魔女の旅々(小説・漫画・アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『魔女の旅々』とは2016年からGAノベルより発刊されている白石定規の小説、およびそれを原作とした2020年のアニメ作品である。主人公イレイナは、魔女ニケが世界を旅してつづった本『ニケの冒険譚』の内容に憧れ、自らも魔女となり世界をあてのない旅をすることになる。イレイナは訪れる様々な国で出会いと別れを繰り返していく。その中には明るい話もあれば、暗く悲しい話もある。イレイナは旅人として、それらを記録しながら旅を続ける物語である。

金欠になったイレイナは、薫衣(くんい)の魔女エステルの依頼を受ける。エステルの幼馴染セレナは「二丁目殺人鬼」と呼ばれ、多くの人を殺し、3年前にようやく捕まり処刑された。セレナを捕まえて、処刑で首をはねたのはエステル自身であった。セレナが殺人鬼になったのは両親を強盗に殺されて、叔父に引き取られたもののそこで虐待を受けたことが原因であった。エステルの目的は魔法の力で10年前に戻り、強盗が両親を殺すのを防ぐことであった。過去に戻ったときにエステルの魔力は尽きてしまうので、イレイナへの依頼内容はそのあとをサポートすることであった。依頼を引き受けたイレイナはエステルとともにセレナの両親が殺される直前にさかのぼった。しかし、そこで判明した事実は、実際にはセレナは両親から虐待を受けており、その腹いせにセレナ自身が両親を殺したということであった。真実を知ったエステルは怒りでセレナを殺そうとするが、イレイナは二度も親友を殺そうとすることを防ごうとする。しかし、エステルは自身のセレナに関する記憶を代償に魔法でセレナの首をはねてしまう。現代に戻ったエステルはセレナの記憶を失っていた。その様子を見たイレイナは報酬も受け取らずに走り去った。

二人の師匠/二人の弟子

イレイナとサヤの師匠である、フランとシーラは、魔女ヴィクトリカの弟子であった。二人はとても仲が悪かったが、ヴィクトリカの指示で自由の街クノーツで暴れる強盗団「骨董堂(こっとうどう)」を退治することになる。協力しようとはしなかったが、どちらも各々で捕まったふりをしてアジトに潜入した。最終的に協力して骨董堂を壊滅させた。その後もヴィクトリカのもとフランとシーラは旅を続け、2人は魔女になることができた。現代では、イレイナが『ニケの冒険譚』に出てくる自由の街クノーツに訪れていた。そこで、本にも出てくる骨董堂が復活していることを知った。一方でサヤはシーラに頼まれて、決して開けてはいけない小箱を届けるためにクノーツに訪れていた。そして、骨董堂、改めアンティーク堂の不思議な道具のせいで、イレイナとサヤは体が入れ替わってしまう。体が入れ替わったイレイナは小箱を開けてしまい、その影響で街は大混乱に陥ってしまう。イレイナとサヤは協力してアンティーク堂のボスを捕まえる。さらにそこにフランとシーラが駆けつけて、アンティーク堂のほかのメンバーを捕らえる。そのやり取りの中で、イレイナは『ニケの冒険譚』のニケが自分の母親であると気づいたが、自分の自由な旅が終わるような気がして、気づかないふりをした。

ありとあらゆるありふれた灰の魔女の物語

「あなたの願いを叶える国」に訪れたイレイナは、そこで自分とは別の旅をしてきた15人のイレイナと出会う。「知的なイレイナ」や「いやらしいイレイナ」、「心に深い闇を抱えたイレイナ」など性格はそれぞれ異なっていた。そこに、「粗暴なイレイナ」がほかのイレイナを始末するために襲い掛かってくる。粗暴なイレイナは他の自身がのうのうと旅をしたことや、何もできなかった自身に怒っていた。イレイナと粗暴なイレイナは魔力を使い果たしたが決着がつかなかった。そのあとに、ほかの旅の可能性を知るために自分に会うことが自分の願いであったと気づく。再び、集まったイレイナたちはお互いが旅の途中でつけてきた日記を回し読みする。その中で、『ニケの冒険譚』のようにいつかこの日記を出版することを決める。話し合った結果、本のタイトルは『魔女の旅々』にすることが決まった。

『魔女の旅々』の登場人物・キャラクター

主要な登場人物

イレイナ

CV:本渡楓
本作の主人公。出身は平和国ロベッタ。幼いころに読んだ『ニケの冒険譚』の影響で、魔女として世界を旅することを夢見て努力を重ねて、国史上最年少の15歳で魔女になる。旅人として世界各地を巡っている。見た目は美少女であり、本人もそれを自負している。ただし、胸が控えめであることを指摘されると不機嫌になる。性格は冷静沈着でシビアである。また、好奇心旺盛でもあり、旅で様々な体験を積極的にしようとしている。魔法は特に得意なものがないというほど、多くの魔法に精通している。師匠はフラン。魔女名(二つ名)は「灰の魔女」。

サヤ

CV:黒沢ともよ
イレイナが「魔法使いの国」で出会った少女。出身は東の国。東の国から魔法使いの国に魔女見習いになるために、妹と共にやってきたが、先に妹は魔女見習いになってしまう。一人で寂しくしていたところ、イレイナと出会う。イレイナと一緒にいるために、イレイナのブローチを隠すが、発覚してしまう。その時にイレイナから自分の代わりにと、おそろいの三角帽子をもらう。イレイナが去った後に、魔女見習いになり、さらにその後に魔女となり魔法統括協会の所属となる。その後、度々イレイナと旅先で出会うことになる。イレイナのことが大好きである。師匠はシーラ。魔女名(二つ名)は「炭(すみ)の魔女」。シーラに頼んで、イレイナの「灰の魔女」に近いものにしてもらった。

フラン

CV:花澤香菜
イレイナの師匠。王立セレステリアの魔法学校で先生をしている。師匠はイレイナの母であるヴィクトリカ。シーラは妹弟子にあたる。魔女になったのは、国に魔女が1人もいないため、魔女になることができれば生活していけると考えたためである。魔女名(二つ名)は「星屑の魔女」。

シーラ

CV:日笠陽子
サヤの師匠。魔法統括協会の所属の魔女。師匠はイレイナの母であるヴィクトリカ。フランは姉弟子にあたる。魔女になったのは、魔法で盗みを働いていたところ、ヴィクトリカにつかまったことがきっかけである。魔女名(二つ名)は「世闇の魔女」。

ヴィクトリカ

CV:伊藤静
イレイナの母。その正体は魔女であり、イレイナの愛読書であった『ニケの冒険譚』の著者であり、その主人公ニケのモデルでもある。イレイナにはそのことを知らせていなかった。フランとシーラの師匠でもある。

『魔女見習いイレイナ』の登場人物

イレイナの父

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