Sweet Home -俺と世界の絶望-(韓国ドラマ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『Sweet Home -俺と世界の絶望-』(原題:스위트홈)とは、Netflixで2020年12月18日から配信されているサバイバルホラー韓国ドラマ。同名のウェブ漫画を原作としている。残忍な怪物に姿を変えた人間が暴走する街で、悲しい過去を背負う高校生の主人公や同じ建物の住民たちは生き残りをかけた戦いに巻き込まれていく。韓国ドラマでは史上初となるNetflix全世界視聴回数TOP10入りの快挙を成し遂げ、公開後1か月間の視聴世帯数は2200万にも及んだ。

自ら捕縛されることを選んだヒョンス

軍からの射撃を受けながら自ら投降するヒョンス

軍に包囲されたグリーンホームから、投降命令を受けて特殊感染者ヒョンスが自ら軍部へ投降するシーン。本作冒頭でも同じシーンが先行して描かれているが、最終話でようやくストーリー全体がつながることになる。

軍が包囲されることになったのは、グリーンホームの住民の一人がGPSを作動させていたことが原因であった。ヒョンスを投降させるべく軍が機関銃での発砲を始めたことから、ウニョクは残った住民全員を地下道へ逃がした後、スヒョクを助けに戻ってきた。しかし、ヒョンスは投降する道を選んだ。何発も銃弾を浴びながら軍の下へと進み、最終的には捕えられてしまう。

GPSを作動させられたものの、ヒョンスにとって自分が化物と化しても変わらず接してくれた住民たちとのグリーンハウスでの思い出は、何物にも代えがたいものとなっていた。人生に絶望していた自分を孤独から救ってくれた住民の生命を守るべく、ヒョンスは被弾の痛みに顔を歪めながらも外へ歩んでいった。

『Sweet Home -俺と世界の絶望-』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

原作とドラマ版の違い

軍の下に投降するイギョン

原作では、イギョン、イギョンの婚約者サンウォン、特殊部隊の指揮官ユジンの3人は登場しておらず、いずれもドラマ版オリジナルキャラクターである。そのため、ドラマ版との違いとして、原作ではイギョンが失踪したサンウォンの居場所を探して彼の職場に赴いたり、彼が実験体とされていた痕跡を探すような描写は見受けられない。

ドラマでは、イギョンとユジンとの間にある取引が成立した。その取引の内容とは、イギョンが失踪したサンウォンの行方についての情報をユジンから得ることと引き換えに、特殊感染者であるスヒョクを軍に引き渡すというものである。この約束を履行するために、最終回でイギョンは軍に投降することとなった。

このように原作には見られなかった展開がシーズン2以降も展開されることになる。犯罪者集団が持っていたアタッシュケースを犯罪者集団壊滅後にイギョンが入手し、最終話でユジンの手元に渡っていることから、アタッシュケースの中身やサンウォンの行方について、シーズン2以降では明かされていく。

サンウクに関する謎

最終話で移送中のヒョンスの目前に現れたサンウクの顔からは、これまであったはずの火傷跡がなくなっている。仮に感染者であったとしても、感染前に身体に負った傷は怪物化による回復が不可能である。そして、サンウクが顔にやけどを負ったのは、第6話から子供時代の事であり、成人した後も火傷跡はそのままであった。これらのことから、サンウクが怪物化したとは考えにくく、また万一怪物化していたとしても火傷跡が消えることはありえない。そして、サンウクとヒョンスが再会するまでには約30時間ほどしか経過していないのに、サンウクは「久しぶりだな」と違和感の残るセリフをヒョンスに投げかけている。以上のことからすると、シーズン1最終話でヒョンスに話しかけたサンウクかに思える人物は、実はサンウクに擬態したチョン・ウィミョンではないかと考えられる。

犯罪者集団の一味としてグリーンホームに現れたウィミョンは、ヒョンスと同じ特殊感染者である。その能力は、液体化して他者に入り込み、その人間の身体を乗っ取るというものであった。第10話ではヒョンスとの激闘の末に倒されたが、死亡したわけではなく、液体化した状態で犯罪者集団が乗り込んできた戦車に乗り込み、グリーンホームから逃げ出していた。それと同じ頃、グリーンホームの外にはサンウクがいた。仮にウィミョンが乗っ取った人間の体組織の情報をコピーして、その人間そっくりに擬態できる能力を有しているのだとすれば、第10話で現れたサンウクと思われる人物は、実はウィミョンである可能性がある。

映像制作の裏側

原作の怪物の描写と実写版の怪物の画像とを比較してみると、ドラマでは原作の怪物を忠実に再現し、不気味さを際立たせるようにそのビジュアルが作り込まれていることが分かる。

実際にもドラマ版で完全CGで描写されている怪物は空中を漂う目玉の怪物のみである。巨人の怪物と蜘蛛の怪物の動き方については、実際に人間がパンチする様子、ブリッヂの状態で背面歩きする様子などを撮影し、それに怪物の画像をプリントして怪物の動きがよりリアルなものとなるよう工夫されている。さらに顔が半分に切れた怪物については、完全に作り物である。怪物の背丈と同じくらいの身長の俳優を使って型を作り、そこから模型を作ってマニピュレーターを搭載して半自動で動くよう精巧に作られている。

それぞれの怪物の特徴を忠実に反映させようとした制作側の努力の痕跡が窺える。

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