アキラ／28号（AKIRA）とは【徹底解説・考察まとめ】

アキラ／28号の概要

アキラ／28号とは、大友克洋による近未来SF漫画・映画『AKIRA（アキラ）』に登場する、超能力で東京を壊滅させる少年。軍の超能力研究によって生み出された最高傑作で、31年前に能力を暴走させて東京を壊滅的な被害をもたらした。東京の被害は表向きは新型爆弾の投下ということにされ、アキラは地下深くに冷凍封印された。新たに超能力を開花させた鉄雄によって復活し、原作では二度目の東京壊滅をもたらした。最後は仲間たちや鉄雄と共に別の宇宙へと去っていく。

アキラ／28号のプロフィール・人物像

『AKIRA』の物語の中核となる少年。軍の極秘研究によって超能力を獲得した子どもたち「ナンバーズ」のひとりで、最も強い能力を得た成功例だ。しかし力が強すぎたために軍や研究者では制御することができず、暴走した末に大爆発を起こして東京を壊滅させてしまう。その後、映画では研究のためにバラバラにされ、脳と神経だけの姿になって封印されていた。ナンバーズの仲間たちによって意識が呼び戻され、鉄雄と仲間たちと共に新たな宇宙へと去っていく。
原作では生きたまま冷凍封印されていた。鉄雄の手で復活したが、自我はほとんどない状態で、反政府ゲリラや軍、ミヤコ教団、根津の4勢力がアキラを奪い合って激しい攻防を繰り広げた。ナンバーズの仲間と再会したが、タカシが死亡したことで二度目の東京壊滅を引き起こしてしまう。その後、鉄雄によって「大覚様」として祭り上げられる。鉄雄の真の覚醒に呼応してアキラもまた覚醒を迎え、仲間たちと共に新たに誕生した宇宙へと去っていった。

アキラ／28号の能力：人知を超越した超能力

軍の超能力研究の最高傑作であり、ナンバーズの中で最も強い超能力を持っている。31年前、能力を暴走させて東京全域が壊滅する甚大な被害をもたらした。
原作では鉄雄により封印が解かれるが、自我はほとんど残っておらず、自発的な行動はほぼ取らない。
ナンバーズの仲間たちのことは大切に思っているようで、再会したときには嬉しそうな様子を見せた。

アキラ／28号の来歴・活躍

ネオ東京

軍の極秘研究によって超能力を獲得した子どもたち、「ナンバーズ」の中で最も強い力を得たアキラは、研究の過程で能力を暴走させ、東京に壊滅的な被害をもたらした。表向き、被害は新型爆弾によるものと発表され、首都は「ネオ東京」として復興を遂げる。アキラは東京の地下深くに凍結封印され、その力を制御するために超能力研究は続けられていた。
あるとき、ナンバーズのひとりであるタカシが反政府ゲリラに連れられて、研究施設から脱走した。街を彷徨っていたタカシは暴走族の少年・鉄雄と接触し、鉄雄はバイク事故を起こす。軍に収容された鉄雄はタカシの影響で超能力に目覚めており、研究者の処置によって能力を引き出されていった。急速に力を開花させた鉄雄は、アキラにも匹敵するパワーを秘めていた。ナンバーズのひとりであるキヨコは、鉄雄が誰よりも強い力を得て、アキラを目覚めさせ、再び東京壊滅を引き起こすと予言する。
はじめは困惑していた鉄雄だが、やがて万能界に支配され、自分を制御しようとする軍に反抗するようになる。鉄雄は意識の中に現れた「アキラ」を求めて施設を脱走した。

二度目の崩壊

原作漫画版

オリンピック会場建設地の地下深くに冷凍封印されたアキラのもとに辿り着いた鉄雄によって、アキラは解き放たれた。目覚めたアキラにはほとんど自我がなく、自分の手を引く者の後に黙ってついていく。軍の攻撃で深手を負った鉄雄は姿をくらませ、アキラを巡って反政府ゲリラ、軍、権力を狙う政治家の根津、超能力者が率いるミヤコ教団が四つ巴の戦いを繰り広げる。夜を徹した大騒ぎの末、アキラは軍に確保され、アキラはナンバーズの仲間たちと再会を果たした。しかし次の瞬間、アキラのそばにいたタカシの頭に銃弾が命中する。アキラを奪われるくらいなら殺してしまおうと考えた根津の狙いが外れ、タカシの頭に当たってしまったのだ。ナンバーズはテレパシーで意識が繋がっているため、アキラはタカシの死の衝撃をもろに食らい、巨大な爆発を引き起こしてしまう。一瞬にして無数の人が死に、東京は瓦礫の山と化した。
無政府状態となった東京で、鉄雄はアキラを「大覚様」と呼んで祭り上げ、「大東京帝国」という武力集団を形成して君臨する。反政府ゲリラだったケイとチヨコは生き残ったナンバーズのキヨコとマサルを保護し、ミヤコ教団に身を寄せる。キヨコとマサルはかつてナンバーズだったミヤコと協力し、鉄雄とアキラの完全な「覚醒」を起こそうとする。
多くの犠牲と破壊の中で、アキラは反政府ゲリラの竜に撃たれて致命傷を負う。ついに覚醒し、自我を失って巨大な怪物と化した鉄雄は巨大な力の奔流を引き起こし、呼応したアキラも鉄雄と同等の力を解放する。ふたつの力の奔流を観測した科学者はその様子を「リトル・ビッグバン」「宇宙の誕生」と表現した。意志だけの存在となったアキラはキヨコ、マサル、タカシ、かつて死んでいった仲間たちと再会して、鉄雄も含めた全員で新たな宇宙へと旅立っていく。

アニメ映画版

オリンピック会場建設地の地下深くに封印されたアキラのもとに辿り着いた鉄雄が見たものは、研究のためにバラバラにされ、脳と神経だけになったアキラの姿だった。そうしている間にも鉄雄の力はどんどん膨れ上がっていき、ついには鉄雄自身にも制御しきれなくなり、鉄雄は機械と肉の混ざりあった巨大な怪物へと変貌してしまう。東京が壊滅的な被害を受ける中、ナンバーズのキヨコ、マサル、タカシはアキラの残骸に念を送ってアキラの意識を復活させる。
アキラは鉄雄に呼応して巨大な力の奔流を生み出し、それを観測していた科学者は「まるで宇宙の誕生」と表現した。キヨコたちは金田と敷島大佐（しきしまたいさ）の命を救い、アキラと鉄雄と共に新たな宇宙へと旅立っていく。

アキラ／28号の関連人物・キャラクター

島鉄雄（しま てつお）／41号

『AKIRA（アキラ）』の主人公。もうひとりの主人公である金田の幼馴染で、彼のバイクチームに所属している。金田に憧れを抱いている一方、仲間内で軽んじられることに鬱屈している。
チーム同士の抗争の最中、ナンバーズのタカシと接触し、バイク事故を起こして軍に収容される。タカシとの接触をきっかけに超能力が覚醒し、軍の研究者によって力を引き出される。アキラに匹敵するほど強い力を目覚めさせ、万能感に溺れて街を破壊し、人を殺すようになる。
原作では地下の封印施設からアキラを連れ出し、二度目の東京壊滅の後、無政府状態となった東京でアキラを「大覚様」として祭り上げて武力勢力を作り上げた。

島鉄雄／41号（AKIRA）とは【徹底解説・考察まとめ】 - RENOTE [リノート]

renote.net

島鉄雄（しま てつお）／41号とは、大友克洋による近未来SF漫画・映画『AKIRA（アキラ）』に登場する、主人公・金田と対立するもうひとりの主人公。金田の暴走族チームの一員だが、体が小さく仲間内で子ども扱いされることに鬱屈を感じていた。
ナンバーズと接触した事故をきっかけに超能力の素質に目覚め、軍の極秘科学班によって処置を受けた結果、東京を壊滅させた「アキラ」に匹敵する素質を引き出される。万能感にとらわれた鉄雄は力に溺れて暴走し、金田と対決することになる。