伊藤潤二『マニアック』(アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『伊藤潤二「マニアック」』とは、伊藤潤二のホラー漫画を原作としたオムニバスアニメで、2023年1月からNetflixで配信された。伊藤潤二の『首吊り気球』、『墓標の町』、『恐怖の重層』、『富江』といった人気の高い短編作品をアニメ化している。櫻井孝宏や朴璐美などの人気声優を起用し、高いクオリティの演技力と作画で伊藤潤二の世界観を表現している。
配信開始前から伊藤潤二ファンを中心に注目され、高い評価を得た。

伊藤潤二の生み出した代表的なキャラクターのひとり。長い艶やかな黒髪とセクシーな泣きぼくろが特徴の美少女。その美貌と傲慢な性格でどんな男でも狂わせ、支配する。富江に心酔する男はやがて、彼女に強い殺意を抱き始め、バラバラにして殺してしまう。バラバラになった富江の肉体はそれぞれが富江として復活し、全く同じ容姿・性格の人物となって、また多くの人の人生を狂わせていく。
『富江』は別々の個体の富江が様々な場所で男を翻弄し、女を蔑み、血なまぐさい事件を巻き起こす様を描いた短編連作だ。

伊藤潤二『マニアック』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

内田美津「ずっとあなたのそばにいるわ」(『耳擦りする女』)

『耳擦りする女』のクライマックス、美津(みつ)が死んだ後もまゆみは美津の指示を聞いて行動し続ける。言われるがままにナイフで人を刺す練習をし、美津を殺したヒモ男をめった刺しにして殺してしまう。まゆみは血まみれで帰宅し、動揺する父に「殺せって言うから。美津さんが」と平然と答える。その耳元では姿のない美津が「ずっとあなたのそばにいるわ」と囁いているのだった。
美津の声を担当する園崎未恵が、視聴者に聞こえるぎりぎりの声量で囁くこの台詞は多くの人の背筋をゾッとさせた。

伊藤潤二『マニアック』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

伊藤潤二が絶賛したまゆみ役の中川翔子

YouTubeには「伊藤潤二『マニアック』公式」チャンネルがあり、『マニアック』の予告動画や原作者・伊藤潤二のインタビュー映像を見ることができる。
『耳擦りする女』のインタビューで、伊藤潤二は「山東まゆみ」を演じた中川翔子の演技を絶賛した。常に他人の指示を仰がなければ錯乱してしまう少女・まゆみの鬼気迫る狂気を全力で演じた中川翔子のアフレコ音声を聞いて、「プロってすごいな」と感心したという。
他にも、まゆみが明るくなっていくにつれて憔悴していく美津(みつ)を演じた園崎未恵の演技や、作画のクオリティにも言及している。『耳擦りする女』は作者も大満足の完成度になったようだ。

伊藤潤二『マニアック』の主題歌・挿入歌

OP(オープニング):MADKID「Paranoid」

ED(エンディング):JYOCHO「云う透り」

shuichi
shuichi
@shuichi

Related Articles関連記事

富江(漫画・映画・ドラマ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

富江(漫画・映画・ドラマ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『富江』(とみえ)とは、不死の少女「富江」と彼女に人生を狂わされる男たちの恐怖を描いた、伊藤潤二が『月刊ハロウィン』・『ネムキ』に連載した連作短編漫画。『うずまき』に並ぶ伊藤潤二の代表作で、映画化・ドラマ化も果たしている。 傲慢で身勝手、暴君気質の美少女「富江」。彼女は殺しても蘇り、血の一滴からでも再生して増殖する異常な存在だった。その美貌に惹かれて富江に関わった男たちはことごとく人生を狂わされ、やがて彼女に尋常ならざる殺意を抱いて破滅していく。

Read Article

目次 - Contents