Sweet Home -俺と世界の絶望-(韓国ドラマ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『Sweet Home -俺と世界の絶望-』(原題:스위트홈)とは、Netflixで2020年12月18日から配信されているサバイバルホラー韓国ドラマ。同名のウェブ漫画を原作としている。残忍な怪物に姿を変えた人間が暴走する街で、悲しい過去を背負う高校生の主人公や同じ建物の住民たちは生き残りをかけた戦いに巻き込まれていく。韓国ドラマでは史上初となるNetflix全世界視聴回数TOP10入りの快挙を成し遂げ、公開後1か月間の視聴世帯数は2200万にも及んだ。

『Sweet home-俺と世界の絶望-』の概要

『Sweet Home -俺と世界の絶望-』(原題:스위트홈)とは、Netflixで2020年12月18日から配信されているサバイバルホラー韓国ドラマ。作家キム・カンビの同名ウェブ漫画を原作とし、イ・ウンボク監督、ホン・ソリ、キム・ヒョンミン、パク・ソジョン脚本の下で映像化。

イ・ウンボク監督は、ドラマ『ドリームハイ』シリーズや、『太陽の末裔』、『トッケビ』、『ミスターサンシャイン』などの演出を手掛けたベテランの1人。また、主演のソン・ガンは「Netflixの申し子」の異名を持つ人気俳優であり、約300億ウォンを投じて製作された本作は、韓国史上類を見ないほどのホラー大作となっている。

アメリカでは公開後1週間で、韓国ドラマ初となるNetflix視聴回数TOP10入りの快挙を成し遂げ、1か月間で2200世帯が視聴したと集計された。韓国や日本でも公開後長期間にわたってNetflix人気ランキング1位を維持。2022年6月15日には、シーズン2、3の製作が正式に決定した。

本作では、突如として残忍な怪物に姿を変えた人々が暴走する様を描かれており、15階建ての高層アパート「グリーンホーム」に取り残された主人公たちは、一致団結して生き残りをかけた戦いに臨むことになる。

人気ホラージャンルであるゾンビ物の作品では、噛まれた人間が感染して連鎖的に恐怖が広がっていくという設定がお決まりである。本作の設定は、人間が怪物に姿を変えるという点ではゾンビホラーのそれと共通するものの、襲われた人間が感染して怪物になるわけではないという点で異なる。本作では、鼻血が噴き出ることを予兆として、まるで持病が悪化していくかのように独りでに人間が怪物化していく。ゾンビホラーが感染症の蔓延によるものだとすれば、本作の怪物は「がん」の発現に例えられる。

本作の特徴は、人間の欲望という内的因子が怪物化のためのカギとなる、という抽象的な設定がなされている点にある。作中では、政府からの緊急通報という形で、「欲望が怪物化と関係しているらしい」という曖昧な内容の発表がなされる。また、人間が怪物化していくシーンは作中でも数多く描かれているが、登場人物の内に秘めている欲望や承認欲求が強ければ強いほど、怪物化の進行が早められていく傾向が窺える。例えば、1411号室の芸能志望の女性は、オーディションで不合格が続いており、合格を勝ち取るために過度な食事制限をするなど頑張っていた。しかし、彼女の満たされない承認欲求と食欲がトリガーとなって鼻血を噴き出し、本作冒頭で早くも食欲モンスターと化してしまう。そうして自我を失った彼女は、「お腹すいた、何か食べたい」と食料となる人間を求めてグリーンホームを徘徊するようになってしまった。このような承認欲求や欲望が人をモンスターに変えるという設定は、肥大しすぎた承認欲求のためにSNSやYouTubeなどで過激な投稿を繰り返すようになった一部の現代人を風刺しているかのようにも思える。

本作では人間の怪物化を描く過程で登場人物が抱える闇が随所で掘り下げられている。その魅力は、奇怪な化け物とそれに立ち向かう主人公らを描いた手に汗握るサバイバルホラーの要素だけにとどまらない。家族を亡くした上にいじめで不登校となって人生に絶望していた主人公ヒョンスは、幸福で円満な家庭や学校での生活という理想と、それが決して実現することはない現実との狭間で苦しんでいたためか、やはり怪物化の症状で鼻血を噴き出してしまう。しかし、怪物化事態からグリーンホームの住人を守るという生きる目的ができた彼は、早く怪物になって辛い現実など忘れてしまえと悪魔の囁きを繰り返す「脳内のもう1人の自分」との間で精神戦を繰り広げていく。本作は、このように辛い過去を何とか乗り越えようと懸命に今を生きる登場人物の生き様を描いている。こうした人間ドラマとしての要素も、視聴者を引き付けてやまない本作ならではの魅力といえる。

『Sweet home-俺と世界の絶望-』のあらすじ・ストーリー

怪物化で地獄と化していく街

2020年8月。物語は、家族を交通事故で亡くし、学校でいじめを受けて不登校となった男子高校生チャ・ヒョンスが、15階建ての高層アパート「グリーンハウス」に引っ越してくるところから始まる。人生に絶望していた彼は自殺を試みるが、屋上でバレエの練習をしていたイ・ウニュを見て感化され、思いとどまる。

ヒョンスが部屋でゲームに明け暮れていると、隣室から大きな音がする。外に出ると大量の血と猫の死体、インスタント麺の袋が転がっていた。怖くなったヒョンスが部屋に逃げると、隣室の女性がチャイムを鳴らし、モニター越しに「開けて」と要求する。これに応じないでいると女性は大量の鼻血を噴き出し、白目をむいて歯をむき出しにして目を血走らせた食欲モンスターへと豹変した。そして、どこかへ走り去っていった。

時を同じくして、休学中の医大生ウニョクはバイトへ向かおうとしていた。しかし、玄関のシャッターが閉まっていたことから、グリーンホームの住民共々立ち往生してしまう。1階の商店街でコンビニを営む店長ソッキョンが管理人室からシャッターを開けると、口から触手が伸びる怪物が現れ、住民を襲い始めた。ウニョクと特殊部隊に所属する住人女性ソ・イギョンは、消化器で怪物を追い出した。

怪物と戦う住人達

時を同じくして、ヒョンスは家族が死亡した交通事故のことを自分の部屋で思い出していた。自分が一人残された現実にヒョンスが絶望していると、大量の鼻血が噴き出し、怪物化の兆候が見られ始める。他方、12階に住むキム・ヨンス、スヨン姉弟の父親が、ロープを使って下の階に下りる途中、長い胴体に大きな目玉のついた怪物に空中で襲われ落下。怪物が続け様に姉弟を襲おうとしているのを14階の自室から目撃していたヒョンスは、テレビを落として怪物に応戦する。怪物は今度はヒョンスに標的を変え、ヒョンスを締め上げる。絶体絶命の危機に陥ったヒョンスであったが、それを窓から見ていた機械工のドゥシクが手製の電気銃で怪物を撃退してくれたため、何とか難を逃れた。

ドゥシクは、ヒョンスの武器として包丁が先端についた電気槍を作り、怪物が接近したときに携帯を通話にしておくと異音がすることを告げる。顔が半分切れた怪物を途中で倒すと、ヒョンスは12階の子供たちの下へとたどり着いた。しかし、ヒョンスには「黒い眼」をした怪物に「受け入れろ」と言われているような感覚がするようになり、幻聴の症状が出始める。そして、ドゥシクの部屋へ子供たちと向かう途中にも、筋肉ダルマ怪物に襲われてしまう。ヒョンスは子供たちを逃がすと、自分も怪物化しそうになるのを何とかこらえながら、怪物と戦う。そこに大きな音を聞きつけたジスと日本刀を持ったジェホンが現れ、助けてくれた。

逃げた子供たちの眼前にも怪物が現れ、赤ちゃんの乗っていないベビーカーを押す女性イム・ミョンスクに助けられる。ミョンスクは「黒い眼」を持つ怪物と化しており、筋肉ダルマと闘うも、ボコボコに殴られてしまう。そこでジェホンがおとりとなり、怪物を引き付けた後、追いかけてきた怪物を躱して廊下奥のガラス窓から怪物を突き落とした。その後、ドゥシクの部屋に集まり、食事をとっていたが、トイレにいったミョンスクがなかなか戻ってこない。これを不審に思ったスヨンとヨンスの2人がトイレを覗くと、ミョンスクは赤い繭のような姿をした怪物となっていた。

グリーンホーム内でも次々と怪物が現れ始め、ウニュが階段で下の階に降りていると、途中の踊り場で食欲モンスターに襲われる。ちょうど降りてきたヤクザ風の住人男性ピョン・サンウクが怪物を動かなくなるまで蹴り飛ばし、ウニュは助けられた。ベーシストのヤン・ジスも食欲モンスターに襲われる。そこに日本刀を持った国語教師チョン・ジェホンが現れ、怪物の顔半分を切って彼女を助けた。二人は、サンウクに監禁されていたファン・スンジェを見つけ、救出する。携帯に一斉に緊急通報が入り、「鼻血、気絶、攻撃性出現時は隔離」とのメッセージを受信する。保育園の園長ジノクはエントランスで外出した娘を迎えに行きたいと懇願するが、ウニョクに断られてしまい、泣き崩れる。

その頃、エントランスにいたイギョンは、ウニョクと話し合い、グリーンホームの監視カメラの映像記録を探すため、パスワードを知っている管理人探しに地下へ赴いていた。彼女は道中で発電機を見つけて動かそうとするが、蜘蛛形の怪物に捕えられてしまう。彼女は何とか逃れてエントランスに戻り、ウニョクと対面すると怪物がいると知って地下に行かせたことをウニョクに問い詰めた。

一方、軍からは再度の緊急通報が発せられる。そこでは、怪物化の原因が人の欲望であること、怪物化するまでの「ゴールデンタイム」に怪物化しつつある人間を殺せば怪物を倒せることが発表された。ウニョクは、対策を練るため、館内放送で生存者にエントランスに集まるよう促す。その時、ジノクは外からグリーンホームに走り寄ってくる娘ミンジュを見て、シャッターを開けてしまう。しかし、アパート手前に怪物が潜んでおり、助けに出た軍人イ・スウン共々ミンジュは殺されてしまった。

館内放送を聞いたヒョンス、ジス、ジェホンは、ドゥシクが作ってくれた武器や防具を手にエントランスへと向かう。余命患者のキルソプとその介護をする喘息持ちのユリも1階へと向かっていた。その後、エントランスについたヒョンスに怪物化の兆候が見られることを確認したソッキョンは、ヒョンスを追放するための多数決を行うことを提案する。しかし、多数決では決まらず、興奮して大量に鼻血を噴き出して失神したソッキョン共々ヒョンスは隔離されることになった。

他方で、ソッキョンの妻ソニョンは、イギョンを気遣って彼女に食事を持って行くが、イギョンは気持ちが悪いため食べられないと言い出す。ソニョンは、イギョンが妊娠しているのではないかと気に掛ける。同じ頃、エントランスでスンジェの存在に気付いたサンウクは、スンジェの顔面を殴打し、スンジェは鼻血を出す。スンジェは自ら感染の兆候が見られると言い出し、隔離されることを志願した。

明かされていく過去と秘密

ウニョクはジェホンから防具を作ったのがドゥシクであることを聞き出すと、エントランスまでドゥシクを呼んでくるように指示する。そこで、ヒョンスが1408号室までドゥシクらを助けに向かうことになった。サンウクは別の目的のために上階へ上がる。途中で怪物に襲われるも、キルソプとユリに助けられた。彼らと行動を共にしたヒョンスは、1408号室でドゥシクと小さな姉弟スヨン、ヨンスがいることを確認する。同時に、トイレの中で赤い繭のような肉塊が脈打っているのも確認した。ヒョンスはドゥシク、ヨンス、スヨンを連れてエントランスへ向かった。

別行動していたサンウクはスンジェの部屋を見つけると、一つだけ開かない部屋を見つけた。そして、スンジェを殴った際に盗んでいた鍵で侵入する。そこには、暴行を受ける少女の写真が壁一面に張られていた。衝撃の光景を目の当たりにしたサンウクは、スンジェが児童介護福祉士チェ・ユンと名乗る連続少女誘拐犯であると確信する。自身も過去にスンジェに放火の被害を受けていたサンウクは、軽すぎる判決に毒づく。実は誘拐された少女の親からなけなしの報酬金を受け取り、スンジェの殺害を依頼されていたのであった。

ヒョンスらがエントランスに戻ると、過去に娘を亡くしているユリは親を亡くしたヨンス、スヨンを抱きしめ、親代わりに育てていくと誓う。ケガをしていたサンウクの手当てをしていたユリであったが、サンウクに抵抗されると持病の喘息でせき込んでしまう。彼女は喘息用の吸引薬を切らしつつあった。サンウクは、スンジェの下へ向かうと、スンジェがハンマーで殴りかかってきた。殴られながらもスンジェを殴り殺したサンウクは、スンジェの遺体をシャッターの外に放り出した。同時に放置されていたミンジュとスウンの遺体を持ち帰ったサンウクは、外に出たままシャッターを閉めようとする。しかし、事情を察知したジェホンに制止された。

その後、エントランスではウニョクが住民にルールを設けて守らせ、ヒョンスには住民が欲しい物を一人につき一つずつ調達させる役を任せることになった。また、ジスが感染者役となり、怪物との模擬戦闘訓練が行われていた。そんな中、隔離されていたソッキョンがついに発症してしまう。ソニョンは夫を殺すのは自分の役目だと言ってバットで彼を殴り殺した。30年間ソニョンにDVをはたらき続けてきたソッキョンは、最後に彼女に謝罪し、絶命する。

調達役を任されたヒョンスは怪物化しそうになるのを何とか堪えながら、地下を探索していく。しかし、蜘蛛の怪物に捕えられ、ウニョク、ジス、ジェホンらが助けに向かった。怪物は眠っていたが、ヒョンスを助け出すときに音を出してしまい、気づかれてしまう。ウニョクは地下にある車を確保すると、何体かを轢き殺し、キルソプが火炎放射器で残りを焼き殺す。難を逃れた一同は、建物に汚水がたまって危険な状態になってきたため、車を改造して脱出することを話し合う。ウニョクは住民たちに現状を説明し、近くのコンビニから食料を回収する計画について打ち明けた。

一方、エントランスでも蜘蛛の怪物が現れ、残されたドゥシクらが危険な状態に陥っていた。しかし、残った数人で訓練通り怪物を罠にかけ、何とかこれを退治する。怪物の包囲網を外から撃破したヒョンスに、苛めにあっていた辛い過去の記憶がよみがえる。昔は明るかったヒョンスは、御曹司の息子に好意でジュースをおごろうとしたが、これが裏目に出て恨みを買い、いじめを受けるようになったのである。ヒョンスが落ち込んでいると、ジスが盲腸を発症してしまう。ジスの兄ウニョクはドゥシクに地下にある自動車を改造するよう指示し、医療器具を調達するため近くの病院までヒョンスらを向かわせることを計画する。

グリーンホームで住人たちが怪物と闘っている頃、バイクで単独で外出していたイギョンは、行方不明となった婚約者サンウォンの職場へたどり着く。そこで彼がタブレットに残したメモを見つけ、彼が実験体にされていたこと、「クルクル」というブログを運営していたことを突き止める。メモに「15日を超えると安定期に入り、特殊感染者となる」と書いてあるのを見つける。しかし、突然現れた軍部に捕縛され、どこかに連行されてしまった。

崩れゆくグリーンホーム

同じ頃、ヒョンス、サンウク、ユリは巨人の怪物との戦いに巻き込まれていた。キルソプが火炎放射器で対抗しようと試みるが、感染の兆候が現れる。そこへ軍から解放されて消防車に乗ったイギョンが現れ、消防車を運転したまま怪物に衝突し、崖下に突き落として倒した。手術器具の調達は失敗に終わったことから、ウニョクは麻酔なしで盲腸の手術を試みるが、何とか成功させた。そして、帰ってきたイギョンになぜ無事戻れたのかを尋ねるが、彼女は答えなかった。その直後、脱走兵チャン・ジュソンが現れ、イギョンに捕えられる。一方、ソニョンには感染の兆候が見られ、多数決で隔離されることになった。ソニョンは、自分より長い間怪物化をこらえているヒョンスの身を「辛かったでしょう」と案じる。

その後、ヒョンスとサンウクは屋上から出していた「SOS」の垂れ幕を隠しにが向かうが、草刈器を武器として扱う怪物となった管理人を見つけ、警報装置を作動させる。怪物化した管理人は住民を襲い始め、ジェホンが刀を持って応戦するが、途中で左腕を切り落とされてしまう。自分の命が長くはもたないことを悟ったジェホンは、エレベーターのかごの中に怪物を引き寄せ、ウニョクに火炎瓶を投げるよう指示する。断腸の思いでウニョクが火を放つと、怪物共々ジェホンは絶命した。簡易的なジェホンの葬式が行われ、彼に告白されていたジスは悲しみに明け暮れる。キルソプは、グリーンホームの地下に隠し通路があるはずだとイギョンに伝えた。

そんな中、犯罪者集団の装甲車がグリーンホームに突っ込んでくる。犯罪者集団のリーダーであるシン・ジュンソプは見せしめに住人女性ジウンを銃殺。また、ジュソンはこの集団に追われておていた身で、ジュンソプに見つかって殺される。彼が握っていたアタッシュケースは、ジュンソプらが彼の指を切断して奪取した。一方、隠れていたイギョンが銃をもって対抗するが制圧されてしまう。逃れたヒョンスとサンウクは、一人一人犯罪者集団の一味を倒していく。しかし、隔離されていたソニョンをジュンソプが見つけるが、彼女は怪物化しようとしていた。ジュンソプが彼女を殺そうとするのをヒョンスは身をもって制止しようとしたが、刺されてしまい、結局ソニョンは焼き殺された。離れた場所で隠れていたユリはグループの一人に襲われそうになるが、ジスの加勢により刺し殺す。一方、ヒョンスを危険人物だとみなしたジュンソプは屋上まで彼を連れていき、殺そうとする。しかし、犯罪者集団の一味である特殊感染者ウィミョンは実は血液を自在に操る怪物で、仲間を皆殺しにした。その時、空から、特殊感染者を差し出せば安全地帯で軍の保護を受けられる旨を記載したチラシが舞い降りてきた。

チラシを目にしたウィミョンはヒョンスに自分の過去を語り始める。彼は特殊感染者であり、発症すると一緒に教会に隠れていた人たちを皆殺しにした。そして、特殊感染者であることを軍に知られ、自身に巣くう怪物を引きはがすために実験体となって体を焼かれたり切られたりしたという。ここまで語り終えると、彼はヒョンスに一緒に逃げようと提案する。しかし、ヒョンスは住民を売ることを望まないと断言してこれを拒絶する。一方、ウィミョンがヒョンスに何かを吹き込んでいることを悟ったイギョンとウニョクは、彼を問い詰める。これに対し、ウィミョンは、軍が広範囲を掃討する作戦を実行しようとしていることを彼らに告げる。イギョンは軍に捕えられていた時に軍から渡されていたGPSのボタンをウニョクに預け、ウニョクはこれを管理室の引き出しの中にしまう。しかし、ニ人の会話を盗み聞きしていた住民の一人が、こっそりとボタンを押してしまった。

エントランスではユリが喘息で倒れ、ヒョンスはユリに外に薬を取りに行かせてやろうとする。しかし、ウィミョンがこれを許さず、機関銃を無差別に乱射し始め、ユリを銃殺。他の住民にも無差別に銃撃を始め、1階にいた住民男性ビョンイルは隣人のおばさんを庇って銃弾を受けて死亡。ヒョンスはウィミョンを止めるべく、怪物化して巨大化した腕の棘でウィミョンを倒した。そのまま暴走しようとするヒョンスをドゥシクが身を挺してなだめに入る。しかし、ドゥシクはヒョンスの身体から出た棘に体を貫かれて死亡。自我を取り戻したヒョンスはドゥシクのことを忘れてしまっていたが、なぜか涙がとまらなかった。倒されたウィミョンは液体化し、装甲車に忍び込むとそのまま走り去っていく。同じ頃、キルソプは寿命が尽きようとしていることを悟り、最後に子供たちに用意していたプレゼントを贈る。子供たちがこれを受け取ると、キルソプは息を引き取ってしまった。住民が遺体を掘り起こそうと地下を掘り起こすと、キルソプが密かに掘っていた地下道を発見する。

住人一同が悲しみに明け暮れていると、夜になっていた。外には雪が舞い始め、グリーンホームはGPSの通報を受けた軍に包囲されてしまう。軍は特殊感染者がいれば直ちに投降するように警告をし、応じないでいると機関銃で攻撃してきた。ウニョクは、軍の襲来を察知して住民を地下道へと逃がしていた。途中でヒョンスがいない事に気づくウニュ。ウニョクは様子を見てくると言い、ウニュが絶対戻ってくるように言うと、頷いて元来た道を戻っていった。しかし、ウニョクはいつまで待っても戻ってこない。残されたウニュは、「人がもっともらしそうな約束をする時、それは嘘だ」というウニョクの言葉を思い出していた。一方、管理人室まで戻ってきたウニョクは、感染していた。そして、崩れ行くグリーンホームの中で、一人引き出しの中に収めてあった家族の写真を眺めていた。ウニュたちが地下道に逃げて30時間が経過し、住民女性ヘインの飼い犬ポムが出口を見つける。外に出てみると、GPSで動きを探知していた軍に包囲されていた。住民たちは安全地帯へとトラックで移送されることになる。しかし、イギョンは軍の指揮官ハン・ユジンに取引はまだ終わっていない事を告げられ、軍服に着替えると、軍の下へ投稿していった。

ヒョンスは投降することを選び、外にいる軍の包囲網へ向かって歩いていく。軍からの発砲を受け、痛みに顔をゆがめながら、軍に捕えられてしまった。数十時間後、ヒョンスが目を覚ますと、そこは軍の装甲車の中で、どこかへ移送される最中であった。そして、なぜか助手席にいたサンウクはヒョンスに向かい「また会ったな」と告げる。こうして多くの謎を残したまま物語は幕を閉じるのであった。

『Sweet home-俺と世界の絶望-』の登場人物・キャラクター

主要人物

チャ・ヒョンス(演:ソン・ガン)

本作の主人公。

日本語吹替:岩中睦樹
グリーンホーム1410号室で一人暮らしをしている男子高校生。交通事故で家族を亡くし、学校ではいじめにあって引きこもりになっていた。自殺しようとしていたが、怪物化事態に対抗するための戦いに巻き込まれていく。使用武器は電気の通る槍。

ユン・ジス(演:パク・ギュヨン)

日本語吹替:青山玲菜
グリーンホーム1510号室の住民。ベーシスト。1か月前にグリーンホームに引っ越してきた。

ピョン・サンウク(演:イ・ジヌク)

日本語吹替:遠藤大智
グリーンホームの住民。口数の少ないヤクザ。

グリーンホームの住人

111_Raggamuffinj4
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