最遊記シリーズ(アニメ・漫画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『最遊記』とは、峰倉かずやによる漫画、及びそれを原作としたアニメ作品である。
最遊記はSTUDIOバックギャモン発行の同人誌から始まり、エニックスで1997年より連載が開始された。漫画、アニメ、映画、歌劇など様々なジャンルで展開されている。
人間と妖怪が共に暮らす桃源郷(とうげんきょう)の平穏を取り戻すため、玄奘三蔵は孫悟空、沙悟浄、猪八戒を連れて西の天竺国(てんじくこく)へ向かう。

『最遊記』の概要

『最遊記』とは、峰倉かずやによる漫画、及びそれを原作としたアニメ作品である。
西遊記のキャラである玄奘三蔵(げんじょうさんぞう)、孫悟空(そん ごくう)、沙悟浄(さ ごじょう)、猪八戒(ちょ はっかい)の四人を主役に、峰倉かずやによってアレンジされた「西遊記」の話。

人間と妖怪が共に暮らす桃源郷(とうげんきょう)の平穏を取り戻すため、玄奘三蔵は孫悟空、沙悟浄、猪八戒を連れて西の天竺国(てんじくこく)へ向かう。
助け合い、共に戦い、時には仲間同士でぶつかりながら、いくつもの困難を乗り越えて旅をする冒険ストーリー。

本編は「最遊記」全9巻、「最遊記RELOAD」全10巻、「最遊記RELOAD BLAST」の連載と続いている。
さらに2017年の7月から、各地域にて新アニメとして「最遊記RELOAD BLAST」の放送が開始された。

本編だけでも楽しめるが、番外編として「最遊記外伝」と「最遊記異聞」も発売されている。
最遊記外伝は最遊記本編の500年前の話であり、悟空が天界にいたころの物語で「最遊記」が始まる大本の話が載っている。
最遊記異聞は玄奘三蔵の師である光明三蔵(こうみょうさんぞう)が、峯明(ほうめい)という修行僧の頃の話。光明三蔵は最遊記本編では多く表れないが、その飄々とした峯明の昔の姿を異聞では見られる。

また、最遊記外伝で登場する捲簾大将(けんれんたいし)と天蓬元帥(てんぽうげんすい)の部下との物語である「天上の蟻(あり)」という番外編もある。
単行本化はしていないが、電子書籍として公開されており、ネット上で読むことは可能。

番外編では本編に少ししか出てこないキャラについても深く知ることが可能で、それぞれのキャラ設定の深さが垣間見える。
「桃源郷」という場所にいながら、キャラがタバコを吸っていたり、麻雀(まーじゃん)をやっていたりと現代の文化が時折混ざっており、それが作品の面白さを膨らませている。

『最遊記』のあらすじ・ストーリー

最遊記(さいゆうき)

舞台は妖怪と人間が共存する桃源郷(とうげんきょう)。
かつて討伐された牛魔王(ぎゅうまおう)を何者かが蘇らせようとし、禁忌とされている科学と妖術の合成が使われているらしい。この蘇生で起こる負の波動により妖怪が凶暴化し、自我を失い人間を襲う異変が起きていた

牛魔王の蘇生を阻止するべく、命を受けたのが玄奘三蔵(げんじょう さんぞう)であった。
孫悟空(そん ごくう)・沙悟浄(さ ごじょう)・猪八戒(ちょ はっかい)を共に連れ、ジープではるか西の天竺国(てんじくこく)を目指す。

旅立つ三蔵一行は仏教の教えはどこへやら。
銃は撃つ、酒もタバコもお構いなし。道中は騒がしくも、圧倒的な力で敵となる妖怪を倒していく。

一行を襲うのは牛魔王に味方する妖怪たちで、紅孩児(こうがいじ)のためにと口にする。
紅孩児は牛魔王の一人息子で、封印されていたはずだった。
桃源郷の異変の元凶は、紅孩児の封印を解き、牛魔王の蘇生を望む玉面公主(ぎょくめんこうしゅ)によるものだった。紅孩児は封印された母の羅刹女(らせつにょ)を救うために、仕方なく加担していた。

西に進むにつれ、三蔵一行の前にも姿を表す紅孩児。
誰にも負けなかった悟空の攻撃を避け、部下である八百鼡(やおね)を救い、姿を消した。

その後三蔵一行は、六道(りくどう)という男と出会う。
六道はかつて三蔵と同じ寺院にいた朱泱(しゅえい)だった。

朱泱はかつて寺院が妖怪に襲われた際に、「禁忌の札」を自分に使い寺院を守ったが、徐々に札に飲み込まれて妖怪を殺す化け物となっていた。
悟空・悟浄・八戒が妖怪だと気付き、襲ってくる六道。六道を札の力から開放するには殺すしかないが、ためらいをもつ悟空。そんな悟空を庇い三蔵が重症を負ってしまう。

傷ついた三蔵を見て悟空の金鈷が砕け、本来の姿である「斉天大聖(せいてんたいせい)」の力が覚醒する。悟空は六道を退けるも、暴走して悟浄と八戒に向かう。しかし、現れた観世音菩薩(かんぜおんぼさつ)がその場を治める。観世音菩薩は天界を司る五大菩薩の一人であり、三蔵に天竺に向かうように指示した人物であった。
三蔵はけじめをつけるため、一人で六道の元へ向かう。札の力に飲み込まれかけていた六道だが、最後は自分の意志で三蔵の銃を受け、死を選んだ。

三蔵一行の前に、紅孩児が再び現れた。妹の李厘(りりん)が三蔵一行を襲いに行ったのを知り、連れ戻しに来たのだった。
悟浄は紅孩児の傍にいた独角兕(どくがくじ)が、腹違いの兄である沙爾燕(さ じえん)だと気付く。人間の愛人との間に生まれた悟浄は、母から憎まれ殺されそうになるが、爾燕が庇って母を殺したのだった。それ以来姿を消した爾燕。

悟浄は「自分のせいで兄は母を殺した」という後悔に苛まれていた。
しかし、再会した独角兕は笑顔を見せ、悔いても恨んでもいなかった。お互いに伝えたいのは「いま、こうして生きている」ということだった。
紅孩児達は李厘を連れ戻すと、三蔵一行の前から姿を消した。

そして、八戒もかつて双子の姉を奪った、敵の息子の清一色(ちん いーそー)と再会する。
八戒は以前は人間であり、猪悟能(ちょ ごのう)という名であった。悟能は姉の花喃(かなん)を女性として愛していた。
しかし、二人の住む街に現れた百眼魔王(ひゃくがんまおう)の使いに、街の人間が花喃を生贄として差し出したのだった。悟能は街の人々を殺し、百眼魔王の城に乗りこみ千の妖怪を殺した。

花喃はすでに百眼魔王の子を孕んでしまい、悟能の目の前で自殺してしまう。そこに現れたのが清一色だった。
「千の妖怪の血を浴びたものは妖怪になる」という言い伝えの通り、悟能は妖怪になった。そして、清一色を殺したはずだったが、自分を式神にして生き残っていたのだった。
再び目の前に現れた清一色に動揺するが、「猪悟能」ではなく「猪八戒」として生きていると言い切り、清一色を倒した。

三蔵一行はとある砂漠で道に迷い、たまたま出会った少年の村に案内してもらう。その村で、以前に妖怪が三蔵法師を喰ったという話を聞く。三蔵法師は経文を一つずつ所持して守る存在であるため、妖怪が経文を持っていることになる。

経文を取り戻しに妖怪のもとに向かうが、三蔵が毒針を刺されてしまい、村に戻らなくてはならなくなった。そこに、経文を目当てに紅孩児達が現れ、相対することとなる。三蔵のために金鈷を外して戦った悟空は、紅孩児を重体に追い込む。
幸い、三蔵の意識は3日で回復する。

根城に戻った独角兕は八百鼡を見つけられず、苦渋の決断で紅孩児を你健一(にいじぇんいー)に託す。玉面公主の城にいる唯一の人間で最高の科学者である你健一は、紅孩児を利用しようと洗脳を始めた。その結果、紅孩児は意志を失い、玉面公主の命を聞く人形となってしまう。

その頃、三蔵一行は金閣と銀閣という兄弟に出会う。金閣は妖怪の姿になった銀閣を救うために、カミサマからもらった壺に悪人の魂を吸い込んでいた。
だが、金閣は騙されており、銀閣はすでに死んでいたのだった。そこにカミサマが現れ、絶望した金閣を殺す。

わざわざ関わる必要がないため、先に進むことを決める三蔵。しかし、幼い子どもを騙していたことを許せない悟浄は、三人の前から姿を消す。
三人で西に向かうも、ギスギスして落ち着かず、結局悟浄を追ってカミサマの元に向かう。

カミサマの力は壮絶で、初めて敗北を味わう一行。経文を奪われたため、再びカミサマに挑む一行。それぞれ思うままに力を振るうだけでは勝てず、力を合わせることの大切さを知り、四人でカミサマを倒した。
だが、カミサマの裏に敵がいることを四人はまだ知らなかった。

その男は烏哭三蔵(うこくさんぞう)といい、玉面公主の前で你健一と名乗っている男だった。

最遊記RELOAD(さいゆうき リロード)

前作の『西遊記』から半年が経ち、三蔵一行が旅にでてから一年の月日が流れた。
桃源郷で、人間と妖怪は相容れないものになりつつあった。
三蔵一行は争いの先の未来へ進んでいく。

ある村で紅孩児と再会する三蔵一行。洗脳されている紅孩児は仲間の識別すら危うくなっていたが、悟空に殴られたことで洗脳を振り切って、己を取り戻した。
そして根城に戻り、同じく実験体にされていた李厘を救い出し、己の意志で三蔵一行と戦うと決意を新たにした。

三蔵一行は、旅の途中で「ヘイゼル・グロース」と「ガト」と出会う。ヘイゼルは死んだ妖怪の魂を回収して、その魂で人間を生き返らせることが出来るという。
ヘイゼルの目的は「妖怪を根絶やしにすること」であり、魔天経文の力を持つ三蔵がいれば、それも不可能ではないという。ヘイゼルは三蔵を仲間に誘うが、間髪入れずに断られる。悟空たちと共に行く三蔵とヘイゼルは相容れず、決別する。

しかし、再びヘイゼルと再会することになった一行。烏哭三蔵から「斉天大聖」を倒さなければ、この世に平和は訪れないと吹き込まれ、ヘイゼルは悟空を見極めようとする。
そんな時に、悟空が重傷を負ってしまう。

八戒と悟浄が手当するも手遅れの状態であった。最後の手段として金鈷を外し、斉天大聖の力で死を免れたが、暴走する悟空。妖怪の力を使い、なんとか悟空を止めた八戒。
動揺してその場を離れていた三蔵が我に帰ったときは、すべてが終わった後だった。
そして三蔵は、何も言わずに三人の前から姿を消した。

三蔵がいなくなったことに混乱する悟空だが、なにかしらの考えがあるのだろうという八戒の言葉で、三人で西を目指すことにする。
無一文になってしまい砂漠で倒れる悟空たち。目覚めると、妖怪の暮らす村だった。村に滞在していると、人間の村とほとんど変わらないことに気付く。妖怪も人間も同じ生き物だった。

その頃三蔵は、ヘイゼルとガトと砂漠の中の人間の街にいた。街の人間は妖怪からオアシスを奪い、武器を強化してオアシスを守っていた。
ヘイゼルは力を貸してほしいと頼まれるも、うまく利用されることに不服に感じる。そして、ヘイゼルが妖怪を殺したことをきっかけに、オアシスを巡る争いが始まる。三蔵とヘイゼル、ガトは協力せずに街を去った。

悟空たちも人間と妖怪の争いを見て、お互いに生きることに必死であることを、痛感する。そして、自分達は人間にも妖怪にもなれない存在だと改めて感じ、三蔵を探すことを決める。

ついに、玄奘三蔵の前に烏哭が現れる。無天経文の継承者でありながら、額に「印(ちゃくら)」を持たない異端の最高僧、それが烏哭三蔵法師であった。
烏哭に挑む玄奘三蔵だが、無天経文はすべてを無に返すもので、攻撃も空間もその人の存在すら消してしまうものだった。
玄奘三蔵という存在が消されかけるも、烏哭の闇に飲み込まれる直前で、悟空たちが駆けつけた。

烏哭によって、過去を思い出すヘイゼル。
ヘイゼルが使っていた蘇生の力は、ヘイゼルの体に住み着いた妖怪のものだった。憎んでいた妖怪の力を使っていたことを知り、絶望するヘイゼル。その隙に妖怪に体を乗っ取られてしまい、悟空たちを襲ってしまう。意識が消えかけるも、三蔵と八戒の侮辱の言葉でなんとか己を取り戻す。

だが、烏哭によりガトは重傷を負い、死んでしまう。去ろうとする烏哭に、ヘイゼルは一撃を浴びせるも、崖の下に落ちてしまう。続けて三蔵がガトの残した銃で、烏哭に傷を負わせる。視界を失った烏哭だが、笑いながら三蔵達を蹴散らし、姿を消す。

空の路を行けば、天竺などあっという間に着く。
それでも地を歩いて西に向かう三蔵一行。様々なものに出会い、少しずつ強さと決意を増しながら、西を目指す。

最遊記RELOAD BLAST(さいゆうき リロード ブラスト)

三蔵一行が旅立っておよそ2年。
西に進むに連れ、妖怪の強さと数は増し、地形も起伏の多い道になっていった。それでも西に向かうことに迷いはなかった。

天界では騒ぎが起こっていた。
五百年ほどの間、意識を失っていた哪吒太子(なたくたいし)が姿を消したのだった。哪吒太子は悟空が天界にいた時の友達だった。だが悟空は、天界にいた時の記憶も、哪吒のことも覚えていない。

三蔵一行は道中、高い山を登ることになり、悟空以外の三人は高山病で動けなくなってしまう。そこに妖怪が現れて焦る悟空だが、複数の人間に救われる。その人々は紗烙三蔵(しゃらくさんぞう)の援護体である「恒天部隊(こうてんぶたい)」だと言う。

紗烙三蔵のいる寺院に案内され、薬をもらい体調を整えた一行は、紗烙三蔵に会う。現れたのは、顔に大きな傷がある女だった。

桃源郷に異変が起こった時、敵の本陣に最も近い位置にいたのは紗烙だった。紗烙が持つ恒天経文(こうてんきょうもん)は「防御」を司り戦闘に向かないため、三仏神から西域の人間を守るように命じられていたのだった。
味方として他の三蔵法師と会うのは、玄奘三蔵も紗烙も初めてだった。

和む一行だったが、紗烙の守護する村で火災が発生する。
それを治める際、三蔵と紗烙はお互いの経文を同時に発動し、わずかに共鳴したことを感じる。天地開元経文は全部で五巻あり、同時に使えば別の力が現れることもある。それは善に限ったことではないため、三蔵と紗烙は同時に経文を発動することを避けることにした。

火事が一段落するが、八戒は悟浄の異変に気づく。悟浄の首に、妖怪独自の紋様が出来ていた。西域の波動を受けて、悟浄の体に変化が起きているのかもしれない。

そんな中、紗烙の結界が急に破られた。村人が人質をとられ、結界を作る塔鐘を壊したのだ。紗烙の守る7つの村で、同時に妖怪の襲撃が起こる。
結界を張り直すには、一時間はかかるため、悟空たちと恒天部隊は助けに向かう。三蔵は寺院に残り、結界が完成するまで時間を稼ぐのだった。

用意周到な妖怪の攻めに、苦戦を強いられる三蔵たち。そこに紅孩児と独角兕が現れる。紅孩児達は、紗烙の経文を目当てに攻めてきた。三蔵は紅孩児と対峙するも、紗烙が経文を使っているため、魔天経文を使えず追い詰められていく。

そこに、天から強烈な光が落ちてきた。
現れたのは哪吒だった。哪吒は機械的な口調で喋りながら、妖怪たちを殺していく。仲間を殺され反撃する紅孩児だったが、哪吒の力は大きすぎた。紅孩児が死にかけた時、独角兕が駆けつけ、姿を消す。
妖怪がいなくなり去ろうとする哪吒に、「お前は何だ?」と三蔵が問いかける。その問いに「分からない」と返し、哪吒には記憶がないことがわかる。

三蔵の元に、悟空が戻ってくる。
悟空と哪吒の視線が一瞬、交差する。
去っていく哪吒を見て困惑する悟空だが、三蔵を発見して慌てて駆け寄る。

寺院から紗烙の結界が放たれる。
悟浄と八戒も寺院に戻っていくが、八戒は懸念を抱いていた。結界の中の寺院に戻って悟浄の体調が崩れれば、悟浄の体が妖怪化し始めているということだ。

寺院から離れた森で、紅孩児は目を覚ます。目に入ったのは血まみれで倒れている独角兕だった。紅孩児を庇って、ここまで逃げてきたのだった。
独角兕は最後に、悟浄を置いて去った時と同じ言葉を紅孩児にかけた。

「ーー泣くなよ?」
死に逝く独角兕の姿に、咆哮する紅孩児。

「ーー泣いてねえよ、クソ兄貴」
遠くで、悟浄も何かを感じていた。

星は違えぬ。
どうあがいても、釈迦牟尼の掌(しゃかむにのたなごころ)からは抜け出せぬ。
そう予言する少女の正体は誰なのか。

終わりに向けての物語は始まっている。

『最遊記』の登場人物・キャラクター

玄奘三蔵(げんじょうさんぞう)

声優:高木渉(OVA版)/関俊彦(テレビアニメ版)

正しくは「第三十一代目唐亜玄奘三蔵(だいさんじゅういちだいめ とうあげんじょうさんぞう)」。
金の髪に鋭い紫の瞳を持ち、天地開元経文の所有者である三蔵法師の一人。

しかし法師と言う立場ながら、銃は撃つしタバコも吸うし、酒も遠慮しないという危険人物。
口癖は「死ね」「殺すぞ」で、仲間からは「鬼畜生臭坊主」と呼ばれていたりする。
連れの馬鹿二人の悟空と悟浄が騒ぐと、どこからともなくハリセンを取り出して見事なハリセンさばきを見せる。

銃をメインの武器として戦い、摩天経文の力である「魔戒天浄(まかいてんじょう)」という大技を使う。
自分の師である光明三蔵の形見を探している。
いたって自己中心的で法師とは思えないが、冷静な判断力とカリスマ性は本物で、四人のリーダーとして動いている。
最遊記の初期では23歳という設定。

孫悟空(そん ごくう)

声優:岡野浩介(OVA版)/保志総一朗(テレビアニメ版)

大地のオーラが集結した岩から生まれた「斉天大聖」という異端の存在。
常に頭に妖力制御装置の金鈷をつけており、金鈷が外れたり壊れたりすると「斉天大聖」の本性が出てくる。
しかし、いつもは遊ぶことと食べることが大好きで、とても能天気な四人組のマスコットキャラ的存在。
口癖は「腹減った」。

天界で罪を犯し、五百年の間、岩牢に幽閉されていた過去を持つ。
悟空が天界にいた時の様子は「最遊記外伝」にて描かれている。
「最遊記」の作品ではあまり話題にならないが、のちの作品である「最遊記RELOAD」「最遊記RELOAD BLAST」では悟空の天界での記憶も重要になってくるのではないかと思われる。

悟空の「声」を聴いた三蔵が牢から連れ出すまでずっと一人で、自分の名前しか覚えていなかった。
悟空が大食いなのは五百年ずっと何も食べずにいたからその反動で、と揶揄するシーンもある。

意のままに形状を変える如意棒を使って戦い、肉弾戦が得意。
悟浄とは喧嘩仲間で、三蔵にどやされ、八戒に見守られて育った健康優良児。
最遊記の初期では18歳だが、幽閉されていた期間も含めると518歳。

沙悟浄(さ ごじょう)

声優:山寺宏一(OVA版)/平田広明(テレビアニメ版)

禁忌とされている妖怪と人間の間に生まれた半妖で、赤髪と赤目を持つ。
髪と目が赤いのは、禁忌の子の証拠である。
半妖であるためか、桃源郷の負の波動には影響されていない。

粗野で大雑把、酒とたばこと女が大好き、と聞くとだらしない男に見えるが、見た目以上に仲間思いの兄貴分。
仲間思いであるがゆえに貧乏くじを引くことが多い。
悟空からは「エロ河童」と呼ばれていたが、話が進むにつれて「エロゴキブリ河童」など呼び方が進化している。

武器は鎖鎌を自在に操ることのできる錫月杖を使用しているが、悟空と同様に肉弾戦が多い。
旅に出る前は三年前に助けた八戒と暮らしていた。
最遊記の初期では22歳。

猪八戒(ちょ はっかい)

声優:石田彰

いつも笑顔で人当たりが良く、三蔵一行の中の交渉人のような役割をこなす。
三蔵一行の足であるジープの操縦者であり、飼い主でもある。
三蔵は悟空の「飼い主」、八戒は悟空と悟浄の「保護者」というたとえを使われることも多い。

笑顔の裏に時折、鋭い視線が出るのは、過去の罪を背負っている象徴のようなもの。
かつては人間だったが、双子の姉を妖怪に殺され、大量殺戮を犯す。
千の妖怪を殺して血を浴びたため、自らが妖怪になってしまった。
妖怪だが半端な存在のせいなのか、悟浄と同じく、負の波動に侵されていない。
しかし、左耳のカフスが妖力制御装置になっており、カフスを外すと蔦が全身を這っているような妖怪の姿になる。

倒れていたところを悟浄に助けられ、罪人として捕らえるために追ってきた三蔵と悟空に出会う。
以前は「猪悟能(ちょ ごのう)」という名前だった。
罪を犯したため、過去の名前を捨てて新たな人生を送るよう、三仏神から「猪八戒」の名をもらった。

戦闘時は主に気孔術を使う。
気孔で相手を吹き飛ばすだけでなく、気を固めて障壁を作り相手の攻撃を受け止める、などとても器用。
回復術も使えるため、三蔵一行でも貴重な存在である。
最遊記の初期では22歳。

ジープ

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