蜂の巣(峰倉かずや)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『蜂の巣』とは『最遊記』の作者である峰倉かずやによるヒューマンドラマ漫画である。2003年発売の『月刊コミックZERO-SUM増刊WORD Vol.2』~2005年発売の同紙『Vol.7』まで掲載された。舞台は大震災を切っ掛けに治安悪化した日本。死体から臓器を抜き売買する「臓器荒らし」が横行する中、それを防ぐために保健所から葬迎員、通称「葬儀屋」と呼ばれる職員が遺体を回収していた。主人公の山崎祐介と相棒の陣内馨の葬儀屋として日常を描いている。独特な死生観で展開されるドラマに胸打たれる作品である。

漆原(うるしばら)

CV:三宅健太

恩田の側近の男性。サングラスに黒いスーツが特徴。口数は少なく表情もほとんど変わらない寡黙な性格。恩田に唯一進言ができる人物であり、一定の信頼を得ている。元ヤクザであり、所属していた組が恩田によって壊滅させられた際に、彼に拾われた。拾われた理由は名前の漆原のうるの部分が可愛いからである。そのため恩田から「ウルたん」と呼ばれている。
『ゼロサムオリジナルアンソロジーシリーズArcana』のテーマ「執事」で描かれた『蜘蛛の巣』では主人公を務めた。

その他

ヒロユキの彼女

彼氏を亡くした女性。彼氏であるヒロユキを事故で亡くして、自宅で遺体に縋り泣いていた。山崎と陣内が来たときは葬儀屋や死神屋と呼ばれていることを知っていたため、ヒロユキを連れていかれることを拒んだ。しかし、山崎からの説得で火葬場へ行くことを決める。死んですぐに遺体と別れることにすんなり納得がいくわけがないと零すなど、悲しみに暮れていた。山崎の計らいで棺桶に入ったヒロユキと共に葬迎車の後部に載せてもらい、火葬場まで送ってもらった。

西荻(にしおぎ)

妻を亡くした男性。新婚であったが、妻・優子を心臓発作で亡くしてしまう。妻を失った悲しみで自殺を図ろうとしていたが、山崎に運ぶ手間が増えるから「火葬場で死んでくれ」と頼まれて、優子の遺体と共に葬迎車の後部に乗ることになる。臓器荒らしに妻の遺体が襲われたときは身を挺して棺桶を守ろうとするなど、本当に妻を愛していた。火葬場に無事についた後は、陣内から妻との思いでを大事に抱えていけるのは西荻だけだと言われたことで、生きることを決めた。

あゆみ

母親を亡くした少女。母親がパチンコに入り浸っていたためあゆみもパチンコ屋によく来ていた。母親から欲しい物と交換できると教えてもらっていたため落ちているパチンコ玉を拾っては母親に届けていた。山崎が落としたパチンコ玉を拾ったこともある。母親を亡くした後もパチンコ玉を集めて母親と交換してもらおうと考えていた。周囲の人間からは母親の死を理解できずにいると思われていたが、実際は母親の死を理解していた。「どんなものと交換できないたった一人の母親だ」と山崎に言われた際にも「わかってたもん」と涙を流して母親の入った骨壺を抱いた。

栗原(くりはら)

父親を亡くした男性。放蕩息子で多額の借金を抱えている。そのため、借金返済のために父親が亡くなったのを知ると父親の臓器を売るために遺体を母親の元から盗んだ。本来は遺体を臓器荒らしに売ることは犯罪に当たるが、父親が生前に自身の臓器を売るという契約を交わしていたため、栗原自身が罪に問われることはなかった。しかし、臓器荒らしから払われた金額は借金返済には到底届かないハシタ金であり、「父親がこんなに安い訳ないだろ」と悔しさで涙を流していた。

女子高生

自殺願望のある女子高生。気だるげな顔と喋りの女子で、葬迎員が死神屋であると聞いて、殺してもらおうと走っている葬迎車の前に飛び出す。手首に包帯を巻いていたり、自身を必要とされていない存在であると感じていたり、「なんとなく死にたい」と発言するなど精神的に疲れている様子。陣内の提案で葬迎車の後部に乗って葬迎員の仕事を見ていく。その中で、幼い子供の遺体を目にして生きることの重みを知る。そして、陣内から「なんとなく死ねるなら、なんとなく生きてみればいい」と言われる。

大家の息子

山崎の住むアパートの大家の次男坊。田舎の祖父のところで釣ってきたザリガニが死んでしまい、遺体をどうしたらいいのか困っていた。遺体は葬迎員が迎えに来るという概念しかしらなかったためペットが死んでしまった友達もどうしたらいいのかと悩んでいることを山崎に相談したことで、山崎に土の見える遠い土地まで連れて行ってもらった。そこで、遺体は土に還してあげればいいんだと知った。

『蜂の巣』の用語

葬迎員(そうげいいん)

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