いいよね!米澤先生(地獄のミサワ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『いいよね!米澤先生』とは、地獄のミサワによって描かれたギャグ漫画。2014年から2017年に、集英社の『ジャンプスクエア』にて掲載された。新任教師である米澤は、不良生徒を体罰によって更生して恩師となる夢を持っていた。しかし漫画部の顧問となり、真面目ながらも癖のある部員達をプロの漫画家にすべく奮闘することとなる。地獄のミサワが初めて描いたストーリー性のある作品である。

殴り飛ばされる道本(左)と殴り飛ばす米澤(右)

小野にカツアゲしている道本を、米澤が殴り飛ばした時に呟いた一言。漫画部の顧問になった米澤は、真面目で大人しい生徒を前に指導の仕方で悩む。井上からは「先生の解決方法って体罰しかないんですか」と言われ、米澤はショックを受ける。翌日、小野が道本にカツアゲされているところに遭遇した米澤は、ため息をついて「体罰なら楽なのになー」と道本を殴り飛ばした。米澤の教師ならざる本音が露呈した一言。

米澤「ブス嘘ー!!」

シンドウがついた大嘘に気付いた米澤が、怒りに震えながら放った言葉。ジャンプの新人漫画賞にシンドウアオイが準入選し、米澤は歓喜していた。しかし、米澤は本物のシンドウアオイが青井真道であり、部員のシンドウは漫画を描いてすらいないことを知る。たまたまペンネームが同じだけだったのだ。シンドウは皆が勘違いしているのをいいことに、青井の功績を自分のものとして調子に乗っていた。更に、シンドウが中学時代に少女向け雑誌に作品が掲載されたと話していたのも、青井の功績であった。全てを知った米澤は「ブス嘘ー!!」と叫んで、シンドウを叩きのめしに向かった。米澤がシンドウの数々の嘘に気付き激怒した名言であり、シンドウがひどい大噓つきであることが分かる名シーンでもある。

井上「見つけた」

小野に渡したGPSを仕込んだ御守りを元に、後輩たちの作業所を探し当てた時の一言。校長との約束で、米澤は手塚賞を獲れなかったら教師を辞めると約束する。しかしどんなに描いても絵が上達しない米澤を救うため、部員達で米澤の名で漫画を投稿することを決める。しかし、部活引退の時期と重なり、井上だけ参加できなかった。井上は手塚賞の受賞を願って、小野に御守りを渡す。それにはGPSが仕組まれており、皆の漫画制作場所を突き止めた井上は「見つけた」と静かに呟いた。その後、期日に間に合わないかもしれないという時に、井上は偶然を装い皆の前に現れた。否が応でも漫画制作に加わりたかった井上のストーカー行為が発覚した一言。

落ちたと思っていた手塚賞に佳作で入選して喜ぶ部員達

米澤のため、漫画部全員で1つの作品を作り上げて手塚賞に応募する。部長の調べでは、過去の手塚賞では審査会の3日後には受賞の連絡を受けている可能性が高いと分かる。しかし、審査会があったのは5日前だった。落選したのだと落ち込んでいたその時、小野のスマホが鳴っていることに気づく。小野は二言三言話して電話を切り、「佳作だそうです」と皆に伝える。部員全員が歓喜し、喜びを分かち合った。米澤の為に、漫画部が初めて一致団結して目標を成し遂げた感動のシーン。

道本正治「あ?嫌だよ、遠いしめんどくせえ」

小野から一緒に登下校しよう、と言われたことに対する道本の返答。いつも道本と一緒にいる小野は、腐女子である湯川から邪な視線を向けられることを気にしていた。いつも小野といて楽しいという気持ちを伝える道本に、小野は「いつもやめてほしいかな…」と心に無い言葉を返す。道本はショックを受ける。小野の言葉を聞いたクラスの学級委員長らは割って入り、「君は自覚なく小野くんをいじめてるんだ!」と責め立てる。それを聞いた小野は全力で否定し、自分の素直な気持ちを言えるようにしようと決心する。そして「道本くん、明日からは一緒に登下校しよう」と誘った。しかし道本は「あ?嫌だよ、遠いしめんどくせえ」とあっさり断った。自分に素直な道本の性格がよく分かる、歯に衣着せぬ強烈な名言。

『いいよね!米澤先生』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

『いいよね!米澤先生』の完結記念に贈られた久保帯人からのお祝いイラスト

本作が完結した作者の地獄のミサワは、『BLEACH』の作者である友人の久保帯人からお祝いイラストをもらった。久保が漫画部の5人をそれぞれ色紙に描く様子が、ニコ生にて配信された。同じ構図で描かれたミサワの絵を見た編集担当の林士平は、ミサワの方が真似しているようだと述べている。ミサワの色紙は読者プレゼントとなり、久保の色紙はミサワの家宝となった。

『いいよね!米澤先生』のストーリーを考えたのは妻の松原真琴

本作のストーリーの大部分は、作者地獄のミサワの妻で小説家の松原真琴が考えている。ミサワがキャラに言わせたい台詞を松原に伝え、彼女がうまく繋いでストーリーを構成していた。ジャンプSQ.のインタビュー記事にてミサワは、「『人の力を借りる』という極意に気付いた」と述べている。

漫画部の部長井上は実在の友人がモデル

シンドウの自宅マップを見せる井上(右)と怯える米澤(左)

グーグルストーカーである漫画部の部長井上は、作者地獄のミサワの友人がモデルである。友人は気になる女の子の家を聞けず、待ち合わせ場所や終電時間から当たりを付けて調べていたという。ミサワの考えるキャラクターは、友達やTVに出ている人物をモデルにすることが多い。本作ではミサワの好きなキャラクター達を登場させており、ジャンプSQ.のインタビュー記事にてミサワは「嘘つきな人間が凄く好きなんですよ」と述べている。

番外編で発覚する米澤の情報

番外編では、謎のベールに包まれていた米澤の情報が明かされている。普段、友達のいない漫画部の生徒をバカにしている米澤だが、部員達からの問いかけで友人はおろか恋人もいたことが無いことが発覚する。部長から米澤の子供時代を聞かれた時は、小5の夏休み明けから大人の米澤と同じ背格好になっていることも発覚した。また、かっこつけている割に美味くない店を探すことが趣味だということも明かされている。

miya3838d9
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@miya3838d9

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