる。
由紀への恋心を自覚して以降、周りの目を憚らず積極的にアプローチする。普段はポーカーフェイスな翔だが、由希に対しては甘えん坊。見た目のチャラさとは真逆の一途さを発揮し、由希のことを真っ直ぐに想っている。

隆北高校バスケ部

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